JPH0355909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は侵入者を検知しようとする警戒範囲の
両側に赤外線ビームの投光器とそのビームの受光
器とを相対向するように設置して、侵入者がこの
ビームを遮断すると警報が送出されるように構成
した対向式赤外線侵入者検知装置に関する。

このような装置において、雨天または霧の発生
時等でも確実な動作を行わせるために、受光器の
感度を増大すると雑音電圧あるいは外乱光等によ
つて誤動作を生じ易くなる。従つて受光器に入射
する赤外線ビームを強くしなければならないが、
投光器の消費電力には限度があるから、投受光器
間の光軸合せを正確に行つてビームを有効に利用
する必要がある。この場合、受光器はその光電素
子の受光面が比較的大きいために、広い角度範囲
に亘つて高感度を有するから光軸が正確に投光器
の位置を通るように調整する必要がない。しかし
投光器は投射ビームの拡散角が一般に極めて小さ
いために、その光軸が正確に受光器の位置を通る
ように取付角の調整を行わなければならない。か
つ赤外線ビームを直視することはできないから、
従来は２人の作業員を投光器側と受光器側とに配
置して、投光器の光軸を調整すると同時に受光器
側でその光電出力を読み取つて投光器側に連絡す
ることにより、出力が最大となる位置に固定する
操作を必要として、作業が容易でない欠点があつ
た。従つて本考案は２人の作業員を必要とするこ
となく、１人で容易、正確、迅速に投光器の光軸
調整を行い得る装置を提供するものである。

本考案は投光器および受光器を同一の直流電源
に接続すると共に受光器の出力を周波数信号に変
換してその電源線に加え、投光器の設置部分にお
いて上記電源線から得られる周波数信号を観測す
ることにより投光器の光軸調整を行つて、これが
正確に受光器の位置を通るように設定するもので
ある。すなわち電源線を周波数変調波の信号線と
して利用することにより、投光器側において受光
器の出力、従つて受光器に対する投光器の光軸の
位置を判断することができる。従つてその光軸が
正確に受光器の位置を通つて、受光器から最大の
出力が得られるように、投光器の光軸調整を１人
の作業員だけで正確、容易、迅速に行い得る作用
効果がある。

第１図は本考案実施例の構成を示した図で、投
光部１および受光部２は侵入者を警戒しようとす
る範囲を挟んでその両側に配置され、適宜の個所
に設けた直流電源３から共通の電源線４により電
力の供給を受ける。なおこの場合、必要に応じて
は電源線４と投光部１または受光部２の間にチヨ
ークのようなフイルタ５または６を介挿して交流
分を除去する。投光部１には第２図に一例を示し
たように放物面反射鏡７の焦点位置に発光ダイオ
ードのような赤外線の点光源８を配置した投光器
９と、この投光器に一定の同期のパルス電力を加
えるパルス発生器１０、および電源線４から得ら
れる交流成分の受信機１１、その出力の周波数弁
別器１２、周波数表示器１３等を設けてある。ま
た受光部２には第３図のように放物面反射鏡１４
とその焦点位置に配置したフオトトランジスタそ
の他適宜の光電素子１５とからなる受光器１６を
設けると共にこの受光器の出力から前記パルス発
生器１０と同一の周波数成分を抽出するフイルタ
１７、その出力の増幅器１８ａおよびこの増幅器
の出力が所定のレベル以下に低下したとき信号を
送出するレベル検出器１９を設けて、この検出器
の出力を任意の監視所に設置した警報器２０に加
えるようにしてある。更に上記受光部２には増幅
器１８の出力を加えられる周波数信号発生器２１
およびその出力の送信機２２を設けて、送信機２
２の出力を前記電源線４に加えてある。

このような装置において、投光器９はその光源
８の大きさが小さいために第４図のように配光曲
線ｐの拡散角αが光軸ｏを中心とする充分小さい
角度となる。しかし受光器１６は光電素子１５の
受光面が比較的大きいために第５図のように感度
曲線ｑの拡散角βが比較的大きい角度をなし、そ
の光軸ｏを目測で投光器９の方向に向けることに
よつても比較的容易に設定を行うことができる。
これに対して投光器９は光の拡散角αが小さいた
めに目測による設定は困難であると共に角αを大
きくすると電力の損失が大きい。このような投光
器９をほぼ受光器１６の方向に向けて点灯し、そ
の光軸ｏの方向を種々に変化させると、投射光線
が受光器１６に入射したときこの受光器から出力
が送出される。その出力をパルス発生器１０のパ
ルス周波数と同一周波数を通過域とするフイルタ
１７に加えると外光による直流分その他の雑音成
分が除去されて、投光器９の投射光にもとづく出
力のみが抽出される。この出力を増幅器１８で増
大して周波数信号発生器２１に加えることによ
り、上記出力の大きさに対応した周波数の信号を
形成し、送信機２２を介してこの信号を電源線４
に加える。従つて投光器９から受光器１６に入射
する光の量に対応した周波数の信号が電源線４を
伝ぱんして投光部１における受信機１１に加え
る。この受信機１１は上記信号を増幅して周波数
弁別器１２に加えるから、その弁別器から信号の
周波数に対応した大きさの例えば電圧が送出され
て指示電圧計等からなる表示器１３に加わる。す
なわち表示器１３の指針は投光器９から受光器１
６に入射する光の強度に対応した振れを示すか
ら、投光器９の光軸を種々に移動させて、振れが
最大となる位置に固定することによつて第４図の
光軸ｏが受光器１６を通るように投光器９を設定
することができる。この設定を行つたのち投光部
１における受信機１１、周波数弁別器１２、と表
示器１３および受光部２の周波数信号発生器２１
および送信機２２等を電源から切離して設定操作
を完了し、正常な警戒状態に入る。すなわち上述
の設定によつて、投光器９から受光器１６には常
に充分強力な赤外線パルス光が入射しているが、
侵入者によつてその赤外線ビームが遮断される
と、増幅器１８の出力が消滅してレベル検出器１
９から信号が送出される。この信号で警報器２０
が動作して侵入者があつたことを知らせる。

以上実施例について説明したように本考案の装
置は受光部に作業員を配置して、受光量の変化を
検出する等の必要がなく、投光部においてこれを
容易に知ることができる。従つて唯１人の作業員
によつて投光器の光軸調整を容易迅速で、しかも
正確に行い得ると共に電源線を利用して信号の伝
送を行うから、装置を簡単で安価に構成すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の構成図、第２図は投光
器の縦断面略図、第３図は受光器の縦断面略図、
第４図は投光器の配光曲線図、第５図は受光器の
感度曲線である。なお図において、４は電源線、
７，１４は放物面反射鏡、８は光源、１５は光電
素子である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 警戒範囲を挟んで相対向するように設置される
   赤外線ビームの投光器およびそのビームの受光器
   と、上記受光器の出力が消滅したときこれを検出
   して警報を発する警報器と、上記投光器および受
   光器等を直流電源に接続する共通の電源線とより
   なり、かつ前記受光器の出力の大きさに対応した
   周波数の信号を上記電源線に加える送信器と、前
   記投光器の設置箇所において電源線から上記信号
   を抽出してその周波数を弁別する周波数弁別器お
   よびこの周波数弁別器の出力信号により前記投光
   器の設置方位を示すところの表示器とを具備した
   対向式赤外線侵入者検知装置。