JPH0354937Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は軸筒又はキヤツプに***条を形成する
と共にクリツプの基端取付部に上記***条に嵌合
する孔を形成し、両者を嵌合させることによりク
リツプを軸筒又はキヤツプに対して固定する構造
とした筆記具のクリツプ装置の改良に関する。

従来の斯る構造のクリツプ装置には、嵌合時に
於ける圧入のための変形、接着剤使用の場合の煩
雑さ、固定強度の不足等の欠点があつた。

そこで本出願人はこれらの欠点を解消するため
に実公昭58−15196号公報に示されたように、軸
筒またはキヤツプの側壁に浅い凹部を設けて、断
面がＴ字形をなした軸方向の***条を上記凹部に
形成すると共にクリツプの基端に断面がＴ字形を
なしてそのＴ字形の脚端が該クリツプの内面に開
口した軸方向の孔を形成し、上記クリツプの孔に
前記***条を嵌合して前記凹部の底面にクリツプ
の内面を密着させ、かつ該クリツプの内面におけ
る段部を上記凹部における軸方向の端部に形成さ
れた縁に係合した筆記具のクリツプ装置を先に提
案した。これは特にクリツプの軸方向のがたつき
防止に顕著な効果を有していた。しかし、このク
リツプ装置を、軸筒又はキヤツプの回転操作によ
つて筆記部を出没させる方式の筆記具にそのまま
採用すると問題が生じる。即ち回転操作する場合
にクリツプに円周方向のトルクがかけられること
がありクリツプ取付部に円周方向のがたつきが生
じる虞があるからである。特にクリツプ取付部の
製作を容易化するためにクリツプ取付部に設ける
孔の後端を開口したものはその開口が拡開しやす
いので特にクリツプ取付部の後端部においてがた
つきやすい問題があつた。

このようなクリツプの円周方向のがたつきを防
止するために、軸筒又はキヤツプに膨出突起又は
立起板を設けてそれらの両側縁にクリツプ取付部
に設けた〓形状の折曲縁を係止させる構造のクリ
ツプ取付装置が実公昭58−6720号公報や実公昭57
−38313号公報によつて公知となつているが、こ
れらのクリツプ装置はクリツプの取付部の反対側
のクリツプ先端部に円周方向の外圧が加わつた場
合にクリツプの基端取付部の前記折曲縁が軸筒又
はキヤツプの膨出突起又は立起板の側縁から外れ
る虞があつた。特に樹脂製とした場合は変形しや
すいのでその虞が大きかつた。

本考案はクリツプの取付部に回転操作によるト
ルクが加わつた場合に円周方向のがたつきを生ず
ることがなく、且つクリツプの先端部に円周方向
の力が加わつた場合にたとえクリツプが変形しや
すい樹脂製であつても軸筒又はキヤツプからクリ
ツプの取付部が外れる虞の少ないクリツプ装置の
提供を目的とする。

上記目的を達成するために、本考案における筆
記具のクリツプ装置は、軸筒又はキヤツプの側壁
に断面がＴ字形を呈する軸方向の***条３を形成
すると共に、クリツプ１の基端取付部に断面がＴ
字形を呈して後端が開口すると共にそのＴ字形の
脚端も該クリツプの内面に開口して上記***条３
を嵌合させる軸方向の孔１０を形成し、上記クリ
ツプの断面がＴ字形の孔１０における両側の横孔
部の後部底面に外側端が内側端に比べ下降した傾
斜状のアンダーカツト形成面１３，１３′を設け
ると共に、上記軸筒又はキヤツプの***条３のＴ
字形断面部５における後部の両側腕部の下面に外
側端が内側端に比べ下降した傾斜状を呈して上記
クリツプのアンダーカツト形成面１３，１３′と
当接するアンダーカツト形成面８，８′を設けた
ものである。

図は本考案の実施例を示すもので、以下図面を
参照しながら説明する。

第１図はクリツプ１を取り付けた状態の軸筒２
の正面図、第２図はクリツプ１を嵌着する前の軸
筒後端部の部分正面図、又第３図は第２図の前方
方向からの側面図で、軸筒２は角形を呈しその平
坦な一側壁面上に軸方向の***条３が突設されて
いる。***条３は後端の四角形の断面を有する壁
面４を除き断面がＴ字形を呈し、そのＴ字形断面
部５の上面は軸方向の中央線から両側縁に向つて
傾斜したテーパ面６，６′を呈し、又Ｔ字形断面
部５における後端のＴ字形の両側腕部の下面には
突起部７，７′が形成され、この突起部７，７′の
下面が内側端に比べ外側端が下降した傾斜状のア
ンダーカツト形成面８，８′となつている。***
条３の後端の壁面４は後方からＴ字形断面部５が
見えないよう隠蔽するためのもので、又Ｔ字形断
面部５の上面のテーパ面６，６′はアンダーカツ
ト形成面８，８′を成形しやすいように設けられ
たものである。又***条３の前方のやや離れた軸
筒の側壁面上には後面を垂直面とした軸方向の抜
け止め用突起９が設けられている。第４図はクリ
ツプ１基端取付部の中央縦断面図、又第５図はク
リツプ１の後端方向からの側面図で、クリツプ基
端取付部には断面がＴ字形をなしそのＴ字形の脚
端がクリツプの内面側に開口した軸方向の孔１０
が設けられている。このＴ字形の孔１０の後方に
はクリツプの後端面に開口し上記***条３の後端
の壁面４が嵌入する四角形断面孔１１が連通して
いる。Ｔ字形の孔１０に於ける両側の横孔部の前
端部底面には突起１２，１２′が設けられ、この
前端部の突起１２，１２′を除く横孔部の後部底
面には外側端が内側端に比べ下降した傾斜状のア
ンダーカツト形成面１３，１３′が設けられてい
る。又Ｔ字形の孔１０の天面は軸方向の中心線か
ら両側端がやや下降したテーパ面１４，１４′を
呈しこれはクリツプ１と***条３を嵌合した場合
にアンダーカツトが開かないようにする押えの役
割を果たす。第６図乃至第８図は***条３にクリ
ツプ１が嵌着した状態を示すもので、第６図は後
方からの側面図、第７図は第８図のＡ−Ａ線位置
に於ける一部縦断面図、第８図は第７図Ｂ−Ｂ線
に於ける横断面図である。クリツプ１はその基端
取付部の後端を先にして軸筒２の先端側から***
条３に嵌合され、クリツプ１の断面がＴ字形の孔
１０は***条３のＴ字形断面部５と、又四角形断
面孔１１は壁面４と嵌合する。そして***条３の
Ｔ字形断面部５に於ける後部の両側腕部の下面の
突起部７，７′に設けたアンダーカツト形成面８，
８′と、クリツプ１の孔１０の両側の横孔部の後
部底面に設けたアンダーカツト形成面１３，１
３′とが当接することによりアンダーカツト１６
を構成している。尚、クリツプ１と***条３の嵌
着時にはクリツプ１の基端取付部の内面部前端角
部１５と軸筒２の突起９が多少弾性変形すること
により係止した状態となり軸方向の移動が阻止さ
れる。

本考案は叙上の如く構成され、軸筒又はキヤツ
プに設けた***条とクリツプ基端取付部に設けた
孔とに夫々互いに当接するアンダーカツト形成面
を形成したことによりクリツプ基端取付部に設け
た孔の後端が開口していてもクリツプ基端取付部
の円周方向のがたつきを防止することができると
共にたとえクリツプが樹脂製で変形しやすくとも
アンダーカツト形成面どうしの係合によつて***
条からクリツプ取付部が外れるという事故も防止
することができる。また本考案のクリツプ装置は
クリツプ取付部に設けた孔の後端が開口している
ので製作が容易であるという利点も有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図はク
リツプを取り付けた状態の軸筒の正面図、第２図
はクリツプを嵌着する前の***条形成部の軸筒の
部分正面図、第３図は第２図に於て前方方向から
見た側面図、第４図はクリツプ基端部の縦断面
図、第５図は第４図に於て後方から見た側面図、
第６図乃至第８図は***条にクリツプを嵌着した
状態を示すもので、第６図は後方から見た側面
図、第７図は第８図Ａ−Ａ線の位置に於ける縦断
面図、第８図は第７図Ｂ−Ｂ線に於ける横断面図
である。 １……クリツプ、２……軸筒、３……***条、
４……壁面、５……Ｔ字形断面部、６，６′……
テーパ面、７，７′……突起部、８，８′……アン
ダーカツト形成面、９……突起、１０……孔、１
１……四角形断面孔、１２，１２′……突起、１
３，１３′……アンダーカツト形成面、１４，１
４′……テーパ面、１５……角部、１６……アン
ダーカツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸筒２又はキヤツプの側壁に断面がＴ字形を呈
   する軸方向の***条３を形成すると共に、クリツ
   プ１の基端取付部に断面がＴ字形を呈して後端が
   開口すると共にそのＴ字形の脚端も該クリツプの
   内面に開口して上記***条３を嵌合させる軸方向
   の孔１０を形成し、上記クリツプの断面がＴ字形
   の孔１０における両側の横孔部の後部底面に外側
   端が内側端に比べ下降した傾斜状のアンダーカツ
   ト形成面１３，１３′を設けると共に、上記軸筒
   又はキヤツプの***条３のＴ字形断面部５におけ
   る後部の両側腕部の下面に外側端が内側端に比べ
   下降した傾斜状を呈して上記クリツプのアンダー
   カツト形成面１３，１３′と当接するアンダーカ
   ツト形成面８，８′を設けたことを特徴とする筆
   記具のクリツプ装置。