JPH0352260Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は作業時にはリーダを鉛直状に、輸送時
にはリーダを折曲げる機構の杭打機のリーダ折曲
げ兼前ジヤツキ装置に関するものである。

〔従来の技術〕

土木の基礎工事に用いる杭打機は、第１図、第
２図に示す如く、杭打機１は、リーダ２、上部施
回体３、リーダ支持枠４、ステーシリンダ５、ア
ウトリガシリンダ６、フロントアタツチメント７
等を備えており、前記リーダ２を上部リーダ２ａ
と下部リーダ２ｂとに分割し、両リーダ２ａ，２
ｂをヒンジ状に連結して、ピン８を中心として折
曲げ可能に構成し、作業現場の移動を容易にする
ための作業時には、第１図に示す如く、杭打機１
のリーダ２を鉛直状に、輸送時には、第２図に示
す如く、リーダ２を折曲げて、機体の高さと長さ
を輸送制限内におさえるように構成している。

上部リーダ２ａと下部リーダ２ｂとの折曲げ装
置９は、第３図に示す如く、上部リーダ２ａ内に
配設した油圧シリンダ１０のボトムエンドをピン
１１にて上部リーダ２ａに回動可能に軸止すると
とともに、油圧シリンダ１０のロツドエンド１０
ａを下部リーダ２ｂの上端に設けたブラケツト１
２にピン１３にて回動可能に軸止している。

そして、リーダ２を格納して輸送姿勢にする場
合は、上部リーダ２ａと下部リーダ２ｂの締付ボ
ルト（図示せず）を取外して、リーダ２が略水平
状になるまでステーシリンダ５を縮小させた後、
油圧シリンダ１０を伸長して、下部リーダ２ｂを
略鉛直状に折曲し、下部リーダ２ｂとリーダ支持
枠４をリンク１４で連結し、アウトリガシリンダ
６を収縮して輸送姿勢は完了する。

この状態から作業姿勢にする場合は、上記と逆
の手順で行い、作業時には、さらにステーシリン
ダ５と油圧シリンダ１５を伸縮しながら杭芯を合
わせ、前ジヤツキ１６とアウトリガシリンダ６と
を伸長してリーダ２の支持と杭打機１の安定を計
つていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、輸送姿勢と作業姿勢の切り替え時に
下部リーダ２ｂを折曲げる油圧シリンダ１０の他
に、作業時、特にオーガ引抜き時の反力を受ける
ために別途に前ジヤツキ１６を設けている。即
ち、リーダ折曲げ用と前ジヤツキ用の２本の油圧
シリンダとその操作回路をそれぞれ設けなければ
ならないため、構造が複雑で高価なものであり改
善が必要であつた。

本考案は上記に鑑みなされたものであつて、１
本の油圧シリンダでリーダの折曲げ引き戻しと作
業時の前ジヤツキを兼用する装置を提供するもの
である。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記目的達成のため、上部リーダと下
部リーダとに折り曲げ可能なリーダを、略鉛直状
となす作業姿勢と、上部リーダを略水平状にし下
部リーダを略鉛直状となす輸送姿勢とに起伏折曲
可能に配設した杭打機において、前記上部リーダ
の下端にブラケツトを設け、前記下部リーダの下
端から出没する内筒を、上部リーダに摺動自在に
嵌入するとともに、該内筒にブラケツトを設け、
前記下部リーダ内に配設した油圧シリンダの両エ
ンドを、前記両ブラケツトにピンにて回動可能に
軸止し、前記油圧シリンダの収縮位置で下部リー
ダと内筒とを係止ピンにて係止するためのピン孔
を、下部リーダと内筒とに穿設したことを特徴と
するものである。

〔作用〕

したがつて、リーダを格納して輸送姿勢にする
場合は、油圧シリンダを収縮して、下部リーダ内
に内筒を嵌入し、係止ピンにて下部リーダに内筒
を係止し、上部リーダと下部リーダの締付ボルト
を取外して、リーダが略水平状になるまでステー
シリンダを縮小させた後、油圧シリンダを伸長し
て、下部リーダを略鉛直状に折曲する。

この状態から作業姿勢にする場合は、油圧シリ
ンダを収縮して、下部リーダを略水平状になるま
で回動させ、リーダが略鉛直状になるまでステー
シリンダを伸長させた後、上部リーダと下部リー
ダとを締付ボルトで締結し、下部リーダに内筒を
係止している係止ピンを抜いて、油圧シリンダを
伸長して、下部リーダ内から内筒を進出させ、内
筒を接地させる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第４図および第５図
に基づいて説明する。尚、第１図乃至第３図と同
一の部材は同一の符号を付して説明する。

リーダ折曲げ兼前ジヤツキ装置２０は、上部リ
ーダ２ａにピン８を中心として折曲げ可能に設け
られた下部リーダ２ｂ内に配設された油圧シリン
ダ２１と、下部リーダ２ｂに摺動自在に嵌入して
下部リーダ２ｂの下端から出没する内筒２２とを
備えている。前記油圧シリンダ２１は、そのロツ
ドエンド２１ａを上部リーダ２ａの下端に固設し
たブラケツト２３に設けたピン孔２３ａにピン２
４にて軸止するとともに、ボトムエンド２１ｂを
内筒２２の上端に設けたブラケツト２５に穿設し
たピン孔２５ａにピン２６にて軸止している。

下部リーダ２ｂと内筒２２には、前記油圧シリ
ンダ２１の収縮位置で下部リーダ２ｂと内筒２２
とを係止ピン２９，２９にて係止するためのピン
孔２７，２８がそれぞれ穿設されている。尚、３
０は上部リーダ２ａと下部リーダ２ｂとを一体的
に固定する締付ボルトである。

したがつて、リーダ２を格納して輸送姿勢にす
る場合は、油圧シリンダ２１を収縮して、下部リ
ーダ２ｂ内に内筒２２を嵌入し、係止ピン２９に
て下部リーダ２ｂに内筒２２を係止する。そし
て、上部リーダ２ａと下部リーダ２ｂの締付ボル
ト３０を取外して、リーダ２が略水平状になるま
でステーシリンダ５を縮小させた後、油圧シリン
ダ２１を伸長して、上部リーダ２ｂを略鉛直状に
折曲し、第２図の如くリンク１４でリーダ支持枠
４に固定し、アウトリガシリンダ６を縮小して輸
送姿勢が完了する。

この状態から作業姿勢にする場合は、油圧シリ
ンダ２１を収縮して、下部リーダ２ｂを略水平状
になるまで回動させ、リーダ２が略鉛直状になる
までステーシリンダ５を伸長させた後、上部リー
ダ２ａと下部リーダ２ｂとを締付ボルト３０で締
結する。

そして、杭打作業では、下部リーダ２ｂに内筒
２２を係止している係止ピン２９，２９を抜い
て、油圧シリンダ２１を伸長して、下部リーダ内
から内筒を進出させ、内筒を接地させてリーダ２
を支持するジヤツキとして使用する。

〔考案の効果〕

本考案は以上の如く、上部リーダと下部リーダ
とに折り曲げ可能なリーダを、略鉛直状となす作
業姿勢と、上部リーダを略水平状にして下部リー
ダを略鉛直状となす輸送姿勢とに起伏折曲可能に
配設した杭打機において、上部リーダ下端のブラ
ケツトと、下部リーダの下端から出没するように
備えた内筒のブラケツトに、下部リーダ内に配設
した油圧シリンダの両エンドをピンにて回動可能
に軸止し、油圧シリンダの収縮位置で下部リーダ
と内筒とを係止ピンにて係止するためのピン孔
を、下部リーダと内筒とに穿設したことから、１
本の油圧シリンダで、リーダの折曲げ、引戻しを
行なうことができるとともに作業時の前ジヤツキ
として兼用することができ、前ジヤツキへの切換
えは係止ピンを外すことにより簡単に行うことが
できる。しかも、油圧シリンダが１本のためその
操作回路が１つとなり構造が簡単となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の杭打機を示す作業姿勢図、第２
図は同じく輸送姿勢図、第３図は同じくリーダ折
曲げ装置によるリーダの折曲げ状態を示す説明
図、第４図及び第５図は本考案に係る杭打機のリ
ーダ折曲げ兼前ジヤツキ装置の一実施例を示すも
ので、第４図のは作業姿勢時の断面正面図、第
４図のは同じく断面側面図、第５図はリーダの
折曲げ状態を示す説明図である。 １……杭打機、２……リーダ、２ａ……上部リ
ーダ、２ｂ……下部リーダ、２０……リーダ折曲
げ兼前ジヤツキ装置、２１……油圧シリンダ、２
２……内筒、２３，２５……ブラケツト、２４，
２６……ピン、２７，２８……ピン孔、２９……
係止ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部リーダと下部リーダとに折り曲げ可能なリ
   ーダを、略鉛直状となす作業姿勢と、上部リーダ
   を略水平状にし下部リーダを略鉛直状となす輸送
   姿勢とに起伏折曲可能に配設した杭打機におい
   て、前記上部リーダの下端にブラケツトを設け、
   前記下部リーダの下端から出没する内筒を、下部
   リーダに摺動自在に嵌入するとともに、該内筒に
   ブラケツトを設け、前記下部リーダ内に配設した
   油圧シリンダの両エンドを、前記両ブラケツトに
   ピンにて回動可能に軸止し、前記油圧シリンダの
   収縮位置で下部リーダと内筒とを係止ピンにて係
   止するためのピン孔を、下部リーダと内筒とに穿
   設したことを特徴とする杭打機のリーダ折曲げ兼
   前ジヤツキ装置。