JPH035138Y2

JPH035138Y2 -

Info

Publication number: JPH035138Y2
Application number: JP1984090389U
Authority: JP
Priority date: 1984-06-18
Filing date: 1984-06-18
Publication date: 1991-02-08
Also published as: JPS615228U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、各種作業車両例えば塵芥集収車にお
いて、車両のエンジンから作業用の動力例えば塵
芥積込コイベヤの駆動動力を取出す装置に関する
ものである。

従来各種の作業車両において、エンジンに連結
されたトランスミツシヨンから作業用動力を取出
すようにした所謂トランスミツシヨンPTO装置
が広く採用されているが、動力をトランスミツシ
ヨンから取出すため、クラツチ操作が面倒で、走
行と停止中の作業とを頻繁に繰返す塵芥集収車等
においては作業性が劣る不具合があつた。そこ
で、クラツチの前方即ちエンジンのフライホイー
ル側から作業用動力を取出すことによつて、作業
性を改善するようにした所謂フライホイール
PTO装置が要望されている。そして、従来のフ
ライホイールPTO装置は、フライホイール駆動
軸即ち通常はクランクシヤフト上に主動歯車を設
け、動力取出軸上に装着された出力歯車と上記主
動歯車との間に１個以上の中間歯車を介在させ
て、所要の作業用動力を取出すように構成されて
いる。しかしながら、このような歯車列を利用し
た従来の動力取出装置では、（ア）歯車自体が高
価であり、かつ重量が大きい（イ）各歯車の中心
位置を僅かな誤差範囲内に収めなければならない
ので、各歯車軸の配置に高精度が要求される
（ウ）歯車列の円滑な伝動のためにはオイルによ
る潤滑が不可欠であり、オイルの給排構造が面倒
である（エ）オイルによる潤滑を行なうので、当
然ハウジングの合せ面には高度のシール性が要求
される（オ）歯車の噛合音が大きく騒音を発生し
易い、等数多の問題があつた。

本考案は、上記従来のフライホイール動力取出
装置の欠点を改善するために創案されたもので、
エンジンのクランクシヤフトとフライホイールと
の間に介装された主動プーリと、動力取出軸上に
装着された従動プーリと、上記主動プーリ及び従
動プーリ間に懸装されたベルトと、上記主動プー
リ、、従動プーリ及びベルトを収容するベルトハ
ウジングと、上記ベルトハウジングとクラツチハ
ウジングとの間に介装され同ベルトハウジングと
クラツチハウジングとを仕切る隔壁と、同隔壁の
中央部分に形成され上記フライホイールが小間隙
を存して貫通する開口と、同開口の周縁部に対向
して上記フライホイールに設けられ断面が略直角
の段部と、同段部の底面と同底面に対向する上記
開口の内周面との間の小間隙によつて形成される
第１シール部と、上記段部の側壁面と同側壁面に
対向する上記周縁部の側面との間の小間隙によつ
て形成される第２シール部とを備えたことを特徴
とする作業車両用動力取出装置を要旨とするもの
である。

以下本考案の一実施例を添付図面について具体
的に説明する。図中符号１０はその後端部の一部
のみが示されているクランクケース（又はシリン
ダブロツク）、１２は同様に後端部だけが示され
ているシリンダヘツド、１４はクランクシヤフ
ト、１６はフライホイールであつて図示しないク
ラツチ装置と協働する。１８は上記クランクシヤ
フト１４とフライホイール１６との間にボルト２
０によつて同軸的に介装された主動プーリ、２２
はクランクケース１０の後端面に固着されたベル
トハウジング２４上にベアリング２６及び２８を
介して回転自在に支承され、その後端に動力取出
用のフランジ３０を固着した動力取出軸、３２は
上記動力取出軸２２上にキーによつて回転方向に
関し固定的に支持された従動プーリ、３４は上記
主動及び従動プーリ１８，３２間に捲装されたベ
ルトであつて、歯付ベルト又はリブベルト等が用
いられる。３６は枢支ボルト又はピン３８の周り
に回動し得るように支持されたテンシヨンプー
リ、４０は上記フライホイール１６及び図示しな
いクラツチ装置を収容するクラツチハウジング、
４２は上記ベルトハウジング２４とクラツチハウ
ジング４０との間に介装され、その中央部分にフ
ライホイール１６に設けた断面が略直角の段部４
４を小間隙を存して囲む開口４６を具えた防塵用
の隔壁である。同隔壁の開口４６及びその周縁部
と上記段部４４との間には、同段部の底面即ち円
筒面と開口の内周面との間の小間隙によつて第１
のシール部が形成され、更に上記段部４４の側壁
面即ち半径方向の面と開口周縁部の側面との間の
小間隙によつて第２のシール部が形成されてい
る。

上記構成において、エンジンの運転中、クラン
クシヤフト１４とフライホイール１６との間に介
装された主動プーリ１８が回転し、同主動プーリ
の回転はベルト３４を介して従動プーリ３２に伝
達され、動力取出軸２２及び動力取出用フランジ
３０を経て、必要に応じ適宜のクラツチ装置を介
し、最も一般的には図示しないオイルポンプに伝
達される。そして同オイルポンプの吐出油圧を受
けてオイルモータが駆動され、塵芥集収車のコン
ベヤやコンクリートミキサー車のミキサドラムが
駆動されることとなる。この構成によれば、従来
の歯車列を用いた動力取出装置に較べて(i)ベルト
それ自体が歯車より安価でありかつ軽量である(ii)
主動プーリ１８と従動プーリ３２との間の軸間距
離等に左程の精度を必要としない(iii)オイル潤滑を
必要とせず、ベアリング２６，２８部分のグリー
ス潤滑でよい(iv)オイル潤滑を行なわないので厳密
なシールを必要としない(v)歯車と較べて運転騒音
が小さく静肅である等の利点が得られる。

次に上記装置において、クラツチハウジング４
０内に収蔵されてフライホイール１６と協働する
クラツチ装置から不可避的に摩耗粉が発生する。
この摩耗粉がベルトハウジング２４内に侵入する
と、ベルト３４の損耗が著しく、同ベルトを早期
に交換しなければならなくなる不具合があるが、
前述したようにベルトハウジング２４とクラツチ
ハウジング４０との間に好ましくは薄板製の隔壁
４２が介装され、同隔壁の開口４６とフライホイ
ール１６の段部４４とが小間隙を存し対向して上
述した第１及び第２のシール部が形成されている
ので、クラツチ装置の摩耗粉がベルトハウジング
２４内に侵入しベルト３４の早期損耗を招く不都
合がなく、ベルトの耐久性を確保することができ
る。

叙上のように本考案に係る作業車両用動力取出
装置は、エンジンのクランクシヤフトとフライホ
イールとの間に介装された主動プーリと、動力取
出軸上に装着された従動プーリと、上記主動プー
リ及び従動プーリ間に懸装されたベルトと、上記
主動プーリ、従動プーリ及びベルトを収容するベ
ルトハウジングと、上記ベルトハウジングとクラ
ツチハウジングとの間に介装され同ベルトハウジ
ングとクラツチハウジングとを仕切る隔壁と、同
隔壁の中央部分に形成され上記フライホイールが
小間隙を存して貫通する開口と、同開口の周縁部
に対向して上記フライホイールに設けられ断面が
略直角の段部と、同段部の底面と同底面に対向す
る上記開口の内周面との間の小間隙によつて形成
される第１シール部と、上記段部の側壁面と同側
壁面に対向する上記周縁部の側面との間の小間隙
によつて形成される第２シール部とを備えたこと
を特徴とし、軽量かつ安価で運転騒音が小さく、
しかも耐久性を有するこの種装置を提供すること
ができるので、極めて有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体的断面
図、第２図は第１図の−線に沿う断面図であ
る。１０……クランクケース、２４……ベルトハウ
ジング、１２……シリンダヘツド、３２……従動
プーリ、１４……クランクシヤフト、３４……ベ
ルト、１６……フライホイール、４０……クラツ
チハウジング、１８……主動プーリ、４２……隔
壁。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

エンジンのクランクシヤフトとフライホイール
との間に介装された主動プーリと、動力取出軸上
に装着された従動プーリと、上記主動プーリ及び
従動プーリ間に懸装されたベルトと、上記主動プ
ーリ、従動プーリ及びベルトを収容するベルトハ
ウジングと、上記ベルトハウジングとクラツチハ
ウジングとの間に介装され同ベルトハウジングと
クラツチハウジングとを仕切る隔壁と、同隔壁の
中央部分に形成され上記フライホイールが小間〓
を存して貫通する開口と、同開口の周縁部に対向
して上記フライホイールに設けられ断面が略直角
の段部と、同段部の底面と同底面に対向する上記
開口の内周面との間の小間隙によつて形成される
第１シール部と、上記段部の側壁面と同側壁面に
対向する上記周縁部の側面との間の小間隙によつ
て形成される第２シール部とを備えたことを特徴
とする作業車両用動力取出装置。