JPH0351373B2 - - Google Patents
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- JPH0351373B2 JPH0351373B2 JP63233481A JP23348188A JPH0351373B2 JP H0351373 B2 JPH0351373 B2 JP H0351373B2 JP 63233481 A JP63233481 A JP 63233481A JP 23348188 A JP23348188 A JP 23348188A JP H0351373 B2 JPH0351373 B2 JP H0351373B2
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Classifications
-
- Y02P60/216—
Landscapes
- Hydroponics (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、農耕地および植物栽培施設における
植物生育培地の水分状態を自動的に制御する方法
に関する。ここで植物生育培地とは、例えば農耕
地土壌、施設栽培土壌、微生物培養培地、ロツク
ウール等の栽培施設・植物工場の多孔質培地など
の植物を成育させるための土壌または他の多孔質
体を言う。 従来の技術および発明が解決しようとする問題点 植物が生育できる培地は、水稲などの湿性植物
の場合を除けば、一般に気相を含んでおり、培地
中に存在する水は孔隙によつて吸引拘束され、大
気圧に対して負の圧力をもつ。この気相をもつ孔
隙の水に作用する圧力は水分ポテンシヤルと呼ば
れ、気圧やpF等の単位で数量化されている。よ
り乾いた土壌の水は、より湿つた土壌の水よりも
小さい水分ポテンシヤルをもち、水分ポテンシヤ
ルは含水率と密接な関係を有する。 農耕地や植物栽培施設では、降雨、蒸発散、重
力排水などの自然営力と、かんがい、排水施工な
どの人為的管理によつて、植物生育培地中の水は
時々刻々供給、消費され、水分状態は常に変動し
ている。この植物生育培地の水分状態、特に含水
率と水分ポテンシヤルを人為的に制御できるなら
ば、植物の湿害排除、生育制御、品質向上が容易
になり、また栽培施設のオートメーシヨン化や経
済的水利用技術の開発も可能になり、益するとこ
ろは大きい。 しかしながら、従来植物生育培地の水分制御は
その重要性が認識されながらも、潅漑水量の調節
などの間接的方法に頼つており、物理的原理に立
脚した自動制御法は研究段階にとどまり、実用の
域に至つていない。 例えば、ポーラスカツプ内の水を空気を排除し
た状態で、接続管を介して大気圧下の自由水面に
接続し、ポーラスカツプと自由水面の位置の高低
差を設けることにより、カツプ内の水に負圧(cm
H2O)をかける落差法や真空ポンプを用いる圧
力調整方法によつて水の負圧を調整し、多孔質管
を介して土壌に負圧水を供給する試みはこれまで
いくつか行われてはいる。しかしながら、これら
従来の水静止型の給水法では多孔質管外より空気
が侵入して気泡を発生するために、給水能率が低
下したり、負圧伝達が不能になるため、長時間培
地水分を一定に保つことができない。また、負圧
制御も、マイナス0.03気圧以上の範囲にとどま
り、培地に十分な気相率を確保し、植物にとつて
好適なより乾いた水分状態を創出できない。 問題点を解決するための手段 本発明の方法は、植物生育培地中に埋設した多
孔質管内の水に所定の負圧をかけ、且つ、その水
を循環させることにより、培地水の負圧(水分ポ
テンシヤル)が多孔質管内の水の負圧と等しくな
るように培地と多孔質管の間に水の毛細管移動を
生じさせ、それによつて培地の水分状態を維持す
るものである。 本発明の方法は、圧力調整システムと負圧水循
環システムから成る。第1図に全システムの1例
を模式的に示す。 圧力調整システムは、負圧水循環システム内の
水にマイナス1気圧以上の任意の大きさの負圧を
与える。負圧の大きさは、多孔質管の孔隙の平均
直径、植物生育培地について所望する水分状態等
によつて、先験データに準拠して決める。 図示の圧力調整システムは、減圧タンク1と真
空ポンプ5の結合したものであるが、所定の減圧
度を保つために、タンクには圧力計3と圧力スイ
ツチ2を設けて、設定圧より高くなると圧力スイ
ツチが入り、真空ポンプが作動するように調整す
る。4の電磁弁は真空ポンプ作動中に開き、作動
後は閉じて、外の空気がタンクへ逆流することを
防止する。減圧タンクの気相は、耐圧チユーブに
より貯水槽6上部の空気溜に接続しており、タン
ク内の気圧を循環系内の水に作用させる。 圧力調整システムの負圧の発生、保持手段は真
空ポンプを用いる。負圧を調整する方法は上記以
外に水銀マノメータを圧力センサーとして電磁弁
にリレーする方法であつてもよい。 負圧水循環システムは貯水槽6、循環ポンプ7
および多孔質管8とそれを囲む植物生育培地が配
管によつて連結して成り立つ。 循環ポンプは、システム内に発生した気泡を貯
水槽の空気溜に排除することにより、多孔質管壁
中の毛細管水への負圧の伝達を維持し、植物生育
培地との水の授受効率を高めることを目的とし
て、システム内の負圧水を循環させる。 貯水槽には目盛りを設け、供給水量が測定でき
るようにすることが好ましい。 多孔質管は水の毛細管移動が生起しう素材を用
いた管状体であればよく、例えば素焼管は好まし
い例である。その他合成樹脂製多孔質材料を用い
ることができる。どのような素材を用いた場合で
あつても、多孔質管は植物生育培地中にあつて容
易に腐食せず、負圧、植物生育培地の重量等に耐
えるものでなければならないことは勿論である。 負圧水を循環させる手段は、所謂循環ポンプを
用いる。 本発明の負圧水循環システムについて留意する
ことは、循環ポンプの作動により、循環系内の水
圧分布が多少変化することである。すなわち、第
2図の模式的例示においては、水循環システム内
の水圧は、減圧制御システムによつて掛けられた
吸引圧(負圧)、貯水槽内の水位と多孔質管位置
との高低差、循環ポンプの送水・吸水による圧力
差および配管内の摩擦による水圧低下の合成によ
つて決定される。 しかしながら、実用段階においては、循環手段
による水圧変化と配管内の摩擦損失は流速の2乗
に比例するので、水流速をあまり高くしないこと
により、また、減圧タンクの圧力調整によつて多
孔質管内の水圧を制御することにより、実用上支
障のない程度にシステム内の水圧を平準化でき
る。また、多孔質管を直列よりも並列に配置する
ことにより培地の水分状態を一層均一にすること
ができる。 作 用 循環水に所定の負圧を付加することによつて多
孔質管内の水にほぼ等しい大きさの負圧が伝達さ
れ、多孔質管内の水の圧力と培地の水の圧力(水
分ポテンシヤル)の間に差があると、圧力差がゼ
ロになるように、多孔質管と植物生育培地の間に
水の授受が行われ、これによつて培地の水分ポテ
ンシヤルは設定定負圧とほぼ等しく維持される。 実施例 1 トウモロコシ幼植物生育ポツトに対する水供給
能の試験 <装置の規模> 圧力調整系 小型真空ポンプ 減圧タンク(硬質塩ビ製、4
容) 圧力スイツチ(使用範囲1―40cm
Hg感度±10mmHg) 負圧水循環系 循環ポンプ(0.5/min.) 貯水槽(アクリル樹脂製、0.2
容、目盛付) 多孔質管(アルミナ質素焼管、92
% Al2O3+0.5% SiO2、平均孔
隙直径2.1μm、外径0.8mm、内径
6.7mm、長さ70mm) 根吸水系 内径75mm、高さ50mmの硬質塩ビパ
イプ容器に土壌を詰め(粗密2段
階)、中間に多孔質管を埋設して
ある。 上記のシステムによつて、無栽培、自然蒸発下
において予備試験を行つた結果、pF3.5(マイナス
3.2気圧)の乾いた土壌を、pF2.4(マイナス0.25
気圧)の土壌水分状態(畑状態水分)に至らしめ
るに3日以内を要し、pF2.4の土壌水分をpF2.0
(マイナス0.10気圧)に至らしめるに2日以内を
要した。これらは完全平衡所要時間であり、大略
平衡所要時間はいずれも1日以内であつた。 上記システムにより、土壌水ポテンシヤルを
pF2.4(マイナス0.25気圧)に制御した状態でトウ
モロコシを栽培した。最大日蒸散量3.5〜5.2mmの
活発な吸水が行われ、トウモロコシは正常に生育
した。 1日当たりの吸水量を貯水槽中の水の減少量に
より測定した。 実験期間中における土壌水分の減少量は極く小
さく、培地は、ほぼ一定の水分状態に維持される
ことが認められた。 試験結果を表1に示す。
植物生育培地の水分状態を自動的に制御する方法
に関する。ここで植物生育培地とは、例えば農耕
地土壌、施設栽培土壌、微生物培養培地、ロツク
ウール等の栽培施設・植物工場の多孔質培地など
の植物を成育させるための土壌または他の多孔質
体を言う。 従来の技術および発明が解決しようとする問題点 植物が生育できる培地は、水稲などの湿性植物
の場合を除けば、一般に気相を含んでおり、培地
中に存在する水は孔隙によつて吸引拘束され、大
気圧に対して負の圧力をもつ。この気相をもつ孔
隙の水に作用する圧力は水分ポテンシヤルと呼ば
れ、気圧やpF等の単位で数量化されている。よ
り乾いた土壌の水は、より湿つた土壌の水よりも
小さい水分ポテンシヤルをもち、水分ポテンシヤ
ルは含水率と密接な関係を有する。 農耕地や植物栽培施設では、降雨、蒸発散、重
力排水などの自然営力と、かんがい、排水施工な
どの人為的管理によつて、植物生育培地中の水は
時々刻々供給、消費され、水分状態は常に変動し
ている。この植物生育培地の水分状態、特に含水
率と水分ポテンシヤルを人為的に制御できるなら
ば、植物の湿害排除、生育制御、品質向上が容易
になり、また栽培施設のオートメーシヨン化や経
済的水利用技術の開発も可能になり、益するとこ
ろは大きい。 しかしながら、従来植物生育培地の水分制御は
その重要性が認識されながらも、潅漑水量の調節
などの間接的方法に頼つており、物理的原理に立
脚した自動制御法は研究段階にとどまり、実用の
域に至つていない。 例えば、ポーラスカツプ内の水を空気を排除し
た状態で、接続管を介して大気圧下の自由水面に
接続し、ポーラスカツプと自由水面の位置の高低
差を設けることにより、カツプ内の水に負圧(cm
H2O)をかける落差法や真空ポンプを用いる圧
力調整方法によつて水の負圧を調整し、多孔質管
を介して土壌に負圧水を供給する試みはこれまで
いくつか行われてはいる。しかしながら、これら
従来の水静止型の給水法では多孔質管外より空気
が侵入して気泡を発生するために、給水能率が低
下したり、負圧伝達が不能になるため、長時間培
地水分を一定に保つことができない。また、負圧
制御も、マイナス0.03気圧以上の範囲にとどま
り、培地に十分な気相率を確保し、植物にとつて
好適なより乾いた水分状態を創出できない。 問題点を解決するための手段 本発明の方法は、植物生育培地中に埋設した多
孔質管内の水に所定の負圧をかけ、且つ、その水
を循環させることにより、培地水の負圧(水分ポ
テンシヤル)が多孔質管内の水の負圧と等しくな
るように培地と多孔質管の間に水の毛細管移動を
生じさせ、それによつて培地の水分状態を維持す
るものである。 本発明の方法は、圧力調整システムと負圧水循
環システムから成る。第1図に全システムの1例
を模式的に示す。 圧力調整システムは、負圧水循環システム内の
水にマイナス1気圧以上の任意の大きさの負圧を
与える。負圧の大きさは、多孔質管の孔隙の平均
直径、植物生育培地について所望する水分状態等
によつて、先験データに準拠して決める。 図示の圧力調整システムは、減圧タンク1と真
空ポンプ5の結合したものであるが、所定の減圧
度を保つために、タンクには圧力計3と圧力スイ
ツチ2を設けて、設定圧より高くなると圧力スイ
ツチが入り、真空ポンプが作動するように調整す
る。4の電磁弁は真空ポンプ作動中に開き、作動
後は閉じて、外の空気がタンクへ逆流することを
防止する。減圧タンクの気相は、耐圧チユーブに
より貯水槽6上部の空気溜に接続しており、タン
ク内の気圧を循環系内の水に作用させる。 圧力調整システムの負圧の発生、保持手段は真
空ポンプを用いる。負圧を調整する方法は上記以
外に水銀マノメータを圧力センサーとして電磁弁
にリレーする方法であつてもよい。 負圧水循環システムは貯水槽6、循環ポンプ7
および多孔質管8とそれを囲む植物生育培地が配
管によつて連結して成り立つ。 循環ポンプは、システム内に発生した気泡を貯
水槽の空気溜に排除することにより、多孔質管壁
中の毛細管水への負圧の伝達を維持し、植物生育
培地との水の授受効率を高めることを目的とし
て、システム内の負圧水を循環させる。 貯水槽には目盛りを設け、供給水量が測定でき
るようにすることが好ましい。 多孔質管は水の毛細管移動が生起しう素材を用
いた管状体であればよく、例えば素焼管は好まし
い例である。その他合成樹脂製多孔質材料を用い
ることができる。どのような素材を用いた場合で
あつても、多孔質管は植物生育培地中にあつて容
易に腐食せず、負圧、植物生育培地の重量等に耐
えるものでなければならないことは勿論である。 負圧水を循環させる手段は、所謂循環ポンプを
用いる。 本発明の負圧水循環システムについて留意する
ことは、循環ポンプの作動により、循環系内の水
圧分布が多少変化することである。すなわち、第
2図の模式的例示においては、水循環システム内
の水圧は、減圧制御システムによつて掛けられた
吸引圧(負圧)、貯水槽内の水位と多孔質管位置
との高低差、循環ポンプの送水・吸水による圧力
差および配管内の摩擦による水圧低下の合成によ
つて決定される。 しかしながら、実用段階においては、循環手段
による水圧変化と配管内の摩擦損失は流速の2乗
に比例するので、水流速をあまり高くしないこと
により、また、減圧タンクの圧力調整によつて多
孔質管内の水圧を制御することにより、実用上支
障のない程度にシステム内の水圧を平準化でき
る。また、多孔質管を直列よりも並列に配置する
ことにより培地の水分状態を一層均一にすること
ができる。 作 用 循環水に所定の負圧を付加することによつて多
孔質管内の水にほぼ等しい大きさの負圧が伝達さ
れ、多孔質管内の水の圧力と培地の水の圧力(水
分ポテンシヤル)の間に差があると、圧力差がゼ
ロになるように、多孔質管と植物生育培地の間に
水の授受が行われ、これによつて培地の水分ポテ
ンシヤルは設定定負圧とほぼ等しく維持される。 実施例 1 トウモロコシ幼植物生育ポツトに対する水供給
能の試験 <装置の規模> 圧力調整系 小型真空ポンプ 減圧タンク(硬質塩ビ製、4
容) 圧力スイツチ(使用範囲1―40cm
Hg感度±10mmHg) 負圧水循環系 循環ポンプ(0.5/min.) 貯水槽(アクリル樹脂製、0.2
容、目盛付) 多孔質管(アルミナ質素焼管、92
% Al2O3+0.5% SiO2、平均孔
隙直径2.1μm、外径0.8mm、内径
6.7mm、長さ70mm) 根吸水系 内径75mm、高さ50mmの硬質塩ビパ
イプ容器に土壌を詰め(粗密2段
階)、中間に多孔質管を埋設して
ある。 上記のシステムによつて、無栽培、自然蒸発下
において予備試験を行つた結果、pF3.5(マイナス
3.2気圧)の乾いた土壌を、pF2.4(マイナス0.25
気圧)の土壌水分状態(畑状態水分)に至らしめ
るに3日以内を要し、pF2.4の土壌水分をpF2.0
(マイナス0.10気圧)に至らしめるに2日以内を
要した。これらは完全平衡所要時間であり、大略
平衡所要時間はいずれも1日以内であつた。 上記システムにより、土壌水ポテンシヤルを
pF2.4(マイナス0.25気圧)に制御した状態でトウ
モロコシを栽培した。最大日蒸散量3.5〜5.2mmの
活発な吸水が行われ、トウモロコシは正常に生育
した。 1日当たりの吸水量を貯水槽中の水の減少量に
より測定した。 実験期間中における土壌水分の減少量は極く小
さく、培地は、ほぼ一定の水分状態に維持される
ことが認められた。 試験結果を表1に示す。
【表】
貯水槽に適当な目盛りを設けることにより、消
費水量が精度高く読み取ることが可能で、吸水速
度の経日変化の測定も可能であつた(第3図参
照)。 実施例 2 実施例1と同じシステムにより、設定圧マイナ
ス0.1気圧(pF2.0)としたより湿つた水分条件で
の栽培試験の結果においても同様に、本発明の方
法が有効であることが認められた。結果を表2に
示す。
費水量が精度高く読み取ることが可能で、吸水速
度の経日変化の測定も可能であつた(第3図参
照)。 実施例 2 実施例1と同じシステムにより、設定圧マイナ
ス0.1気圧(pF2.0)としたより湿つた水分条件で
の栽培試験の結果においても同様に、本発明の方
法が有効であることが認められた。結果を表2に
示す。
【表】
多孔質管よりの給水量
実施例 3 大型ポツトに対する土壌水分調節試験 〈装置の規模〉 圧力調整系 実施例1に同じ 水循環系 循環ポンプ(送水量0.5/min.) 貯水槽(容量1.2) 多孔質管(アルミナ質素焼管、外
径14mm、内径10mm、土壌接触部分
の長さ100mm、ポツト内に7cm間
隔にて3本直列連結して埋設) 土壌容量 7.0 この装置において、設定圧力を−9cmHgと−
4cmHgとしたときの土壌水ポテンシヤルの経時
変化を表3に示す。
実施例 3 大型ポツトに対する土壌水分調節試験 〈装置の規模〉 圧力調整系 実施例1に同じ 水循環系 循環ポンプ(送水量0.5/min.) 貯水槽(容量1.2) 多孔質管(アルミナ質素焼管、外
径14mm、内径10mm、土壌接触部分
の長さ100mm、ポツト内に7cm間
隔にて3本直列連結して埋設) 土壌容量 7.0 この装置において、設定圧力を−9cmHgと−
4cmHgとしたときの土壌水ポテンシヤルの経時
変化を表3に示す。
【表】
多孔質管への給水開始後の目数と土壌水分ポテ
ンシヤル(テンシオメータによる測定)の関係を
みると、本実施例の条件ではほぼ3日で土壌水分
は平衡に達することが分かる。これは多孔質管の
単位表面積当たりの土壌容積が、実施例1の場合
より5倍強と多くなつても十分な供給能があるこ
とを示す。 表4には、−9cmHg圧力設定の場合の、ほぼ平
衡後におけるポツト内土壌水分の深さ別分布を示
す。この結果、本発明方法によれば、植物生育培
地の深さが変化してもほぼ均一な水分分布が得ら
れることが分かる。 表5に、水循環系において、2個のポツトを直
列或いは並列に連結してポンプから一定距離離し
て配置した場合の平衡土壌水ポテンシヤルの差異
を示した。 直列の場合、循環ポンプより遠くに連結された
ポツトにおいて、水分ポテンシヤルが小さく現
れ、既に循環系内の水圧分布の説明で示したよう
に、循環ポンプによる水圧差の発生と配管内の流
れに伴う摩擦による圧力損失の影響が現れること
を示している。 並列の場合には、ポンプからの距離の違いに拘
わらず2つのポツトの土壌水分がほぼ均一であ
る。
ンシヤル(テンシオメータによる測定)の関係を
みると、本実施例の条件ではほぼ3日で土壌水分
は平衡に達することが分かる。これは多孔質管の
単位表面積当たりの土壌容積が、実施例1の場合
より5倍強と多くなつても十分な供給能があるこ
とを示す。 表4には、−9cmHg圧力設定の場合の、ほぼ平
衡後におけるポツト内土壌水分の深さ別分布を示
す。この結果、本発明方法によれば、植物生育培
地の深さが変化してもほぼ均一な水分分布が得ら
れることが分かる。 表5に、水循環系において、2個のポツトを直
列或いは並列に連結してポンプから一定距離離し
て配置した場合の平衡土壌水ポテンシヤルの差異
を示した。 直列の場合、循環ポンプより遠くに連結された
ポツトにおいて、水分ポテンシヤルが小さく現
れ、既に循環系内の水圧分布の説明で示したよう
に、循環ポンプによる水圧差の発生と配管内の流
れに伴う摩擦による圧力損失の影響が現れること
を示している。 並列の場合には、ポンプからの距離の違いに拘
わらず2つのポツトの土壌水分がほぼ均一であ
る。
【表】
【表】
上記の実施例1、2及び3により、本発明の負
圧水循環方式が原理上妥当であり、実用上有効で
あることが実証された。 実用にあたつては、感度の高い圧力スイツチを
使用すること、水消費速度の高い培地に対して
は、多孔質管の埋設密度を高めること、および貯
水槽の断面積を目的に応じて適宜選択することに
より、幅広い水分ポテンシヤルに対して精度の高
い制御が可能になる。 効 果 水分は、新しく負圧水循環システムを設けて多
孔質管内の負圧水を循環移動させることにより、
システム内に発生した気泡を強制的に排除できる
ようにしたことによつて、植物培地水の供給・排
除の効率を一段と高め、長時間に亘り培地水分状
態を一定に維持でき、且つ、培地水の負圧制御域
を水の毛細管移動の限界値であるマイナス0.5気
圧の水分ポテンシヤルまで拡大できる。 本発明を、例えば第4図に示すように施設化す
ることにより、さらに下記の効果が得られる。 (1) 植物培地の水分状態が気象・生育条件に応じ
て自動的に調整され、且つ、培地の水分をほぼ
一定に保ちつつ、培地へ連続的に長時間給水で
きる。 (2) 同時に植物培地の排水が効率的に行われる。
すなわち、多孔質管の水に負圧を掛けることに
より、従来の工学的排水法では不可能であつた
水分状態まで排水できる。これまでの暗渠など
の排水法は、重力を利用したものであり、重力
で流出する水分しか排除できないが本法では毛
細管に保持された水も排除できる。 (3) 培地に必要十分な気相を与え、植物根を健全
に保てることにより、植物や作物収穫物の品質
向上に役立つ。 (4) 空中湿度を高めないため、また、病害菌の培
地中移動(重力水があるときのみ培地中を移動
できる病原菌が多い)を阻止できるため、病害
の発生を抑制できる。 (5) 培地中の必要部位にのみ植物の吸水にみあつ
た給水を行い、重力による水の下方移動の損失
が防げるため、最大限の節水栽培が可能であ
る。 (6) 重力水による水移動を排除できるため、農薬
肥料等の培地に添加され、または発生する物質
による地下水汚染を防止でき、また、培地の洗
浄等で生じた開放系への排出が好ましくない汚
染水を回収することも可能である。 (7) 植物培地以外に、水が消費・供給されるとこ
ろの多孔質体堆積物の水分制御ができる。
圧水循環方式が原理上妥当であり、実用上有効で
あることが実証された。 実用にあたつては、感度の高い圧力スイツチを
使用すること、水消費速度の高い培地に対して
は、多孔質管の埋設密度を高めること、および貯
水槽の断面積を目的に応じて適宜選択することに
より、幅広い水分ポテンシヤルに対して精度の高
い制御が可能になる。 効 果 水分は、新しく負圧水循環システムを設けて多
孔質管内の負圧水を循環移動させることにより、
システム内に発生した気泡を強制的に排除できる
ようにしたことによつて、植物培地水の供給・排
除の効率を一段と高め、長時間に亘り培地水分状
態を一定に維持でき、且つ、培地水の負圧制御域
を水の毛細管移動の限界値であるマイナス0.5気
圧の水分ポテンシヤルまで拡大できる。 本発明を、例えば第4図に示すように施設化す
ることにより、さらに下記の効果が得られる。 (1) 植物培地の水分状態が気象・生育条件に応じ
て自動的に調整され、且つ、培地の水分をほぼ
一定に保ちつつ、培地へ連続的に長時間給水で
きる。 (2) 同時に植物培地の排水が効率的に行われる。
すなわち、多孔質管の水に負圧を掛けることに
より、従来の工学的排水法では不可能であつた
水分状態まで排水できる。これまでの暗渠など
の排水法は、重力を利用したものであり、重力
で流出する水分しか排除できないが本法では毛
細管に保持された水も排除できる。 (3) 培地に必要十分な気相を与え、植物根を健全
に保てることにより、植物や作物収穫物の品質
向上に役立つ。 (4) 空中湿度を高めないため、また、病害菌の培
地中移動(重力水があるときのみ培地中を移動
できる病原菌が多い)を阻止できるため、病害
の発生を抑制できる。 (5) 培地中の必要部位にのみ植物の吸水にみあつ
た給水を行い、重力による水の下方移動の損失
が防げるため、最大限の節水栽培が可能であ
る。 (6) 重力水による水移動を排除できるため、農薬
肥料等の培地に添加され、または発生する物質
による地下水汚染を防止でき、また、培地の洗
浄等で生じた開放系への排出が好ましくない汚
染水を回収することも可能である。 (7) 植物培地以外に、水が消費・供給されるとこ
ろの多孔質体堆積物の水分制御ができる。
第1図は本発明のシステムの模式図、第2図は
本発明のシステムにおける水圧分布を示す図、第
3図は本発明のシステムによる吸水速度の経日変
化を示すグラフ、第4図は本発明のシステムの実
際の施設化の例の模式図。 1…減圧タンク、2…圧力スイツチ、3…圧力
計、4…電磁弁、5…真空ポンプ、6…貯水槽、
7…循環ポンプ、8…多孔質管。
本発明のシステムにおける水圧分布を示す図、第
3図は本発明のシステムによる吸水速度の経日変
化を示すグラフ、第4図は本発明のシステムの実
際の施設化の例の模式図。 1…減圧タンク、2…圧力スイツチ、3…圧力
計、4…電磁弁、5…真空ポンプ、6…貯水槽、
7…循環ポンプ、8…多孔質管。
Claims (1)
- 1 植物生育培地の中に埋設した多孔質管中に真
空ポンプにより予め調整された、大気圧に対して
マイナス1気圧以上0気圧以下の範囲の任意の大
きさの負圧をもつ水を循環させ、該多孔質管を介
して植物生育培地中に水を供給あるいは植物生育
培地より水を排除することにより、植物生育培地
の水分含有率または水分ポテンシヤルを制御する
ことを特徴とする植物生育培地の水分制御法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63233481A JPH0284117A (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | 植物生育培地水分制御法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63233481A JPH0284117A (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | 植物生育培地水分制御法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0284117A JPH0284117A (ja) | 1990-03-26 |
JPH0351373B2 true JPH0351373B2 (ja) | 1991-08-06 |
Family
ID=16955684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63233481A Granted JPH0284117A (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | 植物生育培地水分制御法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0284117A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2775138B2 (ja) * | 1993-12-31 | 1998-07-16 | 株式会社佐電工 | 植物栽培システム |
JP4982823B2 (ja) * | 2006-08-18 | 2012-07-25 | 長崎県 | 果実栽培における水管理方法 |
JP5216622B2 (ja) * | 2009-02-13 | 2013-06-19 | 株式会社つくばアグリサイエンス | 地中潅水装置 |
JP6038703B2 (ja) * | 2013-03-28 | 2016-12-07 | 株式会社クボタケミックス | 地下灌漑システム |
-
1988
- 1988-09-20 JP JP63233481A patent/JPH0284117A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0284117A (ja) | 1990-03-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |