JPH0347540A - 良好な耐熱応力・耐熱疲労特性を有する自動車排ガス浄化触媒用金属担体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 自動車エンジンなどの内燃機関から排出されるガスは触
媒で浄化されるが、本発明は、この触媒を担持し、排ガ
ス系に設置される金属製担体に関するものである。

（従来の技術） 自動車排気ガスを浄化する触媒担体は、現状セラミック
ス製のものが多用されているが、このセラミックス製担
体は、排気系に設置するのに緩衝材を介在させるなど手
数を要し、また比較的コストも高いことから、最近金属
製担体が開発され、一部実用化されている。

金属担体は、耐熱性を有するステンレス鋼を箔に加工し
、一つは平坦な箔（以下平箔という）と他は波形に加工
した箔（以下波箔という）を重ねて、渦巻状に巻回し、
ハニカム体を形成し、このハニカム体を金属（ステンレ
ス鋼）製の外筒に収納固定する。そしてハニカム体を形
成している平箔と波箔の接触部（接点）はろう付けで固
定されるのが通常である。

このような金属担体は、ハニカム体表面に耐火被覆（通
常はＡｇ２Ｏ３）を介してｐｔ等の貴金属よりなる触媒
を担持し、排気ガス系に設置されるのであるが、この排
ガス系は高温加熱−冷却を繰り返ルす過酷な環境であり
、そのためにこの金属担体、特に箔で構成されるハニカ
ム体には耐熱性、耐酸性だけでなく前記した加熱−冷却
の熱サイクルや、ハニカム体内の温度分布差による熱応
力、熱疲労に耐えることが重要な条件となる。

すなわち、平箔−波箔の接点を全面ろう付けして形成し
たハニカム体を有する金属担体は、加熱−冷却を受ける
と、担体の中心とその外周側では、大きな温度差を生じ
る。例えばエンジンの始動時は、中心部が早く加熱され
外周部温度より高くなり、この時は、中心部が熱膨張を
起こし、ハニカム体外周近傍は圧縮応力を受ける。また
エンジンブレーキなどの時のように冷却が開始されると
中心部が冷却されて温度が低くなり、これが外周部より
低くなる場合は、中心部に収縮が起こり、外周部は引張
り応力を受ける。いずれの場合も、外周部近傍に大きな
熱応力が発生し、その結果、接合部に破断が起って、平
箔と波箔がずれるという不具合が生じることになる。

熱サイクルによって起る熱応力や熱疲労の対策としては
、特開昭６２−２７３０５０号公報や特開昭６２−２７
３０５１号公報に開示されているように、ハニカム体の
平箔と波箔は接合せずにハニカム体を収納している外筒
と、箔の端部で接合する方法や、特開昭６２−８３０４
４号公報に開示されているように、平板にも大きな周期
で変形を与え、波箔には小さな波長の波を付加して接合
点で形成されるセルに変形状を余分に与えて熱応力を緩
和する方法などがある。これらの方法で前者は、箔の端
部が外筒とだけしか接合されていないため、高温・高速
の排ガスによりハニカム体の平箔と波箔がずれてしまう
ことがある。また、後者で述べた方法は箔の波付は加工
が困難であると同時に巻取りがむずかしく接点を安定し
て接合するのも困難である。それ故に、一つ一つのセル
の接合不良を招き易くハニカム体の構造安定性に欠ける
ものである。また、実開昭６２−１８０７２８号公報に
あるように機械的にハニカム体を固定する方法もあるが
、外筒とは切り離されているのでハニカム体が外筒内部
で振動し、担持した触媒が脱落して浄化能力が低下する
。

（発明が解決しようとする課題） 上述したように、既に提案された技術では、構造上の不
具合や触媒の浄化能力の低下などを招来するという問題
点があった。

本発明は、このような問題点を改良するものであり、平
箔と波箔の接合部を分散させて、適度のフレキシビリテ
ィと剛性を共存させることにより、ハニカム体外周部近
傍の接合部や波箔の破断にもとづくハニカム体のずれを
防止すること、すなわち耐熱応力、耐熱疲労性のすぐれ
た触媒用金属担体を提供することを目的とする。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は平らな金属箔と、波形に加工した金属箔とを重
ねて渦巻状に回巻して成形したハニカム体と、このハニ
カム体を収納、固定する金属外筒からなる触媒担持用金
属担体において、ハニカム体を形成している前記平らな
金属箔と波形の金属箔との接触部が、２０〜６０％の範
囲の接合率で接合していることを特徴とする、良好な耐
熱応力、耐熱疲労特性を有する自動車排ガス浄化触媒用
金属担体を第１の発明とし、ハニカム体の最外周を形成
している平らな金属箔と波形の金属箔の接触部において
、その軸方向接触部の接合率が７０％以上になるように
、前記発明を特定したことを第２の発明とし、第３の発
明は、第１、第２の発明において、ハニカム体の最外周
接合率が７０％　以上であるとともに、前記最外周より
内周方向に向かって接触部の接合率を、徐々に低くする
ことを特徴とする。

（作　　用） 以下に本発明の詳細な説明する。

本発明は、平坦な箔（平箔）と、波形の箔（波箔）を耐
熱、耐酸化性のある金属、通常へΩを含有するフェライ
ト系ステンレス鋼から製造される、この平箔と波箔を重
ね合せて渦巻状に巻き込み、ハニカム体を形成し、これ
を金属製（これも耐熱、耐酸化性のフェライト系ステン
レス鋼が通常使用される）の外筒に収納する。平箔と波
箔の接触部及びハニカム体外周面と外筒の内周面とは、
ろう材で接合して金属担体がつくられる。このような金
属担体の製造方法自体は、従来通常に用いられ或は開示
されていることであるが、本発明の最大の特徴はハニカ
ム体を形成している平箔と波箔との接触部における接合
を、ハニカム体自体が適当なフレキシビリティを持つ構
造になるように、特定範囲に選択することである。すな
わち、本発明において、ハニカム体の長さ方向中心軸に
直角な断面で、平箔と波箔の全接触部（点）に対して接
合（ろう付け）されている接触部（点）の比率を接合比
率と定義するが、本発明はこの接合率を２０〜６０％の
範囲とするものである。このように２０〜６０％の接合
率とすることにより、ハニカム体の剛性を小さくシ、フ
レキシブルな構造となって、急熱−急冷の熱サイクルを
繰り返えしても、熱応力を緩和することができる。接合
率が２０％未満では高速な排ガス流やエンジンの振動に
耐えることがむつかしくなり、また６０９６を越すと剛
性の大きい構造となり、熱応力の緩和が不充分となる。

前述のように排気ガス系に搭載する金属担体の熱応力は
ハニカム体外周部が内周部より大きく、接合部の破断が
起りやすい。そのためこの外周部は強化する必要がある
。このような観点から本発明はハニカム体の最外周部の
平箔と波箔との接合面積を大きくしなければならず、本
発明がこの部分の接合率を７０％以上としたのは、この
ような理由に基づいている。またハニカム中心部の剛性
が高いと、その部分の熱膨張と収縮が外周側に累積して
影響を与え、外周側に大きな熱応力を与える。

そのため本発明では外周側より内周側に向かって、接合
率が逐次小さくなるようにすることをも特徴の一つとし
ている。

このように本発明においては、ハニカム体の構成が、適
度のフレキシビリティと、適度の剛性と強度を保持する
よう、接合率を適当な範囲にすることにあり、また内周
側と外周側で接合率を変えることで応力緩和をはかるこ
とができる。

（実　施　例） 本発明を図に示す実施例によって説明する。

第１図に、金属担体の一部断面を示したように、フェラ
イト系ステンレス鋼箔よりなる平箔１と波箔２よりなる
ハニカム体３を、フェライト系ステンレス鋼よりなる外
筒４に収容した。第２図及び第３図は本発明の模式図で
あって、点線で示した斜線５は接合部のエリアを示すも
のであって、第２図は平箔１と波箔２の接触部に対し、
４０％の接合率で接合５している状態を、また第３図は
外周側ｇ　が密で、内周側Ｉ２が粗な接合率で接合５し
ている状態を示しており、実際には！１１が６０％、ｇ
２が８０％の接合率とした。

また第１図にはハニカム体最外周部６に、軸方向の接触
部を７０％以上の接合率となるようろう接合７した、第
１図Ａ−Ａ線の断面を第４図に示した。この図には最外
周より内側の−巻きも示したが、この図から明らかのよ
うに内周側の接合部８は接合率として４０％とした。

上記各図におけるハニカム体の接合部は平箔と波箔を重
ね合せて巻回する前に、あらかじめ波箔の波形頂部に接
着剤を所定の接合率が得られる範囲になるよう部分的に
塗布しておき、ハニカム体を形成してから、ハニカム体
端面からろう粉末を散布して、接着剤に付着させた。ハ
ニカム体の外周にはろう材を塗布してから外筒に収容し
た。前記ろう材を付着させた後、これを１Ｏ−４ｔｏｒ
ｒの真空中で、１１５０℃×２０分加熱してろう付けを
した。

得られた各担体を自動車エンジンに取り付け、加熱−冷
却サイクル（８００℃以上１００℃以下の急速加熱−冷
却サイクル）を繰り返えしたが、平箔と波箔がずれると
いう現象はいずれも生じなかった。

（発明の効果） 上述したように、本発明の金属担体は、構造的には適当
な剛性とフレキシビリティを保持し、耐熱応力、耐熱疲
労特性に極めて優れている。また使用するろう材も少な
くてすみ、上記特性の優れた担体を経済的に製造するこ
とができ、工業的価値が大きい。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は担体の一部断面
一説明図、第２図、第３図は担体軸方向の断面における
接合部の状態を示す説明図、第４図は第１図Ａ−Ａ線の
断面を示す説明図である。 １・・・平　箔　　　　　　２・・・波　箔３・・・ハ
ニカム体　　　　　４・・・外　筒５・・・接合部の状
況　　　　６・・・最外周７．８・・・接合部 復代理人　弁理士　１）村弘明 第１０ 第２図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、平らな金属箔と、波形に加工した金属箔とを重ねて
   渦巻状に回巻して成形したハニカム体と、このハニカム
   体を収納、固定する金属外筒からなる触媒担持用金属担
   体において、ハニカム体を形成している前記平らな金属
   箔と波形の金属箔との接触部が、２０〜６０％の範囲の
   接合率で接合していることを特徴とする良好な耐熱応力
   、耐熱疲労特性を有する自動車排ガス浄化触媒用金属担
   体。 ２、ハニカム体の最外周を形成している平らな金属箔と
   波形の金属箔の接触部において、その軸方向接触部の接
   合率が７０％以上である請求項１記載の良好な耐熱応力
   、耐熱疲労特性を有する自動車排ガス浄化触媒用金属担
   体。 ３、ハニカム体の最外周接合率が７０％以上であるとと
   もに、前記最外周より内周方向に向かって接触部の接合
   率を徐々に低くすることを特徴とする請求項１または２
   記載の良好な耐熱応力、耐熱疲労特性を有する自動車排
   ガス浄化触媒用金属担体。