JPH0346395B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は密閉容器内容物取出し装置に関し、特
にフレキシブルな密閉容器に収納された外気に触
れることにより変質しやすい流動性物質を外気か
ら遮断された状態で所定の経路へ取出し、且つ取
出し完了に伴う新たな密閉容器の交換時に一旦取
り出された流動性物質の上記経路からの逆流を阻
止しつつ、安全かつ円滑な交換を可能とする密閉
容器内容物取出し装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の容器内容物取出し装置として特開昭56−
13396号に開示された発明がある。

該発明の排出弁は、液体容器の下部に設けられ
た液出口ノズルを閉鎖している密栓を排出時に一
部を残して円周上に切開する刃を一端に固着した
内筒と、該内筒が挿通されかつ該内筒をねじ回転
させ前後に移動させる外筒とから構成され、排出
時には、ソケツトにより上記刃が上記密栓を円周
上に切開することにより、液体容器内の液体を外
部に排出させるものである。上記外筒は液体排出
のための液出口を有し、上記内筒の外周面には密
栓の切開後の液体排出量を調節するためのパツキ
ンが設けられ、該パツキンは内筒の移動により、
液出口を塞ぎ一旦液出口から液出した液体の逆流
を阻止する役目も果たす。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記の従来技術においては、内
筒端に固着された刃が密栓を円周上に切開する方
式を採つているため、密栓がある程度（例えば
円周の1/2程）切開されたときには、液体が円筒
の頭部まで漏出し、その液圧が内筒の前進を妨げ
るため密栓を一定に破断することが困難になるこ
と、密栓を切開する際にたとえ一部を残して切
開しても、排出弁の操作により液体の排出量が急
激に増加するときには、切開した部分が剥離して
排出経路に混入する恐れが存在すること等の問題
があつた。

一方、該従来技術では、新たな液体容器に排出
弁を取付ける際、内筒を後退させ刃を引込めて行
うため、液出口から排出経路に残存する液体が逆
流して、外気に接触する問題があつた。

他方、密栓の切開にはある程度鋭利な刃を用い
なければならず、取扱い上安全なものとは言えな
かつた。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記に鑑みてなされたものであり、密
閉容器（液体容器）からの流動性物質の排出を外
気から密封した状態で行いかつ排出操作を容易、
安全とするため、外気との接触により品質低下を
起しやすい流動性物質を収容する密閉容器の下部
に設けられ密封シールにより封鎖された取出し口
と密封係合し、前記流動性物質を外部へ排出する
ための排出口を設けられる筒状本体と、該本体内
に挿通され前記密封シールを破断する手段と、該
破断する手段に付設され前記密封シールが破断さ
れる際、前記排出口から排出される流動性物質の
流量を調節し他の密閉容器と交換する際に前記排
出口を閉鎖する弁体とから成る密閉容器内容物取
出し装置において、前記密封シールを破断する手
段が、前記本体の長手方向の中心軸上に配置され
尖頭部を有する棒状体であつて、該中心軸上の移
動により前記密封シールに刺通されて該密封シー
ル上に通液口を穿設し、前記尖頭部が、前記弁体
が前記排出口を閉鎖するとき前記本体の端から突
出せずかつ密封容器と本体の係合時に前記密封シ
ールを刺通しない位置にあることを特徴とする密
閉容器内容物取出し装置を提供するものである。

〔作用〕

本発明の密封容器内容物取出し装置によれば、
密封シール（薄膜シール１０２）が軸方向に穿口
されるため、破断時の液体の漏出が少なく破断操
作が容易に行える。また、穿たれた部分は一定の
形状（円形）を有し、切片が剥離して排出経路に
混入することもない。

一方、排出口（コネクタ１０９）が閉鎖された
状態で密閉容器との取外し、取付けが可能とな
り、かつ尖頭部は本体内に引込んだ状態でこれら
の操作が行われるから、取扱い上安全である。

〔実施例〕

第１図イ，ロ，ハは本発明の一実施例を示し、
イはスタンデイング・パウチ型フレキシブル密閉
容器１に装着した密閉容器内容物取出し装置１０
０−Ｍを示し、ロは炭酸ガス・ボンベ４０からの
加圧炭酸ガスによつて所定の圧力、例えば３Kg／
cm²程度に保持されるボツクス５０に収納されたバ
ツグイン・ボツクス型フレキシブル密閉容器１に
装着した密閉容器内容物取出し装置１００−Ｍを
示す、なお２５は吸引ポンプ、３０はコツプを示
す。

第１図ハはイ，ロに示した本発明による密閉容
器内容物取出し装置１００−Ｍの拡大断面図を示
し、密閉容器１の側壁４に接着され外周部にねじ
１０１を備え開口部を薄膜シール１０２によつて
密封された口金１０３と、口金１０３のねじ１０
１とねじ係合し薄膜シール１０２を押える弾性シ
ール・リング１０４を内蔵したシール・ホルダー
１０５と、左端部１０６がシール・リング１０４
の内周部と密封係合し右端部１０７がハンドル
（または回転ノブ）１０８とねじ係合し、中間内
壁部に所定の距離に渡つて軸方向に伸びた小溝１
５０（その機能は後述する）と中間部にチユーブ
２０を介してポンプ３０は接続されるコネクター
１０９を有した本体（またはハウジング）１１０
と、左端部に薄膜シール１０２を破断する構成の
薄膜開口用カツター１１１を有し右方に密封用シ
ール・シリンダ１１５を有し右端部がハンドル１
０８に固定（またはハンドル１０８と一体構成）
されたシヤフト１１４と、シヤフト１１４の中間
部に固定され左側面が本体内壁部に形成された弁
座１１２と係合することができ軸方向両端部にコ
ネクター１０９内部と本体内部とを密封遮断する
ことができるＯ−リング１５１を備えた弾性シー
ル弁体１５２と、回転ノブ１０８の中央部に嵌合
されたふた１１７から構成される。

以上の構成において、第２図および第３図を参
照してその操作を説明するに、濃縮液体コーヒー
または濃縮液体ジユースなどを充てんしたスタン
デイング・パウチまたはバツグイン・ボツクス１
１６に収納されたスタンデング・パウチのような
フレキシブル密閉容器１に接着された口金１０３
の薄膜シール１０２を、回転ノブ１０８の回転、
すなわち第２図に示す本体１１０の表面に刻んだ
ストツプ・ラインS.L.の位置（第３図イに示す状
態に対応）からカツト・ラインC.L.の位置（第３
図ロに示す状態に対応）まで回転ノブ１０８を回
転移動させ回転ノブの左側面を前記ラインに合わ
せ、従つてカツター１１１を軸方向左方に移動さ
せることにより破断する。次に、回転ノブ１０８
を逆方向に回転後進させその左側面をオープン・
ラインO.L.の位置（第３図ハに示す状態に対応）
に戻すことによりフレキシブル密閉容器１と吸入
チユーブ２０および吸引ポンプ２５とが接続され
て密閉容器１の内容物２はポンプの作動または外
圧によりカツプ３０へ供給される。

密閉容器１の内容物が全て排出されて、使用済
みの密閉容器と補充用の新規密閉容器１とを交換
するときは、先ずコネクター１０５と口金１０３
とのねじ係合を解除する。このとき、内容物吸入
チユーブ２０と本体１１０内部とは第３図ハに示
すように連通（接続）状態にあるため、このまま
では内容物（主として吸入チユーブ２１の内容
物）が口金１０３（またはコネクター１０５）を
介して外部に漏れることになる。この内容物の外
部漏洩を防ぐため、回転ノブ１０８を回転してそ
の左側面を本体表面に刻印したストツプ・ライン
S.L.に合わせることにより弾性シール弁体１５２
を第３図イに示すようにコネクター１０９の直上
に移動させ、吸入チユーブ２０と本体内部との接
続を遮断する。次に、この遮断状態において口金
１０３とコネクター１０５のねじ係合を解除す
る。以上の操作をくり返すことによつて内容物が
外部へ漏洩することなく補充用フレキシブル密閉
容器の交換が順次円滑に行われる。

一方、口金１０３の薄膜シール１０３を破断し
た後、密閉容器１の内容物を排出するために弾性
シール弁体１５２を第４図ロに示す位置から同図
ハに示す位置に後退移動させる際、弾性シール弁
体１５２と本体１１０とシール・シリンダ１１５
で囲まれた内容物溜り室１５３に存在する空気が
弁体１５２の後退に伴い圧縮を受ける。

また同様に、本密閉容器内容物取出し装置を繰
り返し使用する場合、該内容物溜り室１５３に
は、前回使用時に内容物が残存しているから、上
記のように弁体１５２が後退移動すると内容物溜
り室１５３内の内容物が圧縮される。従つて、内
容物溜り室１５３にある空気又は残存した内容物
により圧縮抵抗を生じシリンダ１１５の後退移動
を妨げようとするが、本願発明においては本体内
壁部に軸方向に沿つて所定の長さに渡つて小溝１
１５が設けられているため、溜り室１５３の内容
物若しくは空気は小溝１１６を介して２ケのＯ−
リング１５１間の空〓に移動するのでそれらの圧
縮抵抗は殆ど発生せず、シリンダ１１５は円滑に
移動し、排出量の調整が容易となる。

また、密閉容器の交換の際、弾性シール弁体１
５２を第４図ハに示す位置から同図イに示す位置
に前進移動させる場合においても、溜り室１５３
内が弁体１５２の移動により減圧状態となること
を小溝１５０により防いでいるため、シリンダ１
１５の移動が円滑となる。

以上記載した本発明のフレキシブル密閉容器１
は単体として説明したが、必要に応じて複数個の
フレキシブル密閉容器を並列に使用しても良く、
それに対応して複数個の内容物取出し装置１００
Ｍが使用される。

例えば、第４図は３個の10倍希釈（無甘味）用
濃縮液体コーヒー専用のフレキシブル密閉容器１
Ａと、１個の６倍希釈（加糖）用濃縮液体コーヒ
ー専用のフレキシブル密閉容器１Ｂと、ミルク専
用のフレキシブル密閉容器１Ｃと、その他の添加
物専用のフレキシブル密閉容器１Ｄから成る複数
個の密閉容器を示す。これら容器にはそれぞれ前
述した内容物取出し装置１００Ｍが装着されてお
り、液体コーヒー専用容器１Ａは連結器２１およ
び弁２２を介してポンプ（図示せず）へ、そして
容器１Ｂ，１Ｃ，１Ｄはそれぞれ弁２２を介して
ポンプへ接続される。

以上、主として常に安定した品質と風味、香り
を有する液体コーヒー素材を提供する取出し装置
に関して説明したが、本取出し装置は他の多くの
用途、例えば食品自動販売機や全自動清涼飲料水
供給装置に応用して空気との遮断状態での食品の
衛生的供給、自動車等の燃料予備タンクに応用し
て油の酸化防止、緊急時用の飲料水タンクに使用
して無菌水の供給などの用途が考えられる。

以上記載したように、本発明の密閉容器内容物
取出し装置によれば、外気との接触により品質低
下を起しやすい流動性物質を収容する密閉容器の
下部に設けられ密封シールにより封鎖された取出
し口と密封係合し、前記流動性物質を外部へ排出
するための排出口を設けられる筒状本体と、該本
体内に挿通され前記密封シールを破断する手段
と、該破断する手段に付設され前記密封シールが
破断される際、前記排出口から排出される流動性
物質の流量を調節し他の密閉容器と交換する際に
前記排出口を閉鎖する弁体とから成る密閉容器内
容物取出し装置において、前記密封シールを破断
する手段が、前記本体の長手方向の中心軸上に配
置され尖頭部を有する棒状体であつて、該中心軸
上の移動により前記密封シールに刺通されて該密
封シール上に通液口を穿設し、前記尖頭部が、前
記弁体が前記排出口を閉鎖するとき前記本体の端
から突出せずかつ密封容器と本体の係合時に前記
密封シールを刺通しない位置にあるようにしたた
め、密封容器からの流動性物質の排出を外気から
密封した状態で行いかつ排出操作を容易、完全に
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロ，ハは本発明の一実施例を示す構
成説明図。第２図は本発明の一実施例を示す構成
説明図（部分断面正面図）。第３図イ，ロ，ハは
本発明による一実施例の操作説明図。第４図は使
用例を示す説明図。 符号の説明、１……フレキシブル密閉容器、２
……内容物、４……密閉容器側壁、２０……吸引
チユーブ、２５……ポンプ、３０……コツプ、４
０……ガス・ボンベ、５０……ボツクス、１００
……先行技術の取出し装置、１００Ｍ……本発明
の取出し装置、１０２……薄膜シール、１０３…
…口金、１０４……シール・リング、１０５……
シール・ホルダー、１０８……ハンドル（又は回
転ノブ）、１０９……コネクター、１１０……本
体、１１１……カツター、１１２……弁座、１１
４……シヤフト、１１５……シール・シリンダ、
１１６……保護カバー、１５０……小溝、１５１
……Ｏ−リング、１５２……弾性シール弁体、１
５３……溜り室、C.L.……カツト・ライン、S.L.
……ストツプ・ライン、Ｏ，Ｌ，……オープン・
ライン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外気との接触により品質低下を起しやすい流
   動性物質を収容する密閉容器の下部に設けられ密
   封シールにより封鎖された取出し口と密封係合
   し、前記流動性物質を外部へ排出するための排出
   口を設けられる筒状本体と、該本体内に挿通され
   前記密封シールを破断する手段と、該破断する手
   段に付設され前記密封シールが破断される際、前
   記排出口から排出される流動性物質の流量を調節
   し他の密閉容器と交換する際に前記排出口を閉鎖
   する弁体とから成る密閉容器内容物取出し装置に
   おいて、 前記密封シールを破断する手段が、前記本体の
   長手方向の中心軸上に配置され尖頭部を有する棒
   状体であつて、該中心軸上の移動により前記密封
   シールに刺通されて該密封シール上に通液口を穿
   設し、 前記尖頭部が、前記弁体が前記排出口を閉鎖す
   るとき前記本体の端から突出せずかつ密封容器と
   本体の係合時に前記密封シールを刺通しない位置
   にあることを特徴とする密閉容器内容物取出し装
   置。