JPH0343622Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は光加入者システム、光LANシステム
などの伝送路に使用する光屋内線の一形態の光電
源線複合コードに関するものである。

〔従来の技術〕

従来この種の形態の光電源線複合コードは、実
用に供されたものはなく、必要に応じて、たとえ
ば電源用線心を平行・並列に配置した外周に描か
れる包絡線に沿つて形成される隙間に断面が円形
の溝付スペーサを挿入する方法がとられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の、必要に応じてとられている電源用線心
相互と、包絡線との間の隙間に断面が円形の溝付
スペーサを挿入する方法では、たとえば絶縁被覆
外径が５mmφの電源コードの形状に適合する断面
円形の溝付スペーサの外径は約１mmφであり、こ
の構造の電源コードに光フアイバ収納溝を形成す
ることも、光フアイバを挿入することも、構造上
殆んど不可能である。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は従来の問題点を解決するため、電源用
線心を平行に配置し、電源用線心の表面に沿つて
描く包絡線と、平行に配置した電源用線心間に形
成される隙間部分に挿入介在した、隙間部分の形
状に合わせた形状のプラスチツクスペーサを有
し、プラスチツクスペーサは、包絡線に沿つた外
周部に断面が矩形の溝を有し、溝の一方には光フ
アイバテープ心線を収納し、溝の他の一方には抗
張力体を収納した構造を備えたことを特徴とする
光電源線複合コードを提供するものである。

〔作用〕

本考案は、電源用線心を平行・並列に配置した
電源コードの隙間に、隙間の形状に合わせて異形
成形された矩形溝付のプラスチツクスペーサを挿
入介在させた構造とすることにより、矩形溝のそ
れぞれに光フアイバテープ心線と抗張力体とを収
納することができるので、光電源線複合コードを
実現でき、コード一条で電源供給と情報伝送を行
え、建造物の屋内配線、とくに各部屋まで30mmφ
程度の細径パイプ内を通して配線を行う場合には
一条通線でよく、本考案によるコード自体の可撓
性と相俟つて円滑な工事を行うことができる。

さらに、床上配線、部屋内の引廻し移動用コー
ドとしても、そのまま使用でき、同一構造で多目
的の用途に適用できる。またこの場合にも、コー
ド一条で済むことから取扱い性がよく、部屋内の
美観保護上も好ましい。

光フアイバは４乃至５心のテープ心線を、矩形
断面の角溝内に４乃至５枚積層して収納でき、20
心程度の多心光フアイバが可能であり、同一溝造
で心数の選択が適宜行える。

異形形成されたプラスチツクスペーサは、適切
な寸法の矩形断面の溝を設けてあることから、光
フアイバに対する側圧などによる損傷を容易に防
止できる。またスペーサの材質としてビニルを用
いることにより、コード自体は、全体としての可
撓性、難燃性を損わないようにできる。以下図面
にもとづき実施例について説明する。

〔実施例〕

第１図に本考案の光電源線複合コードの実施例
断面構造を示す。１は光フアイバテープ心線、２
は抗張力体、３１，３２は異形変形したプラスチ
ツクスペーサ、４１，４２は電源用絶縁線心（以
下電源用線心という。）、５は外被、６１，６２は
プラスチツクスペーサ３１，３２に設けた溝であ
る。第２図は溝６１に収納する光フアイバテープ
心線１の具体的一例の断面構造で、幅1.6mm、厚
さ0.5mmの構造からなる。第３図は異形成形され
たプラスチツクスペーサ３１，３２の実施例断面
構造である。

銅導体上にビニル被覆を施した電源用線心４
１，４２が平行に配置されている。電源用線心４
１，４２の外周包絡線内に形成される隙間部分に
適合して埋め込み、外周側は適当な曲率半径を持
たせ、かつその中央部に光フアイバテープ心線１
および抗張力体２を収納する矩形状断面の空隙部
分を形成する溝６１，６２を設けたプラスチツク
スペーサ３１，３２を、電源用線心４１，４２の
包絡線内隙間部分に平行に配置する。

プラスチツクスペーサ３１，３２は、通常の電
線製造に用いるプラスチツク成形押出機を用いて
容易に製作できる。またプラスチツクスペーサ３
１，３２の材質は、ポリエチレン、ビニル等を適
用するが、加工性、使用用途の面からビニルが好
ましい。

プラスチツクスペーサ３１，３２の矩形状の空
隙部分の溝６１，６２には、たとえば一方の溝６
１には光フアイバテープ心線１を、他方の溝６２
には抗張力体２をそれぞれ収納する。光フアイバ
テープ心線１は必要に応じて１乃至複数枚を積層
して挿入する。抗張力体２は矩形断面の溝６２内
に入る寸法のピアノ線、鋼線、FRPなど使用目
的に応じ適宜選択して使用する。

電源用線心４１，４２、光フアイバテープ心線
１、抗張力体２およびプラスチツクスペーサ３
１，３２を所定の位置関係に平行に配置し、外周
に外被５を施すことにより、光電源線複合コード
が形成される。

外被５の材質としては通常ビニルを適用する
が、ゴムなども用いられる。また必要に応じ、外
被５の下層にプラスチツクなどのテープ層を設け
てもよい。

本実施例に示した本考案の光電源線複合コード
は、通常の電線製造用プラスチツク成形押出機を
用い、構成要素の素材供給側に電源用線心４１，
４２、光フアイバテープ心線１、抗張力体２、プ
ラスチツクスペーサ３１，３２を所定の位置関係
に配置し、電線製造用のプラスチツク成形押出機
に同時に送り込みながら、外周に外被５を施すこ
とにより、容易に、かつ一工程で製造することが
でき、価格的にも廉価に製造可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の光電源線複合コ
ードは、光フアイバテープ心線と抗張力体を収納
する溝を設けた異形成形されたプラスチツクスペ
ーサを電源用線心の隙間部分に挿入介在した構造
を備えることにより、電源コード自体の機能を保
持し、かつ仕上り形状寸法も大差なく、しかも多
心の光フアイバを収納した光電源線複合コードが
得られる。

本考案の光電源線複合コードは、電源と光フア
イバ心線を建造物屋内で同方向に配線する場合、
パイプ内配線、床上配線、引廻し用、移動用など
に適用でき、同一構造で多大の光フアイバまで供
給できるので、光加入者システム、光LANシス
テムなどの通信分野で屋内配線用に適用してその
効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の光電源複合コードの実施例断
面構造図、第２図は光フアイバテープ心線実施例
断面構造図、第３図は異形成形されたプラスチツ
クスペーサ実施例断面構造図である。 １……光フアイバテープ心線、２……抗張力
体、３１，３２……プラスチツクスペーサ、４
１，４２……電源用線心、５……外被、６１，６
２……溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 光電源線複合コードにおいて、 電源用線心４１，４２を平行に配置し、 前記電源用線心の表面に沿つて描く包絡線と、
   前記平行に配置した電源用線心間に形成される隙
   間部分に挿入介在した、前記隙間部分の形状に合
   わせた形状のプラスチツクスペーサ３１，３２を
   有し、 前記プラスチツクスペーサは、前記包絡線に沿
   つた外周部に断面が矩形の溝６１，６２を有し、 前記溝の一方には光フアイバテープ心線１を収
   納し、 前記溝の他の一方には抗張力体２を収納した構
   造を備えてなる ことを特徴とする光電源線複合コード。