JPH0342007Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はポケツト装置に関する。

〔従来の技術と考案が解決しようとする課題〕

一般に、衣服や鞄や袋物等にポケツトが付設さ
れているが、このポケツトは、一般に布切れ等の
小片を布状本体に縫着して袋状に形成した、いわ
ゆる外袋ポケツトや、予め袋状に形成した収納袋
を布状本体の開口部に裏側から縫着した、いわゆ
る内装ポケツトであつた。

従つて、外装ポケツト又は内装ポケツトのどち
らかであるので、使用者にとつては、外装ポケツ
トから内装ポケツトとしたり、内装ポケツトから
外装ポケツトとすることができず、使い勝手が悪
かつた。けだし、収納物によつては外装ポケツト
が好ましい場合や内装ポケツトが好ましい場合が
あるからである。

そこで、内装ポケツトから外装ポケツトに変更
したり、逆に、外装ポケツトから内装ポケツトに
変更することができるポケツト装置が考案された
が、この従来のものは、外装ポケツトとした場
合、その袋部の外側の上方開口端縁部が固定され
ず、このポケツトの開口部が大きく開口する場合
があり、しかも、その開口部を施蓋することがで
きないものであつた。従つて、収納物が飛び出す
虞れがあつた。

従つて、本考案では、内外装ポケツトの変更が
容易にできると共に、収納物が不意に飛び出しに
くいポケツト装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するために、本考案に係るポ
ケツト装置は、上方開口状の偏平袋状の本体部と
該本体部の一端部に連設される延設部とから収納
袋が形成され、該収納袋の延設部の上端縁である
開口一端縁が、布状本体のスリツトの上端縁近傍
の裏面に取付けられて、該スリツトを介して該布
状本体の表て面側又は裏面側のいずれか一方に選
択的に上記収納袋の本体部が配設されるポケツト
装置に於て；上記収納袋の開口他端縁に留め具が
取付けられ、かつ、上記スリツトの上端縁近傍の
表て面に、該スリツトを該表て面側から施蓋状と
するカバー部材が取付けられると共に、該カバー
部材の下端部に、上記収納袋の本体部が表て面側
に配設された状態にて上記留め具に係脱自在に係
止する外装ポケツト用留め具が取付けられ、さら
に、上記スリツトの下端縁近傍の裏面に、上記収
納袋の本体部が該裏面誕に配設された状態にて上
記留め具に係脱自在に係止する内装ポケツト用留
め部材が取付けられたものである。

〔作用〕

収納袋の本体部を表て面側に配設すれば、表て
面側から見える外装ポケツトとなり、この状態に
て、カバー部材の外装ポケツト用留め具に収納袋
の留め具を係止させれば、収納袋の開口部をカバ
ー部材にて施蓋することができると共に、該収納
袋の開口他端縁は該カバー部材にて規制され自由
状態とならず、該収納袋の開口部が大きく開口し
て、収納袋内の財布等の収納物が不意に飛び出す
ことがない。

また、収納袋の本体部を裏面側に配設すれば、
布状本体の表て面からスリツトを介して手を挿入
することができる内装ポケツトとすることがで
き、この状態にて、内装ポケツト用留め部材に収
納袋の留め具を係止させれば、収納袋の開口部と
スリツトとは確実に連通連結され、該スリツトに
挿入した手は確実に収納袋内に案内される。ま
た、内装ポケツトとした場合においても、カバー
部材にてスリツトは表て面側から施蓋されてい
る。

〔実施例〕

以下、実施例を示す図面に基づいて本考案を詳
説する。

第１図と第２図と第３図は本考案に係るポケツ
ト装置を示し、この装置は、収納袋３の上方開口
状の本体部２７が、第４図と第５図に示すよう
に、布状本体１の裏面２５側に配設されたり、第
６図に示すように該布状本体１の表て面２６側に
配設されたりする。なお、布状本体１とは、衣服
や鞄や袋物等である。

即ち、布状本体１の所定部位には横方向に沿つ
てスリツト２が開設され、このスリツト２の上端
縁近傍の裏面２５に、第４図〜第６図に示すよう
に、収納袋３の開口一端縁５が縫着されて取付け
られている。

しかして、収納袋３は、収納部３ａを形成する
上述の上方開口状の偏平袋状の本体部２７と、該
本体部２７の一端部から連設される延設部１５
と、からなり、また、延設部１５には、フアスナ
ー７が設けられ、布状本体１に対して着脱自在と
される。なお、収納部３ａとは、本体部２７の内
部をいい、財布等の収納物が収納される。

即ち、第４図に示す状態からスリツト２を介し
て収納部２７を第６図に示すように表て面２６側
に配設することができ、逆に、スリツト２を介し
て本体部２７を第４図に示すように配設すること
ができ、該本体部２７を、表て面２６側又は裏面
２５側のいずれか一方に選択的に配設することが
できる。

また、収納袋３の開口他端縁６には、凸部２８
を有する留め具９が取付けられ、スリツト２の下
端縁近傍の裏面２５には、該留め具９が係脱自在
に係止する内装ポケツト用留め部材３０が取付け
られている。つまり、内袋ポケツト用留め部材３
０は、裏面２５に縫着される布状連結片１２と、
該布状連結片１２に付設される留め具１０と、か
らなり、該留め具１０の凹部（図示省略）に留め
具９の凸部２８が嵌脱自在に嵌合される。

しかして、スリツト２の上端縁近傍の表て面２
６に、該スリツト２を表て面２６側から施蓋状と
するカバー部材１３を取付け、該カバー部材１３
の下端部に、第６図に示すように本体部２７が表
て面２６側に配設された状態にて上記留め具９が
係脱自在に係止する外装ポケツト用留め具１６を
取付けている。ここで、外袋ポケツト用留め具１
６とは、留め具９の凸部２８に嵌脱自在に嵌合す
る凹部２９（第２図参照）を有するものである。

また、スリツト２の下端縁近傍の表て面２６に
は、留め具１６の凹部２９に嵌脱自在に嵌合する
凸部１７を有する留め具１８が取付けられ、本体
部２７が裏面２５側に配設された際に、留め具１
８の凸部１７に留め具１６の凹部２９を嵌合させ
れば、スリツト２をカバー部材１３にて確実に表
て面２６側から施蓋することができる。

さらに、留め具１８より下方位置の表て面２６
には、凸部３１を有する留め具２１が取付けら
れ、収納袋３の本体部２７の下部には、該留め具
２１の凸部３１に嵌脱自在に嵌合する凹部３２
（第３図参照）を有する留め具２０が取付けられ
ている。即ち、第６図に示すように、本体部２７
が表て面２６側に配設された際に、留め具２１の
凸部３１に留め具２０の凹部３２を嵌合させれ
ば、収納袋３を表て面２６側に固定することがで
きる。

また、収納袋３の本体部２７の底部には、切換
操作用の紐１４が取付けられ、第７図に示す如
く、収納袋３に手を挿入し、該紐１４に指を掛け
てスリツト２から引き出せば、第６図に示すよう
に本体部２７が表て面２６側に配設される状態と
することができ、逆に、表て面２６側に配設され
ている状態から収納袋３内に手を挿入し、紐１４
に指を掛けて、スリツト２を介して裏面２５側に
引込めば、第５図に示すように、本体部２７が裏
面２５側に配設される状態とすることができる。

しかして、上述の如く構成されたポケツト装置
によれば、第４図に示すように、本体部２７が裏
面２５側に配設される状態として、留め具９を留
め部材３０に係止させれば、表て面２６側から見
えない内装ポケツトを形成することができ、この
際、留め具１８に留め具１６を係止させれば、ス
リツト２が表て面２６から確実に施蓋され、収納
袋３の上方開口部は施蓋される。

また、この状態から留め具１８から留め具１６
を外すと共に、留め部材３０から留め具９を外
し、第７図に示すように、スリツト２を介して収
納袋３に手を挿入し、紐１４を掴み、その状態で
手をスリツト２から引き出して、本体部２７が表
て面２６側に配設される状態とすれば、外装ポケ
ツトを形成することができる。この際、留め具２
１に留め具２０を係止させれば、収納袋３は確実
に固定され、留め具９を留め具１６に係止させれ
ば、収納袋３の開口部はカバー部材１３にて施蓋
される。

なお、例えば、留め具としては、凸部を有する
ものと凹部を有するものがあり、実施例では、留
め具９は凸部を有するものであるので、留め具１
６等は凹部を有するものとしているが、逆に、留
め具９が凹部を有するものとして、留め具１６等
が凸部を有するものとするも自由であり、また、
面フアスナー（フツク材と、該フツク材に係脱自
在に係止するループ材と、からなるもの）を使用
するも好ましく、また、フアスナー７を上述の面
フアスナーとするも望ましい。また、留め部材３
０としては、連結片１２を使用せずに、留め具９
の凸部２８に嵌脱自在に嵌合する凹部を有する留
め具１０を、スリツト２の下端縁の近傍の裏面２
５に直接取付けて形成するも自由である。

〔考案の効果〕

本考案は上述の如く構成されているので、次に
記載する効果を有する。

本体部２７を、表て面２６側又は裏面２５側
のいずれか一方に選択的に配設することができ
るので、本体部２７を表て面２６側に配設した
場合は、いわゆる外装ポケツトとなり、本体部
２７を裏面２５側に配設した場合は、いわゆる
内装ポケツトとなり、至便なものとなり、しか
も、その変更は極めて容易である。

内装ポケツトとした場合には、留め具９を留
め部材３０に係止させるので、収納袋３の開口
部とスリツト２が確実に連通連結され、該スリ
ツト２に挿入した手は確実に収納袋３内に挿入
することができる。これに対して、留め具９を
留め部材３０に係止させない場合、開口他端縁
部６と布状本体１の裏面との間に〓間部が生
じ、スリツト２に挿入した手がこの〓間部に挿
入され、収納袋３内に挿入することができない
ことが生じ極めて使い勝手が悪くなる。

内装ポケツトとした場合、スリツト２はカバ
ー部材１３にて施蓋され、収納袋３内の財布等
の収納物が不意に飛び出すことがない。

外装ポケツトとした場合に、留め具９を留め
具１６に係止させれば、収納袋３の開口他端縁
６はカバー部材１３にて規制され自由状態とな
らず、該収納袋３の開口部が大きく開口するこ
ともなく、しかも、カバー部材１３にて該収納
袋３の開口部が施蓋されているので、内装ポケ
ツトとした場合と同様、収納物が不意に飛び出
すことがない。これに対して、留め具９をカバ
ー部材１３の外袋用ポケツト用留め具１６に係
止させなければ、開口他端縁１６は自由状態と
なつて、収納袋の開口部が大きく開口する場合
が生じ、これにより、収納袋３内の収納物が簡
単に飛び出してしまう虞れがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図はカバー部材を持ち上げた状態の正面図、第３
図は背面図、第４図は第１図のＸ−Ｘ線拡大断面
図、第５図は内装ポケツト状態の拡大断面図、第
６図は外装ポケツト状態の拡大断面図、第７図は
収納袋の切換操作を説明する簡略図である。 １……布状本体、２……スリツト、３……収納
袋、５……開口一端縁、６……開口他端縁、９…
…留め具、１３……カバー部材、１５……延設
部、１６……外装ポケツト用留め具、２５……裏
面、２６……表て面、２７……本体部、３０……
内装ポケツト用留め部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上方開口状の偏平袋状の本体部２７と該本体部
   ２７の一端部に連設される延設部１５とから収納
   袋３が形成され、該収納袋３の延設部１５の上端
   縁である開口一端縁５が、布状本体１のスリツト
   ２の上端縁近傍の裏面２５に取付けられて、該ス
   リツト２を介して該布状本体１の表て面２６側又
   は裏面２５側のいずれか一方に選択的に上記収納
   袋３の本体部２７が配設されるポケツト装置に於
   いて、 上記収納袋３の開口他端縁６に留め具９が取付
   けられ、かつ、上記スリツト２の上端縁近傍の表
   て面２６に、該スリツト２を該表て面２６側から
   施蓋状とするカバー部材１３が取付けられると共
   に、該カバー部材１３の下端部に、上記収納袋３
   の本体部２７が表て面２６側に配設された状態に
   て上記留め具９に係脱自在に係止する外装ポケツ
   ト用留め具１６が取付けられ、さらに、上記スリ
   ツト２の下端縁近傍の裏面２５に、上記収納袋３
   の本体部２７が該裏面２５側に配設された状態に
   て上記留め具９に係脱自在に係止する内装ポケツ
   ト用留め部材３０が取付けられたことを特徴とす
   るポケツト装置。