JPH0341264Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、各種食品をそれぞれ適切な温度で
保存できる４温度式冷蔵庫に関するものである。

〔従来技術〕

第１図は、例えば実開昭55−54874号公報に示
す従来例を示すもので、冷凍室１と冷蔵庫２、野
菜室３、また冷蔵室２の上部に位置する氷温ケー
ス４で構成されている。

このように構成された冷蔵庫では、冷却器５で
冷却された冷気がフアン６によつて冷凍室１を循
環冷却し、さらに背面ダクト８から導入された冷
気によつて冷蔵室２、氷温ケース４、さらに野菜
室３を冷気循環する。冷蔵室２の温度を制御する
温度制御装置７によつて、制御された冷気で氷温
ケース４、野菜室３が冷却される為、冷蔵室２の
温度に左右され、特に氷温ケース４などは、食品
の凍結する温度よりもわずかに高い温度に保持す
るという理想状態には及ばなかつた。また野菜室
３には、冷蔵、野菜室仕切板１６の背面冷気導入
口１７から入つた冷蔵室２を冷却した冷気の一部
が、野菜室３を循環して上記冷蔵、野菜室仕切板
１６の前面戻り孔２９から再び冷蔵室２へと戻る
構造で冷却を行なつており、温度的にも若干高目
であつた。

〔考案の概要〕

この考案は以上のような欠点を除去することを
目的とするもので、氷温ケースの食品の保存性を
高めた４温度式４扉の冷蔵庫を安価に提供するも
ので、特に野菜室を冷却した戻り冷気の風路の構
成の改良に関するものである。

〔考案の実施例〕

以下、図示実施例によりこの考案を詳細に説明
する。

第２図、第３図において、１は冷蔵庫の最上部
にある冷凍食品を保存する冷凍室で、冷蔵室、氷
温室及び野菜室の順に配設されている。５は冷却
器で、ここで冷却された冷気はフアン６により、
各貯蔵室に分配される。９は冷凍室吹出口、１０
は冷凍室吸込口で前後２カ所に設けられている。
２は冷蔵室で、冷蔵室の背面ダクト１１から吹出
された冷気は感温部７ａの温度で、温度制御装置
７のバツフル面７ｂにより適温に保つようになつ
ている。１２は魚肉など、０℃付近のいわゆる凍
結寸前の温度で保存できるようにした氷温室、１
３はこの氷温室の温度を制御する温度制御装置
で、感温部１３ａの温度でバツフル１３ｂを開閉
制御する。１４は並設された上記温度制御装置
７，１３を覆うカバーである。１５は氷温室１２
へ冷気を導く氷温室背面ダクト、１９は氷温室１
２と野菜室３を上下に区画する氷温、野菜室仕切
板で、背面冷気導入口２０と前面戻り孔２１，２
２はこの前面戻り孔の風路穴の大きさを増減させ
るシヤツター機構である。２３は氷温室１２内に
収容された氷温食品を入れるケースで、この前壁
２５と氷温室扉内板２４とで通風路２６を形成し
ている。

２７は冷蔵、氷温室仕切板２８から垂下したパ
ツキンで、端面を氷温ケース２３の前縁と接して
いる。２９ａ，２９ｂは上記冷蔵、氷温室仕切板
２８のパツキン２７の前後にそれぞれ開口された
冷気の戻り孔、３０はこの戻り孔２９ａの風路穴
の大きさを増減させるシヤツターで、調節自在に
装着されている。

以上のように構成された冷蔵庫では、次のよう
に冷却される。すなわち、冷却器５で冷却された
冷気はフアン６により冷凍室吹出口９より、吹出
され冷凍室１内を−18℃に冷却する。一方、冷気
の一部は、冷凍室背面ダクト８を通り、途中で分
岐され、一方側は冷蔵室吹出しダクト１１より吹
出され、冷蔵室温度制御装置７の感温部７ａの感
知によりバツフル７ｂを開閉して、冷蔵室２内を
３℃前後に制御している。また分岐された他方の
冷気は氷温室温度制御装置１３のバツフル１３ｂ
の開閉により氷温室背面ダクト１５に流入して氷
温室１２へ導かれ、氷温室１２は凍結寸前の０℃
程度の温度に精度よく制御される。そして、氷温
室１２へ導かれた冷気は氷温ケース２３へ流入す
る一方、残りの冷気は氷温、野菜室仕切板１９、
背面冷気導入口２０から野菜室３へ流入し、野菜
室３へ流入し、野菜室３を冷却する。また、野菜
室３を循環して冷却した冷気は氷温、野菜室仕切
板１９の前面戻り孔２１を通過し、さらに、氷温
ケース２３の前壁２５と氷温室扉内板２４間で形
成される前面戻り孔２１と同等以上の断面積を有
した通風路２６を通り、冷蔵、氷温室仕切板２８
の前面戻り孔２９から冷蔵室２へと戻る。

〔考案の効果〕

そして上記戻り冷気は冷蔵室を循環した冷気と
ともに公知の冷蔵庫と同様に冷凍、冷蔵室仕切壁
の前部下面に開口した吸込口を通つて冷却器室へ
戻るように構成している。

この考案は以上述べたように、野菜室は従来冷
蔵室の冷気を流入させて冷却していたために生じ
た高目の温度は、精度良く、かつ０℃程度に制御
されている氷温室の冷気を導入することによつ
て、以前より低温度化が図られるようになり、よ
り保存性が高められるものである。また、野菜室
の冷気の戻り構造は氷温室の氷温ケースの前壁と
氷温室扉内板との間に、風路を形成することによ
つて簡単に、かつ安価に造り出せるなど、大きな
効果が得られる。

さらに、氷温室の冷却戻り冷気と野菜室の戻り
冷気とを混合させることなく、野菜室からの戻り
冷気による熱影響を氷温室に与えないように、氷
温ケースの前縁に接するように冷蔵、氷温室仕切
板からパツキンを垂下させ、かつそのパツキン前
後に冷気戻り孔をそれぞれ備え、野菜室の温度制
御は冷気の戻り孔の風路穴を増加させて強く冷却
させたり、また逆に減少させることによつて弱く
冷却させるように氷温、野菜室仕切板の冷気戻り
孔にシヤツターを備えるか、あるいは冷蔵、氷温
室仕切板の冷気戻り孔にシヤツターを設けるか、
または、それら両方のシヤツターを設けて調節で
きるようにしたから、野菜室を適温に制御するこ
とができ、保存性を向上することができるなどの
多大の実用的効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷蔵庫の縦断面図、第２図はこ
の考案による冷蔵庫を扉を外して示す正面図、第
３図は第２図の縦断面図、第４図はこの考案の第
二の実施例を示す第３図に相当する要部断面図、
第５図は第４図の要部分解斜視図、第６図はこの
考案の第三の実施例を示す第３図に相当する要部
断面図、第７図は第６図の要部分解斜視図であ
る。 なお、図中同一符号は同一、または相当部分を
示し、１は冷凍室、２は冷蔵室、３は野菜室、５
は冷却器、６はフアン、１１は背面ダクト、１２
は氷温室、７，１３は温度制御装置、１５は氷温
室背面ダクト、１６は冷蔵、氷温室仕切板、１９
は氷温、野菜室仕切板、２０は背面冷気導入口、
２１，２９は前面戻り孔、２２，３０はシヤツタ
ー、２３は氷温ケース、２４は氷温室扉内板、２
５は氷温ケース前壁、２６は通風路、２７はパツ
キンである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上部から冷凍室、冷蔵室、氷温室及び野菜室
   の順に備え、冷却器にて冷却された冷気をフア
   ンにより強制循環させ、冷気の一部を背面ダク
   トを通り冷蔵室及び氷温室に分配送風して、冷
   蔵室及び氷温室を独立した温度制御装置により
   各室を適温に保つようにした冷蔵庫において、
   上記氷温室に分配された冷気の一部を氷温、野
   菜室仕切板の背面冷気導入口から上記野菜室に
   導き、野菜室を循環した冷気の戻り風路を氷
   温、野菜室仕切板の前面戻り孔、氷温室扉内板
   と氷温室に収容された氷温ケース前壁とで形成
   した風路及び冷蔵、氷温室仕切板の前面戻り孔
   を通るように形成したことを特徴とする冷蔵
   庫。 (2) 冷蔵、氷温室仕切板下面から垂下するパツキ
   ンを氷温ケース前縁に接して設けるとともに、
   上記仕切板のパツキンの前後にそれぞれ戻り孔
   を形成したことを特徴とした実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の冷蔵庫。 (3) 氷温、野菜室仕切板の戻り孔の風路穴の大き
   さを増減させる調節自在のシヤツター、上記戻
   り孔の最大風路穴と同等以上の風路を氷温室扉
   内板と氷温ケース前壁との間に形成するととも
   に冷蔵、氷温室仕切板に上記同等以上の冷気戻
   り孔を設けたことを特徴とした実用新案登録請
   求の範囲第１項又は第２項記載の冷蔵庫。 (4) 冷蔵、氷温室仕切板の戻り孔の風路穴の大き
   さを増減させる調節自在のシヤツターを設けた
   ことを特徴とした実用新案登録請求の範囲第１
   項又は第２項記載の冷蔵庫。