JPH0340257Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、液体を充填された室を密閉する導電
性材料から形成されたダイヤフラムと、巻線が前
記ダイヤフラムに対向する面上に配置されたコイ
ルとを有し、そのコイルが２つの端子を介して高
電圧供給源に接続されている、生体内の結石を非
接触破砕するための衝撃波発生器に関する。

〔従来の技術〕

コイルに対して平行に配置されたダイヤフラム
を備えるこの種の衝撃波発生器は、ドイツ連邦共
和国特許出願公開第3328051号公報に記載されて
いる。この衝撃波発生器においては、衝撃波はコ
イルが数十kVたとえば20kVに充電されたコンデ
ンサを含む高電圧供給源に接続されることによつ
て発生される。コンデンサに蓄積されたエネルギ
ーは瞬時的にコイルへ放電し、その結果コイルが
極めて迅速に磁場を形成する。同時にダイヤフラ
ムには電流が誘起される。この電流はコイルに流
れる電流に対して逆向きであり、それゆえ逆磁場
が作られ、この逆磁場の作用によりダイヤフラム
がコイルから瞬発的に突き離される。このように
して液体たとえば水を充填された室内に発生され
た衝撃波は適当な手段によつて生体内の結石たと
えば腎臓結石に集束され、それを破砕する働きを
する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

高電圧供給源から供給される電気エネルギーを
衝撃波エネルギーへ出来るだけ変換するために、
公知の衝撃波発生器においては、ダイヤフラムを
コイルに出来る限り接近して取付ける必要があ
る。しかしながらこのことは、ダイヤフラムがコ
イルの１つの端子および高電圧供給源の１つの極
と共通的にアース電位を印加されるために、高電
圧の大きさに相当する電位差がコイルとダイヤフ
ラムとの間に必然的に存在するようになるので、
条件付きでしか可能ではない。というのは、電圧
フラツシオーバを回避するためにダイヤフラムと
コイルとの間には最小間隔が確保されなければな
らないからである。電圧フラツシオーバは衝撃波
発生器の動作を妨げ、ダイヤフラムを損傷させて
その寿命に悪影響を与える。従つて公知の衝撃波
発生器においては、ダイヤフラムの十分な寿命を
得るためには、ダイヤフラムとコイルとの間の間
隔は電気エネルギーを衝撃波エネルギーへ変換す
る際に不満足な変換効率とならざるを得ないよう
な間隔に選定されなければならない。

そこで本考案は、エネルギー変換効率が著しく
低下することなく、ダイヤフラムが長寿命を有す
るような衝撃波発生器を構成することを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために、本考案は、ダイヤ
フラムが、コイルの一方の端子とダイヤフラムと
の間に正の電位差が生じ、コイルの他方の端子と
ダイヤフラムとの間に負の電位差が生じるような
電位を印加されることを特徴とする。

〔作用および考案の効果〕

本考案による衝撃波発生器においては、コイル
の巻線とダイヤフラムとの間に発生する電位差は
最高の場合でも高電圧の大きさよりも小さい。そ
れゆえ、コイルはダイヤフラムとコイルとの間の
電圧フラツシオーバの危険なくダイヤフラムに接
近して配置することができる。その結果、本考案
による衝撃波発生器は耐高電圧性が同じ場合には
電気エネルギーの衝撃波エネルギーへの変換時に
公知の衝撃波発生器よりも高変換効率が得られ
る。

コイルの個々の巻線とダイヤフラムとの間に出
現する電位差が何れの個所においてもコイルの両
端子とダイヤフラムとの間に出現する大電位差を
超過することがないように、コイルをダイヤフラ
ムに対して相対的に配置すると、最良の状態が得
られる。この場合には、コイルの両端子間に電圧
降下は無視し得るということ、すなわち両端子に
直接隣接するコイル巻線とダイヤフラムとの間に
出現する電位差は両端子とダイヤフラムとの間に
出現する電位差に相当するということが前提にな
つている。

〔実施態様〕

特にコイルがダイヤフラムに対して平行な平面
に配置される場合には、本考案の１とつ実施態様
に基づいてダイヤフラムとコイルの両端子との間
にそれぞれ出現する電位差がその大きさを等しく
されると有利である。というのは、ダイヤフラム
とコイルとの間にその場合に発生する電位差は高
電圧の半分の大きさに相当するようになるからで
ある。

本考案の他の実施態様によればダイヤフラムは
アース電位を印加される。このことにより、室内
に存在して場合によつては生体もしくは操作者と
接触し得る液体には高電圧が印加されないという
ことが保証される。

本考案によれば、耐高電圧性の改善を部分的ま
たは全面的に断念したとしても、より大きな電気
エネルギーを衝撃波エネルギーへ変換すること、
もしくは電気エネルギーが同じ場合には衝撃波の
立上がり時間を短縮することができる。というの
は、高電圧供給源内に設けられているコンデンサ
は公知の衝撃波発生器に比較してより高い充電電
圧に充電することができるからである。それゆ
え、コンデンサは充電電圧の二乗でもつて大きく
なる大エネルギーを放出することができるように
なるか、または、放出エネルギーが同じ場合には
コンデンサの容量を小さくすることができるよう
になる。それによつて、コイルとコンデンサとに
より形成される振動回路は比較的高い固有周波数
を有するようになり、このことによつてコイルを
流れる電流の立上がり時間が短くなり、従つて衝
撃波の立上がり時間が短くなる。この衝撃波の立
上がり時間の短縮化は結石を破砕する際にはあら
ゆる点で望ましいことである。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。

図は本考案による衝撃波発生器の縦断面図を示
す。本考案による衝撃波発生器は液体を充填され
てダイヤフラム２によつて密閉された室３を含む
ケース１を有する。導電性材料から形成されたダ
イヤフラム２に対向して、渦巻き状に巻回された
巻線を有するコイル４が設けられており、ダイヤ
フラム２とコイル４との間には絶縁シート５が配
設されている。。コイル４の巻線はキヤツプ８内
に収納された絶縁体７の載置面６上に配置されて
いる。ダイヤフラム２と、絶縁シート５と、コイ
ル４を備えた絶縁体７を含むキヤツプ８とはボル
ト９によつてケース１に固定されている。コイル
４を絶縁体７の載置面６に固着するために、絶縁
体シート５と絶縁体７の載置面６との間に存在す
る空間には、概要を理解し易くするために図示さ
れていない電気絶縁性注型樹脂が充填されてい
る。コイル４は絶縁体７およびキヤツプ８の孔を
通つて外部に導出された端子１０，１１ならびに
適当なスイツチ手段１２を介して概略的に示され
ている高電圧供給源１３に接続される。この高電
圧供給源１３は電流パルスをコイル４に与え、そ
れによりダイヤフラム２がコイル４から瞬発的に
突き離されて、室３の液体内に衝撃波が形成され
る。コイル４に印加される高電圧のために、ダイ
ヤフラム２とコイル４の個々の巻線との間には電
位差が発生する。

ダイヤフラム２にはアース電位１４が印加さ
れ、一方端子１１には正電位＋Ｕが印加され、端
子１０には負電位−Ｕが印加される。それ故に、
コイル４の端子１１とダイヤフラム２との間には
正の電位差が生じる。一方、コイル４の端子１０
とダイヤフラム２との間には負の電位差が生じ
る。両電位差の大きさは、電位＋Ｕと−Ｕとがア
ース電位１４に対してその符号を異ならせている
だけで等しい。

図示された衝撃波発生器においてはコイル４の
巻線はダイヤフラム２に対して一定間隔を有する
ので、コイル４の巻線とダイヤフラム２との間に
は高電圧供給源１３から与えられる高電圧の1/2
の大きさに相当する電位差が発生するだけであ
る。それ故に、コイル４の巻線とダイヤフラム２
との間に出現する最大電位差が高電圧の大きさに
相当する公知の衝撃波発生器に比較して、本考案
による衝撃波発生器においては、電圧フラツシオ
ーバの危険を生ずるとなく、コイル４はダイヤフ
ラム２に接近して配置することができる。

図示の実施例においては、フラツトダイヤフラ
ム２を有する衝撃波発生器が示されている。しか
しながら、他の形状たとえば球形状に形成された
ダイヤフラムを有する衝撃波発生器を本考案に基
づいて構成することも可能である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案による衝撃波発生器の一実施例を示
す縦断面図である。 １……ケース、２……ダイヤフラム、３……液
体充填室、４……コイル、５……絶縁シート、６
……載置面、７……絶縁体、８……キヤツプ、９
……ボルト、１０，１１……端子、１２……スイ
ツチ手段、１３……高電圧供給源、１４……アー
ス電位。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 液体を充填された室３を密閉する導電性材料
   から形成されたダイヤフラム２と、巻線がダイ
   ヤフラム２に対向する面６上に配置されたコイ
   ル４とを有し、そのコイル４が２つの端子１
   ０，１１を介して高電圧供給源１３に接続され
   ている、生体内の結石を非接触破砕するめの衝
   撃波発生器において、ダイヤフラム２は、コイ
   ル４の一方の端子１１とダイヤフラム２との間
   に正の電位差が生じ、コイル４の他方の端子１
   ０とダイヤフラム２との間に負の電位差が生じ
   るような電位１４を印加されることを特徴とす
   る衝撃波発生器。 ２ ダイヤフラム２とコイル４の各端子１０，１
   １との間にそれぞれ生じる電位差はその大きさ
   が等しいことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の衝撃波発生器。 ３ ダイヤフラム２はアース電位１４を印加され
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項または第２項記載の衝撃波発生器。