JPH0339763B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、条鋼などの２ストランド圧延方式の
圧延パスライン途中でパスライン変更を行う際の
パスライン切換え誘導装置に関するものである。

通常この種の条鋼圧延は、第３図に一部代表例
を示すが、一連の圧延設備の中で品種重点を狙う
単ストランド方式、生産性を主眼とする複数スト
ランド方式、更には品質と生産性の両面を狙う単
複の組合せ方式等、様々な形態がある。

とりわけ本発明に係る装置は、第３図に示す様
な条鋼２ストランド圧延ライン配置の代表例の如
き上記の後者に属し、条鋼製品の品質、生産性の
両面はもとより、設備の効率的な稼働をも意図す
るものである。

即ち、第３図において、条鋼粗圧延ロール配列
領域アの粗圧延列が２パスラインＡ，Ｂの２スト
ランドで、パスライン切換え誘導領域イの点を通
過後分離して条鋼中間圧延列ロール配列領域エ及
び仕上圧延列領域オが各１ストランドの方式のも
ので構成されている場合、条鋼圧延ラインの中間
誘導分岐トラフ領域ウ以後の前記領域エ、オ、更
にはその過程にて２パスラインＡ又はＢの一方が
トラブル、ロール組替、或はその他の理由で通材
不能になつた際、片側ラインのみでの条鋼圧延生
産が余儀なくされる。

しかし、前記領域アの粗圧延列の圧延用各ロー
ルには２ライン用のロール孔型が施されているに
も拘らず、この様に片側ラインの生産を続ける
と、ラインＡ，Ｂのロール摩耗のバランスが崩
れ、通材量の多いパスラインの孔型摩耗が進行
し、これがロール孔型改削当りの使用寿命の限度
になり、ロール寿命を早めてしまう。従つてロー
ルの組替頻度も増加し、ひいては圧延設備の稼働
効率低下にも結び付くものである。

而して、前記の様に２ストランド圧延におい
て、領域ウ以後でトラブルが生じ、或はロール組
替を行うに際し、粗圧延列までが片側列の圧延を
余儀なくされる実状にあり、ロールの有効利用が
出来ないだけでなく圧延用ロール組替頻度も増
え、生産工場の稼働率低下を招くに至つては甚だ
不利益をもたらすことは論ずるまでもない。

従来、この種の対策として前記の領域イで２パ
スラインＡ，Ｂのパスライン方向の変換をする方
式が不可欠となり、例えばパスライン切換え誘導
装置として第９図〜第１１図に示す様な２ライ
ン、２ガイド、２パワーシリンダ方式が採用され
ている場合があり、この方法だとガイドと２パワ
ーシリンダの作動制御がむずかしく、これに係わ
るトラブルが生じ易い。

即ち、第９図は２パスラインＡ，Ｂとも正常に
並行圧延している際のパスライン切換え誘導装置
の設定状態を示すものであるが、例えばパスライ
ンＢの中間誘導ガイド６以後のラインが通材不能
となつた場合、第１０図に示す様に粗圧延列パス
ラインＢの通材をパワーシリンダ２２の連結ロツ
ド２３の作動によつてライン切換えされた誘導装
置ガイド１９を介して、ラインＢ→Ａへパスライ
ン切換えをなさしめる。この場合、その誘導装置
ガイド１９を切換える前段作動準備としてライン
Ａの誘導装置ガイド１８をパワーシリンダ２０の
連結ロツド２１を作動させ、事前にパスラインか
ら後退させておかなくてはならない。更にライン
Ａ→Ａの通材に対しては、両ラインＡ，Ｂとも並
行状態に戻すため、誘導装置ガイド１９を元の位
置、即ち圧延機出側ガイド４→誘導装置ガイド１
９→中間誘導ガイド６が一線になる状態とし、ラ
インＡ側は圧延機出側ガイド３→誘導装置ガイド
１８→中間誘導ガイド５も一線になる状態とし
て、これをパスラインＢ→Ａ、Ａ→Ａとロール摩
耗状態に合せ順次交互に繰返す。

又、ラインＡの中間誘導ガイド５以後のライン
が通材不能となつた場合は、第１１図に示す様に
ラインＡ→ＢとＢ→Ｂへのパスラインを変換を、
前記第１０図に基づいて説明せる作動手順と同様
になさしめる。

この様にパスラインの切換えの過程において、
２本の誘導装置ガイドを２台のパワーシリンダに
てタイミング良く作動制御しなければならず、作
動制御のむずかしさ、トラブルの発生原因となる
等の欠点があつた。

本発明はこの様な従来の欠点を除去し、２スト
ランド圧延におけるライン途中での通材の圧延パ
スライン切換えを即時に簡単且つ容易ならしめる
と共に、複列孔型を有する圧延機のロール摩耗バ
ランスを確保しロールを寿命まで効率良く使用で
きる圧延パスラインの自動切換え誘導装置を提供
することを目的とするものである。

以下本発明の一実施例を図面に従つて説明する
と、第１図及び第２図は条鋼２ストランド圧延ラ
イン配置設備の代表例を示す第３図の如き圧延機
群列間に設置したパスライン切換え誘導装置を示
すもので、１，１′は条鋼粗圧延列領域の圧延機
用ロールであり、このロール１，１′には２スト
ランドのパスラインＡ，Ｂの圧延パスをなさしめ
る環状溝型のロール孔型２ａ，２ｂがロール全周
に凹設され、通常圧延材はこれらの何台かの圧延
機上、下ロール１，１′の孔型２ａ，２ｂにて転
動押圧されて圧延機出側ガイド３，４に導き出さ
れるようになつている。

このロール孔型２ａ，２ｂは圧延材の通過長さ
にほぼ比例して摩耗するので、前述のロール孔型
摩耗のバランスを確保し、適正且つ経済的なロー
ル孔型改削チヤンスを得るためには２つのパスラ
インＡ，Ｂとも同様の使用条件とすることが望ま
しい理である。

そこで、前記粗圧延列の２ストランドのパスラ
インＡ，Ｂの出側に設置された圧延機出側ガイド
３，４と、これより分離して各単ストランドの中
間圧延列、仕上圧延列のパスラインＡ，Ｂに圧延
材を誘導する中間誘導ガイド５，６との間に、そ
れらの２ストランドのパスラインＡ−Ａ，Ｂ−Ｂ
に対応する誘導管又は誘導樋からなる２本の誘導
装置ガイド７，９と、それらの中間に同様の１本
の誘導装置ガイド８を、中間部支軸１０を中心と
し付設された案内コロ１３，１４にてベツド１５
上に旋回可能に設置された誘導ガイド作動フレー
ム１６上に３列一組として並行に設置し、その誘
導ガイド作動フレーム１６上の誘導装置ガイド
７，９を圧延機出側ガイド３，４と中間誘導ガイ
ド５，６とのパスラインＡ−Ａ，Ｂ−Ｂに対して
一致させ、又誘導装置ガイド８を圧延機出側ガイ
ド３を中間誘導ガイド６、又は圧延機出側ガイド
４と中間誘導ガイド５に至る圧延パスラインＡ→
Ｂ、又はＢ→Ａに一致する所定位置まで旋回させ
るべく、誘導ガイド作動フレーム１６を前記中央
部支軸１０を中心に旋回作動させる一台のパワー
シリンダ１１の連結ロツド１２を連結ピン１２′
で誘導ガイド作動フレーム１６に連結してなる構
成である。

本発明は上記の構成で、通常、２パスラインを
有する粗圧延列で圧延される二条の圧延材は、第
４図に示す如く２パスラインＡ，Ｂを保有する何
台かの圧延機ロール１，１′の孔型２ａ，２ｂに
て転動押圧され、成形されて圧延機出側ガイド
３，４に導き出され、それぞれ誘導装置ガイド
７，９、中間誘導ガイド５，６を通過して、単ス
トランドの中間圧延列、仕上圧延列のパスライン
Ａ，Ｂを通過する一線上のパスラインＡ→Ａ，Ｂ
→Ｂラインにて２ストランドの正常な圧延状態で
圧延しているものである。

而して、パスラインＢの中間誘導ガイド６以後
のラインがトラブル、ロール組替え或はその他の
理由で通材不能（図形のＸで示す）になつた場
合、第５図に示すように粗圧延列のパスラインＡ
と中間圧延列以後のパスラインＡの片側のパスラ
インＡ→Ａを使用して圧延生産する。

又、パワーシリンダ１１を作動させて連結ロツ
ド１２を前進作動すると、連結ピン１２′を介し
誘導ガイド作動フレーム１６が中央部支軸１０を
中心として案内コロ１３，１４によりベツド１５
上を旋回移動され、誘導装置ガイド８の両端が粗
圧延列のパスラインＢの圧延機出側ガイド４と中
間圧延列、仕上圧延列のパスラインＡへの中間誘
導ガイド５に対向する位置に方向変換され、粗圧
延機上、下ロール１，１′のパスラインＢの孔型
２ｂを通じて圧延されてきた圧延材を誘導装置ガ
イド８を通じてパスラインＢ→Ａに切換えして中
間圧延列、仕上圧延列を経て圧延する（第６図参
照）。

一方、パスラインＡの中間誘導ガイド５以後の
ラインが通材不能になつた場合は、第７図に示す
ように、パワーシリンダ１１の作動により連結ロ
ツド１２を後退することにより、誘導ガイド作動
フレーム１６が中央部支軸１０を中心に前記と逆
に旋回作動して誘導装置ガイド７，９が粗圧延列
のパスラインと中間圧延列、仕上圧延列のパスラ
インＡ−Ａ，Ｂ−Ｂの一線上に並行状態に復帰
し、第７図に示す如く２ストランド圧延の粗圧延
列の圧延機上、下ロール１，１′の片側パスライ
ンＢの孔型２ｂを通じて圧延されてきた圧延材を
圧延機出側ガイド４、誘導装置ガイド９、中間誘
導ガイド６を経てパスラインＢ→Ｂで圧延生産す
る。

又、第７図の場合と同様に中間誘導ガイド５以
後のパスラインＡが不能となつた場合、再びパワ
ーシリンダ１１の作動により連結ロツド１２を更
に後退させて連結ピン１２′を介し誘導ガイド作
動フレーム１６を旋回させることにより、中間の
誘導装置ガイド８の両端が粗圧延列の圧延機出側
ガイド３と中間誘導ガイド６とに対向する位置に
移動されて第８図に示す如くパスラインが切換わ
り、粗圧延機列のパスラインＡで圧延された通材
は誘導ガイド８、中間ガイド６を経て中間圧延列
以後のパスラインＢにパスラインＡ→Ｂの流れ方
向で圧延生産されるものである。

以上説明したように本発明の装置は、２ストラ
ンド圧延方式の粗圧延列の圧延機出側ガイドと、
これにより１ストランドの中間圧延列、仕上圧延
列に圧延材を誘導する中間誘導ガイドとの間に、
それらのパスラインＡ−Ａ，Ｂ−Ｂに対応する２
本とその中間に１本の３列一組とした誘導管又は
誘導樋等の誘導装置ガイドを、中央部支軸を中心
に旋回可能に設置した誘導ガイド作動フレーム上
に並列設置し、一台のパワーシリンダのみで、粗
圧延列から中間圧延列、仕上圧延列へのパスライ
ン切換えを可能としたから、圧延パスライン切換
えの過程に於いて、２本の誘導ガイドを２台のパ
ワーシリンダにてタイミング良く作動制御しなけ
ればならない従来装置に比して、誘導装置ガイド
の作動距離が1/2になると同時に、作動制御その
ものが単一化されるので、ライン切換えの確実性
の向上と相俟つて制御上から生じるトラブルも少
なく、中間圧延列、仕上圧延列でのトラブルの発
生、或はロール組替等の通材不能のラインが生じ
た場合、通材のパスライン変換を即時容易になし
得られ、粗圧延列ロール孔型をロール摩耗状態に
合せて２パスラインを交互に使用してロール摩耗
バランスを確保し得る。従つて、万一本装置以後
の２パスラインの何れか一方のラインが通材不能
の事態が発生しても、粗圧延列はロール孔型の摩
耗状態に合せ、両ライン交互にパスラインを切換
えつつ、複列孔型ロールの摩耗のバランスを保
ち、適正且つ経済的なロール孔型寿命のもとに圧
延機ロールの組替えが出来、これが為、工場の設
備稼働率向上のみならず、ロール費の低減と製品
寸法精度の向上をも図り得る等の特徴を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は条鋼２ストランド圧延における本発明
の圧延パスラインの自動切換え誘導装置の平面
図、第２図は同正面図、第３図は条鋼２ストラン
ド圧延ライン配置の代表例を示す平面概略図、第
４図は本発明誘導装置において２ストランドパス
ラインＡ→Ａ，Ｂ→Ｂの並行圧延時の状態を示す
平面図、第５図は同装置におけるパスラインＡ→
Ａ圧延時の状態を示す平面図、第６図は同パスラ
インＢ→Ａ切換え圧延時の状態を、第７図は同パ
スラインＢ→Ｂ圧延時の状態を、第８図は同パス
ラインＡ→Ｂ切換え圧延時の状態を夫々示す平面
図、第９図は従来の誘導装置における２ストラン
ド２パスラインＡ→Ａ，Ｂ→Ｂ並行圧延時の状態
を示す平面図、第１０図は同パスラインＢ→Ａ切
換え圧延時の状態を、第１１図は同パスラインＡ
→Ｂ切換え圧延時の状態を夫々示す平面図であ
る。 １，１′……条鋼圧延機ロール、３，４……圧
延機出側ガイド、５，６……中間誘導ガイド、
７，８，９……誘導管又は誘導樋等の誘導装置ガ
イド、１０……中央部支軸、１１……パワーシリ
ンダ、１２……パワーシリンダの連結ロツド、１
６……誘導ガイド作動フレーム、Ａ，Ｂ……２ス
トランド圧延におけるパスライン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 条鋼の２ストランド圧延方式のパスライン
   Ａ，Ｂを有する粗圧延列の圧延機出側ガイド３，
   ４と、これを通過後分離して各単ストランド方式
   の中間圧延列、仕上圧延列のパスラインＡ，Ｂに
   圧延材を誘導する中間誘導ガイド５，６との間
   に、それらのパスラインＡ−Ａ，Ｂ−Ｂに対応す
   る２本とそれらの中間に１本の３列一組とした誘
   導管又は誘導樋等の誘導装置ガイド７，８，９
   を、中央部支軸１０を中心に旋回可能に設置した
   誘導ガイド作動フレーム１６上に並設し、該作動
   フレーム１６に一台のパワーシリンダの連結ロツ
   ドを連結し、前記中央部支軸１０を中心に粗圧延
   列と中間圧延列との圧延パスラインＡ−Ａ，Ｂ−
   Ｂを誘導装置ガイド８を介し一動作でパスライン
   Ａ→Ｂ又はＢ→Ａに切換えることを特徴とする圧
   延パスラインの自動切換え誘導装置。