JPH0334204Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はスポーツ用具に関し、より詳細には、
クロスカントリースキー用のスキービインデイン
グに関する。

本考案は、スポーツ用クロスカントリースキー
とツーリスト用クロスカントリースキーの両方に
効果的に使用することができる。

（従来技術） 今日、我々は、スポーツ用具が満たされなけれ
ばならない水準のめざましい上昇と変化を目撃す
る。スケーテイング走法が普及しているので、ス
キーブーツ底の捩じれ抵抗を高めることが必要と
なつた、というのは、スキーヤーは長時間にわた
りスキーのエツジで滑るからである。しかしなが
ら、この場合、スキー板の滑走面は（及びブーツ
底の面もまた）、スキーヤーがプツシングすると
き、スキー用トラツク（圧接した雪）の表面に対
してかなりの角度を形成し、ブーツ底に対して強
い捩じれモーメントを発生する。

現在、スキー板の長手方向軸線に対して或る角
度に配置された側部フレームを備えたプレートを
有する「アデイダス」スキービインデイングが広
く使用されている。プレートの寸法と側部フレー
ムの傾斜の大きさは、ブーツ底の爪先の寸法と形
状によつて決められる。ビインデイングは、ブー
ツ底の爪先の上面にフランジを有するスキーブー
ツに使用できるように設計されている。ビインデ
イングのロツクは以下にように設計されている。
プレートはレバーが固定されたピンを支持し、か
かるレバーはその自由端になお別のピンを有す
る。この別のピンには第２レバーが固定され、第
２レバーの自由端はブーツ底の爪先のフランジを
下方に保持する。

ブーツを係止するためには、スキーヤーは、第
２レバーの端をブーツのフランジに載せ、第１レ
バーを押し、この場合、２つのピンを結ぶ線が第
１ピンとと固定ピンを結ぶ線よりも低くなるまで
廻し続けなければならない。この位置で、ブーツ
は係止される。前記ビインデイングの欠点には、
相当な重量、主にロツク設計の高度な複雑さから
生じる比較的低い製造適合性、水平方向平面で生
ずる相当なトルクが含まれ、最後の欠点は、スキ
ーヤーがスケーテイング走法を用いるときに特に
重大である。強い底の捩じれは、ピインデイング
の設計によつてだけではなく、水準「レーシング
規格（Racing Norm）50」タイプのブーツと比
較して幅狭の爪先を有する「レーシング規格３
８」タイプのブーツの幅狭の底の爪先部分によつ
ても引き起こされる。

ロタフエラ（Ratafella）タイプのスキービイ
ンデイングは現在広く使用されている。このビイ
ンデイングもスキー板の長手方向軸線に対して或
る角度で配置された側部フレームを備えたプレー
トを有する。このビインデイングは、「アデイダ
ス」ビインデイングと異なるので、プレートに直
接取付けられた３つのピンを有し、このピンはブ
ーツ底の爪先に設けられた穴と合致する。ブーツ
は、自由端を側部フレームのスリーブに配置した
シヤツクルで係止される。ビインデイングの最も
前方の部分には、ノツチ付きプレートを支持する
軸がある。ブーツを、ブーツ底の爪先の穴がピン
と合致したように位置決めする。次いで、スキー
ヤーがシヤツクルを押してプレートのノツチの一
つと係合させる。ビインデイングは、変形に応じ
て異なるタイプのロツクを有する。確実なブーツ
の係止と、スキー板の長手方向軸線と垂直な平面
で生ずる、上述したアデイダスビインデイングと
比較して小さなトルクは、前記ビインデイングの
利点として挙げられる。欠点には、相当な重量、
ビインデイング及びロツクの比較的低い製造適合
性、詳細には、ブーツを係止し、外すときに手
（ストツク）を使用する必要性が含まれる。

ブーツ底の爪先部分の幅が広くなると、スキー
板の長手方向軸線に沿つて差し向けられた、垂直
平面の曲げに抗する力の増加が起こる。前記悪影
響は、スキーヤーが伝統的走法を用いるときに、
明瞭にたくさん現れる。かくして、以上引用した
２つのスキービインデイングの設計は、矛盾が存
在すること、すなわち、スキービインデイングを
伝統的走法に適合させればさせるほど、スケーテ
イング走法を用いたときの機能がわるくなること
を示す。伝統的走法での、レーシング規格38タイ
プのブーツに適合されたスキービインデイング
は、スケーテイング走法での、レーシング規格50
に適合されたビインデイングと比較して点好に機
能する。ことは明白である。このことは、スケー
テイング走法を用いるときは全て逆である。

各々２つの部品からなる固定ピンを有する先行
技術のスキービインデイングがある（出願公告No.
3240750の西ドイツ特許出願）。ピンの一部は、ス
キー板（ブーツ）本体に直接固定されている。ピ
ンの底部をスキー板本体に固定する場合、ブーツ
を係止するためには、ピンの頂部が対応するブー
ツの底の爪先の穴に嵌まるようにブーツを位置決
めする必要がある。ブーツの垂直移動を制限する
ため、種々のロツクが採用されている。前記ビイ
ンデイングの利点としては、比較的高い製造適合
性、簡単な設計、固定ピンの、種々の製造容易な
ロツクとの組み合わせ使用が含まれる。欠点とし
ては、ブーツを係止したり、外したりするとき
に、ビインデイングの機能の質が比較的悪いこと
である、というのは、ブーツの係止、取外しが手
でしか行うことができないからである。

先行技術のビインデイングは（IPC Ａ 63A
の西ドイツ特許No.G8425984I）は、ブーツ底の爪
先の穴と合致するスキー板取付式固定ピンと、ブ
ラケツト形状のブレードばねとして特徴付けら
れ、ブーツ底の爪先を上からまたぎ、一端がスキ
ー板に取付けられたロツクとを有する。このビイ
ンデイングの利点としては、比較的高い製造適合
性、軽量、取扱の容易さが含まれる。最後の利点
は、提案されたスキービインデイングがブーツの
自動係止を提供することによる。

前記設計のビインデイングの欠点は、ウエル
ト、すなわち、突出した底の爪先を有するブーツ
にしか使用できないことである。前記スキービイ
ンデイングの設計は、底の固定ピン領域に生ずる
大きな応力を特徴とする、というのは、ピンと底
の損傷を引き起こしてしまうかもしれないあらゆ
る力は実際にはピンによつて行われるからであ
る。

（解決すべき課題） 本考案は、スキービインデイングの信頼性を増
大させることに向けられている。本考案の別の目
的は、スキービインデイングの寿命の延長であ
る。本考案の更に別の目的は、スキーヤーのプツ
シングの効率を向上させることにある。

本考案は、スキーヤーがプツシングしたとき
に、ビインデイング要素に作用する曲げモーメン
トを減らすことを可能にするスキービインデイン
グの提供に向けられている。

（課題を解決するための手段） 課題は、ブーツの底の爪先部分に設けられた穴
に嵌まる、スキー板に取付けられた固定ピンと、
ブーツの垂直移動を制限するロツクとからなるス
キー用ビインデイングにおいて、本考案によれ
ば、ピンの面と接触する穴の面の少なくとも一部
が、スキーヤーがプツシングしたときの、ピンに
隣接したブーツの底の軌道の一部に実質的に対応
する円弧として形作られている前記スキービイン
デイングを設計することにより解決される。

提案した設計のスキービインデイングは、穴帯
域において固定ピンとブーツ底に作用する曲げモ
ーメントを相当に減じる。このことは、一方、ス
キービインデイングの信頼性を高め、寿命をなが
つすることを可能にする。更に、かかるビインデ
イングは、ブーツ底を曲げる力を相当に減ずるの
で、スキーヤーのプツシング効果を高める。

本考案の１つの実施例によれば、穴の面と接触
するピンの面の少なくとも一部が、スキーヤーが
プツシングしたときの、ピンに隣接したブーツの
底の軌道の一部に実質的に対応する円弧として形
作られている。

本考案の別の実施例によれば、ピンを収容する
穴はブーツの踵に差し向けられた膨張部を有し、
ピンと接触する穴の面の円弧部分は、膨張帯域の
穴の面一部領域である。

前記実施例は、真つ直ぐなピンを使用すること
を可能にするから、製造適合性が幾分良好であ
り、取扱いがたやすい。

本考案の１つ実施例によれば、弾性材料で作ら
れた衝撃吸収体が穴の膨張帯域に取付けられてい
る。

衝撃吸収体の導入により、スキーヤーがプツシ
ンしたときにピンに作用する力の分布がより均一
になる。

本考案の他の目的及び利点は、添付図面と関連
した、以下の、本考案の特定の実施例の説明から
明らかになろう。

（実施例） 提案したスキービインデイングは、スキー板２
に取付けられた、ブーツ５の底４の穴３に嵌まる
固定ピン１（第１図）と、ロツク６からなる。各
ピン１、穴３の表面の接触した部分は、スキーヤ
ーがプツシングしたときの、ピン１に隣接したブ
ーツ５の底４の軌道の一部に実質的に対応する円
弧として形作られている。各円弧形の穴は、底４
のベースと底４の前方端面間の貫通穴として設計
されている。

スキービインデイングのロツク６は、ブレード
式ブラケツト形状ばねとして設計され、その一端
はスキー板２に堅固に取付けられ、他方の自由端
には、ブーツ５の底４の穴３に挿入するための取
外し自在のフオーク７が設けられている。

このスキービインデイングは次のように作動す
る。

ロツク６をスキー板２の先端の方向に押し出
し、スキー板２のピン１をブーツ５の底４の穴３
に整合させる。ピン１を穴３に挿入したら、ロツ
ク６を解放する。

次いで、寸法が穴３と合う二端を備える取外し
自在なフオーク７を穴３に導入する。その後、例
えば、フオーク７の自由端がロツク６の自由端を
またぐような仕方でフオーク７の自由端をロツク
６に嵌める。ブーツ５をピン１にたやすく係止す
るため、フオーク７は取外し自在に作られてい
る。ロツク６をフオーク７に恒久的に接合する
と、ブーツ５の穴３を円弧形のピン１と合致させ
るのが困難になる。

スキーヤーが走行するときには、ロツク６によ
つてピン１に固定されたブーツ５は垂直平面でピ
ン１に対して移動する。

この移動中、各穴３のアーチ形にされた面は、
円弧形状のピン１及びロツク６に押し当たつて摺
動する。

第２図は、通常は真つ直ぐなピンを使用したス
キービインデイングの実施例を示す。各穴３は、
ブーツ５の踵に差し向けられた膨張部を有する。

ピン１と接触する膨張帯域における穴３の面の
領域８は、スキーヤーがプツシングしたときの、
ピン１に隣接したブーツ５の底４の軌道の、一部
に実質的に対応する円弧として形作られている。
ロツク６は、この実施例でも、ブレード式ブラケ
ツト形状ばねとして設計され、その一端はピン１
に堅固に取付けられ、他方の自由端はブーツ５の
底４の頂部分の面に設けられた凹部９に導入され
る。

第３図及び第４図に示した本考案の別の実施例
によれば、弾性材料、例えば、ゴムで作られた衝
撃吸収体１０が、穴３の膨張帯域に取付けられて
いる。衝撃吸収体１０とピン１との間には、ピン
１と衝撃吸収体１０との接触体として働くブレー
ト１１が取付けられている。

衝撃吸収体１０とプレート１１は、取付具１３
で底４に固定されたプレート１２によつて、底４
の穴３の適所に保持される。

ロツク６と固定ピン１との間の底４の前部分
（第３図）は、弾性材料、例えば、ゴムで作るの
が良い。この場合、ブーツ５を持ち上げることに
より、底４の前記部分は変形されることになる。

（考案の効果） 本考案は、スキーヤーが伝統的走法を使用する
場合でも、スケーテイング走法を使用する場合の
いずれであつても、スポーツ用クロスカントリー
スキーに、最良の有利をもつて使用することがで
きる。

ピンと合致する各穴はブーツの踵に差し向けら
れた膨張部を有し、ピンと接触する膨張帯域の穴
の面の一部は、スキーヤーがプツシングしたとき
の、ピンに隣接したブーツの底の軌道の一部に実
質的に対応する円弧として形作られている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるスキービインデイング
の実施例（長手方向断面）を示し、第２図は、ス
キービインデイングの実施例（長手方向断面）で
あり、第３図は、スキービインデイングの実施例
（長手方向断面）であり、第４図は、第３図の
−線における断面を示す。 １…ピン、２…スキー板、３…穴、４…底、５
…ブーツ、６…ロツク、７…取外し自在なフオー
ク、９…凹部、１０…衝撃吸収体、１１…プレー
ト、１２…プレート、１３…取付具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ブーツ５の底４の爪先部分に穿設した対応す
   る穴３の中に嵌入するようにスキー板２の上に
   取付けた固定ピン１とブーツ５の垂直運動を制
   止するロツク６とを包含するスキービインデイ
   ングにおいて、ピン１の面と接触する、穴３の
   面の少なくとも１部が、スキーヤーが前方へ圧
   力を加える時ブーツ５の底４のピン１に隣接す
   る部分が描く軌道に実質的に対応する円弧の形
   をとるようにしたことを特徴とするスキービイ
   ンデイング。 (2) 穴３の面と接触する、ピン１の面の少なくと
   も１部が、スキーヤーが前方へ圧力を加える時
   ブーツ５の底４のピン１に隣接する部分が描く
   軌道に実質的に対応する円弧の形をとるように
   した請求の範囲第１項に記載のスキービインデ
   イング。 (3) ピン１を収容している穴３がブーツ５の後尾
   の方に向いた拡大部を有し、該穴３の面のアー
   チ形の部分を該拡大部の中に含まれている穴３
   の面の、ピン１と接触する区域８とした請求の
   範囲第１項に記載のスキービインデイング。 (4) 弾性材料の衝撃吸収体１０が穴３の拡大域の
   中に装入されている請求の範囲第３項に記載の
   スキービインデイング。