JPH0333610B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、物品受け渡し装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来の物品受け渡し装置を第１，２図により説
明すると、１が表面の平滑なダンボール箱や袋に
より包装された包装体、２が内容物をダンボール
箱や袋に充填、密封してコンベア３に払い出す充
填装置、３が充填装置２と同期運転されて包装体
１を間歇的に搬送するコンベア、４がコンベア３
に対して直交状態に設置されて、同コンベア３と
同期的にしかも４列の枡目を形成するトレー搬送
コンベア、６がトレー搬送コンベア４に所定の間
隔をおいて設けた位置規制レバー、７が包装体受
け渡し装置で、第２図の矢印イ線上を移動する４
個の真空吸盤８を具え、４個の包装体１をコンベ
ア３からトレー搬送装置４上のトレー５へ同時に
受け渡すようになつている。

（発明が解決しようとする課題） 前記第１，２図に示す従来の包装体受け渡し装
置７は、真空吸盤８が矢印イ方向に移動して、包
装体１をコンベア３からトレー搬送コンベア４上
のトレー５へ受け渡すようになつているが、コン
ベア３上の包装体１の１個または１個以上が歯抜
けとなつていると、真空吸盤８の吸引力が低下し
て、所定の吸着能力を発揮できず、吸着ミスが発
生することがある。そのため、図示せざる歯抜け
検知手段（光電管、検出棒等）を受け渡し装置７
に装着して、歯抜けがある場合に、同検知手段に
より受け渡し装置７の運転を停止させて、正常状
態に修正しており、歯抜けの都度、ライン全体を
停止させる必要があつて、生産性が低下するとい
う不都合があつた。

なお上記従来の包装体受け渡し装置７では、ブ
ロア等の容量を大きくすることで、１〜２個の歯
抜けがあつても、他の製品を吸着できるようにな
対策をとつているが、歯抜け率が一定以上、例え
ば30％以上になると、ブロア等の大容量化では対
処し切れなくなる。

本発明は前記の問題点に鑑み提案するものであ
り、その目的とする処は、物品に歯抜けがあつた
場合でも、生産ラインの運転を継続できて、生産
性を向上できる物品受け渡し装置を提供しようと
する点にある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本発明は、真空
源に接続した真空チヤンバーと同真空チヤンバー
に装着した複数個の物品吸着装置とを水平方向に
往復移動させ、その移動終端位置でこれらの機器
を昇降させ、下降時に同各物品吸着装置により複
数個の物品を吸着するか、解放して、同各物品を
所定位置の一方から他方へ受け渡す物品受け渡し
装置において、前記各物品吸着装置を、前記真空
チヤンバー内に連通する有底中空穴と同中空穴の
底部近傍から外周壁を水平方向外方へ貫通した貫
通孔とをもつガイドピンと、同ガイドピンの周り
に設けた装置本体と、同装置本体外から上記ガイ
ドピンの上部外周面周りに形成した環状空間部に
開口した圧縮空気流入口と、同ガイドピンと同装
置本体との間に上下動可能に設けて上昇時には頂
部に突設した筒状受圧面部が上部環状空間部に入
つて上記圧縮空気流入口を閉じ下降時には上記ガ
イドピンに対する摺動面が同ガイドピンの貫通孔
を閉じる中空プランジヤと、同中空プランジヤと
上記装置本体上部との間に介装したプランジヤ下
降用ばねと、上記中空プランジヤの下部に装着し
た吸盤及び間座と、上記中空プランジヤを上下方
向に貫通して上記装着本体と上記ガイドピンと上
記中空プランジヤとの間に形成した空間部を同中
空プランジヤの下部穴に連絡する連絡孔とにより
構成している。

（作用） 本発明の物品受け渡し装置は前記のように構成
されており、各物品がコンベアにより所定の位置
に搬送されてくると、真空チヤンバーが下降し
て、各間座がコンベア上の各物品に当接し、各プ
ランジヤがプランジヤ下降用ばねに抗して上方へ
押し上げられて、ガイドピンの貫通孔と中空プラ
ンジヤ内とが連通し、真空チヤンバー内の負圧が
ガイドピンの有底中空穴→貫通孔→中空プランジ
ヤ内を経て物品に作用して、各吸盤が各物品を吸
着する。この状態で、真空チヤンバーを上昇→水
平方向移動→下降させて、トレー搬送コンベア上
の所定位置に停止させる。この状態になると、圧
縮空気が空気配管→装置本体内の圧縮空気供給口
に供給され、頂部の筒状受圧面部に空気圧が作用
して、各中空プランジヤが下方へ押し下げられ、
各ガイドピンの貫通孔が中空プランジヤの摺動面
により閉じられて、真空が絶たれるとともに、圧
縮空気が圧縮空気供給口→空間部（装置本体とガ
イドピンと中空プランジヤとの間に形成した空間
部）→中空プランジヤの連絡孔を経て中空プラン
ジヤの下部穴内へ供給されて、中空プランジヤ内
の真空が破壊され、さらに圧縮空気が各物品に作
用し、各物品がトレー搬送コンベア上のトレー内
所定位置へ瞬時に放出されて、それへの詰め込み
が終了する。

（実施例） 次に本発明の物品受け渡し装置を第３図乃至第
８図に示す一実施例により説明すると、１１が真
空チヤンバーで、同真空チヤンバー１１は、吸着
装置１２を所定個数装着し、図示せざる駆動装置
により第２図と同様に矢印イ方向に移動する。こ
のチヤンバー１１内は、真空源に接続されてい
て、常時、真空状態に維持されている。

また１３が天井蓋で、同天井蓋１３は、パツキ
ン１４を介して真空チヤンバー１１に固定されて
いる。

また１５が真空ホースで、同真空ホース１５
は、一端が図示せざる真空源に接続され、他端が
真空チヤンバー１１に接続されている。

また上記吸着装置１２は、真空チヤンバー１１
にパツキン１６とボルト１７とを介して固定され
た装置本体１８と、同真空チヤンバー１１の開口
部１９に連絡するガイドピン２０と、装置本体１
８及びガイドピン２０に対して摺動可能な中空プ
ランジヤ２１等により構成されている。上記装置
本体１８には、ガイドピン２０を装着する中心孔
２２と、ボルト１７の螺合するねじ孔２３（第５
図参照）と、プランジヤ下降用ばね（圧縮ばね））
２４を装填す穴２５と、図示せざる圧縮空気源に
接続した圧縮空気流入孔２６とが上部の厚肉部２
７に設けられ、下部には、薄肉円筒部２８が設け
られている。そして、上記圧縮空気流入口２６
は、上記中心孔２２とガイドピン２０の外周面と
で形成される環状空間部に開口されている。

また上記ガイドピン２０には、有底中空穴２９
があり、外周壁３０には、第６図に示すように４
個の孔３１が設けられている。

また上記中空プランジヤ２１には、ガイドピン
２０の外周を摺動する上部孔３２と、間座３３に
螺合する下部穴（空間部）３４とがあり、装置本
体１８の薄肉円筒部２８に内接する鍔３５は、装
置本体１８の穴２５とで圧縮ばね２４を保持し、
止め輪３６により下方への動きを規制している。
また上記下部穴３４は、連絡孔３７を経て装置本
体１８とガイドピン２０と中空プランジヤ２１と
の間に形成した空間部３８に連絡されている。そ
して、中空プランジヤ２１の頂部には、中空プラ
ンジヤ２１の上昇時に上記環状空間部に入り、上
記圧縮空気流入口２６を閉じる筒状受圧面部が突
設されている。

また３３が間座で、同間座３３の上部は、中空
プランジヤ２１の下部穴３４に螺合し、同間座３
３は、中心孔３９の外に、第７図に示す放射溝４
０と円周溝４１とを複数個ずつ持つている。

また４２が吸盤で、同吸盤４２は、中空プラン
ジヤ２１の下端部に装着され、そのリツプ４３
は、間座３３の下端部よりも下方へ突出してい
る。

また４４が空気配管で、図示せざる圧縮空気源
に接続され、包装体１を放出する際に圧縮空気流
入口２６へ圧縮空気を供給するようになつてい
る。

次に前記第３図乃至第８図に示す物品受け渡し
装置の作用を具体的に説明する。

(1) 各包装体１がコンベア３により所定の位置に
搬送されてくると、真空チヤンバー１１が図示
せざる駆動装置により矢印ロ方向（第４図参
照）へ所定距離下降する。

(2) 各間座３３がコンベア３上の各包装体１に当
接すると、各中空プランジヤ２１がプランジヤ
下降用ばね圧縮ばね２４に抗して上方へ押し上
げられ、各ガイドピン２０の貫通孔３１と下部
穴（空間部）３４とが連通し、真空チヤンバー
１１内の負圧が有底中空穴２９→貫通孔３１→
下部穴（空間部）３４→中心孔３９を経て包装
体１に作用し、第８図のように吸盤４２が包装
体１を吸着する。

(3) この状態で、真空チヤンバー１１が図示せざ
る駆動装置により、第２図の矢印イ方向に移動
して、トレー搬送コンベア４上の所定位置に停
止する。

(4) この状態になると、圧縮空気が空気配管４４
→圧縮空気供給口２６へ供給され、頂部の筒状
受圧面部に空気圧が作用して、各中空プランジ
ヤ２１が下方へ押し下げられ、各ガイドピン２
０の貫通孔３１が中空プランジヤ２１の摺動面
により閉じられて、真空が絶たれるとともに、
圧縮空気が圧縮空気供給口２６→中心孔２２→
空間部（装置本体１８とガイドピン２０と中空
プランジヤ２１との間に形成した空間部）３８
→連絡孔３７を経て中空プランジヤ２１の下部
穴（空間部）３４へ供給されて、下部穴３４の
真空が破壊され、さらに圧縮空気圧が各包装体
１に作用して、各包装体１がトレー搬送コンベ
ア４上のトレー５内所定位置へ瞬時に放出され
て、それへの詰め込みが終了する。

その後も、同様で、包装体１のトレー搬送コン
ベア４上のトレー５内への詰め込みが次々に行わ
れる。この場合、仮に充填装置２からコンベア３
に供給される包装体１の中に、歯抜けがあつた場
合、真空チヤンバー１１が矢印ロ方向へ下降して
も、包装体１が歯抜けになつていて、存在しない
ために間座３３が包装体１に当接せず、第４図の
状態を維持して、他の吸着装置１２の吸着動作に
何等の影響も及ぼさない。従つて生産ラインの一
時停止を行う必要がない。

（発明の効果） このように本発明の物品受け渡し装置は充填装
置２側で、仮に物品（包装体１の歯抜けがあつた
場合でも、生産ラインの運転を継続でき、そのた
め、従来のものに比べると、生産性を著しく向上
できる。

また圧縮空気により中空プランジヤ２１を作動
させて、真空伝達を絶つとともに、圧縮空気を物
品（包装体１に作用させるようにしたので、物品
の放出を極めて短時間に、確実に実施できる。

また個々の吸盤４２に開閉バルブ（中空プラン
ジヤ）２１があるので、真空源、例えばブロア等
の容量（能力）を最小限にすることができて、省
エネルギーを達成できる。

また真空チヤンバー１１が昇降したとき、物品
があれば、中空プランジヤ２１をプランジヤ下降
用ばね（圧縮ばね）２４に抗して押し上げて、真
空回路を開くようにしており、物品（包装体１）
に対する緩衝作用があり、ソフトハンドリングが
可能で、傷付き易い物品でも、損傷させずにハン
ドリングできる。

また真空チヤンバー１１の動き（下方向への動
き）を利用して、真空源への接続を行うようにし
ており、物品受け渡し装置の構造及び動作を簡略
化できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は従来の物品受け渡し装置を示す斜
視図及び側面図、第３図は本発明に係わる物品受
け渡し装置の一実施例を示す斜視図、第４図は第
３図の矢視−線に沿う縦断面図、第５図は第
４図の矢視−線に沿う横断面図、第６図は第
４図の矢視−線に沿う横断面図、第７図は第
４図の矢視−線に沿う底面図、第８図は物品
の吸着状態を示す縦断側面図である。 １……物品、１１……真空チヤンバー、１２…
…物品吸着装置、１８……装置本体、２０……ガ
イドピン、２１……中空プランジヤ、２６……圧
縮空気流入口、３１……貫通孔、３３……間座、
２２，３８，３７……圧縮空気の通路、４２……
吸盤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 真空源に接続した真空チヤンバーと同真空チ
   ヤンバーに装着した複数個の物品吸着装置とを水
   平方向に往復移動させ、その移動終端位置でこれ
   らの機器を昇降させ、下降時に同各物品吸着装置
   により複数個の物品を吸着するか、解放して、同
   各物品を所定位置の一方から他方へ受け渡す物品
   受け渡し装置において、前記各物品吸着装置を、
   前記真空チヤンバー内に連通する有底中空穴と同
   中空穴の底部近傍から外周壁を水平方向外方へ貫
   通した貫通孔とをもつガイドピンと、同ガイドピ
   ンの周りに設けた装置本体と、同装置本体外から
   上記ガイドピンの上部外周面周りに形成した環状
   空間部に開口した圧縮空気流入口と、同ガイドピ
   ンと同装置本体との間に上下動可能に設けて上昇
   時には頂部に突設した筒状受圧面部が上記環状空
   間部に入つて上記圧縮空気流入口を閉じ下降時に
   は上記ガイドピンに対する摺動面が同ガイドピン
   の貫通孔を閉じる中空プランジヤと、同中空プラ
   ンジヤと上記装置本体上部との間に介装したプラ
   ンジヤ下降用ばねと、上記中空プランジヤの下部
   に装着した吸盤及び間座と、上記中空プランジヤ
   を上下方向に貫通して上記装置本体と上記ガイド
   ピンと上記中空プランジヤとの間に形成した空間
   部を同中空プランジヤの下部穴に連絡する連絡孔
   とにより構成したことを特徴とする物品受け渡し
   装置。