JPH0332394Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の技術分野） 本考案は、木目込人形、特に衣装を被着した木
目込人形にかんする。

（従来の技術） 従来、木目込人形は、芯材２の表面を連続する
溝部３で区画し、溝部３に布片４を埋め込んで各
区画を布片４で被覆し、衣装を被着した木目込人
形を形成している。

すなわち木目込人形の衣装は布片４で被覆され
た小さい各区画の集合からなり、また各区画への
布片４の装着は溝部３に布片４を埋め込むという
手作業によつているため、２以上の区画にわたる
衣装の広い部分に、統一的な模様、文字などを正
確に形成することは困難である。

したがつて従来このような大きい連続模様など
を有する木目込人形の衣装は存在しない。

（考案の目的） 本考案は、このような欠点を克服するためにな
されたものであり、その目的は、２以上の区画に
わたる衣装の広い部分に、統一的な模様、文字な
どを形成し、これまでに見られない大きな模様を
有する衣装を被着した木目込人形を提供しようと
するものである。

またその他の目的は、立体的で豪華な感じのす
る衣装を被着した木目込人形を提供しようとする
ものである。

（構成） この目的を達成するため、本考案にかかる木目
込人形１は、芯材の表面を連続する溝部３で区画
し、前記溝部３に布片４を埋め込むとともに、前
記各区画７を前記布片４で被覆して構成された衣
装を被着した木目込人形１において、前記布部４
上に堆積され、かつ布部４の織り目を塞ぐように
硬化させて前記布部４に固着されるとともに、す
くなくとも前記溝部３を横切るように形成された
突出線部５と、前突出線部５に囲まれた部分を着
色９して形成された立体的な模様、文字などを有
する衣装を被着したものである。

（作用） 本考案にかかる木目込人形は、芯材２の表面を
連続する溝部３で区画し、前記溝部３に布片４を
埋め込むとともに、前記各区画７を布片４で被覆
して衣装を被着させた木目込人形１において、布
部４上に堆積し、かつ硬化により布部４の織り目
を塞ぐように硬化して布部４に固着された突出線
部５により囲まれた部分を着色してある。

したがつて被着色部分が織り目のある布４であ
るが、水性、油性など、どのような着色材９で着
色しても、着色材９が突出線部５の外側ににじみ
出ることはない。

また突出線部５はすくなくとも溝部３を横切る
ように形成されている。

すなわち布部４がすでに被覆された衣装に、か
つ、区画７を画する溝部３に制限されることな
く、大きな連続模様などを形成できる。

そして溝部３、つまり布４の埋め込み部分８
は、突出線部５により固着されているから、布部
４に着色された着色材９が突出線部５の外側にに
じみ出ることはない さらに突出線部５により立体的な模様、文字な
どを形成できる。

（実施例） 以下に本考案の実施例を添付の図面を参照して
説明する。

木目込人形１は、芯材の表面を連続する溝部３
で区画７し、溝部３に布片４を埋め込むととも
に、各区画を布片４で被覆して構成された衣装を
着ており、これは公知の構造である。

本考案においては、このような衣装を構成する
布部４上に堆積され、かつ布部４の織り目を塞ぐ
ように硬化（第４図参照）して布部４に固着され
るとともに、すくなくとも溝部３を横切るように
突出線部５が形成してある。

すなわち木目込人形１の衣装を構成する布部４
上に未硬化のそれ自体接着性のある部材が堆積さ
れている。接着性のある部材としては、貝殻を粉
状にし、これにニカワを混入した練つたものが適
当であり、さらに着色材を加えることも出来る。

部材の堆積方法としては、袋状のものに入れた
未硬化の部材を小孔から絞りだすように垂下させ
るのが適当である（図示せず）。

布部４に堆積された未硬化の部材は布部４の織
り目を塞ぐようにして布部４に固着される。木目
込人形１の衣装には織り目のあらい布４を使用す
ることがあり、部材の硬化接着にともない、粗い
織り目も塞がれる。

このように部材の硬化にともなう固着より、布
部４上に突出線部５が形成される。

突出線部５は、全体が連続して布部４の一定の
部分を囲むよう形成されており、外側の突出線部
５や内側の突出線部６のように、その態様は種々
に構成できる。そして突出線部５は、すくなくと
も溝部３、つまり布４の埋め込み部分８を横切る
ように形成されており、また突出線部５に囲まれ
た部分は、着色材９により着色が施されている。

着色材９としては油性、水性などどのような種
類のものでも使用できる。

（効果） 以上のように本考案によれば、２以上の区画７
にわたる衣装の広い部分に、統一的な模様、文字
などを形成し、これまで見られなかつたような大
きな模様を有する衣装を被着した木目込人形を提
供できる。

また立体的で豪華な感じのする衣装を被着した
木目込人形を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる木目込人形の正面図、
第２図は模様の１部を示す拡大斜視図、第３図は
芯材の一部拡大断面図、第４図は突出線部の拡大
断面図である。 １……木目込人形、２……芯材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 芯材の表面を連続する溝部で区画し、前記溝部
   に布片を埋め込むとともに、前記各区画を前記布
   片で被覆して構成された衣装を被着した木目込人
   形において、前記布部上に堆積され、かつ布部の
   織り目を塞ぐように硬化させて前記布部に固着さ
   れるとともに、すくなくとも前記溝部を横切るよ
   うに形成された突出線部と、前突出線部に囲まれ
   た部分を着色して形成された立体的な模様、文字
   などを有する衣装を被着したことを特徴とする木
   目込人形。