JPH0330036Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はリクライニング機構付の車輛用座席に
関するものである。

（従来の技術） シートバツクをシートクツシヨンの後部にリク
ライニング金具を介して角度調節自在に連結した
車輛用座席は乗用車の前部座席の外、バスや電車
等の座席として広く用いられているが、リクライ
ニング金具が外部に露呈されるので見栄えが悪い
うえに露呈されたリクライニング金具が乗員を傷
付けるおそれもある。そこで、リクライニング金
具をシートカバー内部に隠蔽するようにした車輛
用座席が実開昭55−7947号公報によつて提案され
ているが、この公報に記載のものでは調節可能な
角度が限られてしまううえに繰返し使用中にシー
トカバーが破損するおそれがあつて実用化できる
ものではなかつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案が解決しようとするところは、リクライ
ニング金具が外部に露呈されることをなくすとと
もに調節可能な角度をリクライニング金具の許す
限り広くでき、しかも、繰返し使用中にシートカ
バーがリクライニング金具により傷付けられるよ
うなおそれのないリクライニング機構付の車輛用
座席を安価に提供しようとすることにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案の車輛用座席は、シートバツクをシート
クツシヨンの後部にリクライニング金具を介して
角度調節自在に連結した車輛用座席において、リ
クライニング金具の両側を該リクライニング金具
の固定側部材に保持された合成樹脂製の成形カバ
ーをもつて覆うとともにシートバツクに被套され
るシートバツクカバーの下端に前記成形カバーの
両側外面を隠蔽する伸縮シート片を連設してその
端末を該成形カバーの下端に固定したことを特徴
とするものである。

（作用） このように構成されたものは、車輛内に常法に
より組み付けておき、乗員はリクライニング金具
の操作レバーを操作することによりシートバツク
のシートクツシヨンに対する傾角を必要に応じ所
要の角度に調節して使用することは在来のリクラ
イニング機構付の車輛用座席と同様である。

（実施例） 次に、本考案を図示の乗用車用前部座席を実施
例として詳細に説明すれば、１はシートクツシヨ
ンフレームにパツド材２を介してシートクツシヨ
ンカバー３を被套したシートクツシヨンであつ
て、その後部にはシートバツクフレームにパツド
材４を介してシートバツクカバー５を被套したシ
ートバツク６が、一側のリクライニング金具７と
図示しない他側のヒンジ金具を介して角度調節自
在に連結されている。リクライニング金具７はリ
クライニングアーム８に取付けられた操作レバー
９により操作されるようにシートクツシヨン１の
一側上端とシートクツシヨン６の一側下端に設け
た凹部１ａと凹部６ａ間に装着する周知のもので
あるから詳細な説明は省略するが、シートクツシ
ヨンフレームの後部一側に上端部分を張出させて
取付けられる固定側部材７ａとシートバツクフレ
ームの下端一側に取付けられる可動側部材７ｂと
前記操作レバー９の操作によりロツクが解かれる
関節機構とを有している。１０はリクライニング
金具７の固定側部材７ａに保持された合成樹脂製
の成形カバーであつて、該成形カバー１０はリク
ライニング金具７の両側の上半部を外部から覆つ
ている。１１はシートバツクカバー５の下端に連
設されて前記成形カバー１０の両側外面を隠蔽す
る伸縮シート片であつて、メリヤス地のような編
地や伸縮糸をもつて織成された布地等よりなり、
該伸縮シート片１１はシートバツク６の傾角を最
大としたとき伸張された状態となようその端末が
シートクツシヨン１の凹部１ａに挿し込まれたう
え成形カバー１０の側板部下端に巻き込まれて係
止またはビス止め等の簡単な手段で固定されてい
る。なお、リクライニング金具７の反対側におい
てシートクツシヨン１とシートバツク６とを連結
しているヒンジ金具もその両側を図示はしないが
前記成形カバー１０と同様の成形カバーをもつて
覆うとともに前記伸縮シート片１１と同様にした
伸縮シート片によりこの成形カバーの両側外面を
隠蔽している。

（考案の効果） このような車輛用座席は、操作レバー９の操作
でリクライニング金具７の関節機構のロツクを解
けば、シートクツシヨン１に対するシートバツク
６の傾角を調節できることは従来のリクライニン
グ機構付の車輛用座席と同様であるが、本考案で
はリクライニング金具７のうち少なくともシート
バツク６とシートクツシヨン１との間隙に位置す
る部分を合成樹脂製の成形カバー１０により覆つ
たうえこの成形カバー１０の両側外面は前記シー
トバツク６に被套されているシートバツクカバー
５の下端に連設されて端末を成形カバー１０の下
端に固定してある伸縮シート片１１により隠蔽さ
れているので、シートバツク６の傾角がいかなる
場合でもシートバツク６とシートクツシヨン１と
の関隙よりリクライニング金具７が露呈されるこ
とがなく、極めて体栽がよいうえに直接リクライ
ニング金具７に身体が触れることもないので乗員
を傷付けるおそれのないものとなる。しかも、伸
縮シート片１１はその伸縮性によつて傾角を小さ
くした場合でも雛寄ることがなく、また、一旦成
形カバー１０で覆つたうえその両側外面に伸縮シ
ート片１１が設けられるので、伸縮シート片１１
がリクライニング金具７に食い込んで破損するお
それもない。さらに、組付作業も車輛内への装着
作業の最終工程において伸縮シート片１１の端末
をシートクツシヨン１の凹部１ａに挿し込み、そ
の端末を成形カバー１０の下端に固定すればよい
ので比較的簡単であり、構造が簡単な点と相まち
安価に提供できる利点もある。

従つて、本考案は従来のリクライニング機構付
の車輛用座席の問題点を解決したものとして実用
的価値極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠斜視
図、第２図は要部の一部切欠斜視図、第３図は同
じく要部の一部切欠正面図、第４図は態様を異に
して示す要部の一部切欠斜視図、第５図は同じく
一部切欠正面図である。 １……シートクツシヨン、５……シートバツク
カバー、６……シートバツク、７……リクライニ
ング金具、７ａ……固定側部材、１０……成形カ
バー、１１……伸縮シート片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツク６をシートクツシヨン１の後部に
   リクライニング金具７を介して角度調節自在に連
   結した車輛用座席において、リクライニング金具
   ７の両側を該リクライニング金具７の固定側部材
   ７ａに保持された合成樹脂製の成形カバー１０を
   もつて覆うとともにシートバツク６に被套される
   シートバツクカバー５の下端に前記成形カバー１
   ０の両側外面を隠蔽する伸縮シート片１１を連設
   してその端末を該成形カバー１０の下端に固定し
   たことを特徴とする車輛用座席。