JPH03297542A - 双ロール式連鋳法およびこれに使用する溶湯注入用中間容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属溶湯（例えば溶鋼）から直接的に薄板を
連続鋳造する双ロール式連鋳法およびこれに使用する溶
湯注入用中間容器に関する。

〔従来の技術〕

金属溶湯例えば溶鋼から直接的に薄板を製造する薄板連
続鋳造法は、熱間圧延の省略、難圧延材の製造、象、冷
凝固効果による材質特性の向上などのメリットがあり、
数多くの提案がなされ発展の著しい分野である。なかで
も双ロール法はロール対の両者のロール表面で同様な凝
固がなされるので凝固形態に偏りがないこと、ロール最
近接点を通過するまでの過程でロール表面に形成された
両方の凝固シェルがロール最近接点で圧下されるので内
部にポロシティが残存しにくいこと１表面肌が比較的き
れいである。といったことから開発研究が積極的に進め
られている。この鋳造技術は熱間圧延工程を省略するの
で鋳造された薄板の品質に対して非常に厳しい要求がな
され、特に薄板表面の品質は重要であり、湯じわ１割れ
２不純物の噛み込み等の欠陥は完全防止する必要がある
。

このような欠陥の発生を防止するには、双ロルの円周面
」−で形成される湯溜り内における溶湯の温度分布や流
動を均一化させることが重要である。特に湯溜り表面に
溶湯流の停滞部が存在するとその部分の溶湯温度が下が
って表面が固まったり、酸化浮遊物のスカムが生じ、こ
れらが回転するロールにより凝固シェル内に巻き込まれ
ると薄板の表面欠陥の原因となる。また、湯溜り部の溶
湯温度が薄板の幅方向に不均一であると、薄板表面温度
分布にむらが生じ、冷却時における割れ発生原因ともな
る。

従って、双ロール式連鋳法においては、湯溜り全体に均
一に溶湯が供給できるように、また湯溜り表面の温度低
下が抑制されるように注湯することが必要となってくる
。

このようなことから、従来よりこの種の注湯法として１
例えば特開昭６４−５６５０号公報おいては。

多孔ノズルを用いて湯溜り表面に対して水平方向に注湯
して湯溜り温度の均一化を図ると共に注湯法により湯溜
り表面の撹拌を行って表面温度の低下を防止することが
提案されている。また２特開昭６２−２１４４３号公報
では同様の効果を狙って湯面の電磁撹拌を提案している
。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明者らは前記提案のように水平方向への注湯実験を
行ったが、ノズル吐出口の高さ（湯面からの浸漬深さ）
によって溶湯流の挙動が大きく変わり、湯面からの浸漬
深さが深いと湯溜り表面を撹拌する効果が不十分となり
、また浅いと吐出流により湯溜り表面に波立ちが生じて
鋳片の凝固不均一が伴い易くなることが判った。一方、
ロール円周面上に形成される湯溜り内の湯面は、その高
さがほぼ一定になるように制御されるものではあるが、
鋳造条件によっては多少変動することは避けられない。

これまで提案された水平方向への吐出流を得るノズルは
、湯面が変動してもその高さ位置がほぼ固定されるもの
であるから、湯面が変動するとそのノズル孔の湯面下の
浸漬深さが変動する。したがって、ノズル孔の浸漬深さ
を鋳造中安定して一定に保つことは困難である。このた
めに、湯溜り内に吐出される吐出流の流れパターンは湯
面の変動に応じて異なった挙動をとり、定常的な状態を
維持できなくなる。この結果撹拌不足や波立ちが不定期
に発生し、これがまた鋳造制御に外乱として作用し、安
定鋳造に支障を来す原因となる。

他方、湯溜り上に電磁撹拌装置を設置して湯溜り表層を
撹拌する方法については、その装置の構造上、該装置を
ほぼ湯溜り全体に覆うことが必要となるので多孔ノズル
との組み合わせが困難なうえ、撹拌効果により湯溜り表
層に波立らを生じさせることにもなるから総合的に見て
十分な成果が得られない。

従って本発明の目的は、このような従来技術の問題を解
決し、湯溜り表面の波立ちを生じさせることなく湯溜り
全体に均一注湯を実施し、且つ湯溜り表面の温度低下防
止をはかる注湯技術の確立にある。

〔問題点を解決するだめの手段〕

本発明は、ノズル孔の位置が湯溜り内湯面と一定の距離
を保って湯面と同期的に上下するようにして前記の問題
の解決を図ったものであり、湯面が上下してもノズル孔
の浸漬深さを一定にするために、ノズル構成部材を湯溜
り内溶湯に浮かべるという浮力の利用を図った点に本発
明の基本的な特徴がある。

すなわち本発明によれば、互いに反対方向に回転する一
対の冷却ロールを平行に対向配置し、このロール対の円
周上に湯溜りを形成させるためのロール軸と直交する方
向の一対のサイドダムを少なくとも配置し、該湯溜り空
間に金属溶湯を連続注入し、この湯溜り内の金属溶湯を
ロール円周面で冷却しつつロール間隙を経て金属薄板を
連続鋳造する双ロール式連鋳法において、容器内外に金
属溶湯が連通ずる状態で金属溶湯に浮く自重を有し且つ
その吃水線（吃液線）より下方の位置にノズル孔をもつ
中間容器を前記の湯溜り内の金属溶湯に浮かべ、この浮
遊中間容器内に金属溶湯を連続注入し、該容器内の金属
溶湯を該ノズル孔から該湯溜り内に吐出させることを特
徴とする双ロール式連鋳法を案出したものである。その
さい、容器の側壁に複数のノズル孔を設けておき、この
ノズル孔から湯溜り内に横方向にやや上向きの傾斜をも
った吐出流として溶湯金属を吐出し、湯面近傍に到達し
たときに水平方向に向きを変える手段を該中間容器に設
けておくのがよい。

使用する中間容器（容器状のフロートノズル）としては
　双ロールの百円周面に対向する側の長側壁と両サイド
ダムに対向する側の短側壁とを有し且つ底をもつ耐火物
製の方形の容器本体に、その長側壁および／または短側
壁を貫通して複数のノズル孔を設け、容器本体の上面に
は溶湯受入口となる開口を設けた単純な形状のものであ
ればよい。そのさい、その外周面から横方向に張り出す
浮き板（緩衝壁）を取付けておき、ノズル孔を側壁内側
から該浮き板の裏面に向く方向に傾斜をもって貫通させ
ておけば、この浮き板が吐出流を水平方向に向きを変え
るための前記の手段となる。

このようにして本発明は、双ロール式連鋳機における溶
湯の注入装置として、湯溜りの湯面高さの変動に応じて
湯溜り表面上で自らその浮力によって高さ同期を行う構
造を有するノズル孔付中間容器を用いる点に特徴があり
、これによって、前述の各問題の解決を図ったものであ
る。

〔発明の詳述〕 以下に図面に従って本発明の内容を具体的に説明する。

第１図は本発明を実施する設備の要部を図解的に示した
ものであり、互いに反対方向に回転する一対の冷却ロー
ルｌ　ａ　＋　１　ｂが軸を平行にして対向配置され、
この冷却ロールｌａ、ｌｂの円周面上に金属溶湯の湯溜
り２が形成されるようにサイドダム３ａ。

３ｂが冷却ロールｌａ、ｌｂの両端に配置されている。

湯溜り内の金属溶湯２は冷却ロールｌａ、ｌｂの円周面
で冷却されて該円周面で凝固シェル１７ａ、１７ｂ（第
１図）を形成し、この両方の凝固シェル１７ａ、　１７
ｂが冷却ロールｌａ、　ｌｂの最狭陰部を通過する際に
圧着・圧延され連続した薄板４となる。該湯溜りには上
方の取鍋、タンデイツシュなど（図には省略）から注入
ノズル５を介して金属溶湯が連続注入されるのであるが
２本発明においては、かような注入ノズル５からの注入
流をいったん中間容器６内に受は入れる。この中間容器
６は湯溜り内の金属溶湯２に浮遊しており、鋳造操業中
において湯溜り内湯面が変動した場合にもその吃液線７
はその湯面に対してほぼ一定に保たれる。なお、浮遊す
る中間容器６が湯溜り内の所定の平面位置に止まるよう
に、上下移動が自由にできる支持杆８ａ、８ｂに接続さ
れている。この支持杆８ａ、８ｂは上下方向には伸縮自
在であるが横方向にはその位置が固定されたものである
。このような支持杆８ａ、８ｂの重さも含め、中間容器
６の全体が湯溜り内の金属溶湯２に浮くようになってい
る。

第２図はロール軸と直交する方向の中間容器中央部の断
面を、また第３図はロール軸と平行方向の中間容器中央
部の断面を示したものである。これらの図に見られるよ
うに、中間容器６は双ロー月利ａ、　ｌｂの両川周面に
対向する例の長側壁９ａ、９ｂと。

両ザイドダム３ａ、３ｂに対向する側の短側壁１０ａ、
１０ｂとを有し旧つ底１】をもつ方形の形状を有してお
り長側壁９ａ、９ｂおよび短側壁１０ａ、１０ｂにはノ
ズル孔１２が形成しである。また中間容器６の−に面に
は注入ノズル５からの注入流を受は入れる溶湯受は入れ
目】３が形成しである。そして、この中間容器６の外周
面全体に横方向に張り出した鍔状の浮き板１４が中間容
器と一体的に形成しである。この浮き仮１４はその裏面
１５に平らな部分を有しており、この浮き板１４の裏面
１５の位置が吃液線７に等しいか若干下方位置となるよ
うな自重を中間容器全体が有している。ノズル５からの
注入流や湯溜り内の金属溶湯と接することになる中間容
器６の材料ｔよ全て耐火物で構成される。

第４図は、第２〜３図のＴＶ−ＴＶ線矢視部で示す中間
容器の下半身形状を表したものである。図示のように、
中間容器の長側壁９ａ、９ｂおよび短側壁１０ａ、１０
ｂにはノズル孔１２が形成されているが、これらは　横
方向に延びたスリット形状を有し、各側壁の内面から外
面に向けて上あがりの傾斜を有している。

第５図はこの上あがりに傾斜したスリット状のノズル孔
１２の傾斜と浮き板１４との関係を示したものである。

図示のように、ノズル孔１２は側壁の内側から外側に向
けて水平方向よりも上向きの傾斜角θを有するように、
側壁内部にスリット状の開口通路が形成されている。そ
して、この傾斜をもつノズル孔」２から外側延長仮想線
上に浮き板］４の平らな裏面１５が存在するような関係
をもたせる。

本発明者らはノズル孔１２の上向き角度θと浮き板１４
の形状を決定するためモデルテストを種々行ったが、上
向き角度θを３０〜４５°の範囲、またノズル孔工２の
スリット幅をｄ、とした場合に、浮き板１４の裏面１５
までの距離ｄ２をほぼ５ｘｄ、、浮き板１４の外縁から
ノズル孔１２の仮想延長線と交わる点までの距離ｄ３を
ほぼ３×ｄ１となるような関係において、ノズル孔Ｉ２
から湯溜り内に吐出する吐出流は浮き板１４の裏面１５
によって水平方向に向きを変えながら流れ、湯溜り表面
の波立ちを抑制しっ１ ２ つ停滞することなく金属溶湯を湯溜り表面近傍へ供給で
きることが確認された。したがって、浮き板Ｊ４は吐出
流の脈動を緩衝する緩衝壁としての機能を果たすと共に
、湯面表面で水平方向に流れるを変える偏向板としての
機能を果たすものでありその裏面１５が湯溜りの湯面レ
ベル近傍に存在することが望ましい。

本発明者らは、ノズル孔の上向き角度θ−４５０ノズル
孔のスリット厚みｄ、＝５ｍｍとして前記のようなｄ　
２＋　ｄ　、の関係を満足したジルコニア系耐火物から
なる中間容器を用いて、　５ＩＪＳ３０４のステンレス
溶鋼の鋳造を、薄板４の幅−１０００ｍｍ、厚さ一２ｍ
ｍの条件で実施したところ、湯溜りの表面には波立ちが
なく、緩やかな流れをもった溶湯流が両ロール］、　ａ
　、　１　ｂに向かって流れることが確認され溶湯表面
には溶湯温度低下による皮はり現象がみられなかった。

そして、鋳造された薄板４の表面は全体に良品質であっ
た。

〔発明の作用効果〕

以−にのようにして１本発明によれば中間容器６が湯溜
り内の金属溶湯２に浮かべられ、この浮遊する中間容器
６の吃液線７より下方位置に存在するノズル孔１２から
湯溜り内に溶湯が吐出されるので、湯溜り内の金属溶湯
２の湯面が」１下に変化しても、湯面からノズル孔１２
までの浸漬深さは一定に維持された状態となる。したが
って、ノズル孔１２の位置が、対象とする鋳造装置や操
業条件において最も好ましい位置ムこ選定されたならば
　その浸漬位置は湯面レベルの変動に拘わらず鋳造中は
常に一定に維持される。この結果、従来のように吐出口
の浸漬深さの変動による湯面近傍への溶湯の供給不足や
撹拌不足（吐出口が深くなった場合）や波立ちの発生（
吐出口が浅くなった場合）といった流れパターンの変動
が防止され　ひいては薄板表面の品質が大幅に改善され
る。

また、中間容器６と一体的に浮き板１４を設けることに
よって、この浮き板１４も湯面との位置関係が湯面レベ
ルが変動しても不変に維持される。そして、傾斜したノ
ズル孔１２がら斜め上方向に吐出された吐出流は、この
水平な浮き板１４によって緩衝されつつ流速を緩めなが
ら水平方向に流れを変えるので、湯面近傍での流れの停
滞域の発生や波立ちが防止され、また吐出流がロール円
周面上に形成される凝固シェル１７ａ、１７ｂ（第２図
）に直撃するようなことも防止される。また、ノズル孔
１２並びに浮き板１４を中間容器６の四方に配置するこ
とによって、湯溜り全体への均一な注湯ができる。

以上のようなことから、鋳造中における湯溜り表面にお
ける皮はりの防止、湯溜り表面の波立ちの防止、湯溜り
内溶湯の温度分布の均一化が達成され、その結果として
均一な凝固シェル１７ａ、１７ｂの生成が促進され、鋳
造される薄板の割れや湯じわの発生が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明法を説明するための双ロール式連鋳機の
要部斜視図、第２図は本発明に従う中間容器の例を示す
鋳造中の断面図、第３図は中間容器の他の断面を示す第
２図同様の断面図、第４図は第２〜３図のＴＶ−ＩＶ矢
視部の中間容器下半身部分の切欠斜視図、第５図はノズ
ル孔と浮き板との関係を説明するための中間容器側壁部
の構造を示す部分断面図である。 ｌａ、ｌｂ・・冷却ロール ２・パ湯溜り内の金属溶湯 ３ａ、３ｂ・　・サイドダム。 ４・・鋳造される薄板 ５・・中間容器への注入ノズル。 ６・・中間容器。 ７・・吃液線 ８ａ、８ｂ　　・・上下方向に伸縮自在の支持杆９ａ　
、　９ｂ・・中間容器の長側壁 １０ａ、１０ｂ　　・・中間容器の短側壁１２・・ノズ
ル孔 １３・・中間容器への溶湯受は入れ口。 １４・・浮き板（緩衝壁）。 １５・・浮き板の裏面。 １７ａ、１７ｂ　　・・ロール円周面上の凝固シェル。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. （１）互いに反対方向に回転する一対の冷却ロールを平
   行に対向配置し、このロール対の円周上に湯溜りを形成
   させるためのロール軸と直交する方向の一対のサイドダ
   ムを少なくとも配置し、該湯溜り空間に金属溶湯を連続
   注入し、この湯溜り内の金属溶湯をロール円周面で冷却
   しつつロール間隙を経て金属薄板を連続鋳造する双ロー
   ル式連鋳法において、容器内外に金属溶湯が連通する状
   態で金属溶湯に浮く自重を有し且つその吃水線（吃液線
   ）より下方の位置にノズル孔をもつ中間容器を前記の湯
   溜り内の金属溶湯に浮かべ、この浮遊中間容器内に金属
   溶湯を連続注入し、該容器内の金属溶湯を該ノズル孔か
   ら該湯溜り内に吐出させることを特徴とする双ロール式
   連鋳法。
2. （２）該ノズル孔からの吐出流は、該容器の側壁から水
   平よりも上向きの傾斜を有して湯溜り内に吐出される請
   求項１に記載の双ロール式連鋳法。
3. （３）上向きの傾斜を有した湯溜り内の吐出流は、湯溜
   り内の湯面近傍に存在する浮き板によって水平方向に向
   きを変えられる請求項１または２に記載の双ロール式連
   鋳法。
4. （４）双ロールの両円周面に対向する側の長側壁と両サ
   イドダムに対向する側の短側壁とを有し且つ底をもつ耐
   火物製の容器本体と、該長側壁および／または短側壁を
   貫通して設けられたノズル孔と、該容器本体の上面に開
   口した溶湯受入口とからなり、その全自重が鋳造対象金
   属の溶湯に浮く重さである双ロール式連鋳機に使用する
   溶湯注入用中間容器。
5. （５）容器本体は、その外周面から横方向に張り出した
   浮き板を備えている請求項４に記載の溶湯注入用中間容
   器。
6. （６）ノズル孔は、該浮き板の裏面より下方の側壁内側
   から該浮き板の裏面に向く方向に傾斜をもって側壁を貫
   通している請求項５に記載の溶湯注入中間容器。