JPH0328007Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、搬送装置、特に複雑な異形のワーク
を搬送するのに好適な搬送装置に関するものであ
る。

従来の技術 一般に、製造設備間に設けられる搬送装置に
は、ワークの形状に応じて多種多用なものがあ
り、例えば複雑な異形のワークの搬送には第５図
乃至第７図に示すような搬送装置が用いられる。

図面において、Ｗはワーク、１は搬送装置の両
端に配置されたスプロケツト、２は、上記スプロ
ケツト１，１間に纒い掛けたチエーン、３は、上
記チエーン２に所定ピツチ毎に配設され、ワーク
Ｗを定位置に収容保持する箱状のキヤリアを示
す。

上記搬送装置においては、一方のスプロケツト
１を駆動してチエーン２を定方向に回転させ、搬
送始点にて適宜の手段でキヤリア３内にワークＷ
を一個毎収容させる。そしてチエーン２の回転に
よつて上記ワークＷをキヤリア３に収容保持した
状態で終点まで搬送し、この搬送終点にて適宜の
手段でワークＷをキヤリア３から一個ずつ取り出
して各製造設備に搬入している。

考案が解決しようとする問題点 ところで、前記の搬送装置には、次のような問
題点があつた。

第１に、ワークＷを収容するキヤリア３を定ピ
ツチ毎にチエーン２に配設してあるから構造が複
雑である。

第２に、キヤリア３に対するワークＷの搬入・
搬出に際しては、スプロケツト１，１を間欠回転
させて、キヤリア３を間欠的に移動させ、上記キ
ヤリア３の移動・停止に同期させて、ワークＷを
キヤリア３に対して搬入・搬出する必要があり、
このキヤリア３の移動・停止とワークＷの搬入・
搬出のタイミングの制御が複雑で難しい。

第３に、チエーン２によつて搬送経路が成形さ
れるため、直線状の搬送経路しか形成できない。

ところで、従来、無端状の搬送ベルトと、この
ベルトを下面からバツクアツプする支持材と、ベ
ルトの幅方向を案内規制するガイド板とで構成し
た搬送装置も種々公知であるが、これらの搬送装
置においても、ベルトのバツクアツプ支持材及び
ガイド板等の部材がベルトの幅方向に自由に弯曲
しないため、設置場所の状況に応じて自由なレイ
アウトで設置することができなかつた。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもの
で、搬送経路の両端に配置される駆動プーリと従
動プーリとの間に無端状に纒掛けられ、ワークの
下端面と当接する搬送ベルトと、搬送ベルトの幅
方向両側に対向して配置され、搬送ベルトの搬送
方向全長に亘つて延設された薄肉板よりなる１対
のフレーム板と、搬送ベルトの幅方向両側にワー
クを定姿勢で保持する間隔に対向して配置され、
かつ、搬送ベルトの往路側の搬送方向全長に亘つ
て延設された薄肉板よりなる１対のワークガイド
板と、搬送ベルトの下面を往路側全長に亘つてバ
ツクアツプし、かつ、搬送ベルトの幅方向をも案
内規制する複数枚の薄肉板よりなるベルトガイド
板とを有し、上記フレーム板、ワークガイド板及
びベルトガイド板の薄肉方向を搬送ベルトの幅方
向とし、かつ、それらの複数個所を、搬送ベルト
の幅方向にスペーサを介して締付ボルトによつて
連結一体化したことを特徴とする搬送装置であ
る。

作 用 本考案は、搬送経路を構成するフレーム板、ワ
ークガイド板及びベルトガイド板が、搬送ベルト
の幅方向に薄肉の板で構成してあるため、搬送ベ
ルトの幅方向へ自由に弯曲させることが可能であ
る。

実施例 第１図乃至第４図は、本考案に係る搬送装置の
一実施例を示すもので、第５図乃至第７図のワー
クＷに対応する搬送装置としてある。

第１図において、１０は、上記搬送装置Ａの搬
送経路、２０，２０、２０′，２０′は、上記搬送
経路１０の両端における夫々の両側に配設された
２個１組の支持ブロツク、３０は、上記搬送経路
１０に沿つて配設された搬送ベルトを示す。

上記搬送経路１０は、鈑金等の薄板を、スペー
サを介して所定の間隔を保持させた状態で積層し
た構造のもので、以下、第２図並びに第３図を参
照しながら説明する。

図面において、１１，１１はフレーム板、１
２，１２′はワークガイド板、１３，１３、１
３′は、搬送ベルト３０用のベルトガイド板、１
４ａ〜１４ｄはスペーサ、１５は上記フレーム板
１１，１１、ワークガイド板１２，１２′、ベル
トガイド板１３，１３、１３′並びに、スペーサ
１４ａ〜１４ｄを貫通する締付ボルトを示す。

上記フレーム板１１，１１の内側面上部には、
上縁を上記フレーム板１１，１１の上縁よりも、
夫々所定高さ突出させてワークガイド板１２，１
２′が配設され、このワークガイド板１２，１
２′の内側には、夫々スペーサ１４ａ〜１４ｄを
介してベルトガイド板１３，１３、１３′が所定
の間隔を保つた状態で配設され、そして、上記フ
レーム板１１，１１、ワークガイド板１２，１
２′、ベルトガイド板１３，１３、１３′は、上記
スペーサ１４ａ〜１４ｄと共に、締付ボルト１５
によつて一体的に組立てられる。

上記ワークガイド板１２，１２′は、ベルトガ
イド板１３，１３、１３′並びにスペーサ１４ａ
〜１４ｄの厚みによつて、第３図に示すように、
ワークＷの下部を挾持して、このワークＷを定姿
勢で保持し得る間隔に設定してあり、また、上記
ワークガイド板１２，１２′のフレーム板１１，
１１からの高さは、図示するように、ワークＷの
形状に対応させて、上述同様にワークを定姿勢で
安定して保持し得るように図中右方側のワークガ
イド板１２′を高くしてある。

上記ベルトガイド板１３，１３、１３′は、上
記ワークガイド板１２，１２′間の所定位置に搬
送ベルト３０を規制するためのもので、低い方の
ベルトガイド板１３，１３は、上記搬送ベルト３
０の上下方向の位置を規制し、高い方のベルトガ
イド板１３′は、ワークガイド板１２との間で上
記搬送ベルト３０の幅方向の位置を規制してい
る。そして、上記ワークガイド板１２，１２′に
よつて定姿勢に保持されたワークＷの下端面は、
上記ベルトガイド板１３，１３、１３′並びにワ
ークガイド板１２，１２′によつて定位置に規制
された搬送ベルト３０に常に当接するようになつ
ている。

更に、上記搬送経路１０は、上述のように、薄
肉板であるフレーム板１１，１１、ワークガイド
板１２，１２′、並びに、ベルトガイド板１３，
１３を、スペーサ１４ａ〜１４ｄを介して締付ボ
ルト１５によつて連結一体化したものであるか
ら、図面では直線状のものを示してあるが、搬送
経路１０の幅方向に対して湾曲自在で、上記搬送
装置Ａの設置状況に応じて湾曲あるいは直線状の
搬送経路１０を形成することができる。

上記支持ブロツク２０，２０、２０′２０′は、
一方の組２０，２０が搬送経路１０の始端側（第
１図あるいは第２図の左側）で、この搬送経路１
０を挾持するように配設され、他方の組２０′，
２０′が搬送経路１０の終端側で、この搬送経路
１０を挾持するように配設されている。

上記、支持ブロツク２０，２０間には従動プー
リ２１が回転自在に支承され、支持ブロツク２
０′，２０′間には、駆動プーリ２２が回転自在に
支承されている。上記一方の支持ブロツク２０′
にはギアボツクス２３を介して駆動モータ２４が
配設されており、この駆動モータ２４の駆動力
は、ギアボツクス２３を介して、上記駆動プーリ
２２に伝達される。更に、上記各支持ブロツク２
０，２０、２０′２０′によつて両端を挾持された
搬送経路１０のフレーム板１１，１１間にはガイ
ドプーリとして機能するベアリング２５，２６が
配設されている。そして上記搬送ベルト３０は、
上記従動プーリ２１と駆動プーリ２２との間に纒
掛けされると共に、従動プーリ２１とベアリング
２５との間、並びに、駆動プーリ２２とベアリン
グ２６との間で襷掛けされた状態で巻装される。
上記搬送ベルト３０は、適度の摩擦係数と可撓性
とを有する材料、例えば合成ゴム等から作成され
た円形断面のものである。従つて、上記搬送ベル
ト３０は、搬送経路１０が湾曲していても、自己
の可撓性により、ベルトガイド板１３，１３、１
３′によつて、上記搬送経路１０に沿うように位
置規制される。

更に、上記搬送経路１０の終端側の支持ブロツ
ク２０′，２０′にはブラケツト４０が架設されて
おり、このブラケツト４０にはワークＷの搬送終
端位置を設定するためのストツパ４１並びに搬送
終端位置におけるワークＷの有無を検出するセン
サー４２が設けられている。

また、上記フレーム板１１，１１の搬送終端近
傍にも、この位置でのワークＷの有無を検出する
ためのセンサー４３がブラケツト４４を介して配
設されている。

さて、以下に、上記構成の搬送装置Ａにおける
ワークＷの搬送動作を説明する。

予め、駆動モータ２４を起動し、ギアボツクス
２３を介して駆動プーリ２２を所定方向に定速回
転させる。従つて搬送ベルト３０も、駆動プーリ
２２の定速回転により、搬送経路１０の始端から
終端に向けて、ベルトガイド板１３，１３、１
３′によつて上記搬送経路１０の定位置に位置規
制された状態で、循環する。

この状態で、上記搬送経路１０の始端にワーク
Ｗを搬入する。すると、上記ワークＷは、第３図
に示すように、ワークガイド板１２，１２′によ
つて上記ワークＷの下部が挾持されて定姿勢で保
持されると共に、上記ワークＷの下端面が、ベル
トガイド板１３，１３、１３′並びにワークガイ
ド板１２によつて位置規制された搬送ベルト３０
にワークＷの自重でもつて圧接する。上記搬送ベ
ルト３０と上記ワークＷの下端面との摩擦力によ
り、上記ワークＷは、ワークガイド板１２，１
２′によつて定姿勢に保持された状態でワークガ
イド板１２，１２′に沿つて搬送される。

そして、上記ワークＷは搬送経路１０の終端ま
で、上記搬送ベルト３０によつて搬送され、ワー
クＷの搬送方向側の端面がストツパ４１に当接す
ると、上記ワークＷの下端面と搬送ベルト３０と
の間に滑りが生じ、上記ワークＷはストツパ４１
に当接した位置で停止する。また、このとき、セ
ンサー４２は、搬送経路１０の終端までワークＷ
が搬送されたことを検出し、このセンサー４２か
らの信号によつて適宜の搬出装置により、上記ワ
ークＷは搬送装置Ａから所定の製造装置に向けて
搬出される。

即ち、本考案に係る搬送装置Ａは、ワークＷ
を、搬送ベルト３０との摩擦によつて搬送するよ
うにしてあるため、ワークＷを搬送経路１０の始
端に、適宜のタイミングで搬入することができ、
搬送経路１０の終端においては、ワークＷを適宜
のタイミングで搬出することができる。

考案の効果 本考案によれば、搬送経路を構成するフレーム
板、ワークガイド板及びベルトガイド板が搬送ベ
ルトの幅方向に弯曲自在となり、搬送装置の設置
場所の状況に応じたレイアウトの自由度が大であ
るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は、本考案に係る搬送装置の
一実施例を示す図面で、第１図は装置全体の側面
図、第２図は第１図の平面図、第３図は第１図の
要部の拡大縦断面図、第４図は第１図の要部の縦
断正面図である。第５図乃至第７図は、在来の搬
送装置の一例を示すもので、第５図は装置全体の
概略側面図、第６図は第５図の要部の詳細を示す
側面図、第７図は第６図の一部断面部分を含む正
面図である。 Ｗ……ワーク、Ａ……搬送装置、１０……搬送
経路、１２，１２′……ワークガイド板（ガイド
板）、３０……搬送ベルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 搬送経路の両端に配置される駆動プーリと従動
   プーリとの間に無端状に纒掛けられ、ワークの下
   端面と当接する搬送ベルトと、 搬送ベルトの幅方向両側に対向して配置され、
   搬送ベルトの搬送方向全長に亘つて延設された薄
   肉板よりなる１対のフレーム板と、 搬送ベルトの幅方向両側にワークを定姿勢で保
   持する間隔に対向して配置され、かつ、搬送ベル
   トの往路側の搬送方向全長に亘つて延設された薄
   肉板よりなる１対のワークガイド板と、 搬送ベルトの下面を往路側全長に亘つてバツク
   アツプし、かつ、搬送ベルトの幅方向をも案内規
   制する複数枚の薄肉板よりなるベルトガイド板と
   を有し、 上記フレーム板、ワークガイド板及びベルトガ
   イド板の薄肉方向を搬送ベルトの幅方向とし、か
   つ、それらの複数個所を、搬送ベルトの幅方向に
   スペーサを介して締付ボルトによつて連結一体化
   したことを特徴とする搬送装置。