JPH03260054A - 耐剥離性にすぐれたcBN被覆部材及びその製作法 - Google Patents

耐剥離性にすぐれたcBN被覆部材及びその製作法

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JPH03260054A
JPH03260054A JP5665790A JP5665790A JPH03260054A JP H03260054 A JPH03260054 A JP H03260054A JP 5665790 A JP5665790 A JP 5665790A JP 5665790 A JP5665790 A JP 5665790A JP H03260054 A JPH03260054 A JP H03260054A
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cbn
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cubic
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Masao Murakawa
正夫 村川
Shuichi Watabe
修一 渡部
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Shinko Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、切削工具や耐摩耗工具などの工具部材への応
用に好適な耐剥離性にすぐれたcBN被覆部材およびそ
の製作法に関するものである。
〔従来の技術〕
cBN(立方晶窒化ホウ素)はダイヤモンドに次ぐ硬度
を持ち、しかも熱伝導性、耐熱性が良く、浸炭現象によ
る劣化の心配もないことなどから超硬工具材料として注
目されている。
このcBNを工具に適用する場合、従来では、ホウ砂や
ホウ酸を反応させることで得た六方晶の窒化ホウ素に触
媒を混ぜてcBN粉末を高圧高温台或し、その粉末を高
圧高温焼結することでcBN工具部品としている。しか
しこの手法は製造コストが非常に高い点に問題がある。
そこで従来、気相法によりcBN薄膜を合威する方法が
多数提案されている。その中には金属ボロンを蒸発させ
て、窒素、アルゴン等を含む減圧下で生成されたプラズ
マと反応させることによって基体上にcBNを成膜する
イオンプレーティング法も含まれている。
しかし、これらの成膜手法は、良質なcBN膜が得られ
る可能性はあるが、成膜されたcBN膜の基体への付着
性が悪く、大気放置中に自然剥離を生じてしまう。この
理由としては、cBNが他の物質との濡れ性が悪く、熱
膨張率が小さく、さらに成膜された膜中には高い内部応
力が存在するためである。そこで、このような内部応力
を緩和する手段として、基体よりホウ素−窒素の傾斜組
成構造を取ることによって最外層をcBNとする成膜手
法が提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、cBN膜とホウ素−窒素傾斜組成膜は密着性が
よいが、ホウ素−窒素傾斜組成膜と鉄系材料との親和力
は乏しい。このため、上記方法によれば、シリコンウェ
ハー等の限られた材料には密着性のよいcBN膜を合成
できるが、実用材料である鋼糸、および超硬材料などに
は付着性よく成膜できず、工具部材に適用し得るような
耐剥離性にすぐれたcBN被覆部材を得るまでには至っ
ていないのが現状である。
本発明は前記のような問題点を解消するために創案され
たもので、その目的とするところは、鋼鉄系、超硬合金
系などの実用材料に対する付着性のよいcBN被覆部材
とその製作法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するため本発明は、基体と傾斜組成層で
ある密着強化層との間にさらにTiからなる密着補助層
を介在させ、基体および外層のcBNとの付着性を向上
させるようにしたものである。
すなわち、本発明は、基体側より第一密着補助層として
Ti層を設け、さらにこれに隣接する密着強化層として
ボロン−窒素の傾斜組成構造を持った層を設け、これら
を中間層として最外層にcBNを成膜する構成としたも
のである。
前記被覆部材は気相法により得るもので、その気相法と
しては反応性イオンプレーティング法が用いられる。よ
り好適な反応性イオンプレーティング法ないし装置とし
ては、本発明者等の開発にかかる、平行磁界を利用した
熱陰電極放電形イオンプレーティング法ないし装置であ
る。
以下本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
第1図は本発明によるcBN被覆部材を模式的に示して
いる。1は基体であり、高速度鋼、超硬合金たとえば炭
化タングステンカーバイドを主体とした焼結体、あるい
はセラミック系材料など任意である。2は外層としての
cBN層であり、たとえば厚さ0.2〜1.5μmであ
る。3は前記基体1とcBN層2との間に構成された多
層の中間層である。該中間N3は、基体1の表面に形成
されたTiからなる第1密着補助層4と、下層が第一密
着補助層4に接し上層がcBN層2に接する密着強化層
5からなっており、密着強化層5は傾斜組成構造をもっ
たホウ素−窒化化合物からなっている。Tiからなる第
1密着補助層4と密着強化層5の厚さは、基体1の材質
や要求される耐剥離性を考慮して適宜選定する。たとえ
ば第1密着補助層4として0.05〜0.3μm、密着
強化N5として0.1〜0.3μmの如くである。
本発明は、基体1の上にまずTiからなる第1密着補助
N4を設け、このTiからなる第1密着補助層4に傾斜
組成構造をもったホウ素−窒素化合物からなる第1密着
補助層5を重畳させている。
Tiは活性度が高く、錆や超硬合金、また金属化合物や
窒素に対する親和性や濡れ性が良好である。
このため静的な膜の堆積であるにもかかわらず、第1密
着補助層4は、基体1と強固に密着すると同時に第1密
着補助層5とも強固に密着する。第1密着補助層5と外
層のcBN層2は親和力が強く、成膜中の内部応力によ
る割れが生しない。したがって本発明によれば、耐剥離
性のすぐれた被覆部材とすることができる。
次に、本発明による被覆部材を得る方法は特に限定はな
い。しかし、cBNがダイヤモンドと同様に高温高圧相
でイオン化が困難な材料であることから、反応性イオン
プレーティング法すなわち真空槽内に蒸発材の蒸発源と
これと対面する基板を配置し1反応性ガスの存在下で、
前記蒸発源から蒸発した材料粒子を、熱陰極放電を利用
してイオン化し、ワークに反応生成膜として付着する方
法が好適である。
そして、より好適には単純な熱陰極放電でなく、これに
よる電界に平行磁界を重畳させてプラズマ形成を行う方
法である。すなわち、真空槽内にガスを導入し、蒸発源
と基板を結ぶ距離の中間又は基板寄りの領域で、熱電子
放射用のカソードとこれに対峙して正の電圧を印加した
アノード間に平行な磁界を利用してプラズマを形成し、
このプラズマ中に、第1段階として蒸発源からTi粒子
と、第2段階では8粒子を通過させると共に、基板に負
の電圧又は高周波を与えてプラズマ中に生成したイオン
を引出し、ワーク上に第1段階ではTiを、第2段階で
はTi膜の上にBを衝突させるのである。
第2図はこの方法に用いる装置例を示している。
10は真空槽であり、底部に排気通路100が設けられ
図示しない真空ポンプにより排気され、高真空にされる
ようになっている。
20は真空槽10の内部下方に設けられた蒸発源であり
、蒸発材料Tを収容するるつぼ200と、これを加熱し
て蒸発させる手段たとえば電子銃や抵抗加熱ヒータ21
0を備えている。前記蒸発源は必ずしも単数でなく、た
とえば複数ポイント式電子銃や単ポイント電子銃を複数
使用した多元蒸発機構としてもよい。
30はワーク(基体)を取付ける基板であり、真空槽1
0内の上方に前記蒸発源20(るつぼ部分)と対面する
ように配置されている。この基板30と前記蒸発源20
との間隔悲□は、ホウ素を安定に0.2〜1 、5 n
m/seeの成膜速度で蒸発させるために、一般に25
0〜600m+とすべきである。
基板30は外部のバイアス電源300に接続され。
負の直流電圧または高周波電圧が印加される。前記基板
30は加熱用ヒータ310により加熱され、また、必要
に応じアクチュエータにつながる回転軸により回転され
る。
40はガスノズルであり、真空槽10内の所望部位たと
えば蒸発源20の側方に配され、真空槽10外に伸びる
導入管400に設けた流量調整弁410によりアルゴン
、窒素ガス、水素ガス、酸素あるいはそれら2種以上の
混合ガスを真空槽10内に導入する。
Aはプラズマ発生機構である。該プラズマ発生機構Aは
、熱電子放射用のカソード6と、これに対向するアノー
ド7と、これらカソード6とアノード7と同一水平面内
の位置に、しかもカソード6とアノード7が形成する電
界の方向と同じ向きに水平磁界が形成されるように配置
された一対の磁石8a、8bとからなり、好ましくはア
ノード側に補助7ノード9が配される。
前記プラズマ発生機構Aの全体は、真空槽10内の蒸発
源20と基板間の中間、すなわち少なくとも蒸発源20
から150m以上離間した位置に設けられる。好適には
基板30の近傍部位、具体的には第2図において、基板
3oの下面から垂直路fifl、で5〜150mmの位
置とする。これは電子銃を使用した場合に電子ビームの
偏向磁界の影響を避けることと、cBHのような高温高
圧相の薄膜形成においてはできるだけ基板3oへの入射
イオン量を多くするためである。ただ、基板3゜に近す
ぎることはかえって好ましくないため、上記範囲とす八
きである。また、カソード6とアノード7の間隔はプラ
ズマ空間を広くするため拡げることが好ましく、その例
としては200nn+〜500mである。
カソード6はW、Ta、W/Thなどの熱陰極材料で作
られたフィラメントからなり、電源60により通電加熱
されることで熱電子を放出する。アノード7は、第2図
のようにカソード6oと対向する側の磁石8bに結線し
て磁石そのものを電極としてもよいし、磁石8bの前面
側に電極を別に設置することで構成してもよい。いずれ
の場合も、アノード7には接地電位に対して正の直流又
は交流の電圧たとえば40〜70Vの直流電圧が電源7
1によって印加される。
磁石8a、8bは正対しており、その磁界の強さは、高
密度のプラズマを形成させるため、両磁石の中間地点で
20〜400eとすることが好ましい。下限を200e
としたのは、これより磁界が弱いと熱電子を十分に加速
することができないからであり、上限を400eとした
のは電子銃への影響を避けるためである。
補助アノード9は放電の安定化(プラズマの着火)を図
るために使用され、電源90によりアノードの5倍程度
の電圧が印加される。この補助アノード9はプラズマの
形成に伴い電圧が低下するような回路が組まれることが
望ましい。
次に、この装置により本発明の被覆部材を形成する工程
を説明する。
まず、基板30にワーク(基板)を取付け、加熱ヒータ
310によりワークを所要温度に加熱しながら、真空ポ
ンプを作動しつつ排気通路100により真空槽10内を
真空排気する。その後、加熱ヒータ310を止め、真空
槽10内にガスノズル40からアルゴン等のガスを導入
し、前処理としてイオンボンバードを所要時間行った後
、成膜を行う。
この成膜工程は、第1段階として、ガスノズル40によ
り真空槽10内に所定成分のガスたとえばアルゴンガス
を導入し、補助アノード9に高い正電圧を印加し、カソ
ード6を通電すると共に、アノード7に正電圧を印加す
る。これにより磁石8a、8bの平行磁界とあいまって
プラズマPQが形成される。この状態で蒸発源20の加
熱手段210を作動して蒸発材料Tとして高純度Tiを
蒸発させる。
蒸発粒子は上昇し、プラズマPQを通過してワークに付
着させられる一方、基板30に印加した負の電圧又は高
周波により生ずるセルフバイアス電圧によりプラズマ内
で生成したガスイオンが引付けられ、ワーク上に衝突さ
れる。これによりワークにTi膜が付着堆積される。
次いで、第2段階として、別の蒸発源20に予め装入し
た高純度のホウ素を加熱手段210により蒸発させ、前
記と同じメカニズムでTi膜上に付着堆積させる。この
ときのガスはArとN2であり、それらガスの流量比と
RF出力及び圧力とを適宜コントロールすることにより
、ホウ素−窒素−傾斜組成膜→cBN膜を連続的に形成
する。
成膜条件は一般に下記条件から適宜選択すればよい。
圧   カニ  1〜8 X 10−’Torr基板温
度:250℃以上 アノード電圧:40〜70V アノード電流=2〜2OA カソード加熱電流=30〜50A バイアス電源パワー:500W以下 電子銃電カニ1.7〜2.3KW 以上の方法により、第1図に示すようなcBN被覆部材
が得られる。
上記イオンプレーティングに際し、プラズマ発生機構と
してカソード6とアノード7に加え、−対の磁石8a、
8bを同一平面内に配しており、これにより平行磁界が
形成される。カソード6とアノード7は平行磁界に接地
されているため、その磁界と電界により、カソード6か
ら放出された熱電子は磁界の方向とは別方向の速度成分
によりサイクロトロン運動をしながら電界の方向すなわ
ちアノード7に向かって加速される。真空槽10内には
予めガスが導入されており、そのガスの分子が上記のよ
うに加速された電子と衝突することにより電離が起り、
ガス分子がイオン化されプラズマが形成される。
このプラズマは平行磁界により高密度化され、これによ
り熱電子放出によるカソード付近の負の空間電荷を打消
し、はぼ熱陰極(フィラメント)の飽和電流値I = 
A T”exp(−eψ/kT)(但し、〔■〕=Am
p/a&、 A :物質によって異なる常数、T:絶対
温度、e:電子の負荷、k:ボルツマン定数、ψ:仕事
関数)の電流がカソードからアノードに流れる。放熱電
流はカソードの温度に比例するため、容易に20A程度
流すことができ、この時の電子の流れは熱電子の初速度
が磁界及び電界に比べ十分に小さいため、はぼシートビ
ーム状となり、従って、磁石8a、8b間に高密度のプ
ラズマ空間を安定的に形成することができるのである。
前記プラズマ発生機構は蒸発源20の蒸発手段等と独立
しているため、プラズマの制御を任意かつ容易に行うこ
とができる。しかもプラズマ発生領域が蒸発源20から
十分に離間した位置にあるため、イオンと電子による再
結合の問題が生じず、軽イオンでも電子ビームの磁界に
影響を受けない。
さらに平行磁界を利用するため広い空間に導入ガスによ
る高密度プラズマを形成することができ、イオン化しに
くい蒸発物との化合物を容易に形成することができる。
また、補助アノード9を用い、アノード7の5倍程度の
電圧を印加した場合には、放電開始圧力を、使用しない
場合の約2.5 X 10−4Torrに対し約1×1
0→Torrに下げることができるため、より高真空中
での成膜が可能となる。
なお、本発明はcBN膜の付着性が乏しいとされている
鉄鋼材、超硬合金類に特に効果があるが、シリコンウェ
ハ等に適用しても非常にすぐれた付着性が得られること
は明らかである。
〔具 体 例〕
本発明によりcBN被覆部材を作成した。
1、装置として第2図に示すものを用いた。プラズマ発
生機構は基板から10Mnの位置、蒸発源から400a
mの位置に設けた。
磁石は1対のフェライト磁石を用いた。磁石間間隔は2
20mとした。磁石間中間地点での磁界強さは400e
である。アノードは磁石の前面に配置した。カソードは
直径1m、全長150m程度のタングステン線フィラメ
ントを用いた。
ワーク(基板)として高速度鋼(SKH51)、蒸発材
料として純度99.9%のチタニウムとホウ素を用いた
■、基板に治具によりワークを取付け、加熱ヒータで3
00℃に加熱しながら、槽内を1. X i O’ T
orrの圧力まで真空排気し、その後加熱ヒータを止め
、アルゴンイオンボンバードを5分間行った。ボンバー
ド条件は、圧カニsx】、o−’Torr、基板高周波
型カニ300W、アノード電圧・電流:60v・5Aと
した。
■、ボンバード終了後、Arガスを導入してプラズマを
形成させた後、電子銃によりチタニウムを蒸発させた。
このときの成膜条件は、圧カニI X 10’Torr
−RF出力45W、アノード電圧・電流:60V・IO
A、電子銃ニー8.5KV・190mA、カソード加熱
電流:40Aとした。これによりワーク上に厚さ約0.
1μmのTi被覆層が形成された。
N1次いで、電子銃によりホウ素を蒸発させて傾斜組成
層を得た。このときの使用ガスはArとN2の混合ガス
であり、基体への蒸着速度は0゜66nm/see、圧
力3 X 5−’ Torrであり、RF出力を190
−+ 350 W、 Ar/N2ガス流量比を100→
9と時間の経過と共に変化させた。その結果、N/Bが
0.04→1.0で厚さ約0゜2μ閣のホウ素−窒素化
合物層がTi層上に形成された。
続いて、蒸着速度0 、66 nm/see、圧力5x
10 ’ Torr、 RF出力300 W、 Ar/
N2ガス流量比9の条件で実施し、厚さ約0.5μMの
cBNNを形成し、本発明品を得た。
なお、上記傾斜組成層とcBN層の成膜条件は、圧カニ
 I X 10−’Torr、 RF出力45Wであり
、アノード電圧・電流:60V・14A、電子銃: −
8,5KV ・270mA、カソード加熱電流:44A
とした。
■、比較のため、前記ワークに被覆層のうち第−層であ
るTi層を形成させないほか、同じ条件で被覆層を形成
して比較量を得た。
本発明品と比較量を赤外分光光度計を用いて被覆層の結
晶構造を調査した結果を第3図(本発明品)と第4図(
比較量)に示す。これらから明らかなように、ともに明
瞭なcBNに相当する吸収ピークが存在している。
次いで被覆層の内部応力を測定した。その結、本発明品
では内部応力値は約8 、5 X 10’dynes/
cm”であり、比較量の値は約2 X 10”dyne
s/cn”であり、本発明の被覆層がより小さな内部応
力をもっていることが確認された。
さらに走査型電子顕微鏡を用いて被覆層表面をfR察し
た結果、比較品には無数の細かな割れが見られ、それが
ところどころ剥離していたが1本発明品にはそのような
現象はi5!察されず、きれいな平滑面を有しており、
付着性が向上していた。そして5本発明品は30Wの超
音波振動を5時間与えても剥離は全く生じなかった。こ
れはTi層の存在によることは明らかである。
〔発明の効果〕
以上説明した本発明によれば、基体上にホウ素−窒素の
傾斜組成層を介してcBNNを形成するのではなく、基
体上に第1層としてTi層を形成し、これの活性と他科
質への親和性を利用して基体と傾斜組成層の密着補助を
行わしめるためcBNの密着性がいずれの基体材料でも
良好確実となり、工具材料に適した耐剥離性にすぐれた
cBN被覆を得ることができるというすぐれた効果が得
られる。
また、本発明の第3項によれば、上記多層のcBN被覆
部材を高真空下において安定的に得ることができるとい
うすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るcBN被覆部材を模式的に示す説
明図、第2図は本発明に係るcBN被覆部材を得る装置
の一例を示す概要図、第3図は本発明によるcBN被覆
部材の赤外線吸収分光線図、第4図は比較品の赤外線吸
収分光線図である。 1・・・基体、2・・・cBNIF、3・・・中間層、
4・・・Ti層、5・・・傾斜組成層、A・・・プラズ
マ発生機構、6・・・カソード、7・・・アノード、8
a、8b・・・磁石。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)基体の表面にcBNからなる層を形成する被覆部
    材において、前記基体とcBN層との間に多層で構成さ
    れる中間層を介在させ、その中間層が、前記基体側より
    第一密着補助層としてTi、さらに隣接する密着強化層
    として傾斜組成構造をもったホウ素−窒素化合物より形
    成されていることを特徴とする耐剥離性にすぐれたcB
    N被覆部材。
  2. (2)基体の表面にcBNからなる層を有する被覆部材
    を得るにあたり、気相法を用い、基体表面にTiを被覆
    し、次いで傾斜組成構造をもったホウ素−窒素化合物被
    覆層を形成し、その上にcBNからなる外層を形成する
    ことを特徴とする耐剥離性にすぐれたcBN被覆部材の
    製作法。
  3. (3)平行磁界を利用した熱陰電極放電形イオンプレー
    ティング装置で実施される特許請求の範囲第2項記載の
    耐剥離性にすぐれたcBN被覆部材の製作法。
JP5665790A 1990-03-09 1990-03-09 耐剥離性にすぐれたcBN被覆部材及びその製作法 Pending JPH03260054A (ja)

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