JPH0324087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はランドセル蓋の錠止及び背負いバンド
の取付け装置に関する。

〔従来の技術〕

ランドセルの背負いバンドは、長紐の基端を、
ランドセル本体の背護板に取り付けるとともに、
小紐の基端を、ランドセル本体の底板に取り付
け、これら長紐及び小紐の各先端をたがいに接続
している。

また、ランドセル蓋は、その延長片の先端に設
けた係合片をランドセル本体の底板に錠止してい
る。

しかも、これら背負いバンドの少なくとも一端
の取付けとランドセル蓋の錠止は、具体的にはラ
ンドセル本体の底板に固着した錠主板に対し行わ
れている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記錠主板は、金属あるいは合成樹脂製のもの
であるが、背負いバンドさらに詳しくは小紐の基
端を取り付ける回転体いわゆるダルマ環や、ラン
ドセル蓋の係合片を錠止する錠止機構の特に操作
子いわゆる摘み等が、該錠主板の上面から突出す
る状態で配置され、かつまた、錠主板の上面自体
も適宜高低に成型され、面一ではなかつた。

このため、ランドセル本体を、安定した状態で
起立させておくことができず、収納物の出し入れ
は、ランドセル本体を横置きにして、あるいは片
手で支えながら行わなければならないという不便
があつた。

本考案の目的は、このような不便を解消し、ラ
ンドセル本体を容易に起立させることができるよ
うにすることである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために採用した本考案の構
成は次のとおりである。

ランドセル本体１の底板２に設置する錠主板ａ
は、中央の錠止台部１２の左右に背負いバンド取
付け台部１３，１３を形成している。

錠止台部１２には、ランドセル蓋３の延長片４
の先端に固着した係合片５を錠止する錠止機構ｄ
を架設している。

また、左右の背負いバンド取付け台部１３，１
３には、背負いバンドｃ，ｃの小紐７，７の基端
を取り付ける係留リング８，８を起伏回動自在に
設けた回転体ｂ，ｂを軸支している。

上記左右の背負いバンド取付け台部１３，１３
上面は面一をなしている。

さらに、上記錠止台部１２、錠止機構ｄ及び回
転体ｂ，ｂの上面を、上記背負いバンド取付け台
部１３，１３の上面と面一か少なくともそれより
低くしている。

〔作用〕

このように、ランドセル本体１の底板２に設置
する錠主板ａが、その左右の背負いバンド取付け
台部１３，１３の上面を面一にするとともに、錠
止台部１２、錠止機構ｄ及び回転体ｂ，ｂの上面
を上記背負いバンド取付け台部１３，１３の上面
と面一か少なくともそれより低くしているので、
錠主板ａを下向きにしてランドセル本体１を安定
起立できる。

〔実施例〕

以下図示の実施例について詳述する。

ａは、ランドセル本体１の底板２に設置する錠
主板で、その左右延長片１０，１０を錠主板ａの
内方に向け水平に折曲し、透孔１１，１１に挿通
したビス（図示していない）をかしめるなどして
上記底板２に固定設置される（第５図、第６図
イ）。

５は、ランドセル蓋３の延長片４の先端に固着
した係合片で、この係合片５を錠主板ａに錠止す
ることによつて、ランドセル蓋３が閉蓋状態に維
持される。

錠主板ａは、中央の錠止台部１２の左右に、上
面を面一にした背負いバンド取付け台部１３，１
３を膨出させるとともに、この取付け台部１３，
１３の後面を、それが該錠主板ａの設置底面、す
なわちランドセル本体１の底板２との間で形成す
る角度を約120゜とする左右取付け面６，６を形成
している。

さらに、この左右取付け面６，６はたがいに左
右外方に向かつて拡大した状態をなしている。

ｂ，ｂは、上記左右取付け面６，６に回転自在
にしてかつ横摺動自在に設けた、俗にダルマと称
されている回転体で、その詳しい構成は次のとお
りである。

左右取付け面６，６には横長孔１４，１４があ
り、その横長孔１４，１４に軸杆１５，１５を遊
嵌している。

１６は軸杆１５に嵌装した受皿体、１７は同じ
く軸杆１５に嵌装するとともに受皿体１６に嵌合
した覆蓋体で、これら１対の受皿体１６と覆蓋体
１７とが上記回転体ｂを構成している。

そして、回転体ｂ，ｂは、その上面が、背負い
バンド取付け台部１３，１３の上面と面一か少な
くともそれより低くなるように設定されている。

１８は、軸杆に巻回嵌装して、受皿体１６と覆
蓋体１７との間に介在させたコイルばねで、受皿
体１６を取付け面６に弾圧するとともに、覆蓋体
１７を軸杆１５の外端頭部に弾圧させ、かつこれ
によつて、軸杆１５の内端フランジ１９を上記横
長孔１４の内側辺縁面に圧接させている。

２０，２１は横長孔１４の内側辺縁面と上記内
端フランジ１９の対向面とにたがいに噛合すべく
設けた小凹凸で、上記圧接時には、これら小凹凸
２０，２１の噛合により、回転体ｂは横摺動する
ことができない状態で当該位置に係止される。

しかし、軸杆１５を錠主板ａの内方に向けコイ
ルばね１８に抗し押すと、上記小凹凸２０，２１
の噛合は簡単に解除でき（第４図）、そのまま、
回転体ｂを横長孔１４に沿つて横摺動することが
可能であり、押すのを止めることによつて、その
位置に再び係止することができるものである。

８は、回転体ｂの上記覆蓋体１７に起伏回動自
在に取り付けた係留リング、ｃは長紐２２と小紐
７とからなる背負いバンドで、小紐７の基端を係
留リング８に取り付けている。

上記構成のランドセルを背負つたときにおけ
る、上記小紐７、及びこれと重合接続している長
紐２２の両遊端部が、身体９と接する状況をみる
と、小紐７は、その辺縁端面７′，７′を上下に位
置させ、平担面を身体９の横腹部分に当接した状
態をなす（第６図ロ）。

次に、ランドセル蓋３の係合片５を錠止する錠
止機構ｄの構成について説明する。

２３は、錠主板ａの錠止台部１２の窓孔１２′
に、上面開口２３′を一致させて設けた底函、２
４，２５はこの底函２３に収容した操作片と錠止
片で、操作片２４は、ばね２６により弾圧されて
いて、上面開口２３′及び窓孔１２′を通じ上方に
突出し、また、錠止片２５は、ばね２７により後
方（第７図及び第８図右方）へ偏倚すべく付勢さ
れている。

そして、これら操作片２４及び錠止片２５の上
面は、背負いバンド取付け台部１３，１３の上面
と面一か少なくともそれより低くなるように設定
してある。

錠止片２５は、通常は、上方突出状態の操作片
２４の断面三角形状の突縁２４′に、係合爪縁２
５′を係合しているにより、上記付勢に抗し開錠
位置に係止している（第７図）。

操作片２４をばね２６に抗し押下すると、上記
係合が外れるため、錠止片２５はばね２７による
付勢で後方へ偏倚し、その横向き突部２８を、上
面開口２３′及び窓孔１２′の辺縁外方に大きく突
出させる（第８図）。

一方、ランドセル蓋３の係合片５は、開錠位置
にあるときの錠止片２５と操作片２４に対して丁
度嵌脱自在な係合孔５′を有する。

そこで、係合片５を、その係合孔５′を錠止片
２５及び操作片２４に嵌合して、錠止台部１２上
に位置させ、操作片２４を押下して錠止片２５を
閉錠位置にすると、横向き突部２８が係合孔５′
の辺縁に係合するので、最早、係合片５は抜脱で
きなくなる（第８図）。この状態は、操作片２４
に対する押下力を解除することによつて、その操
作片２４が上方に突出することになつたときにお
いても継続する（第８図）。

しかし、錠止片２５をばね２７による付勢に抗
し前方（第７図及び第８図左方）へ押すと、突縁
２４′と係合爪縁２５′との接合押圧で、一旦操作
片２４をばね２６に抗し少し降下させながら、錠
止片２５は原位置に移動し、そこで操作片２４が
ばね２６により上昇するものにともない再び上記
開錠位置に保持される（第７図）。したがつて、
係合片５の抜脱は自由になる。

２９，２９は錠止台部１２内であつて、底函２
３の左右に配置した永久磁石で、これによつて、
係合片５は、錠止片２５が開、閉いずれの位置に
あるときにおいても、錠止台部１２の上面に吸着
される。また、この吸着状態の係合片５は、先端
５″を、錠止台部１２の後側の凹処３０に突出さ
せ、抜脱するときは、その先端５″を、掴んで容
易に操作できるようにしてある。

なお、回転体ｂの取付け面６が、ランドセル本
体１の底板２との間に形成する角度は、上記実施
例のように約120゜に限定される必然性はない。す
なわち、その角度は、第９図に示すように90゜、
第１０図に示すように約150゜、第１１図に示すよ
うに約130゜等に設定できるもので、その範囲は
90゜、あるいは鈍角であればよい。

〔考案の効果〕

以上述べたところから明らかなように、本考案
装置によれば、錠主板を下向きにしてランドセル
本体を起立保持でき、したがつて、収納物の出し
入れは、その起立状態のままランドセル本体の上
面開口を通じ容易に行うことができるもので、従
来のように、片手で支えながらとかランドセル本
体を横置きにして、収納物の出し入れをしなけれ
ばならない不便がないものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
平面図、第２図は背面図、第３図は側面図、第４
図は回転体の部分の拡大断面図、第５図はランド
セルに取り付けた状態の斜視図、第６図イ，ロは
第５図のランドセルの使用状態説明図、第７図及
び第８図は錠止機構部分の拡大断面図、第９図乃
至第１１図はそれぞれ他の実施例の側面図で、特
に第９図はランドセル本体の底板に取り付けた状
態で示している。 １……ランドセル本体、２……底板、ａ……錠
主板、１２……錠止台部、１３……背負いバンド
取付け台部、３……ランドセル蓋、４……延長
片、５……係合片、ｄ……錠止機構、ｃ……背負
いバンド、７……小紐、８……係留リング、ｂ…
…回転体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ランドセル本体の底板に設置する錠主板が、中
   央に錠止台部を形成するとともに、その左右に背
   負いバンド取付け台部を形成し、上記錠止台部
   に、ランドセル蓋の延長片の先端に固着した係合
   片を錠止する錠止機構を架設し、上記左右のバン
   ド取付け台部には、背負いバンドの小紐の基端を
   取り付ける係留リングを起伏回動自在に設けた回
   転体を軸支し、かつ、上記左右の背負いバンド取
   付け台部の上面を面一にするとともに、上記錠止
   台部、錠止機構及び回転体の上面を、上記左右の
   背負いバンド取付け台部の上面と面一か少なくと
   もそれより低くしてなることを特徴とするランド
   セル蓋の錠止及び背負いバンドの取付け装置。