JPH0323992Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、単位シヤツター片を連結してなる横
引きシヤツターを有するキヤビネツトにおいて、
該横引きシヤツターを大型化しても、摺動が軽く
なめらかで且つ騒音が発生しないキヤビネツトに
関するものである。

この目的を達成するために、本考案では前面開
口の上下に本体から延設した前縁片と後縁片とで
横引きシヤツターを受入れる溝を有する上下レー
ル部を形成し、下レール部内の底部の長さ方向に
は前記横引きシヤツターの下面を載置して摺動案
内する一条の連続した突条シヤツター受けを、シ
ヤツターの中央より前方寄りに位置するように突
設してなる横引きシヤツターを有するキヤビネツ
トを提供せんとするものである。

従来、キヤビネツトに横引きシヤツターを内装
した例が市販されている。しかし、これらの横引
きシヤツターにおいては、キヤビネツト内におい
て、上下のレール、とりわけ下レール内における
横引きシヤツターの載支状態が面的であるため
に、該横引きシヤツターが大型化すればするだけ
開閉が重くなり、又、その開閉動作に応じて騒音
が発生する傾向がある。

しかし、該キヤビネツトが大型化すれば、この
横引きシヤツターも大型化せざるをえず、その操
作性並びに騒音発生の観点から、取扱い容易で外
観上も美麗に仕上げることを要望されているにも
係わらずキヤビネツトの商品展開上、その実現を
阻害していた。

本考案は、従来のこのような横引きシヤツター
を有するキヤビネツトにおける問題点を解決し、
横引きシヤツターの開閉が軽く、スムーズになさ
れ、開閉時に騒音の発生しない該キヤビネツトを
提供せんとするものであつて、その目的をキヤビ
ネツトの上下レール部内の下レール部内に摺動容
易な連続した一条の突条シヤツター受けをその長
さ方向に設けるとともに、その位置を前方寄りに
設定することにより達成した。

図示した実施例により、更に本考案の詳細は説
明される。

図中１として示すものが、各種形状のキヤビネ
ツトであり、２，３は、該キヤビネツト１の前面
に存在する開口４上下に設けられた上レール部と
下レール部である。この上下レール部２，３の間
に存在する５が横引きシヤツターである。横引き
シヤツター５は、各種具体例のものが採用される
が、図例のものにあつては、隣接する単位シヤツ
ター片６を互いに連結して横長の横引きシヤツタ
ー５を構成している。この単位シヤツター片６
は、図示する如く中空箱状基体７の一側面から側
方へ板片８を延設し、該板片８を更に他側面方向
へ延設し、この延設片９内側へ円柱体１０を回転
部材として設けるとともに、基体７の他側から一
側面方向へ開口し、且つ前記回転用円柱体１０を
長さ方向の側端から受け入れ、前方開口方向へは
抜け止め状態となる凹溝１１を形成したものであ
る。

該単位シヤツター片６の一側の回転用円柱体１
０を隣接する他の単位シヤツター片６の凹溝１１
へ挿入することで単位シヤツター片６同士は所望
の長さに連接され、且つ断面方向へは円柱体１０
と凹溝１１とで蝶着構造が与えられている。この
円柱体１０と凹溝１１の配設関係は、図例の如き
の以外に種々ものが採用されうる。

次に、キヤビネツト１の前面開口４上下に設け
た前記レール部２，３は、キヤビネツトの本体か
ら延設した前縁片１２と、前記横引きシヤツター
５が、後方へ倒れることを防止するための後縁片
１３によつて横引きシヤツターを受け入れる溝が
形成されてレール部が作られる。上レール部２
は、単横引きシヤツター５の上部を受け入れる空
間並びにその前後の遊び巾が適当であればよいの
であるが、下レール部３にあつては、図例の如
く、一条の突条が連続して下レール部内の底部の
長さ方向へ設けられている。該突条シヤツター受
け１４は、図例の如く下レール部３の背面におけ
る前記横引きシヤツター５の後方への倒れを防止
するための後縁片１３と連設した略Ｕ字型部材を
配し、その一方の立片を該突条シヤツター受け１
４として利用したり、更には単にこの突条シヤツ
ター受け１４として図示しない板片を連続して立
設すること等でも採用される。突条シヤツター受
け１４は、これを金属で作成しているときには、
前記横引きシヤツター５との摺動を容易にするた
め、その上縁には断面Ｕ字状の摺動部材１５を外
被し、板材のサビ止めをも兼用せしめている。し
かし、該突条シヤツター受け１４そのものが合成
樹脂で製作されているような時には、この摺動部
材１５も不要となる。

更に、本考案において、前記突条シヤツター受
け１４は、下レール部３における横引きシヤツタ
ー５の中央より前寄りに位置して配置しているこ
とが特徴である。とりわけ、前記単位シヤツター
片６を連結してなる横引きシヤツター５として、
図例の如く厚さ方向中央より一側に前記回転用円
柱体１０や凹溝１１を配し、その接触面積の大き
い部分、即ち円柱体１０と凹溝１１との蝶着部が
後寄り一側に片寄つているような時には、この下
レール部の中央より前方方向へ即ち、横引きシヤ
ツター５の中央より前寄りに突条シヤツター受け
１４を偏心させて配することがより望ましいとい
える。これにより横引きシヤツター５における接
触部分の少ない個所と前記突条シヤツター受け１
４の接触を可能とする。

次に、このような上下レール部２，３の間に横
引きシヤツター５を内装するには、互いに隣接す
る単位シヤツター片６を前記円柱体１０と凹溝１
１との関係で連結した横引きシヤツター５を図例
の如くその円柱体１０と凹溝１１との嵌合位置を
互いにずらし、シヤツター全体が斜方向に位置す
る状態に設定することで前記キヤビネツト１の開
口４における上下レール部２，３内に容易に挿入
することができるうえに該上下レール部２，３内
で元の垂直位置に復帰せしめれば、この横引きシ
ヤツター５をキヤビネツト１の上下レール部２，
３間に内装することができるのである。通常、横
引きシヤツター５は、両開きを採用する例が多い
が、この場合においては両横引きシヤツター５，
５の互いにに当接する端部に設ける端部材１６
は、図例の如く平面略Ｕ字型で、その背面にはキ
ヤビネツト１の上部から切り起こしたストツパー
部材１７と係合してシヤツターの横巾方向への移
動における中央の位置を決定し、且つ停止させる
切り起こし１８を設けている。該切り起こし１８
は、両横引きシヤツター５，５の先端位置にある
単位シヤツター片６の背面上部に設けている。
又、これら切り起こし１８は、前記キヤビネツト
１に対する閉止時の中央位置を決定するストツパ
ー部材１７と係合するのみばかりでなく、これを
開放した位置の開放終点においても、キヤビネツ
ト１側、例えば上レール部２−側に前記ストツパ
ー部材１７と対向する終点位置におけるストツパ
ー部材１９を設け、もつて両ストツパー部材間で
横引きシヤツター５が移動可能にしている。

なお、図中２０は一方のシヤツター縁から他側
のシヤツター縁方向へ突出せしめシヤツターを互
いに近接せしめたときにシヤツター端縁の片面を
遮蔽する為の遮蔽用突片である。

以上の如く本考案に係る横引きシヤツターを有
するキヤビネツトは、前面開口の上下に本体から
延設した前縁片と後縁片とで横引きシヤツターを
受入れる溝を有する上下レール部を形成し、下レ
ール部内の底部の長さ方向には前記横引きシヤツ
ターの下面を載置して摺動案内する一条の連続し
た突条シヤツター受けを、シヤツターの中央より
前方寄りに位置するように突設してなるので、横
引きシヤツターが大型化した場合においても該横
引きシヤツター下端と接する部分は単に突条シヤ
ツター受けの上縁が線的に接触し且つ突条シヤツ
ター受けが横引きシヤツターの中央より前寄り位
置に当接し該横引きシヤツターを後方傾斜状態で
載支することから、開閉動作がきわめて軽く、且
つこの開閉時に騒音が発生せず、また上下レール
部を本体から延設した前縁片と後縁片とで形成し
たので、シヤツターの本体に一体的に横引きシヤ
ツターを受け入れる溝を形成することができて外
観性に優れ且つ安価に製造できるとともに、横引
きシヤツターの前後への傾動を規制して倒れるこ
とを防止している。

更に、横引きシヤツターを単位シヤツター片の
後側一側に形成した回転用円柱体と凹溝とを嵌合
して構成した場合には、突条シヤツター受けを中
央より前寄りに設定することによつて、円柱体と
凹溝との蝶着部等の接触面積の大きい部分と突条
シヤツター受けが接しないので、該蝶着部の回動
がスムーズになり、該横引きシヤツターがキヤビ
ネツトの側部コーナー部を通過する際に回動抵抗
が少なく又きしみ音等の騒音が発生しないのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るキヤビネツトの説明用斜
視図、第２図は要部縦断面図、第３図は単位シヤ
ツター片の平面図、第４図はシヤツター高さを低
くした状態を示す説明図、第５図はシヤツター端
部材を示す断面図、第６図はレールとストツパー
部材の配置を示す平面説明図である。 １……キヤビネツト、２……上レール部、３…
…下レール部、４……開口、５……横引きシヤツ
ター、６……単位シヤツター片、７……基体、８
……板片、９……延設片、１０……円柱体、１１
……凹溝、１２……前縁片、１３……後縁片、１
４……突条シヤツター受け、１５……摺動部材、
１６……端部材、１７……ストツパー部材、１８
……切り起こし、１９……ストツパー部材、２０
……遮蔽用突片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 単位シヤツター片を連結してなる横引きシヤ
   ツターを有するキヤビネツトにおいて、 前面開口の上下に本体から延設した前縁片と
   後縁片とで横引きシヤツターを受入れる溝を有
   する上下レール部を形成し、下レール部内の底
   部の長さ方向には前記横引きシヤツターの下面
   を載置して摺動案内する一条の連続した突条シ
   ヤツター受けを、シヤツターの中央より前方寄
   りに位置するように突設してなることを特徴と
   する横引きシヤツターを有するキヤビネツト。 (2) 中空箱状基体の一側面から他方へ板片を延設
   し、該板片を他側面方向へ延設し、その延設片
   内側へ回転用円柱体を設けるとともに、基体の
   他側から一側面方向へ開口し前記円柱体を受け
   入れる凹溝を形成した単位シヤツター片を利用
   してなる実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の
   横引きシヤツターを有するキヤビネツト。