JPH03234820A - ハイブリッド繊維 - Google Patents

ハイブリッド繊維

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JPH03234820A
JPH03234820A JP2025278A JP2527890A JPH03234820A JP H03234820 A JPH03234820 A JP H03234820A JP 2025278 A JP2025278 A JP 2025278A JP 2527890 A JP2527890 A JP 2527890A JP H03234820 A JPH03234820 A JP H03234820A
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fiber
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Toshihiro Ishikawa
敏弘 石川
Yasuhiro Shioji
塩路 泰広
Masaki Shibuya
昌樹 渋谷
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、複合材料の強化材として好適なハイブリッド
繊維に関する。
(従来の技術及びその問題点) 炭素繊維は、軽量てしかも高強度、高弾性であるため、
スポーツ・レジャー用品をはじめ、航空機、自転車、建
材など広い分野に亙ってその利用が図られている。
炭素繊維としては、ポリアクリロニトリルを原料とした
PAN系炭素繊維と、石油系、石炭系のピッチを原料と
する、所謂ピッチ系炭素繊維が知られている。
ピッチ系炭素繊維は、一般に強度がPAN系炭素繊維に
比べて劣るが、原料が安価なことから、強度を高める方
法について種々の検討がなされ、例えば、特開昭59−
223316号公報には、効果的にメソフェーズを生成
させ、紡糸時に配向させる方法が開示されている。
しかし、基本的には、炭素繊維は結晶性の繊維であるた
め、硬く、毛羽が発生し易く、また複合材料とする際マ
トリックスとの濡れ性も劣るという欠点がある。
そこで種々の炭素繊維の表面処理法が考案され、現在知
られている方法として、繊維に柔軟性を付与するととも
に、毛羽発生を抑制する目的で、ポリビニルアルコール
、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂のようなサイ
ジング剤を表面に塗布する方法や、マトリックスとの接
着性を向上させる目的でその表面を乾式又は湿式酸化処
理する方法等がある。
これらの処理のうち、特に表面酸化層を設ける方法では
、酸化時に繊維に損傷を与えるため物性は低下する傾向
にある。更に、炭素繊維は500°Cを超える酸化雰囲
気中では、燃焼するため使用できない。
このような背景から、高強度、高弾性率を有し、しかも
マトリックスとの濡れ性、接着性が良好で、従来広範囲
の分野で使用されているPAN系炭素繊維よりも安価な
新繊維の開発が強く要望されてきた。
また、炭素繊維のより高温での耐酸化性を向上させるこ
とが種々の分野で強く望まれている。
この要望を満たず方法として、例えば、特開昭61−2
09139号公報、特開昭62−215016号公報に
記載された方法が提案されている。
これらの公報には、石炭系又は石油系ピンチ中の有機溶
媒可溶成分とポリシランを混合・加熱反応させてオルカ
リボリアリールシランを合成し、それを紡糸、不融化、
焼成により炭化珪素繊維と炭素繊維の中間の性質を有す
る無機質繊維を製造する方法が記載されている。
しかし、上記方法では、一方の出発物質として有機溶媒
不溶分を全く含まないピッチを選び、オルガノポリアリ
ールシラン製造においても前記不溶分が全く生成しない
条件下で反応を行っている。
従って得られる生成物である紡糸原料中には、炭素繊維
の強度発現に最も重要な成分と言われているメソフェー
ズ状態を含む前記不溶分が全(含まれていない。
上記紡糸原料を紡糸、不融化、焼成して得られる無機繊
維は、条件によっては炭素の黒鉛結晶に相当する(00
2)回折線は得られるものの、ピッチ繊維特有の配向は
認められず高弾性率のものは得られない。更に上記公報
の方法では、ピンチ成分が多くなる程、不活性ガス中の
耐熱性は向上するものの、耐酸化性は低下し、しかも機
械的特性が著しく低下するという問題点がある。
本出願人は、特願平1−206640号明細書及び特願
平1−224511号明細書に、上記問題点を解決した
、複合材料用マトリックスに対する濡れ性が良好で、炭
化珪素繊維に比べはるかに弾性率が高く、しかもピッチ
系及びPAN系炭素繊維に比べ200〜300″Cも耐
酸化性の向上した高強度・高弾性無機繊維を開示した。
(問題を解決するための手段) 本発明の目的は、上記提案の繊維の少な(とも一種を成
分とするハイブリッド繊維の提供にある。
本発明の別の目的は、機械的特性に優れた繊維強化複合
材料製造用の強化材として好適なハイブリッド繊維の提
供にある。
本発明の他の目的は、耐食性、耐熱性、耐酸化性に優れ
た繊維強化複合材料製造用の強化材として好適なハイブ
リッド繊維の提供にある。
本発明のハイブリッド繊維は、無機繊維■、無機繊維I
I、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維
、窒化珪素繊維、アラミド繊維、炭化珪素繊維、アラミ
ド繊維、カーボンを芯線とする炭化珪素繊維及びSi−
M−C−〇繊維(MはTi又はZrを示す。)からなる
群から選ばれた少なくとも二種の繊維からなり、かつ該
繊維の構成成分として無機繊維I、無機繊維■の少なく
とも一方を含有するハイブリッド繊維であって、前記無
機繊維Iは、珪素含有多環状芳香族重合体から得られる
無機繊維であり、その構成成分がi)該重合体を構成す
るメソフェーズ状態にある多環状芳香族化合物から導か
れるラジアル構造、オニオン構造、ランダム構造、コア
ラジアル構造、スキンオニオン構造及びモザイク構造か
らなる群から選ばれる少なくとも一種の結晶配列状態を
示す炭素質、 Ii)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族
化合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又
は非晶質炭素、及び iii)Si、C及びOから実質的になる非晶質相及び
/又は粒径が500Å以下の実質的にβSiCからなる
結晶質超微粒子と非晶質のSiOx (0<x≦2)か
らなる集合体であり、 構成元素の割合が、Si;30〜70重量%C;20〜
60重量%及びO;0.5〜10重量%である5i−C
−0物質 よりなる無機繊維であり、 前記無機繊維■は、チタン、ジルコニウム及びハフニウ
ムからなる群から選ばれる少なくとも一種類の元素及び
珪素を含有する多環状芳香族重合体から得られる無機繊
維であって、その構成成分が、 a)該重合体を構成するメソフェーズ状態にある多環状
芳香族化合物から導かれるラジアル構造、オニオン構造
、ランダム構造、コアラジアル構造、スキンオニオン構
造及びモザイク構造からなる群から選ばれる少な(とも
一種の結晶配列状態を示す炭素質、 b)該重合体を構成する有機溶媒不溶分を含む光学的等
方性の多環状芳香族化合物から導かれる、無配向状態の
結晶質炭素及び/又は非晶質炭素、及び c)(1)Si、M、C及びOから実質的になる非晶質
物質、及び/又は ■実質的にβ−3i C,MC1β−SiCとMCの固
溶体及びM C+−xからなる粒径が500Å以下の結
晶超微粒子と、非晶質の5iOy及びMO,との集合体
であり 構成元素の割合がSi ;5〜70重量%、M;0.5
〜45重量%、C,20〜40重量%及びO、0,01
〜30重量%である、SiM−C−0物質(上記式中、
MはTi、Zr及びHfから選択される少なくとも一種
の元素であり、O<x<1.0<y≦2.0<z0 ≦2である。) よりなる無機繊維である。
本発明における無機繊維■及び無機繊維Hについてまず
説明する。以下の説明における「部」は全て「重量部」
であり、「%」は「重量%」である。
本発明における無機繊維■は前述した構成成分i)、i
i)及びiii)からなっており、Si;0.01〜2
9重量%、C;70〜99.9重量%及びO;0.00
1〜10重量%、好ましくはS i ; 0.1〜25
重景%重量;74〜99.8重量%及びO;0゜01〜
10重量%から実質的に構成されている。
無機繊維■は前述した構成成分a)、b)及びC)から
なっており、S i ; 0.01〜30%、M;0.
01〜10%、C;65〜99.9%及び0;0.00
1〜10%、好ましくはSi;0.1〜25%、M ;
0.01〜8%、C;74〜99.8%及びO; 0.
01〜8%から実質的に構成されている。
無機繊維■及び無機繊維IIの構成成分である結晶質炭
素は500Å以下の結晶子サイズを有し、1.5人の分
解能を有する高分解能電子顕微鏡において、繊維軸方向
に配向した3、2人の(002)面に相当する微細なラ
ティスイメージ像が観察されうる超微粒子のグラファイ
ト結晶である。無機繊維中の結晶質炭素は、ラジアル構
造、オニオン構造、ランダム構造、コアラジアル構造、
スキンオニオン構造、モザイク構造及び一部ラジアル構
造を含むランダム構造をとることができる。これは、原
料中にメソフェーズ多環状芳香族化合物が存在すること
に起因する。
無機繊維■における構成成分i)及びii)の総和1、
 O0部に対する構成成分iii)の割合は0.015
〜200部であり、且つ構成成分l)、ii)の比率は
1:0.02〜4である。
構成成分i)及びii)の総和100部に対する構成成
分iii)の割合が0.015未満の場合は、はとんど
ピッチ繊維と変わらず、耐酸化性や71−リックス炭素
との界面接着力の向上は望めず、上記割合が200部を
越えた場合ばグラフアイ[・の微細結晶が効果的には生
成せず、高弾性率の繊維が得1 2 られない。
無機繊維Hにおける構成成分a)及びb)の総和100
部に対する構成成分C)の割合は0.015〜200部
であり、且つ構成成分a)とb)との比率はl:0.0
2〜4である。
構成成分a)及びb)の総和100部に対する構成成分
C)の割合が0.015未満の場合は、はとんどピッチ
繊維と変わらず、耐酸化性や濡れ性の向上は望めず、上
記割合が200部を越えた場合はグラファイトの微細結
晶が効果的には生成せず、高弾性率の繊維かえられない
無機繊維■及び無機繊維Hにおいては、層間隔が小さく
三次元的配列が付与された微結晶が効果的に生成してお
り、その微細結晶を包み込むように珪素原子が非常に均
一に分布している。
また、珪素の分布状態は、焼成時の雰囲気や原料中のメ
ソフェーズの大きさ、濃度によっても制御することがで
きる。例えば、メソフェーズを大きく成長させた場合、
珪素含有ポリマーは繊維表面相に押し出され易く、焼成
後繊維表面に珪素に富む層を生成させることができる。
次に、本発明における無機繊維■及び無機繊維IIの製
造方法について説明する。
無機繊維■は、以下の第1工程〜第4工程で製造するこ
とができる。
第1工程: 出発原料の一つである有機珪素重合体は、公知の方法で
合成することができ、例えば、ジメチルジクロロシラン
と金属すトリウムの反応により得られるポリメチルシラ
ンを不活性ガス中で400°C以上に加熱することによ
り得られる。
上記有機珪素重合体は、結合単位(Si  CH2)、
又は結合単位(S 1−CH2)と結合単位(Si−3
i)より主としてなり、結合単位(SiCH2)の全数
対結合単位(Si−3i)(D全数の比率は1:0〜2
0の範囲内にある。
有機珪素重合体の重量平均分子量(Mll )は、−船
釣には300〜10ooで、M、が4oo〜800のも
のが、優れた炭素系無機繊維を得るための中間原料であ
る前駆重合体(1)を調製するため3 4 に特に好ましい。
もう一つの出発原料である多環状芳香族化合物は石油類
及び/又は石炭類から得られるピッチで、特に好ましい
ピンチは、石油類の流動接触分解により得られる重質油
、その重質油を蒸留して得た留出成分又は残渣油及びそ
れらを熱処理して得られるピンチである。
上記ピッチ中には、ベンゼン、I・ルエン、キシレン、
テトラヒドロフランなどの有機溶媒に不溶の成分が5〜
98重量%含まれていることが好ましい。上記の不溶成
分が5重量%未満のピッチを原料として用いた場合、強
度、弾性率共に優れた無機質繊維は得られず、また、9
8重量%より多いピンチを原料として用いた場合、共重
合体の分子量上昇が激しく、一部コーキングの起ごる場
合もあり、紡糸困難な状態になる。
このピンチの重量平均分子量(M8)は、100〜30
00である。
重量平均分子量は以下のようにして求めた値である。即
ち、ピッチがベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒ
ドロフラン、クロロホルム及びジクロロベンゼン等のゲ
ルパーミュエーションクロマトグラフ(cpc)測定用
有機溶媒不溶分を含有しない場合はそのままGPC測定
し、ピッチが上記有機溶媒不溶分を含有する場合は、温
和な条件で水添処理し、上記有機溶媒不溶分を上記有機
溶媒可溶な成分に変えて後GPC測定する。以下、上記
有機溶媒不溶分を含有する重合体の重量平均分子量は、
上記と同様の処理を施し求めた値である。
前駆重合体(1)は、有機珪素重合体に、石油系又は石
炭系ピッチを添加し、不活性ガス中で好ましくは250
〜500°Cの範囲の温度で力n熱反応させることによ
り8周製される。
ピッチの使用割合は、有機珪素重合体100部当たり8
3〜4900部であることが好ましい。
ピッチの使用割合が過度に小さい場合は、得られる無機
繊維中の炭化珪素成分が多くなり、高弾性率を有する無
機繊維が得られなくなり、また、その割合が過度に多い
場合は、炭化珪素成分が少な5 6 くなり、マトリックス炭素との界面接着性、耐酸化性に
優れた無機繊維が得られなくなる。
上記反応の反応温度が過度に低いと、珪素原子と芳香族
炭素の結合が生成しにくくなり、反応温度が過度に高い
と、生成した前駆重合体(1)の分解及び高分子量化が
激しく起こり好ましくない。
メソフェーズ多環状芳香族化合物(2)は、例えば、石
油系又は石炭系ピッチを不活性ガス中で300〜500
°Cに加熱し、生成する軟質留分を除去しながら縮重合
することによって調製することができる。
上記縮重合反応温度が過度に低いと縮合環の成長が充分
でなCまたその温度が過度に高いとコーキングにより不
融化物の生成が激しくなる。
上記のメソフェーズ多環状芳香族化合物(2)は、融点
が200〜400°Cの範囲にあり、また、重量平均分
子量が200〜10000である。
メソフェーズ多環状芳香族化合物(2)の中でも、20
〜100%の光学的異方性度を有し、30〜100%の
ベンゼン、トルエン、キシレン又はテトラヒドロフラン
に対する不溶分を含むものが、機械的性能上優れた無機
繊維を得るために特に好ましい。
第1工程では、前駆重合体(1)とメソフェーズ多環状
芳香族化合物(2)とを200〜500°Cの温度範囲
で加熱溶融及び/又は加熱反応し、珪素含有多環状芳香
族重合体からなる紡糸ポリマーを調製する。
メソフェーズ多環状芳香族化合物(2)の使用割合は前
駆重合体(1) 100部当たり5〜50000部であ
ることが好ましく、5部未満でば、生成物におけるメソ
フェーズ含有量が不足するため、高弾性の焼成糸が得ら
れず、また、50000部より多い場合は、珪素成分の
不足のためマトリックス炭素との界面接着性、耐酸化性
に優れた無機繊維が得られなくなる。
上記珪素含有多環状芳香族重合体の重量平均分子量は2
00〜11000で、融点が200〜400°Cである
第2工程ニ ア 第1工程で得られる珪素含有多環状芳香族重合体である
紡糸ポリマーを加熱溶融させて、場合によってはこれを
濾過してミクロゲル、不純物等の紡糸に際して有害とな
る物質を除去し、これを通常用いられる合成繊維紡糸装
置により紡糸する。
紡糸する際の紡糸原液の温度は原料ポリマーの軟化温度
によって異なるが、220〜420°Cの範囲の温度が
有利である。
前記紡糸装置において、必要に応じて紡糸筒を取付け、
該紡糸筒内の雰囲気を空気、不活性ガス、熱空気、熱不
活性ガス、スチーム、及びアンモニアガスからなる群か
ら選ばれる一種以上の雰囲気とした後、巻取り速度を大
きくすることにより細い直径の繊維を得ることができる
。前記溶融紡糸における紡糸速度は原料の平均分子量、
分子量分布、分子構造によって異なるが、50〜500
0m/分の範囲であることが好ましい。
第3工程: 第2工程で得られる紡糸繊維を張力又は無張力の作用も
とて不融化する。
代表的な不融化方法は、紡糸繊維を酸化性雰囲気中で加
熱する方法である。不融化の温度は好ましくは50〜4
00°Cの範囲の温度である。不融化温度が過度に低い
と紡糸原糸を構成するポリマーのはしかけが起こらず、
また、この温度が過度に高いとポリマーが燃焼する。
不融化の目的は、紡糸繊維を構成するポリマーを三次元
構造の不融・不溶のはしかけ状態にし、次工程の焼成の
際に熔融せず、且つ隣接した繊維と融着しないようにす
ることである。不融化の際の酸化性雰囲気を構成するガ
スとしては、空気、オゾン、酸素、塩素ガス、臭素ガス
、アンモニアガス、及びこれらの混合ガスが挙げられる
上記とは別の不融化方法として、紡糸繊維に酸化性雰囲
気あるいは非酸化性雰囲気で、張力あるいは無張力で必
要に応じて低温加熱しながら、T線照射、あるいは電子
線照射して不融化する方法も採用することができる。
このγ線あるいは電子線を照射する目的は、紡糸繊維を
形成するポリマーを、さらに重合させる9 0 ことによって、紡糸原糸が融解し、繊維形状を失うこと
を防くことにある。
γ線あるいは電子線の照射線量は106〜1010ラン
ドが適当である。
照射は真空、不活性ガス雰囲気下、あるいは空気、オゾ
ン、酸素、塩素ガス、臭素ガス、アンモニアガス及びこ
れらの混合ガスのような酸化性ガス雰囲気で行うことが
できる。
照射による不融化は室温で行うこともでき、必要であれ
ば50〜200°Cの温度範囲で加熱しながら行うこと
によって不融化をより短時間で達成させることもできる
不融化は、無張力下で行うと、前記紡糸繊維は収縮のた
め波状の形を呈するようになるが、次工程の焼成工程で
矯正できる場合もあり、張力は必ずしも必要ないが、張
力を作用させる場合には、その張力の大きさは不融化時
に紡糸繊維が収縮して波状となることを少なくとも防止
できる以上の張力を作用させると良い結果が得られる。
不融化の際に、作用させる張力としては、1〜500 
g 7mm2の範囲が好ましく、Lg/mm2以下の張
力を作用させても繊維をたるませないような緊張を与え
ることができず、500 g 7mm2以上の張力を作
用させると繊維が切断することがある。
第4工程: 第3工程で得られる不融化糸を、真空あるいは不活性ガ
ス雰囲気中で800〜3000°Cの範囲の温度で焼成
することによって、主として炭素、珪素、酸素からなる
無機繊維が得られる。
焼成工程において、張力を作用させることば必ずしも必
要ないが0.001〜100Kg/mm2の範囲で張力
を作用させながら高温焼成すると屈曲を少なくした強度
の高い無機繊維を得ることができる。
加熱過程において、約700°Cから無機化が激しくな
り、約800°Cでほぼ無機化が完了するものと推定さ
れる。従って、焼成は、800°C以上の温度で行うこ
とが好ましい。また、3000°Cより高い温度を得る
には高価な装置を必要とする1 2 ため3000 ’Cより高温での焼成は、コスI・面か
らみて実際的でない。
無機繊維■は以下の第1工程〜第4工程で製造すること
ができる。
第1工程: 無機繊維I製造の第1工程の前駆重合体(1)の調製方
法と同様にして、有機珪素重合体とピッチより前駆重合
体(1)が調製される。
次に、前駆重合体(1)と式MX、で示される遷移金属
化合物とを100〜500°Cの範囲の温度で反応させ
ランダム共重合体(2)を調製する。
上記MX4において、MはTi、、Zr及びHfから選
択される少なくとも一種の元素であり、Xは縮合により
、Mが前駆重合体(1)の珪素と直接あるいは酸素原子
を介して結合し得るものであればよく、特に規定はない
が、ハロゲン原子、アルコキシ基又はβ−ジケトンのよ
うな錯体形成基が好ましい。
反応温度が過度に低いと、前駆重合体(1)と式MX4
との縮合反応が進行せず、反応温度が過度に高いと、M
を介した前駆重合体(1)の架橋反応が過度に進行しゲ
ル化が起こったり、前駆重合体(1)自体が縮合し高分
子量化したり、あるいは、場合によってはMX4が揮散
し好ましくない。
−例として、MがTiで、XがOC4Hqの場合、反応
温度ば200〜400°Cが適している。
この反応によって、前駆重合体(1)の珪素原子の少な
くとも一部を金属Mと直接あるいは酸素原子を介して結
合させたランダム共重合体(3)が調製される。
金属Mは前駆重合体(1)の珪素原子に−MX3あるい
は−○−MX、のような結合様式で側鎖状に結合するこ
ともできるし、前駆重合体(1)の珪素原子に直接又は
酸素を介して架橋した結合様式もとり得る。
ランダム共重合体(3)を調製する方法としては、前述
の方法以外に、有機珪素重合体とMX4を反応させ、得
られた生成物にピッチをさらに反応させて調製する方法
も可能である。
第1工程においては最後にランダム共重合体(3)3 4 とメソフェーズ多環状芳香族化合物(2)を加熱反応及
び/又は加熱溶融して、金属含有多環状芳香族重合体を
調製する。
メソフェーズ多環状芳香族化合物(2)は、無機繊維■
製造の第1工程に記載の調製方法と同様にして調製され
る。
メソフェーズ多環状芳香族化合物(2)は、融点が20
0〜400°Cの範囲にあり、また、重量平均分子量が
200〜10000である。
メソフェーズ多環状芳香族化合物の中でも、20〜10
0%、特に40〜100%の光学的異方性度を有し、3
0〜100%のベンゼン、トルエン、キシレン又はテト
ラヒドロフランに対する不溶分を含むものが、機械的性
能の優れた無機繊維■を得るために好ましい。
メソフェーズ多環状芳香族化合物(2)の使用割合はラ
ンダム共重合体(3) 100部当たり5〜50000
部、より好ましくは5〜10000部であり、5部未満
では、生成物におけるメソフェーズ含有量が不足するた
め、高弾性の焼成糸が得られず、また、50000部よ
り多い場合は、珪素成分の不足のため、マトリックスに
対する濡れ性、耐酸化性に優れた無機繊維が得られなく
なる。
ランダム共重合体(3)とメソフェーズ多環状芳香族化
合物(2)とを200〜500°Cの温度範囲で加熱溶
融及び/又は加熱反応させることにより、ランダム共重
合体(3)の少なくとも一部がメソフェーズ多環状芳香
族化合物(2)と結合した金属含有多環状芳香族重合体
が得られる。ただし、ここで言う結合とは、珪素と多環
状芳香族化合物の炭素との化学結合及び/又はランダム
共重合体(2)中の珪素と化学結合した多環状芳香族環
部分とメソフェーズ多環状芳香族化合物との間のファン
デルワールス結合等の物理的結合を意味する。
上記溶融混合温度が200°Cより低いと不融部分が生
じ、糸が不均一となり、無機繊維の強度、弾性率に悪影
響を及ぼし、また、溶融混合温度が500°Cより高い
と縮合反応が激しく進行し、生成重合体が高融点となり
、重合体の紡糸が著しく困難となる。
5 6 金属含有多環状芳香族重合体を調製する方法としては、
前述の方法以外に、有機珪素重合体とピッチを反応させ
、得られた生成物にメソフェーズピッチとMX、を同時
に又は順次添加し、さらに反応させて調製する方法も可
能である。
金属含有多環状芳香族重合体の重量平均分子量は200
〜11000で、融点が200〜400°Cである。
第2工程: 第1工程で得られる金属含有多環状芳香族重合体である
紡糸ポリマーを前記した無機繊維■製造の第2工程と同
様にして紡糸する。
第3工程: 第2工程で得られる紡糸繊維を前記した無機繊維I製造
の第3工程と同様にして不融化する。
第4工程: 第3工程で得られる不融化系を、前記した無機繊維■製
造の第4工程と同様にして焼成することによって、主と
して炭素、M、珪素及び酸素からなる無機繊維IIが得
られる。
なお、無機繊維■の構成成分C)であるSiM−C−0
物質の形態は、第1工程乃至第4工程で採用される製造
条件によって決定される。−船釣に言えば、第4工程で
の焼成温度が例えば1000°Cより低い場合、S i
、M、C,0からなる非晶質より実質的に構成される。
一方、第4工程での焼成温度が例えば1700°C以上
の場合、実質的にβ−SiC,MC1βSiCとMCの
固溶体及びMC,X (ただし、0<x< 1 )から
なる粒径500Å以下の超微粒子及び5iny (ただ
し、0<y≦2)、MO,、(ただし、O<z≦2)か
らなる非晶質からなる集合体より実質的に構成される。
上記温度の中間では、各集合体の混合系より構成されて
いる。また、無機繊維中の酸素量は、例えば第1工程に
おけるMX4の添加比率又は第3工程における不融化条
件により制御することができる。
また、構成成分C)の分布状態は、焼成時の雰囲気や原
料中のメソフェーズの大きさ、濃度によ7 8 っても制御することができる。例えば、メソフェーズを
太き(成長させた場合、構成成分C)は繊維表面相に押
し出されやすくなる。
本発明において上記無機繊維I及び/または無機繊維■
と共にハイブリッド繊維を構成する繊維は炭素繊維、ガ
ラス繊維、ホロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、
炭化珪素繊維、アラミド繊維、カーボンを芯線とする炭
化珪素繊維及び51−MC−〇繊維(MはTi又はZr
を示す)が挙げられる。
上記のSi−M−C−0繊維は、 (i)Si、M、C1及びOから実質的になる非晶質、
又は (ii)実質的にβ−SiC,MC,β−SiCとMC
の固溶体及びM C+−xの粒径が500Å以下の各結
晶質超微粒子、及び非晶質の5iOzとMC2からなる
集合体、又は (iii )上記(1)の非晶質と上記(ii)の結晶
質超微粒子集合体の混合系、 (ただし、上式中のMはTi又はZrを示し、0<x<
 1を示す) からなる無機繊維である。この無機繊維は、例えば、特
公昭60−1405号公報、同58−5286号公報、
同60−20485号公報、同5944403号公報の
各明細書に記載の方法によって8周製することができる
本発明のハイブリッド繊維を複合材の強化材として用い
る場合、繊維そのものを単軸方向、多軸方向に配合させ
る方法、あるいは手織、朱子織、模紗織、綾織、からみ
織、らせん織、三次元織物などの各種織物にして使用す
る方法、あるいはチョツプドファイバーとして使用する
方法等がある。
ハイブリッド繊維中の無機繊維I及び/又は無機繊維■
の割合は10体積%以上、好ましくは20〜90体積%
である。10体積%より低いと、複合材料における無機
繊維によるマトリックスとの間の結合強さの向上、強化
効率の向上という本発明の目的とする機械的性質の改善
効果に乏しい。
ハイブリッド繊維のハイブリッド状態を形態別にみると
(1)ある種の繊維の層と別種の繊維の層を積層した層
間ハイブリッド(2)一つの層の中ですで9 0 にハイブリッド化されている層内ハイブリットの2種類
が基本で、(3)それらの組合せがある。糾合せの主な
型は以下の6種である。
(a)単層テープの積層(層単位で異質繊維を交互に積
層したもの) (b)サンドウィッチ型(層単位で異質繊維をサンドウ
ィッチに積層したもの) (c)リブ補強 (d)混繊トウ(単繊維単位で異質の繊維をハイブリッ
ドしたもの) (e)混繊テープの積層(糸条単位で異質の繊維を層内
でハイプリントしたもの) (f)混繊表層 本発明のハイブリッド繊維の複合材料中の含有割合は1
0〜70体積%が好ましい。上記含有割合が10体積%
より少ないとハイプリント繊維による補強効果が充分に
発現されず、また70体積%を超えるとマトリックスの
量が少ないため、ハイブリッド繊維の間隙を充分にマト
リックスで充填することができない。
従来の炭素繊維に比べ本発明のハイブリッド繊維を強化
材として用いることは、以下のような利点がある。
即ち、複合材料としての用途として、一部の面又は部分
としての優れた特性が要求される場合、例えば、複合材
表面の耐磨耗性が要求される場合、無機繊維■及び/又
は無機繊維■とボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊
維、炭化珪素繊維、カーホンを芯線とする炭化珪素繊維
または51−MC−0繊維とバイブリド化して用いるこ
とが有利であり、逆に潤滑性を要求される場合、無機繊
維■及び/又は無機繊維■と炭素繊維とをハイブリッド
することが有利である。また、ある方向にのみ引張強度
が要求される場合、高強度炭素繊維を強度方向に配列し
高強度化し、他の方向には無機繊維■及び/又は無機繊
維■で強化することにより圧縮破壊や眉間剥離を防止す
るといった方法も有効である。
(効果) 本発明のハイブリッド繊維は、繊維強化プラス1 2 チック複合材料、繊維強化金属複合材料、繊維強化セラ
ミック複合材料(この繊維強化セラミック複合材料には
、主として炭素をマトリックスとする繊維強化炭素質複
合材料も含まれるものとする。
)等の複合材料の強化材として好適に使用することがで
きる。
例えば、本発明のハイブリッド繊維を用い得た繊維強化
プラスチツク複合材料は、眉間剪断強度に優れ、プラス
チングと繊維との間の結合強度に優れているため、長期
間の苛酷な環境下での使用に耐えるものである。
本発明のハイブリッド繊維を用い得た繊維強化炭素質複
合材料は、炭素マトリックスとの接着性が改善されるた
め、高強度、高弾性にして靭性に優れた炭素質複合材料
であるとともに、耐磨耗性等実用上の機械特性も向上し
たものである。
(実施例) 以下実施例によって本発明を説明する。
参考例1 (無機繊維Iの製造) 51の三ロフラスコに無水キシレン2.5 I!、及び
ナトリウム400gを入れ、窒素ガス気流下でキシレン
の沸点まで加熱し、ジメチルジクロロシラン11を1時
間で滴下した。滴下終了後、10時間加熱還流し沈澱物
を生成させた。沈澱を濾過し、メタノールついで水で洗
浄して、白色粉末のポリジメチルシラン420gを得た
このポリジメチルシラン400gを、ガス導入管、攪拌
機、冷却器及び留出管を備えた3!の三ロフラスコに仕
込み、攪拌しながら50mff1/分の窒素気流下に4
20°Cで加熱処理して、留出受器に350gの無色透
明な少し粘性のある液体を得た。
この液体の数平均分子量は藩気圧浸透法で測定したとこ
ろ470であった。
この物質の赤外線吸収スペクI・ルを測定したところ、
650〜900cm−’と1250CT11−’に5i
CH,の吸収、2100cm−’に5i−IIの吸収、
102102O’付近と1355cm−’に5i−CH
2S1の吸収、2900cm−と2950cm−’にC
11の吸収が認められ、またこの物質の遠赤外線3 4 吸収スペクトルを測定したところ、380cnr1に5
i−3tの吸収が認められることから、得られた液状物
質は、主として(Si  CHz)結合単位及び(Si
−3i)結合単位からなり、珪素の側鎖に水素原子及び
メチル基を有する有機珪素重合体であることが判明した
核磁気共鳴分析及び赤外線吸収分析の測定結果から、こ
の有機珪素重合体は(Si  C142)結合単位の全
数対(Si−3i)結合単位の全数の比率がほぼ1:3
である重合体であることが確認された。
上記有機珪素重合体300gをエタノールで処理して低
分子量物を除去して、数平均分子量が1200の重合体
40gを得た。
この物質の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、上
記と同様の吸収ピークが認められ、この物質は主として
(S+  CHz)結合単位及び(Si−3i)結合単
位からなり、珪素の側鎖に水素原子及びメチル基を有す
る有機珪素重合体であることが判明した。
核磁気共鳴分析及び赤外線吸収分析の測定結果から、こ
の有機珪素重合体は(Si  CH2)結合単位の全数
対(Si−3i)結合単位の全数の比率がほぼ7:1で
ある重合体であることが確認された。
石油留分のうち、軽油以上の高沸点物をシリカ・アルミ
ナ系分解触媒の存在下、500 ’Cの温度で流動接触
分解・精留を行い、その塔底より残渣を得た。以下、こ
の残渣をFCCスラリーオイルと呼ぶ。
このFCCスラリーオイルは、元素分析の結果、炭素原
子対水素原子の原子比(C/H)が0.75で、核磁気
共鳴分析による芳香炭素率が0.55であった。
上記FCCスラリーオイル200gを、2!/分の窒素
ガス気流下、450°Cで0.5時間加熱し、同温度に
おける留出分を留去後、残渣を200°Cにて熱時濾過
を行い、同温度における不融部を除去し、軽質骨除去ピ
ッチ57gを得た。
この軽質骨除去ピッチは25%のキシレン不溶5 6 分を含む光学的に等方性のピッチであった。
この軽質骨除去ピッチ57gに前記有機珪素重合体25
g及びキシレン20成を加え、攪拌しながら昇温し、キ
シレンを留去後、400°Cで6時間反応させ51.0
 gのランダム共重合体を得た。
この反応生成物は、赤外線吸収スペクトル測定の結果、
実施例1と同様、有機珪素重合体の珪素原子の一部が多
環状芳香族環と直接結合した部分を有するランダム共重
合体であることがわかった。
また、この共重合体は、キシレン不溶部を含まず、重量
平均分子量が1400で、融点が265°Cで、軟化点
が310°Cであった。
一方、前記軽質骨除去ピッチ180gを窒素気流下、反
応により生成する軽質分を除去しながら400°Cで8
時間線重合を行い、熱処理ピッチ97.2gを得た。
この熱処理ピッチは融点263°C1軟化点308°C
、キシレン不溶分77%、キノリンネ溶分31%を含有
しており、研磨面の偏光顕微鏡観察による光学的異方性
が75%のメソフェーズ多環状芳香族化合物であった。
このメソフェーズ多環状芳香族化合物90gと前記ラン
ダム共重合体6.4gを混合し、窒素雰囲気下、380
°Cで一時間溶融加熱し、均一な状態にある珪素含有多
環状芳香族重合体を得た。
この重合体は、融点が267°Cで、軟化点が315°
Cで、70%のキシレン不溶分を含んでいた。
上記高分子量物を紡糸用原料とし、ノズル径0゜15m
mの金属製ノズルを用い、360°Cで溶融紡糸を行い
、得られた紡糸原糸を、空気中、300°Cで酸化、不
融化し、更にアルゴン雰囲気中、1300°Cで焼成を
行い、直径8μmの無機繊維を得た。
この繊維は引張強度が320 Kg/mm2、引張弾性
率26 t 7mm2であり、破壊面の観察よりあきら
かにラジアル構造であった。
この無機繊維を粉砕後、アルカリ溶融、塩酸処理を施し
、水溶液とした後高周波プラズマ発光分光分析(TCP
)を行った結果、珪素含有率は0゜95%であった。
7 8 参考例2(無機繊維IIの製造) 参考例1で得られた軽質骨除去ピッチ57gに参考例1
で得た有機珪素重合体25g及びキシレン20m2を加
え、攪拌しながら昇温し、キシレンを留去後、400°
Cで4時間反応させ57.4 gの前駆重合体(1)を
得た。
この前駆重合体(1)は赤外線吸収スペクトル測定の結
果、有機珪素重合体中に存在する5i−H結合(I R
: 2100cnr’)の減少、及び新たな5i−C(
ヘンゼン環の炭素)結合(TR:1135cm−’)の
生成が認められることより有機珪素重合体の珪素原子の
一部が多環状芳香族環の炭素と直接結合した部分を有す
る重合体であることがわかった。
前駆重合体(1)57.4 gにテトラオクトキシチタ
ン(T i (OCa H1J4〕3.87 gのキシ
レン可溶液(25%キシレン溶液15.5 g )を加
え、キシレン留去後、340°Cで1時間反応させ、ラ
ンダム共重合体(2) 56 gを得た。
この重合体は、キシレン不溶部を含まず重量平均分子量
は1580、融点は258°C1軟化点292°Cであ
り、キシレン可溶であった。
上記ランダム共重合体(2) 6.4 gと参考例1で
得られたメソフェーズ多環状芳香族化合物(2) 90
 gを混合、窒素雰囲気下380°Cで1時間溶融加熱
し、均一な状態にある金属含有多環状芳香族重合体を得
た。
この重合体の融点は264°Cで、軟化点307°C1
68%のキシレン不溶分を含んでいた。
上記高分子量物を紡糸用原料とし、ノズル径0゜15m
mの金属製ノズルを用い、360°Cで溶融紡糸を行い
、得られた紡糸原糸を、空気中、300°Cで酸化、不
融化し、更にアルゴン雰囲気中、1300°Cで焼成を
行い、直径7.5μmの無機繊維を得た。
この繊維は引張強度が358 kg/m2、引張弾性率
32 t 7mm2であり、破断面の走査型電子顕微鏡
を用いた観察より、結晶層が幾重にも重なった珊瑚様の
ランダムラジアル混在構造であった。
この無機繊維を粉砕後、アルカリ溶融、塩酸処9 0 理を施し、水溶液とした後高周波プラズマ発光分光分析
(ICP)を行った結果、珪素含有率は0゜95%、チ
タン含有率は0.06%であった。
参考例3 (Si−Ti−C−0繊維の製造)ジメチル
ジクロロシランを金属ナトリウムで脱塩素縮合して合成
されるポリジメチルシラン100部に対しポリボロシロ
キサンを3部の割合で添加し、窒素中、350 ’Cで
熱縮合し、式(SiCH2)のカルボシラン単位から主
としてなる主鎖骨格を有し、該カルボシラン単位の珪素
原子に水素原子及びメチル基を有しているポリカルボシ
ランを8周製した。このポリカルボシランに、チタンア
ルコキシドを加えて、窒素中、340 ’Cで架橋重合
することにより、カルボシラン単位100部と弐(Ti
−0)のチタノキサ210部とからなるポリチタノカル
ボシランを得た。このポリマーを溶融紡糸し、空気中1
90°Cで不融化処理し、さらに引き続いて窒素中13
00°Cで焼成して、繊維径13μ、引張強度310 
kg/mm2、弾性率16 t 7mm2(モノフィラ
メント法)の主として珪素、チタン、炭素及び酸素から
なるチタン元素3%含有の無機繊維を得た。得られた無
機繊維はSi−、Ti、C及びOからなる゛非晶質と、
β−3ic、TiC1β−SiCとTicの固溶体及び
T 1C1−X  (ただし、0<x<1)の粒径が約
50人の各結晶質超微粒子及び非晶質のSiO□とT 
i Ozからなる集合体との混合系からなる5iTi−
C−0繊維であった。
実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(チバガイギー社製X
B2879A)100部及びジシアンジアミド硬化剤(
チバガイギー社製XB2879B)20部を均一に混合
した後に、混合物を重量比で1:1のメチルセロソルブ
とアセトンとの混合溶媒に溶解して、上記混合物の28
%溶液を調製した。
参考例1で得られた無機繊維Iに上記溶液を含浸した後
に、ドラムワインダーを用いて一方向に引き取り、熱循
環オーブン中100°Cで14分間加熱することによっ
て、半硬化状態の一方向に引1 2 き揃えられた無機繊維プリプレグシートを調製した。
同様にして、表面処理をした炭素繊維(ポリアクリロニ
トリル系、繊維径7μ、引張強度300Kg/mm2、
引張弾性率24 t 7mm2)を用い半硬化状態の一
方向に引き揃えられた炭素繊維プリプレグシートを8周
製した。
このようにして得た無機繊維■と炭素繊維のプリプレグ
シートを軸方向を同じにして交互に積層した後ボッI・
プレスして、ハイブリッI−繊維(無機繊維/炭素繊維
)強化エポキシ複合材料を製造した。
この複合材料の繊維含有率は無機繊維[30体積%、炭
素繊維30体積%、計60体積%てあった。
得られた複合材料の0度方向の引張強度及び引張弾性率
はそれぞれ185Kg/mm2.16.3t。
/ m+n 2であり、0度方向の曲げ強度は185K
g/ mm 2であり、90度方向の曲げ強度は7.3
 K g/mm2、層間剪断強度は8.1 K g 7
mm2、曲げ衝撃値は228 Kg −cm/c清であ
った。
比較例1 実施例1で用いた炭素繊維(ポリアクリコニ1−リル系
、繊維径7μ)のみを用い、実施例1と同様にして、半
硬化状態の一方向に引き揃えられた炭素繊維プリプレグ
シートを調製した。
このプリプレグシートを、繊維軸を同じにして、積層し
た後、ホットプレスして、炭素繊維強化エポキシ複合材
料を製造した。この複合材料の繊維含有率は60体積%
である。得られた複合材料の0度方向の引張強度及び引
張弾性率ばそれぞれ150 K g 7mm2及び14
 t 7mm2であり、0度方向の曲げ強度は、172
Kg/mm” 、90度方向の曲げ強度は6.2 K 
g 7mm2、層間剪断強度は8゜1 K g 7mm
2、曲げ衝撃値は150 Kg −crn/crRであ
った。
実施例2 無機繊維Iの代わりに無機繊維■を用いた以外は実施例
1と同様にして繊維含有率が無機繊維30体積%、炭素
繊維30体積%、計60体積%の3 4 複合材料を製造した。得られた複合材料の0度方向の引
張強度及び引張弾性率はそれぞれ197Kg/mm” 
、16.8 t 7mm2であり、0度方向の曲げ強度
は199Kg/mm2であり、90度方向の曲げ強度は
8.0 K g 7mm2、層間剪断強度は9.1Kg
/mm2、曲げ衝撃値は235Kg−cm/c111で
あった。
実施例3 参考例1で得た無機繊維Iと参考例3で得た5i−Ti
−C−0繊維との混繊トウ(無機繊維Iと5i−Ti 
−C−0繊維との体積割合は8:2であった。)より製
造した平織織物にレヅールタイプのフェノール樹脂(明
相化成■製MRW3000)のメタノール溶液に浸し引
き上げた後、メタノールを除去後、乾燥し、プリプレグ
シートを得た。このプリプレグシートより一辺が5印の
正方形シートを切り出し、金型中に重ね、200’C,
50kg/cm2でプLzスし、−y エ/ −ル樹脂
ヲ硬化させ、成形体を得た。この成形体を炭素粉末中に
埋め、窒素気流中5°C/hの昇温速度で1000°C
まで昇温し、無機繊維強化炭素複合材料を得た。
この複合材に参考例1に記載のメソフェーズ多環状芳香
族化合物(2)の粉末を加え、オートクレーブ中、窒素
雰囲気下、350°Cに加熱し、熔融後、減圧し、気孔
中にメソフェーズ多環状芳香族化合物(2)を含浸させ
た後、100 kg/cm2で加圧含浸処理後、空気中
で、5°C/hの昇温速度で300°Cまで昇温し、不
融化後、1300°Cで炭素化した。上記メソフェーズ
多環状芳香族化合物(2)の含浸、炭素化をさらに3回
繰り返した。
得られた複合材の嵩密度は、1.75 g /cry、
曲げ強度28kg/mm2、繊維体積含有率は60%で
あった。
この複合材の摩擦係数及び磨耗量を測定し、その結果を
第1表に示した。
比較例2 引張強度300 kg/mmz、引張弾性率24 t/
mm2のポリアクリロニトリル系炭素繊維を強化材とし
た以外は実施例3と同様にしてC/Cコンポジッ5 6 トを製造した。このコンポジットの特性を第1表に示し
た。
比較例3 参考例3に記載の5i−Ti−C−0繊維を強化材とし
た以外は実施例3と同様にして、5iTi−C−0/C
コンポジツトを製造した。このコンポジットの特性を第
1表・に示した。
第1表 摺動初速度   10〜20rn/sec押付圧力  
   5〜10kg/c禎第1表から明らかなように、
実施例3で得られた複合材の摩擦係数は0.4〜0.6
、磨耗量が0.6〜1. OX 10−’mm/5to
p/5urfであり、比較例2のC/Cコンポジットと
比べ耐磨耗性に優れている。
また、比較例3で得られたコンポジットは、摩擦係数が
0.8〜1.0と大きく、C/Cコンポジットに比べ摺
動性(自己潤滑性)に劣るのに対し、実施例3で得られ
た複合材は、C/Cコンポジットの摩擦係数と同程度で
あった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 無機繊維 I 、無機繊維II、炭素繊維、ガラス繊維、ボ
    ロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、炭化珪素繊維
    、アラミド繊維、カーボンを芯線とする炭化珪素繊維及
    びSi−M−C−O繊維(MはTi又はZrを示す。)
    からなる群から選ばれた少なくとも二種の繊維からなり
    、かつ該繊維の構成成分として無機繊維 I 、無機繊維
    IIの少なくとも一方を含有するハイブリッド繊維におい
    て、上記無機繊維 I が珪素含有多環状芳香族重合体か
    ら得られる無機繊維であって、その構成成分が、i)該
    重合体を構成するメソフェーズ状態にある多環状芳香族
    化合物から導かれるラジアル構造、オニオン構造、ラン
    ダム構造、コアラジアル構造、スキンオニオン構造及び
    モザイク構造からなる群から選ばれる少なくとも一種の
    結晶配列状態を示す炭素質、 ii)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族
    化合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又
    は非晶質炭素、及び iii)Si、C及びOから実質的になる非晶質相及び
    /又は粒径が500Å以下の実質的にβ−SiCからな
    る結晶質超微粒子と非晶質の SiO_x(0<x≦2)からなる集合体であり、 構成元素の割合が、Si;30〜70重量%C;20〜
    60重量%及びO;0.5〜10重量%であるSi−C
    −O物質 よりなる無機繊維であり、 上記無機繊維IIがチタン、ジルコニウム及びハフニウム
    からなる群から選ばれる少なくとも一種類の元素及び珪
    素を含有する多環状芳香族重合体から得られる無機繊維
    であって、その構成成分が、a)該重合体を構成するメ
    ソフェーズ状態にある多環状芳香族化合物から導かれる
    ラジアル構造、オニオン構造、ランダム構造、コアラジ
    アル構造、スキンオニオン構造及びモザイク構造からな
    る群から選ばれる少なくとも一種の結晶配列状態を示す
    炭素質、 b)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族化
    合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又は
    非晶質炭素、及び c)(1)Si、M、C及びOから実質的になる非晶質
    物質、及び/又は (2)実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCの
    固溶体及びMC_1_−_xからなる粒径が500Å以
    下の結晶超微粒子と、非晶質のSiO_y及びMO_z
    との集合体であり、 構成元素の割合がSi;5〜70重量%、M;0.5〜
    45重量%、C;20〜40重量%及び0;0.01〜
    30重量%である、Si−M−C−O物質(上記式中、
    MはTi、Zr及びHfから選択される少なくとも一種
    の元素であり、0<x<1、0<y≦2、0<z≦2で
    ある。) よりなる無機繊維であることを特徴とするハイブリッド
    繊維。
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