JPH0322714Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は高温工業炉の内壁に耐熱ライニング、
例えばセラミツクフアイバー（以下「C.F.」と略
称する）またはセラミツクボード（以下「C.B.」
と略称する）を内張りして固定保持する固定具に
関するものである。

（従来の技術） 近年、高温工業炉において、炉の熱効率を向上
し、燃料を節減し、生産性を向上させるため、炉
の内壁にC.F.またはC.B.の耐熱ライニングの内張
りをすることが行われている。

この耐熱ライニングの内張施行には、炉の壁面
に対してほぼ直交するよう突設しかつこの壁面を
被覆する耐熱ライニングに貫通させるスタツド
と、このスタツドの遊端にロツクされライニング
を保持するリテーナとよりなる固定装置を複数個
使用して内壁全体を内張りしている。

このようなスタツドとしては、合金またはセラ
ミツク製のスタツドが使用されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、炉内温度が1600℃以上の高温に達する
場合、ライニングの厚さを大きくし、極めて高価
な超高温用セラミツクスタツドを使用しなければ
ならなくなるが、その分超高温用セラミツクスタ
ツドの長さは長くなり、従つてコストが高くな
り、また折損事故も起こりやすくなる。

従つて本考案の目的は、炉内温度が1600℃以上
の高温に達する炉において、経済的でしかも信頼
性の高い耐熱ライニング固定具を得るにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案によれば、セラミツク製の柱状体であ
り、この柱状体の各軸方向端部から他方の軸方向
端部に向つて延びる同軸状のセラミツクスタツド
挿入用の挿入孔を有し、両端の開口から前記挿入
孔に挿入するスタツド端部に設けた係止部と掛合
してロツクを生ずる掛合係止部を前記挿入孔に設
け、一方の挿入孔には或る使用温度までは安全に
機能するセラミツクスタツドを挿入し、他方の挿
入孔には前記使用温度よりも高い温度でも安全に
機能するセラミツクスタツドを挿入することを特
徴とするセラミツク継手を使用することによつて
上述の目的を達成する。

（作用） 本考案によれば、内張ライニング層中温度が約
1600℃となる位置までは安全使用温度が1600℃程
度のセラミツクスタツドを使用して、ライニング
の固定保持を行い、この第１セラミツクスタツド
の遊端を本考案による超高温用セラミツク継手の
挿入孔に挿入してロツクし、他端側の挿入孔に
は、安全使用温度が1600℃以上であり長さの短い
超高温用セラミツクスタツドを挿入してロツク
し、使用温度約1600℃以上となる残りのライニン
グ層にこの超高温用セラミツクスタツドを貫通さ
せ、このセラミツクスタツドの遊端にセラミツク
ワツシヤの形式のリテーナを取付けてライニング
層全体を固定保持する。

（実施例） 次に、図面につき本考案の好適な実施例を説明
する。

本考案によれば、第１図に示すように、ライニ
ングＬの炉壁Ｗに近い層においては、例えば本願
人による実開昭61−194198号公報に記載のよう
に、一端を炉壁Ｗに固着した合金スタツド１にス
リーブ部材２を介して第１セラミツクスタツド３
を固定する。この第１セラミツクスタツドは安全
使用温度が約1600℃のものとし、この第１セラミ
ツクスタツド３の遊端に本考案による超高温用セ
ラミツク継手４を取付ける。

第１図の実施例においては、第１セラミツクス
タツド３と、セラミツク継手４とのロツクのため
に、第１セラミツクスタツドの遊端の係止部を雄
形ねじとし、セラミツク継手４の挿入孔５ａの掛
合係止部を上記雄形ねじに螺合する雌形ねじと
し、両者の螺合によりロツクを生ずるようにして
いる。セラミツク継手の反対側の挿入孔５ｂに
は、係止部をやはり雌雄のねじ山として螺合ロツ
クにより比較的短い超高温用セラミツクスタツド
６を取付ける。

また、超高温用セラミツクスタツド６のライニ
ング層から露出する端部には、上述の本願人によ
る実開昭61−194198号公報に記載のようにキー突
起７を案内するキー溝を有する超高温用セラミツ
クワツシヤ８を挿入し、キーを通過した位置で
90゜回転することによりこのセラミツクワツシヤ
８はライニングＬとセラミツクスタツド６のキー
突起７との間にロツクされ、ライニング層全体を
固定保持する。セラミツクワツシヤとセラミツク
スタツドの端部とのロツクは雌雄ねじの螺合によ
り生ずるようにすることもできる。

第１図の実施例においては、セラミツク継手４
は各軸方向端部から他方の軸方向端部に向つて延
びる２個の互いに同軸状の２個の挿入孔５ａ，５
ｂを設け、これら挿入孔に挿入する両側のセラミ
ツクスタツド３，６とのロツク掛合のための掛合
係止部として雌形ねじ山を設け、挿入孔５ａ，５
ｂ間には隔壁が存在する形式のものを示したが、
これに限定するものではない。例えば挿入孔は一
方の端部から他方の端部まで貫通する貫通孔と
し、全体にわたりまたは部分的にねじ山を設ける
ようにすることもできる。ねじれの向きは左ねじ
および／または右ねじとすることもできる。

更に、各挿入孔に挿入するいずれか一方または
双方のセラミツクスタツドの端部におけるセラミ
ツク継手との係止部は種々の形式のものを使用で
き、例えば上述の実開昭61−194198号公報に記載
のようなキー案内溝とし、セラミツク継手の挿入
孔における掛合係止部はキー案内溝に案内される
キー突起とすることもできる。

（考案の効果） 本考案セラミツク継手によれば、ライニング層
における使用温度が1600℃以上となる領域にのみ
高品質の超高温用セラミツクスタツドを使用でき
るため、この超高温用セラミツクスタツドの長さ
は短くて済み、従つてコストを低減することがで
き、しかも折損事故も少なくなる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案によるセラミツク継手を使用し
て耐熱ライニング層を固定保持した状態を示す縦
断面図である。 １……合金スタツド、２……スリーブ部材、３
……第１セラミツクスタツド、４……セラミツク
継手、５ａ，５ｂ……挿入孔、６……超高温用セ
ラミツクスタツド、７……キー突起、８……セラ
ミツクワツシヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. セラミツク製の柱状体であり、この柱状体の各
   軸方向端部から他方の軸方向端部に向つて延びる
   同軸状のセラミツクスタツド挿入用の挿入孔を有
   し、両端の開口から前記挿入孔に挿入するスタツ
   ド端部に設けた係止部と掛合してロツクを生ずる
   掛合係止部を前記挿入孔に設け、一方の挿入孔に
   は或る使用温度までは安全に機能するセラミツク
   スタツドを挿入し、他方の挿入孔には前記使用温
   度よりも高い温度でも安全に機能するセラミツク
   スタツドを挿入することを特徴とする高温炉ライ
   ニング固定スタツド用セラミツク継手。