JPH0321363Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、薄板、主として金属製薄板の端部
を取付面に固定するための固定構造に関するもの
である。

（従来技術） 薄板の端部をビスや釘によつて、取付面に固定
すると、ビスや釘の回りにおいて、薄板端部に凹
凸のひずみが生じる問題点があつた。

（考案の目的） この考案の目的は、上記した問題点に鑑み、薄
板の端部にひずみを発生させることなく、この薄
板の端部を良好に固定することができる薄板端部
の固定構造を提供することである。

（考案の構成） そこでこの考案では、薄板端部に対する取付面
に固着される固定部材には、薄板端部を当接支持
する支持部と、この支持部に対し嵌込み溝を隔て
て対向しかつ弾性拡開可能の押圧部とを形成し、
前記嵌込み溝には、該溝内に挿入される薄板端部
を、前記支持部とで挟着する係止体を圧入し、さ
らに、前記押圧部に対向する前記係止体の一側面
には、同係止体を嵌込み溝内に圧入するときに前
記押圧部を逐次に拡開させる傾斜面を形成し、し
かも、前記押圧部の先端部と係止体の傾斜面上部
には、相互に係合する係止凸部と係止凹部とを形
成した構成にし、固定部材の嵌込み溝内に薄板の
端部を挿入した状態において、押圧部を弾性拡開
させながら前記嵌込み溝に係止体を圧入すること
で、押圧部と係止体との係止凹部と係止凸部とを
係合させるとともに、押圧部の弾性力によつて、
固定部材の支持部と係止体との間に薄板端部を挟
着させて固定しようとするものである。

（実施例） 以下、この考案の１実施例を図面にしたがつて
説明する。

この実例では、第１図に示すように、隣接する
建築物における壁等の両躯体Ａの取付面ａに跨が
つて、アルミ，ステンレス、銅等の金属製薄板
（防水板）１の両端部１ａを固定するためのもの
であつて、両躯体Ａの取付面ａには、左右対称状
をなす金属製の一対の固定部材２がビス３等によ
つてそれぞれ固着されている。

両固定部材２の対向側には、薄板１の端部１ａ
の内面側を当接支持する支持部４と、この支持部
４に対し嵌込み溝５を隔てて対向する断面で略Ｌ
字状の押圧部６とが形成されている。そして、押
圧部６は、支持部４に対し弾性拡開（たわみ変
形）可能に形成されている。

上記した両固定部材２の嵌込み溝５には、これ
ら溝内にそれぞれ挿入される薄板１の両端部１ａ
を、両固定部材２における支持部４の平坦な支持
面４ａとで挟着するための略くさび状の金属製係
止体７が圧入されている。

この係止体７の片側面には、薄板１の端部１ａ
を介して支持部４の支持面４ａと対向する平坦面
に形成され、該平坦面を押圧面７ａとしている。
また係止体７の他端面は、第３図に示すように、
同係止体７を嵌込み溝５に圧入するときに、押圧
部６を逐次に弾性拡開させる傾斜面７ｂに形成さ
れている。さらに、係止体７の傾斜面７ｂの上部
には、嵌込み溝５に対し係止体７を所定量だけ圧
入したときに、押圧部６の先端部の係止凸部８と
係合する係止凹部９が形成されている。

また、この実施例では、嵌込み溝５に対し係止
体７を所定量だけ圧入して、押圧部６の係止凸部
８と係止体７の係止凹部９とが係合した状態にお
いて、嵌込み溝５の底部と係止体７の先端面との
間に排水空間１０が生じるように、係止体７の圧
入長さが設定されている。

この実施例の薄板端部の固定構造は、上述した
ように構成されるものであり、したがつて、両躯
体Ａの取付面ａに固着される両固定部材２に対
し、薄板１の両端部１ａを固定する場合、まず、
薄板１の両端部１ａを両固定部材２の嵌込み溝５
内に挿入し、次に、係止体７を上記嵌込み溝５に
所定量だけ圧入することで、薄板１の両端部１ａ
が両固定部材２の支持部４と係止体７との間に挾
着されて固定される。すなわち、固定部材２の嵌
込み溝５に係止体７を圧入すると、固定部材２の
押圧部６は、係止体７の傾斜面７ｂによつて逐次
に弾性拡開された後、同押圧部６の係止凸部８が
係止体７の係止凹部９と係合する。この状態にお
いて係止体７が抜止めされるとともに、押圧部６
の弾性復元力によつて、係止体７が支持部４に向
けて押しつけられ、該支持部４の支持面４ａと係
止体７の押圧面７ａとの間に薄板１の端部１ａが
強固に挟着されて固定されるため、薄板１の端部
１ａに凹凸のひずみが発生することが防止され
る。

（考案の効果） すなわち、この考案によれば、従来と異なり、
固定部材の嵌込み溝内に薄板の端部を挿入した状
態において、同嵌込み溝に係止体を圧入すること
で、固定部材の押圧部と係止体との係止凹部と係
止凸部とを係合させるとともに、押圧部の弾性力
によつて、固定部材の支持部と係止体との間に薄
板端部を挟着させて固定することができる。この
ため、薄板の端部に凹凸のひずみを発生させるこ
となく、同薄板の端部を良好に固定することがで
きるとともに、その固定作業を容易になし得る効
果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は両躯体の取付面に跨がつて薄板の両端部を固
定した状態を示す平断面図、第２図は固定部材と
係止体とを分離して示す斜視図、第３図は固定部
材の嵌込み溝に係止体を圧入するときの状態を拡
大して示す断面図である。 １……薄板、１ａ……端部、２……固定部材、
４……支持部、５……嵌込み溝、６……押圧部、
７……係止体、７ｂ……傾斜面、８……係止凸
部、９……係止凹部、Ａ……躯体、ａ……取付
面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薄板端部を取付面に固定するための固定構造で
   あつて、前記取付面に固着される固定部材には、
   前記薄板端部を当接支持する支持部と、この支持
   部に対し嵌込み溝を隔てて対向しかつ弾性拡開可
   能の押圧部とを形成し、前記嵌込み溝には、該溝
   内に挿入される薄板端部を、前記支持部とで狭着
   する係止体を圧入し、さらに、前記押圧部に対向
   する前記係止体の一側面には、同係止体を嵌込み
   溝内に圧入するときに前記押圧部を逐次に弾性拡
   開させる傾斜面を形成し、しかも、前記押圧部の
   先端部と係止体の傾斜面上部には、相互に係合す
   る係止凸部と係止凹部とを形成したことを特徴と
   する薄板端部の固定構造。