JPH0320907Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は磁気ヘツドの取付構体に関し、詳しく
は小型、薄型のフロツピ−デイスク装置
（Floppy Disk Drive）等に使用される磁気ヘツ
ドを支持する構造体に関するものである。

従来の技術 近年、コンピユ−タシステムの外部補助記憶装
置としては、円板シ−ト状のフロツピ−デイスク
を磁気記録媒体とするフロツピ−デイスク装置
（Floppy Disk Drive；FDD）が普及している。
このフロツピ−デイスク装置にはフロツピ−デイ
スクのサイズに応じて８インチタイプや、5.25イ
ンチタイプのものがあり、最近では3.5インチタ
イプのものも開発されて小型、薄型化が実現され
ている。上記フロツピイ−デイスク装置は、１個
或いは２個以上の磁気ヘツドを使用して、回転駆
動するフロツピ−デイスクの片面或いは両面に所
望の情報を記録させたり、また予めフロツピ−デ
イスクに記録された情報を再生させたりする。

例えば、上記フロツピ−デイスク装置における
磁気ヘツドの取付構造を第６図乃至第１０図を参
照しながら説明する。図に示すフロツピ−デイス
ク装置は両面ドライブ方式のもので、フロツピ−
デイスクの両面側に２個の磁気ヘツドが設置され
ている。即ち、第６図に示すように装置内に挿入
されたフロツピ−デイスク１（以下単にデイスク
と称す）は所定の位置にて位置決めされてクラン
プされ、ドライブモ−タ（図示せず）等からなる
駆動機構によつて所定の回転数にて回転する。こ
のデイスク１の表裏両面側には、対向する１対の
ヘツド支持機構２，２が設けられており、このヘ
ツド支持機構２，２はキヤリツジ３，３の先端部
にバネ性を有するステンレス製で磁気遮蔽性のジ
ンバルプレ−ト４，４を介して磁気ヘツド５，５
が取付けられた構造を有している。この２個の磁
気ヘツド５，５は、対向した状態で読み出し・書
き込み時にデイスク１の表裏両面に同時に一定の
圧力で接触する。

上記ジンバルプレ−ト４は、第７図乃至第１０
図に示すように、外枠部４ａと、該外枠部４ａの
対向する辺部と連結された内枠部４ｂと、外枠部
４ａと内枠部４ｂとが連結される方向と直交する
方向で上記内枠部４ｂの対向する辺部と連結され
たヘツド取付部４ｃとからなり、このヘツド取付
部４ｃの略中央部分に磁気ヘツド５が固着されて
いる。これにより上記磁気ヘツド５は、ジンバル
プレ−ト４のXY方向のいずれに対しても傾動可
能であり、上記ジンバルプレ−ト４を含むヘツド
支持機構２に可撓性を持たせることにより、磁気
ヘツド５をデイスク１の撓み等によるデイスク位
置の変動に追従させ、磁気ヘツド５の摺動面をデ
イスク１に安定して接触させている。

第１１図は上記ジンバルプレ−ト４のヘツド取
付部４ｃに装着された磁気ヘツド５をその摺動面
を下にした状態で示し、第１２図は第１１図の正
面図、第１３図は第１２図のＣ−Ｃ線に沿う側断
面図である。上記磁気ヘツド５は、例えば第１１
図乃至第１３図に示すように、非磁性部材６の両
側面にフエライト製の第１のコア７，７を固着す
ると共に、上記第１のコア７，７の両側面の一部
に第１のコア７，７と同様、フエライト製の略Ｌ
字形状の第２のコア８，８を装着し、更に上記第
１及び第２のコア７，７，８，８の間に形成され
た〓間９，９を利用してコイル１０を第２のコア
８，８に巻装する。また第１及び第２のコア７，
８の脚部７ａ，８ａを連結することにより第１、
第２のコア７，８からなるル−プを形成するた
め、該第１及び第２のコア７，７，８，８の各脚
部７ａ，７ａ，８ａ，８ａに接着剤１１を介して
フエライト製のバツクコア１２を接合する。この
バツクコア１２及び第１、第２のコア７，７，
８，８の脚部７ａ，７ａ，８ａ，８ａを、ジンバ
ルプレ−ト４のヘツド取付部４ｃに穿設したヘツ
ド取付穴１３に挿通させて、上記ジンバルプレ−
ト４の裏面側に突出させている。尚、１４，１４
は第１、第２のコア７，７，８，８に固着された
セラミツク製のガ−ド部材である。

考案が解決しようとする問題点 上記構成による磁気ヘツドの取付構体では、第
１、第２のコア７，７，８，８の各脚部７ａ，７
ａ，８ａ，８ａに接着剤１１を介してバツクコア
１２を接合しているため、上記接着剤１１の厚み
により、第１、第２のコア７，７，８，８とバツ
クコア１２との間にギヤツプが形成されてしま
い、完全な磁気ル−プとなり得ないので磁気ヘツ
ドの機能が低下するという問題点があつた。また
接着剤１１による上記二部材の接合は振動等の外
力にも弱くて不安定であつた。そこで上記問題点
を解決する手段の１つとして第１４図に示すよう
な構造のものが提案されている。これは同図に示
すように接着剤を使用せず第１、第２のコア７，
７，８，８の脚部７ａ，７ａ，８ａ，８ａにバツ
クコア１２を直接に接合し、該第１、第２のコア
７，７，８，８及びバツクコア１２を弾性部材１
５により外方から弾性的に押圧挟持する。更に弾
性部材１５の離脱を防止するため、第１、第２の
コア７，７，８，８の脚部７ａ，７ａ，８ａ，８
ａ、バツクコア１２及び上記弾性部材１５をでき
るだけ弾力性に富む樹脂材１６にてモ−ルド成形
している。ところが上記構成による磁気ヘツドの
取付構体では弾性部材１５を外付けしなければな
らず部品点数並びに工数が増加するこという問題
点があつた。

問題点を解決するための手段 本考案は上記問題点に鑑み提案されたもので、
磁気ヘツドの支持機構として利用される可撓性の
ジンバルプレ−トの一部を使用して第１、第２の
コアの脚部とバツクコアとが接合した状態を保持
させるようにしたもので、上記問題点を解決する
ための技術的手段は、可撓性のジンバルプレ−ト
により磁気ヘツドを磁気記録媒体と対向させて支
持するものであつて、上記ジンバルプレ−トのヘ
ツド取付部に、磁気ヘツドが挿入されるヘツド取
付穴を穿設すると共に、該ヘツド取付穴の対向す
る周縁部に形成した第１，第２の舌片をジンバル
プレ−ト裏面側に起立させ、上記ヘツド取付穴に
挿入したことによりジンバルプレ−ト裏面側に配
置された磁気ヘツドのコア脚部に上記第１の舌片
を当接させると共に、コア脚部を連結するバツク
コアに第２の舌片を弾性的に押圧接触させて第
１，第２の舌片間にてコア脚部及びバツクコアを
挟持し、更にコア脚部及びバツクコア並びに第
１、第２の舌片を比較的弾力性に富む樹脂材にて
モ−ルド形成したものである。

作 用 上記技術的手段により第１の舌片で磁気ヘツド
のコア脚部を位置決めすると共に、第２の舌片を
バツクコアに弾性的に押圧接触させることによつ
て上記第１、第２の舌片間でコア脚部及びバツク
コアを挟持して該バツクコアをコア脚部に確実に
接合させる。

実施例 以下に本考案に係る磁気ヘツドの取付構体の実
施例を第１図乃至第５図を参照しながら説明す
る。第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示
し、第１１図乃至第１４図と同一参照符号は同一
物を示しその説明を省略する。本考案の特徴はジ
ンバルプレ−ト４′にある。第１図に示すように
ジンバルプレ−ト４′のヘツド取付部４c′の略中
央部分に穿設されたヘツド取付穴１３に、磁気ヘ
ツド５の第１、第２のコア７，７，８，８の脚部
７ａ，７ａ，８ａ，８ａを挿通させることにより
上記ヘツド取付部４c′の裏面側に第１、第２のコ
ア７，７，８，８の脚部７ａ，７ａ，８ａ，８ａ
を突出させると共に、該第１、第２のコア７，
７，８，８の脚部７ａ，７ａ，８ａ，８ａを連結
するバツクコア１２を接着剤を介さず直接的に上
記第１、第２のコア７，７，８，８の脚部７ａ，
７ａ，８ａ，８ａに接合させ、この状態で磁気ヘ
ツド５をジンバルプレ−ト４′のヘツド取付部４
c′に装着する。

ここで上記ジンバルプレ−ト４′のヘツド取付
部４c′は、第２図に示すように略中央部分に上述
のヘツド取付穴１３を穿設すると共に、該ヘツド
取付穴１３の対向する周縁部に第１の舌片１７，
１７，１７及び第２の舌片１８，１８を形成す
る。この第２の舌片１８の長さl₁は第１の舌片１
７の長さl₂よりも長くなるように設定されてい
る。第３図に示すように上記第１の舌片１７，１
７，１７及び第２の舌片１８，１８をジンバルプ
レ−ト４′のヘツド取付部４c′の裏面側に屈曲さ
せて起立保持させる。この際、第１の舌片１７，
１７，１７及び第２の舌片１８，１８を略垂直に
起立させ、更に第２の舌片１８の先端部を外方へ
屈曲させることによりくの字状に成形して第２の
舌片１８，１８をバネ構造とする。このようにし
たジンバルプレ−ト４′のヘツド取付部４c′のヘ
ツド取付穴１３に前述したように磁気ヘツド５の
第１、第２のコア７，７，８，８を挿通させるこ
とにより上記第１、第２のコア７，７，８，８の
脚部７ａ，７ａ，８ａ，８ａをヘツド取付部４
c′の裏面側に突出させると共に、第１、第２のコ
ア７，７，８，８の脚部７ａ，７ａ，８ａ，８ａ
にバツクコア１２を接合させ、上記脚部７ａ，７
ａ，８ａ，８ａ及びバツクコア１２を第１の舌片
１７，１７，１７、第２の舌片１８，１８間にて
挟持させる。上記第１の舌片１７，１７，１７は
第１、第２のコア７，７，８，８の脚部７ａ，７
ａ，８ａ，８ａに当接して該脚部７ａ，７ａ，８
ａ，８ａを位置決めし、第２の舌片１８，１８は
バツクコア１２に弾性的に押圧接触して該バツク
コア１２を第１、第２のコア７，７，８，８に確
実に接合した状態に保持する。上述のようにして
第１の舌片１７，１７，１７及び第２の舌片１
８，１８間にて第１、第２のコア７，７，８，８
の脚部７ａ，７ａ，８ａ，８ａと該脚部７ａ，７
ａ，８ａ，８ａに接合したバツクコア１２とを挟
持した状態で、第４図に示すようにこれらを比較
的弾性力に富む樹脂材１６′にてモ−ルド成形す
る。

尚、上記実施例ではジンバルプレ−ト４′のヘ
ツド取付部４c′の表面側にコイル１０を配設した
構造の磁気ヘツド５に適用した例で説明したが、
本考案はこれに限定されることなく、例えば第５
図に示すようにジンバルプレ−ト４′のヘツド取
付部４c′の裏面側にコイル１０′を配設した構造
の磁気ヘツド５′についても適用可能である。

考案の効果 本考案によれば、ジンバルプレ−トの一部を利
用して磁気ヘツドのコア脚部とバツクコアとを接
着剤を介さず直接的に接合させた状態で上記コア
脚部及びバツクコアを外方から弾性的に押圧挟持
するのでコア脚部とバツクコアとの接合が安定
し、且つ、完全なル−プが形成されるため磁気ヘ
ツドの特性を劣化させることなく、磁気ヘツドの
取付も非常に容易となつて自動化も実現容易とな
る。また従来のように外付けによる弾性部材を必
要としないので部品点数が少なくて済み工数削減
も可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る磁気ヘツドの取付構体の
一実施例を示す斜視図、第２図は本考案の一実施
例にて使用するジンバルプレ−トのヘツド取付部
を示す平面図、第３図はジンバルプレ−トのヘツ
ド取付部に形成した第１の舌片及び第２の舌片を
屈曲成形した状態を示す斜視図、第４図はジンバ
ルプレ−トのヘツド取付部裏面を樹脂モ−ルドし
た状態を示す正面図、第５図は本考案の他の実施
例を示す正面図である。第６図はフロツピ−デイ
スク装置における磁気ヘツドの支持機構の一例を
示す断面図、第７図はジンバルプレ−トの一例を
示す斜視図、第８図は第７図の平面図、第９図は
第８図のＡ−Ａ線に沿う断面図、第１０図は第８
図のＢ−Ｂ線に沿う断面図、第１１図は従来の磁
気ヘツドの取付構体の一例を示す斜視図、第１２
図は第１１図の正面図、第１３図は第１２図のＣ
−Ｃ線に沿う側断面図、第１４図は磁気ヘツドの
取付構体の他の従来例を示す正面図である。 ４，４′……ジンバルプレ−ト、４c′……ヘツ
ド取付部、５，５′……磁気ヘツド、７，８……
第１、第２のコア、７ａ，８ａ……第１、第２の
コア脚部、１２……バツクコア、１３……ヘツド
取付穴、１７……第１の舌片、１８……第２の舌
片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バネ性を有するジンバルプレ−トにより磁気ヘ
   ツドを磁気記録媒体と対向させて支持するもので
   あつて、上記ジンバルプレ−トのヘツド取付部
   に、磁気ヘツドが挿入されるヘツド取付穴を穿設
   すると共に、該ヘツド取付穴の対向する周縁部に
   形成した第１、第２の舌片をジンバルプレ−ト裏
   面側に起立させ、上記ヘツド取付穴に挿入したこ
   とによりジンバルプレ−ト裏面側に配置された磁
   気ヘツドのコア脚部に上記第１の舌片を当接させ
   ると共に、コア脚部を連結するバツクコアに第２
   の舌片を弾性的に押圧接触させて第１，第２の舌
   片間にてコア脚部及びバツクコアを挟持したこと
   を特徴とす磁気ヘツドの取付構体。