JPH0320287Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は積重ね可能な弁当容器その他の食品容
器に関する。

（従来技術） 食品容器を積重ねる場合は、上下の容器を同向
に積重ねるのが普通であつた。また積重ねた状態
において上下の容器がずれないように上段容器の
底縁部を下段容器の上縁部に係合させる構成が採
られているが、蓋なし状態において容器本体だけ
を積重ねるようにしたものは、容器本体の側壁が
垂直な形態の射出成形硬質容器であつて、圧空真
空成形などの容器では上段容器の底部を下段容器
の蓋上面部に重合させ、互の凹凸部によつて横す
べりを防止するものであつた。

ところで、業者が量産する弁当類においては、
生鮮物を傷めず、味を損わせないために、飯類の
蒸気を放散させる必要があり、そのために被蓋す
るまでは食品を収納した容器本体を開蓋状態のま
ま積重ねることなく平面上に並置しているのが現
状であつた。

（考案が解決しようとする問題点） このように、容器を平面上に並置するのは占有
面積が大となつて非効率的であるに拘わらず、食
品をを収納しつつ、開蓋状態のままかつ容器内を
外気に十分に開放した状態のまま積重ねようとす
る構成は成形上複雑高価となることもあり、特に
圧空真空成形容器においては強度の点も含めてそ
のような積重ね使用を意図した容器が提供されて
いない現状であつた。

本考案は、このような点に鑑みて容器本体内を
外気に十分開放した状態で該容器本体を複数段積
重ね得るようにした食品容器を提供することを目
的とする。

（問題点を解決するための手段） そのために本考案は、平面略角状とした同形複
数個の容器を積重ね可能とした食品容器におい
て、容器の底面各隅部に突出部を形成し、該突出
部は、その内側辺が積重ね時下段となる容器の上
縁辺中間部に沿つてその外側となる位置に形成
し、さらに、容器内の少なくとも中央部付近に仕
切壁を形成し、容器の底面中央部付近に、上記突
出部の突出高さ以内の高さを有しかつ積重ね時に
下段容器の上記仕切壁上に当接する突起を下向き
突設して食品容器となしたものである。

（作用） 上記食品容器によれば、食品を収納した容器本
体を順次角度を変えて積重ねていくことにより、
上段容器本体の底面各隅部に形成された突出部が
下段容器本体の上縁の各辺中間部の外方に位置す
ることになるので、容器本体の横すべりに対して
は、突出部が上縁辺中間部に係止してストツパの
役をなし、また上段容器本体の各隅部が全て等し
く下段容器本体の各辺部広範囲に載るので、一部
のみに負荷が加わることなく積重ね強度を十分に
保つことができ、かつ、容器本体の各隅部上面に
上段容器本体が重なることなく、容器本体内を外
気に対して開放することができる。しかも、容器
の底面は下段容器の仕切壁に突起が当接して支承
される。

（実施例） 以下本考案を一実施例として示した図面によつ
て説明する。

第１〜４図は、本考案中、四偶部分の構成を説
明するために示した図面である。

第１，２図において、１は偏平状の容器本体、
２は該容器本体内に嵌まり込む内容器、３は容器
本体１の上縁に被嵌する蓋である。容器本体１は
プラスチツクシートを平面略矩形状に圧空成形し
てなつており、底面４の四隅部に底外方に若干突
出した適大きさの座面５を介して突出部６を形成
してある。該突出部６は、対角位置にある突出部
の各内側辺６１と６２、及び６３と６４が互に略
平行となるように、かつ辺６１，６２間の距離Ａ
が容器本体１の長手方向に相対した上縁７，７の
外側間の距離Ｘとほぼ等しいか若干大となるよう
に配設し、辺６３，６４間の距離Ｂは、図では距
離Ａと同じであるが、容器本体１の短手方向に相
対した上縁７，７の外側間の距離Ｙよりも大とな
るように配設してある。蓋３の上面には、該蓋３
上に容器本体１を載せた際各突出部６，６，６，
６の外側を囲うように位置する蓋外方への突出部
８が形成してある。

而して、上記構成の容器は、容器本体１内に内
容器２をセツトして、該内容器２に例えば飯、副
食などの食品類を入れ、或いは逆に食品類を入れ
た内容器２を容器本体１内にセツトした状態にお
いて、第３，４図に示す如く、一段目の容器本体
１ａに対して二段目の容器本体１ｂは略所定角度
回転した状態で積重ねられ、上段容器本体１ｂの
相対突出部６ｂ，６ｂの各内側辺６１ｂ，６２ｂ
が下段容器本体１ａの相対上縁７ａ，７ａに係合
する如く嵌まり合わさり、他の突出部６ｂ，６ｂ
も他の上縁７ａ，７ａの外側に位置して、容器本
体の横ずれを防止する。三段目の容器本体１ｃ及
びさらに上段も同様である。

なお、上記のおいて、座面５は補強上の要求が
なければ不可欠の構成ではない。容器の各構成部
分にリブなど他の要素を設けるのは勿論任意であ
る。

而して、本考案は中容器２には、第５図に示す
如く平面斜め状にほぼ中容器上縁近くの高さを有
した仕切壁９を形成し、かつ、容器本体１の底外
面に突起１０，１１を形成し、而して第３，４図
の如く中容器２をセツトした容器本体１を積重ね
た際に、第７図に示す如く上段容器本体１の底面
の突起１０，１１が下段容器本体１内の仕切壁９
上に位置するように、該仕切壁９及び突起１０，
１１を設定して食品容器を形成してある。これに
より圧空真空成形容器であつても食品を収納して
積重ねた場合において底面が支承されるので、容
器強度を十分に保て安定性を一層よくすることが
できる。

なお、上述例において、容器本体に対して中容
器をセツトする例を挙げて説明したが、中容器の
有無は任意であつて容器本体に直接仕切壁９を形
成して食品を収納する構成を本考案は含むもので
ある。

（考案の効果） 以上のようにして、本考案によれば被蓋しない
容器本体を適角度回転させた状態において複数段
に積重ねることができ、しかも、底面の突出部が
上縁辺に対してストツパの役をなして横ずれを防
止すると同時に、各隅部が上縁に広く載上して積
重ね強度を十分に保たせることができ、かつ、各
段の容器本体の各隅部上面が十分に開放できて収
納食品を傷めにくく新鮮に保たせることができ、
食品を容器に収納する作業と占有面積を効率化し
得る容器において、食品を収納して積重ねた容器
が互いに底面を支承し合い、容器の強度を保た
せ、積重ねに係わらず容器形態の安定性を向上さ
せた容器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る一例食品容器の四隅部構
成を一部切断して示した分解側面図、第２図はそ
の容器本体の底面図、第３図は容器本体の積重ね
状態を示した底面図、第４図は同じく側面図、第
５図は本考案に係る容器に用いる中容器の上面
図、第６図は同じく容器本体の底面図、第７図は
第５，６図に示した中容器を嵌め込んだ容器本体
の積重ね状態を示した底面図である。 １，１ａ，１ｂ，１ｃ……容器本体、２……中
容器、３……蓋、４……底、６……突出部、６
１，６２，６３，６４，６１ｂ，６２ｂ……突出
部の内側辺、７，７ａ……上縁、９……仕切壁、
１０，１１……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面略角状をした同形複数個の容器を積重ね可
   能とした食品容器において、容器の底面各隅部に
   突出部を形成し、該突出部は、その内側辺が積重
   ね時に下段となる容器の上縁辺中間部に沿つてそ
   の外側となる位置に形成し、さらに、容器内の少
   なくとも中央部付近に仕切壁を形成し、容器の底
   面中央部付近に、上記突出部の突出高さ以内の高
   さを有しかつ積重ね時に下段容器の上記仕切壁上
   に当接する突起を下向き突設したことを特徴とす
   る食品容器。