JPH03180192A - 遺伝子組換えによるヒトプロTGF―β1の製造 - Google Patents

遺伝子組換えによるヒトプロTGF―β1の製造

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JPH03180192A
JPH03180192A JP1318243A JP31824389A JPH03180192A JP H03180192 A JPH03180192 A JP H03180192A JP 1318243 A JP1318243 A JP 1318243A JP 31824389 A JP31824389 A JP 31824389A JP H03180192 A JPH03180192 A JP H03180192A
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tgf
human
pro
beta1
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JP1318243A
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Hideya Ohashi
大橋 秀哉
Yasuyuki Ishii
保之 石井
Yoshinori Miyata
宮田 美紀
Kohei Miyazono
浩平 宮園
Kiyoshi Miyagawa
清 宮川
Fumimaro Takaku
高久 史麿
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Kirin Brewery Co Ltd
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Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 く技術分野〉 本発明は、骨形成促進作用および抗腫瘍作用等の生理作
用を有するヒトプロTGF−β1の遺伝子組換えによる
製造技術に関する。具体的には、ヒトプレプロTGF−
β1をコードする塩基配列を含むDNA鎖を用いるヒト
プロTGF−β1の製造法、この製造に用いられる発現
ベクターおよび形質転換体、ならびに形質転換体によっ
て生産されるヒトプロTGF−β1に関スる。
〈従来の技術〉 TGF−β1はマチュアー型で生理作用を示すタンパク
であるが、生体内で生合成される時には一旦前駆体部分
の付加されたプロ型として作られる。その後体内での酸
性条件およびプロテアーゼによって切断されてマチュア
ー型になると考えられている。従来、ヒトプロTGF−
β1はヒトの血小板から単離されていた。収量は血小板
300gから40μgが得られる程度(0,00001
3%)であり、実際上薬剤とするための生産法としては
、その供給源および収量の点からも非実用的な方法であ
った(言回らrTGF−β1の潜在型高分子複合体」、
ジャーナル・オプ・バイオロジカル−ケミストリー、2
63ニア64B−7854,1988,Miyazon
o k。
et  al:  Latent  hlgh  5o
lecular  velght  complexo
f transforming growth f’a
ctor beta 1. J、Blol。
Ches+、288ニア64B−7654,1988,
) 、現在ではヒトプロTGF−β1の遺伝子がクロー
ニングされていることから〔プリンクら、ネイチャー、
 318ニア01−705.1985. Deryne
k et al : Nature、31B : 7G
1−705、.1985.、プリンクら、ヌクレイツク
・アシッド・リサーチ、 15:318g−3189,
1987,Derynck etat : Nucle
le、 Ac1d、 Res、 15:31gg−31
89,1987,)、遺伝子組換え技術を用いてヒトの
マチュアーTGF−β1を生産することが実現されてい
る。
すなわち、ヒトのマチュアーTGF−β1は、これに前
駆体部分が付加されたタンパクをコードするDNAによ
り形質転換されたCHO細胞において発現され生産され
ている(特開昭61−219395 rTGF−βをコ
ードしている核酸およびその用途」)。マチュアー型と
プロ型の相違点は、第7図に示した通りであり、マチュ
アーTGF−β1に前駆体部分のタンパクが付加された
ものがプロTGF−β1である。細胞内から分泌された
ときは、プロ型として存在しこれが生体内局所に移送さ
れマチュアー型となると考えられている。
先行特許に示されたこのマチュアー型の遺伝子組換え生
産法を詳述すると、以下の通りである。
すなわち、TGF−β1のためのDNAとしてはプロ型
の前駆体部分の一部と単純ヘルペスウィルスの膜タンパ
ク(HSV−1gD)の一部を含む形でCHO細胞に導
入され、前駆体部分が359個のアミノ酸で構成される
(第8図のB’ −C部分)キメラペプチドとして生産
される。
その後、酸性環境下においてC部分が人為的に切断され
マチュア一部が生産されるという方法である。しかしな
がら、細胞から分泌される融合プロTGF−β1(第8
図参照)の発現量は培地1mLあたり0.0005μg
と非常に微量であり工業的生産には不適当と考えられる
。またマチュアーTGF−β1は、それ自体で免疫抑制
(すなわち、外部から生体内に侵入したバクテリア等を
補食したり、抗原の強さをT細胞に連絡するといった免
疫調節に重要な役割を演じるマクロファージの機能を抑
制すること)という副作用を有している〔ツナワキらr
TGF−β1によるマクロファージの不活化」ネイチャ
ー 314:28G−282,1988゜(Tsuna
vakl S、 et at: Deactlvatl
on of’ macro−phagcs  by  
TGP−Beta、    Nature  334二
280−282゜1988) )。すなわち、マチュア
ー型を静脈注射等により生体内に投与すると、血中ある
いは正常臓器のマクロファージに作用しその機能を抑制
する。
ヒト以外のTGF−β1の生産に関する先行技術として
はサルのプロTGF−β1が知うれているが、ヒトのプ
ロTGF−β1と比較してアミノ酸レベルで3個(サル
では第1図における(B)−(C〉間の48番目Ala
al91番目Asp。
および228番目ArgがそれぞれThr。
Asn、およびL y s l:置換されている)が異
なっており、上記のようにヒトに投与する場合、抗原性
を示すことが懸念され薬剤としては満足できる状態では
ない〔ジエントリー・エル・イーら、「遺伝子組換えT
GF−β1のプレプロ型からマチュアー型へのプロセッ
シングにおける分子構造上の変化」、モレキュラー・セ
ルラー・バイオロジー、8:4.182−4188.1
988.(Gentry LE、 et al:Mo1
ecular events In the proc
essing ol’recomblnant typ
e 1 pre−pro−transrorltngg
rowth I’actor beta 10 Lhe
 mature polypeptide。
Mo1.Ce11.Biol、8:41B2−41B8
.1988. )  ;プランナー・ニー・エムら、「
チャイニーズハムスター卵母細胞(CHO)において生
産された遺伝子組換えTGF−β1前駆体はグリコジル
化およびリン酸化をうけている」、モレキュラー・セル
ラー・バイオロジー、8:2229−2282.198
8.(Brunner AM。
et al:Recomblnant type l 
transl’orilng growth1’act
or beta precursor produce
d In Chinesehamster ovary
 cells is g+ycosy+atedand
phosphorylated、 Mo1.Ce11.
Blol、8:2229−2232゜1988、 );
ズウー・シャー rTGF−β1に関して、プロセッシ
ングと分泌のためのグリコシレージョンと酸性プロテア
ーゼの重要性」、モレキュラー・エンドクリノロジー、
13:1090−1098゜1989、(Xue Sh
a、 et al: Transf’orming g
rowthractor beta 1:Import
ance or Glycosylatlonand 
Ac1dic Proteases for Proc
essing andSecretion、 Mo1.
Endo、13:1090−1098.1989 ) 
)。
その他の動物のTGF−β1については研究段階であり
、一部のアミノ酸配列が知られているにすぎない〔(セ
イディン・ニス・エムら、「軟骨誘導因子Bは構造上お
よび機能上TGF−βと関連した特異なタンパクである
」ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミトスリー、
2G2:194B−1949゜1987、(Seyed
in SM、 et al:cartllage−1n
ducingfactor B Is a uniqu
e protein 5tructurallyand
 f’unct1onally related to
 TGF−beta、 J、Blol。
Chem、282:194B−1949,1987,)
  ;チャイフエツツら、rTGF−βシステム:交叉
反応するリガンドとリセブターの複合パターン」、セル
、48:409−415゜1987、 Chcifct
s S、 at al:Thc TGF−beta s
ystem。
a cos+plcx pattern of cro
ss−reacttve Ilgandsand rc
ccptors、ccll 48 : 409−415
.1987) )。
〔発明の概要〕
〈発明が解決しようとする課題〉 上述したように、マチュアー型のTGF−β1は免疫抑
制による副作用を有しているということから、プロ型の
TGF−β1はより毒性が低いものと考えられる。すな
わち、マチュアー型を静脈注射等により生体内に投与す
ると、血中あるいは正常臓器のマクロファージに作用し
その機能を抑制するが、プロ型を同様に投与しても活性
部位が前駆体部分(第7図における(B)−(C)部分
)によってブロックされているため、プロ型のままでは
マクロファージの機能を抑制することはないと考えられ
る。ところが、骨形成および腫瘍増殖の場では、それぞ
れ酸の遊離あるいは乳酸蓄積によって細胞周辺の環境が
酸性化しており(須田立雄ら著、「骨の科学」医歯薬出
版(株)発行、1988年版、p185r骨の吸収作用
(破骨細胞)では、局所におけるpHの低下・・・」、
鎮目和夫ら著、「骨代謝調節因子」羊上社(株)発行、
1987年版、β35「骨塩の溶解は破竹細胞から分泌
される酸によって行われるとされる。その酸は乳酸、ピ
ルビン酸またはクエン酸との報告もあるが、近年では胃
酸と同様、塩酸であろうとされている」)、この低pH
効果によってプロ型のC部位が切断される。それによっ
て、正常組織ではプロ型の状態で副作用を示さずTGF
−β1が最も作用して欲しい体内局所で効果的かつ特異
的に利用されることが可能となる。このような効果はヒ
トのプロTGF−β1のみに期待されるものであり、プ
ロ部分に異種タンパクを付加したTGF−β1あるいは
ヒト以外のサルのプロTGF−β1のような従来技術に
よって作られたものは、体内投与時に抗原性が現れる危
険性があるため医薬用途としての可能性は少ない。
以上のことから、ヒトのプロ型のTGF−β1の効率的
な製造が望まれるところである。
本発明は、上述の問題点を解決し、マチュア−TGF−
β1よりも安全であると予想されかつ生体内において骨
形成作用および抗腫瘍作用を発揮するヒトのプロTGF
−β1の遺伝子組換えによる高生産法の手段を提供する
ことを目的とするものである。
く課題を解決するための手段〉 本発明者らは、上述のようにより副作用が少ないと期待
されるヒトプロTGF−β1の製造方法を開発し、これ
を用いてヒトプロTGF−β1を細胞において高率よく
発現させることを確認した。
すなわち本発明者らはヒトのプロTGF−β1を、融合
型ではなく天然と同じ配列で遺伝子発現させると融合型
と比較して約1000倍の生産量増大がおこることを見
出し、この知見をもとに本発明を完成するに至った。
本発明はプロTGF−β1を細胞で効率よく製造するた
めの手段を提供するものである。すなわち、本発明によ
るヒトプロTGF−β1の製造法は、ヒトプレプロTG
F−β1をコードする塩基配列を含むDNA鎖を用意し
、このDNA鎖を、その遺伝情報が発現可能な状態で含
む発現ベクターの作成、この発現ベクターによる宿主細
胞の形質転換および得られる形質転換体の培養から成る
工程に付して培養物中にヒトプロTGF−β1を産生さ
せること、を特徴とするものである。
また、本発明はヒトプロTGF−β1にも関する。すな
わち本発明によるヒトプロTGF−β1は、この遺伝子
を含むDNAによって形質転換された形質転換体を用い
て生産されるものであり、遺伝子組換え技術を用いて生
産されるものとして新規である。
さらに、本発明は、組換えDNAおよび形質転換体に関
する。すなわち本発明による組換えDNAは、ヒトプレ
プロTGF−β1をコードする塩基配列を含むDNA鎖
が発現ベクターに組込まれたもの、である。本発明によ
る形質転換体は、上記の組換えDNAにより宿主細胞が
形質転換されたもの、である。
〈発明の効果〉 本発明によれば、TGF−β1の前駆体を完全な形で含
むヒトのプロTGF−β1を宿主細胞中で高率で生産す
ることができる。その生産量は後記実験例に示されるよ
うに、従来技術と比較すると約千倍の量に相当するもの
である。
またプロTGF−β1は単にTGF−β1の製造中間体
としての用途に限定されず、腫瘍抑制剤等医薬品の剤形
用途として用いることが可能である。本来TGF−β1
の作用本体はマチュアーTGF−β1という112個の
アミノ酸から構成されるポリペプチドであるが、マチュ
アーTGF−β1はそのまま生体内に投与するとマクロ
ファージの機能抑制などによる毒性を示し医薬側形とし
ては不適当であるために「プロドラッグ」という考え方
が提案されたが、この方法ではマチュアーTGF−β1
の薬効を失わせるための修飾基の選択が困難で、抗原性
の問題があるという欠点があり、TGF−β1に関して
直ちにこれを適用することは困難である。これに対して
、本発明によって生産することのできるヒトプロTGF
−β1は、その完全なプロ部分を有していることから、
体内投与時点では生理活性を示さず、従って生体毒性も
認められず、一方、体内循環中に局所部位に到達すると
、前駆体部分は除去され(プロセッシング)、マチュア
ーTGF−β1の形態をとり生理作用を示すという、い
わゆる「天然のプロドラッグ」としての効果が期待でき
る。
TGF−β1はマチュアー型でその生理活性を発揮する
物質であるため、従来技術ではマチュア−TGF−β1
の発現のみに力点がおかれ、前駆体部分の重要性は認識
されていなかったが、このような考え方の背景には、前
駆体は細胞内での発現調節には関与しないであろうとい
う認識が定説化していたことが挙げられる。以上のこと
からすれば、本発明によるヒトプロTGF−β1の完全
な前駆体部分の発現増強作用という特性は思いがけなか
ったことといえよう。
〔発明の詳細な説明〕
(I)ヒトプロTGF−β1の製造法 本発明によるヒトプロTGF−β1の製造法は、ヒトプ
レプロTGF−β1をコードする塩基配列を含むDNA
鎖を用意し、このDNA鎖を、その遺伝情報が発現可能
な状態で含む発現ベクター(すなわち組換えDNA)の
作成、この組換えDNAによる宿主細胞の形質転換およ
び得られる形質転換体の培養から成る工程に付して培養
物中にヒトプロTGF−β1を産生させること、を特徴
とするものである。
くヒトプレプロTGF−β1をコードする塩基配列を含
むDNA鎖〉 ヒトプレプロTGF−β1をコードする塩基配列は、ヒ
トプロTGF−β1のN末端側に形質転換体からの分泌
後に除かれるシグナルペプチドを有するポリペプチド(
すなわち、ヒトプレプロTGF−β1)をコードするも
のであり、アミノ酸配列が実質的に第1図に示されてい
るアミノ酸配列のうちA−Dまでのものであるポリペプ
チド(すなわち、ヒトプレプロTGF−β1)をコード
するものである。ここで「アミノ酸配列が実質的に第1
図に示されているアミノ酸配列のうちA〜Dまでのもの
」ということは、このペプチドがヒトプレプロTGF−
β1の機能を有する限りアミノ酸のいくつかについて欠
失、置換、付加などがあってもよいことを示すものであ
る。
本発明における典型的なヒトプレプロTGF−β1ポリ
ペプチドは、第1図のアミノ酸配列のうちA−Dまでの
ものであって、390個のアミノ酸配列からなる公知の
ものである。第1図において、アミノ酸配列A−Bはシ
グナルペプチド部分(アミノ酸29個)、B−Dはヒト
プロTGF −β1部分(アミノ酸361個) 、C−
DはTGF−β1部分(マチュア部分)(アミノ酸11
2個)である。
従って、本発明におけるヒトプレプロTGF−β1をコ
ードする塩基配列は、第1図のA−Dの塩基配列を持つ
ものまたはその縮重異性体ならびに上記のようなポリペ
プチドのアミノ酸配列の変化に対応する塩基配列を持つ
ものまたはその縮重異性体、である。ここで「縮重異性
体」とは、縮重コドンにおいてのみ異なっている同一の
ポリペプチドをコードすることのできる塩基配列を持つ
ものを意味する。
本発明における上記の塩基配列を含むDNA鎖は、適当
な発現ベクターに縮合させてこれを宿主細胞に導入して
効率よく発現させるためのものであるが、この5′末端
および(または)3′末端に適当な長さのDNA鎖、た
とえば3′末端に停止コドンを1つまたは2つ以上有す
る非翻訳領域としてのDNA鎖、が結合していてもよい
。このようなりNA鎖の塩基配列としては、たとえば第
1図に示されたものが典型的な例としてあげられ、この
塩基配列は公知のものである。
ヒトプレプロTGF−β1をコードする塩基配列を含む
DNA鎖を取得する一つの手段は、核酸合成の方法に従
ってその鎖長の少なくとも一部を化学合成することであ
る。
結合アミノ酸の数を考えれば、この化学合成法よりも染
色体遺伝子のライブラリーから、あるいは組織、たとえ
ばヒト胎盤から単離したmRNAからcDNAを合成し
、この遺伝子のライブラリーから、遺伝子工学の分野で
慣用されている方法、例えば適当なプローブによるハイ
ブリダイゼーション法、によりこれを取得する方が好ま
しいといえる(後記実験例参照)。
く組換えDNA> 本発明による組換えDNAは、上記のDNA鎖を発現ベ
クターに組込んで結合させたものである。
この発現ベクターとは、上記のDNA鎖を、形質転換さ
せるための宿主細胞内へ移入させる役割を担う運搬体D
NAであり、宿主細胞内において自律的に増殖する、あ
るいは宿主染色体に組込まれる環状あるいは直線状のも
のである。
このような発現ベクターには、プラスミド、ファージ、
コスミドなどが含まれるが、プラスミドがより好ましい
発現ベクターとしてはpBKTK−1(BKウィルスベ
クター) 、EBV (EBウィルスベクター) 、H
SV (単純ヘルペスウィルスベクター)など種々の知
られているものが用いられる。
一方、ヒトプレプロTGF−β1の遺伝子を宿主細胞で
発現させるめにはそのDNAをmRNAへ転写させる必
要がある。そのためには、転写のためのシグナルである
プロモーターの遺伝子を上記DNA鎖の5′側上流に組
込めばよい。このプロモーターとしては、5v40初期
または後期プロモーター、ラウス肉腫ウィルスプロモー
ターヒトT細胞白血病つィルスエ型プロモーター、アデ
ノウィルスメジャーレートプロモーター、メタロチオネ
インmAプロモーターなど種々知られており、いずれを
も使用することができる。
また、転写を終結させるためのターミネータ−を上記D
NA鎖の3′側下流に組込むことが好ましい。ターミネ
ータ−を挿入することにより、プラスミドの安定性を高
めることができる。ターミネータ−としてはtrp  
Tターミネータ−(トリプトファンオペロン)、λtR
2ターミネータ、λtR1ターミネーター等を用いるこ
とができる。
また、mRNAをタンパクに翻訳させる段階でタンパク
合成の場であるリポソームが翻訳開始部位の先端に結合
するために必要な配列をタンパク合成の開始信号である
ATGの前につける必要がある。
く形質転換体〉 本発明による形質転換体は、上記の組換えDNAにより
宿主細胞を形質転換させたものである。
宿主細胞としては、適当なベクターが存在する限り、各
種の細胞が使用できるが、動物細胞、たとえばN51細
胞、VERO細胞、HeLa細胞などが好ましい例とし
てあげられ、特にCHO細胞が好ましい。
組換えDNAによる宿主細胞の形質転換は、遺伝子工学
ないし生物工学の分野で慣用されている合目的的な任意
の方法によって行うことができる。
その−船釣な事項については適当な底置または総説、た
とえばT、 Manlatls、 E、P、 Pr1t
sch、 J。
5aIlbrook:  rMolecular CI
onIng A LaboratoryManualJ
 、 Co1d Spring Harbor Lab
oratory。
(19g2)、を参照することができる。
形質転換体は、上記DNA鎖によって導入された遺伝情
報による新しい形質(すなわちヒトプレプロTGF−β
1ひいてはヒトプロTGF−β1)および使用ベクター
由来の形質ならびに場合によって生じているかもしれな
い遺伝子組換時の使用ベクターからの一部の遺伝情報の
欠落による対応遺伝子の欠落を除けば、そのジェノタイ
プないしフェノタイプあるいは細胞学的性質において使
用宿主細胞と同じである。
くヒトプロTGF−β1の生産〉 上記のようにして得られる形質転換体のクローンは、こ
れを培養すれば培養物の細胞中にヒトプレプロTGF−
β1が生産され、ペリプラズムにおいてシグナルペプチ
ド部分が切断され、このペリプラズムおよび細胞外、す
なわち培養液中、にヒトプロTGF−β1が蓄積する。
形質転換体の培養ないし増殖条件は、使用宿主細胞に対
するそれと本質的には変らない。また、培養物、すなわ
ち細胞および(または)培養液からの生産タンパクの回
収も合目的的な任意の方法(たとえば後記実験例6に記
載の方法)に従って行なうことができる。
宿主細胞にCHO細胞を用いた場合は、その生産量は後
記実験例に示されるように、従来技術と比較すると約千
倍の量に相当する。
また、必要に応じて、ヒトプロTGF−β1から公知の
方法(たとえば Mjyazono、 eL at:L
atent hlgh 5olecular weig
ht complex of’transl’ormi
ng growth f’actor beta 1.
、J、  Blot。
chew、 、263 : 7G48−7854.19
Hの方法)によりマチュアーTGF−β1を得ることも
できる。
(n) ヒトプロTGF−β1 本発明によるヒトプロTGF−β1は、前記したヒトプ
ロTGF−β1遺伝子を含むDNA鎖によって形質転換
された形質転換体によって生産されるポリペプチドであ
る。
このヒトプロTGF−β1ポリペプチドのアミノ酸配列
は、典型的な第1図に示したアミノ酸配列B −Dの外
に、このポリペプチドの生理活性を有する限りアミノ酸
のいくつかについて欠失、置換、付加などがあってもよ
いものである。
(m)ヒトプロTGF−β1の用途/骨形成促進剤ある
いは抗腫瘍剤 TGF−β1は多くの細胞に対して強力な増殖抑制因子
として働くが、ある種の細胞に対しては、分化誘導作用
を示す。なかでも骨形成に関与する細胞に対して増殖や
代謝を上昇活性化させ、骨形成因子と共同で骨の形成を
促進することが知られている。具体的には、骨芽細胞(
Osteoblast)を活性化し、一方また破骨細胞
(Osteoclast)を刺激して、骨の代謝を賦活
化するという作用である。
マチュアーTGF−β1をそのまま生体内に投与すると
、マクロファージの機能抑制などによる毒性を示し〔ツ
ナワキら、rTGF−βによるマクロファージの不活化
」、ネイチャー334:200−262 % 1988
(Tsunavakl s、 at al:Deact
lvatlonof macrophages by 
TGF−Beta、Nature 334: 280−
282.1988) ) 、医薬剤形として不適当であ
るが、ヒトプロTGF−β1は、このままの形態で体内
に投与することにより、局所部位に到達すると予想され
るので骨形成促進作用あるいは抗腫瘍作用を示すため、
プロ体のままの形態で骨形成促進剤あるいは抗腫瘍剤と
して、すなわち「プロドラッグ」として、用いることが
できる。
プロドラッグの技術は、体内投与時には作用を示さず局
所部位に到達して初めて薬効を示すという製剤掌上の有
用な方法として考えられたものである。この方法は19
58年に、アルバート(Alberi)により提案され
た概念で、目的の物質が特殊な化学修飾によって薬効を
失うが、体内投与で代謝をうけ修飾基が切り離されて薬
効を発現するというものである。しかしながら修飾基の
選択が困難で、抗原性の問題があるという欠点があり、
TGF−β1に関して直ちにこれを適用することは困難
であった。また前駆体はプロセッシングによって除去さ
れる運命にあるため、細胞内では一時的に他のタンパク
質との融合体で生産させておこうというのが従来の考え
方であった。
これに対して、本発明によるプロTGF−β1の形で投
与すると、その完全なプロ部分を有していることから、
体内投与時点では生理活性を示さず、従って生体毒性も
認められず、一方、体内循環中に局所部位に到達すると
、前駆体部分はプロセッシングによって除去され、マチ
ュアTGF−β1の形態をとり生理活性を示すという、
いわゆる「天然のプロドラッグ」としての効果が期待で
きる。
骨形成促進剤あるいは抗腫瘍剤として用いる場合のヒト
プロTGF−β1は合目的的な任意の投与経路で、また
採用投与経路によって決る剤型で、投与することができ
る。薬剤としては、そのままあるいは製薬上許容される
担体ないし希釈剤で希釈された形態が普通である。
骨形成促進剤あるいは抗腫瘍剤としてこの化合物を実際
に投与する場合には、これを注射用蒸留水または生理食
塩水に溶解して注射する方法が代表的なものの一つとし
て挙げられる。具体的には、動物の場合には、腹腔的注
射、皮下注射、静脈または動脈への血管内注射および局
所投与などの注射による方法が、ヒトの場合は静脈また
は動脈への血管内注射または注射による局所投与などの
方法がある。
この化合物の投与量は、動物試験の結果および種々の状
況を勘案して、連続的または間欠的に投与したときに総
投与量が一定量を越えないように定められる。具体的な
投与量は、投与方法、患者または被処理動物の状況、例
えば年齢、体重、性別、感受性、食餌、投与時間、併用
する薬剤、患者またはその病気の程度に応じて変化する
ことはいうまでもなく、また一定の条件のもとにおける
適量と投与回数は、上記指針を基として専門医の適量決
定試験によって決定されなければならない。
具体的には、成人1日当り5μg〜100■程度である
く実験例〉 以下は、本発明の実験例を示すものであるが、これによ
って本発明は限定されるものではない。
実験例1: ヒトプレプロTGF−β1cDNAの単離 ヒトプレプロTGF−β1cDNAの単離のためのcD
NAライブラリーは、ヒト胎盤から単離したmRNAか
らGubler & HofTmanらの方法〔ガルバ
ーら、ジーン、25巻、P283.1983年)(Gu
bler et al; Gene、 25; 2B3
.1983 ) )に従ってcDNAを合成した後、λ
gtloベクター〔フユーン・ティー・ヴイーら、DN
Aクローニング技術における実際的アプローチ、IRL
出版、オックスフォード、P49.1985年(IIu
ynh、T、V、etal、  In DNA Clo
nlng Techniques、  A Pract
lcalApproach(IRL Press、 0
xford、 D、GIover ed)P49゜19
85)に挿入して作成された。約30万個のクローンか
らなるライブラリーより第2図に示した合成プローブを
用いてスクリーニングを実施した結果、約50個のポジ
ティブなりローンが得られた。
この合成プローブとハイブリダイズしたクローンから1
個のクローンを選択し、これをTIと名づけ、このT1
についてさらに解析を進めた。クローンT1のcDNA
はEcoR1消化により切り出された後、M13ベクタ
ー〔ヤーニッシュ、ペロン◆シーら、ジーン33巻、P
2O3−119,1985年(Yannlsh−Per
ron C,et a!、 Gene、 33.103
−119゜1985)にサブクローニングされ、ジデオ
キシ(dldeoxy )法により塩基配列の決定がな
された。
これを第1図に示す。このクローンT1は、ヒトプレプ
ロTGF−β1の全コーティング配列を含んでおり、こ
れを再びpUc19ベクター〔ヤーニッシュ、ペロン・
シーら、ジーン33巻、P2O3−119,1985年
(Yannlsh−Perron C,et al、 
Gene。
33.103−119.191i5)のEcoR1サイ
トにサブクロニングしpUC19−TGFを得た。
実験例2: ヒトプロTGF−β1発現用ベクターの作
成 上記の実験例1でクローン化したヒトプレプロTGF−
β1cDNAをCHO細胞で発現させるためのプラスミ
ドを構築した。このプラスミドpECβは、SV40初
期及び後期プロモータートリ肉腫ウィルスプロモーター
、ヒトサイトメガウィルスプロモーター、ヒトプレプロ
TGF−β1をコードしているcDNA、SV40後期
ポリアデニル化配列、マウスジヒドロ葉酸還元酵素cD
NA、及びpBR322の一部の配列(大腸菌アンピシ
リン耐性マーカー及び複製起源)を含有している。
ヒトプレプロTGF−β1発現用プラスミドpECβの
構築工程図を第3図に示す。以下に構築方法について詳
細に説明する。
1) ヒトプレプロTGF−β1をコードしているcD
NA1800bpをクローニングベクターpUc19T
GFからEcoR1消化により得た。この断片をDNA
ポリメラーゼ1(フレノウフラグメント)で平滑末端化
した。
2) プラスミド発現ベクターCDM8 (シード・ビ
ー・ネイチャー、329巻、P840−842.198
7(Seed、 B、、 NaLure、 329.8
40−842.1987)から5aC2、BamH1消
化によりサプレッサーtRNA (SupF)遺伝子、
トリ肉腫ウィルスLTR,サイトメガロウィルスプロモ
ーター、T7プロモーター及びSV40初期ポリアデニ
ル化配列を含む2324bpの断片を得た。この断片を
DNAポリメラーゼ1(フレノウフラグメント)で平滑
末端化した。
3) プラスミド発現ベクターpSV2dhfr[サブ
ラマニ・ニスら、モレキュラー・セルラー・バイオロジ
ー、1巻、P2S5−864.1981年(Subra
lani、 S、、 et at、 Mo1. Ce1
1. BIOl、l1854−864.1981) ]
をPvu2消化した後、アルカリホスファターゼで脱リ
ン酸化した。これと、2)の2324bp断片をT4リ
ガーゼによりライゲートした。
4) プラスミド発現ベクターpSVL (ファルマシ
ア(Pharmacia)をSma 1消化した後、ア
ルカリホスファターゼで脱リン酸化した。これと、1)
の1800bp断片をT4リガーゼによりライゲートし
た。
5)  3)のプラスミドからXbal。
EcoR1消化により、T7プロモーター、サイトメガ
ロウィルスプロモーター トリ肉腫ウィルスLTRSS
upFSSV40初期および後期プロモーター、複製起
源、マウスジヒドロ葉酸還元酵素cDNA、SV40初
期ポ初期ポリアル化ニル化配列3700bp断片を得た
6) 4)のプラスミドからXbal。
EcoR1消化によりヒトプレプロTGF−β1cDN
A、、SV40後期ポリアデニル化配列、大腸菌アンピ
シリン耐性マーカー及び複製起源を含む4500bp断
片を得た。
7) 5)の断片と6)の断片とをT4リガーゼでライ
ゲートすることによりpECβを得た。
実験例3: ヒトプロTGF−β1のCHO細胞におけ
る発現 5×105個のCHO細胞(DUKX−Bll(チャー
シン・エル・ニーとウアラウブ・ジ−プロシーディング
・オブ・ナショナル・アカデミ−・オブ・サイエンス、
77巻、P421B−4220,1980年、  (C
hasin、 L、A、 & Urlaub、 G、、
 P#AS;77、4218−4220 (1980)
参照)〉を60mmデイツシュにはん種し、24時間後
、上記プラスミドpECβ(10mg)をリン酸カルシ
ウム法によりトランスフェクトした。2日間、非選択培
地中(DMEM+10%F CS +HT)で細胞を増
殖させた後100+amデイツシュ5枚に再はん種した
この時、培養液を非選択培地から選択培地に(DMEM
+10%透析FC8)切り替えた。選択培地中で約2−
3週間培養した後、得られたコロニーをトリプシン処理
することによりデイツシュより剥離し、再び48ウエル
プレートに1コロニー/ウエルになるように再はん種し
、フンフルエンドになるまで培養した。
各ウェルからの培養上清(約35クローン)中のヒトマ
チュアーTGF−β1活性については上清を酸性条件下
で、すなわち0.2M 酢酸で処理しプロTGF−β1
から前駆体部分を切断し、マチュアーTGF−β1を得
た後、MvlLu細胞を用いたバイオアッセイ法〔ヴア
ン・ゾーレン・イー・ジェイ・ジエイら、バイオケミカ
ル・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーション
、141巻、P1229−1235.1986年(Va
n Zoelen、E、J。
J、、 et at: Bloches、 Bloph
ys、 Res、 Coa+a+、 141゜1229
−1235.1988)により調べた。その結果、34
クローン中19クローンに活性を認めた。その内、安定
にしかも高いTGF−β1活性を示したクローン723
を得た。このクローン723を2段階のメトトレキセー
) (MTX)選択することにより恒常的に大量のTG
、F−β1を産生ずる細胞株を作成することを試みた。
まず、100n100n存在下で細胞を培養して生存細
胞を選択した。さらに、500nM  MTX存在下で
選択し、安定に多量のTGF−β1を産生する細胞株T
23−7−11を樹立した。
T23−7−11細胞の培養上清中のTGF −β1を
抗ヒトマチュアーTGF−β1ポリクローナル抗体を用
いたウェスタンブロッティング法およびSDS −PA
GE法にて検出したところ、非還元条件下でメインバン
ドおよびマイナーバンドが各々105,25Kdの位置
にTGF−β1が認められた。すなわち、105Kdは
40KdのプロTGF−β1が2量体になったものに糖
鎖が付加された分子量であり、25Kdは12.5Kd
のマチュアーTGF−β1が2量1体となった分子量と
考えられる。このことから、T23−7−11から産生
されるヒトTGF−β1はS−8M合を介した2量体と
して細胞から分泌され1、その大部分はプロ型であり、
若干量のマチュア型も生産されていることが観察された
実験例4: 組換えヒトプロ及びマチュアーTGF−β
1の生産 実験例3において樹立された723−7−11細胞、1
.5×107個を850c#のローラーボトル(ファル
コン社製)にはん種し、血清を含む培地<DMEM/F
 −12(1; 1) +5%FC8〉中で3日間培養
した。3日後、血清培地を抜き取り、PBSlooml
で洗浄した後、血清を含まない無血清培地<E−RDF
 (極東製薬工業)。
5μg/ml  ウシインシュリン、20μM モノエ
タノールアミン、50nM Na2SeO3,0,2μ
g/ml  ウシアプロチニン、0.1%PEG  2
0000 (すべてシグマ社)>200m1に交換し、
37℃で7日間培養した。7日後に培養上清ILを回収
した。
実験例5: 組換えヒトプロTGF−β1の精製実験例
4において得られた723−7−11細胞培養上清40
0m1を出発材料とした。培養上清は0.45dの膜を
もつフィルトロンカセット膜(富士フィルター工業)の
ような分子量10000カツトの限外枦櫓膜を用いて1
0m1にまで濃縮した。110000rpで30分間、
遠心した後、上清を10mMリン酸バッファー(p H
7,4)  (N a H2P O4N a 2 HP
 O4) I Lに対して3回透析した。
イオン交換クロマトグラフィー 透析した濃縮物は、101Mリン酸バッファー(plI
7.4)で平衡化したS−セファロースカラム(5X5
0mm、ファルマシア社)にアプライした(A:20麿
Hリン酸バツフアー(pH7,4)、B:A+0.5M
  NaC1)、このカラムを100%溶媒Aで10分
間洗浄した後、直線濃度勾配法により溶出しく0%−1
00%溶媒B/30ain)、プoTGF−β1含有画
分11m1を得た。
疎水性クロマトグラフィー 上記で得られた溶出物に4M硫酸アンモニウム−100
mMリン酸バッファー11m1を加えた後、2M硫酸ア
ンモニウム−1005Mリン酸バッファー (pH17
,4)で平衡化したアルキル−スーパーロースHR51
5(ファルマシア社)にアプライした(A:2M硫酸ア
ンモニウム−100+gMリン酸バッファー(pH7,
4) 、B : 100mMリン酸バッファー(pH7
、4) )。このカラムを溶媒Aで10分間洗浄した後
、直線濃度勾配法により溶出し、(0%−60%溶媒B
/40m1n)第4図に示したフラクション32−36
のプロTGF−β1含有画分2.5mlを得た。
ゲル濾過クロマトグラフィー 得られたプロTGF−β1両分はセントリコン10濃縮
装置を用いて濃縮した後、PBSで平衡化したスーパー
ロース6カラム(ファルマシア社)にアプライした。溶
出はPBSを用いて実施し、プロTGF−β1画分を含
有する画分3mlを集めた。溶出図および活性測定結果
を第5図に示した。
以上の操作により精製標品2000μgを得た。
実験例6:組換えヒトプロTGF−’β1の均一性確認 上記の実験例5で精製されたヒトプロTGF−β1の均
一性を確認する目的で5DS−PAGE(10−15%
グラジェントゲル)によるゲル電気泳動法を用いて、そ
の純度の確認をおこなった。
その結果、本タンパクは、はぼ単一であると検定された
。すなわち第6図に示したように、723−7−11ク
ローンの培養上清そのものでは、多くの不純物タンパク
を含むが(レーン2)、Sセファロースイオン交換クロ
マトグラフィー後では、105kdおよび25kdの位
置にそれぞれプロ型およびマチュアー型の2量体と考え
られるバンドが検出された(レーン3)。前者は40k
dのプロTGF−β1が2量体を形成したものに、糖鎖
が付加されたため80kdよりも大きな分子量となって
いる。また後者は12.5kdのマチュアーTGF−β
1が211体を形成して25kdの分子量を示したもの
である。これらマチュアー型は、次のカラム操作(アル
キル−スーパーロースによる疎水性クロマトグラフィー
およびスーパーロース6によるゲル濾過クロマトグラフ
ィー)により除去されて、2量体のプロTGF−β1の
みが均一なタンパクとして得られた(レーン4およびレ
ーン5)。
参考側二組換えヒトマチュアーTGF−β1の精製 実験例4において得られたT23−7−11細胞培養土
清0.5Lを出発材料とした。
培養上清は0.45dの膜をもつフィルトロンカセット
B CM士ラフイルター工業のような分子量1oooo
カツトの限外濾過膜を用いて25m1にまで濃縮した。
この濃縮物を排除分子量3000−5000の穴をもつ
スペクトルム(スペクトルメディカル産業社、Spec
trum MedlcalIndustries In
c、)のような透析膜に入れ、0,2N酢酸溶液ILに
対して3回透析を実施することにより、プロTGF−β
1から前駆体部分を切断し、マチュアーTGF−β1を
得た。このヒトマチュアーTGF−β1の濃縮物は、沈
殿したタンパク質を除去する目的で100000gで3
0分間、遠心した。不溶タンパク質を除去した上清は、
凍結乾燥した。
ゲル濾過クロマトグラフィー 上記の凍結乾燥標品は0.1%T F A/20%アセ
トニトリル1mlで再調製し、0.1%TFA/20%
アセトニトリルで平衡化したG3000SW (21,
5X600m+*)カラム(東ソー■)にアプライした
。溶出は0.1%TFA/20%アセトニトリルを用い
て実施し、マチュアーTGF−β1含有画分15m1を
集めた。
逆相HPLC G3000SWから溶出されたマチュアーTGF−β1
を含む画分は、RP304C4(4,6X250+m)
カラム(Blo−Rad社)を用いた逆相HPLCによ
りさらに精製した。20%溶媒Bで平衡化したカラムに
1ml/sinの流量で上記の両分をアプライした(A
:0.1%TFA/H20,B : 0.06%TFA
/アセトニトリル)。
このカラムを20%溶媒Bで10分間、洗浄した後、直
線濃度勾配法により溶出した(20%−50%溶媒B/
60分)。得られたTGF−β1画分を集めて凍結乾燥
した。以上の操作により精製標品的500μgを得た。
このヒトマチュア−TGF−β1の均一性については、
5DS−PAGEを用いて確認し、2量体として25k
dの分子量バンドが検出された。また還元条件下におけ
る5DS−PAGEにより、12.5kdの単量体も確
認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、クローン化したヒトプレプロTGF−β1遺
伝子の塩基配列および対応するアミノ酸配列を示す説明
図である。 第2図は、クローニングに用いた合成プローブの塩基配
列および対応するアミノ酸配列を示す説明図である。 第3図は、ヒトプレプロTGF−β1遺伝子発現用プラ
スミドpECβの構築を示す工程図である。 第4図は、疎水性クロマトグラム(アルキル−スーパー
ロース)および活性測定結果を示すグラフである。 第5図は、ゲル濾過クロマトグラム(スーパーロース6
)および活性測定結果を示すグラフである。 第6図は、各精製工程におけるプロTGF−β1の均一
性を示す5DS−PAGEによるゲル電気泳動図の模式
図である。 第7図は、プレプロTGF−β1を模式的に示した説明
図である。 第8図は、融合型のTGFベータを模式的に示した説明
図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ヒトプレプロTGF−β1をコードする塩基配列を
    含むDNA鎖を用意し、このDNA鎖を有する発現ベク
    ターの作成、この発現ベクターによる宿主細胞の形質転
    換、および得られる形質転換体の培養、から成る工程に
    、該DNA鎖を付して培養物中にヒトプロTGF−β1
    を産生させることを特徴とする、ヒトプロTGF−β1
    の製造法。 2、形質転換される宿主細胞がCHO細胞である、請求
    項1記載の製造法。 3、ヒトプレプロTGF−β1をコードする塩基配列を
    含むDNA鎖を有する発現ベクター。 4、ヒトプロTGF−β1をコードする塩基配列を含む
    DNA鎖によって形質転換された形質転換体を用いて生
    産されるヒトプロTGF−β1。 5、請求項3に記載の発現ベクターにより宿主細胞が形
    質転換された形質転換体。 6、宿主細胞がCHO細胞である、請求項5記載の形質
    転換体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015533378A (ja) * 2012-10-30 2015-11-24 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft 2段階接線流限外濾過を使用するポリペプチドの精製
JP2016521283A (ja) * 2013-05-06 2016-07-21 スカラー ロック インコーポレイテッドScholar Rock,Inc. 成長因子モジュレーションのための組成物および方法

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