JPH0317798Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はヒータの通電時間をタイマーで制御す
るコーヒー抽出器等のドリツプ式湯沸かし器に関
する。

〔従来の技術〕

タイマーを備えたコーヒー抽出器等のドリツプ
式湯沸かし器は実開昭53−144783号公報により知
られている。この公報に開示されたタイマーの表
示目盛りは湯量表示目盛りで形成され、コーヒー
液の抽出に当つて上記湯量目盛りを目安にしてタ
イマーをセツトすることにより、そのセツト時間
の経過と同時にヒータへの通電を切つて、通電時
間に比例した設定湯量を得てコーヒー液を抽出す
るようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記従来のコーヒー抽出器では、ある
設定湯量で抽出する場合において、温度条件によ
り実際に得られる湯量がばらつくという問題があ
る。つまり、コーヒー抽出器の抽出原理は、水槽
と連通した湯沸かし管内の水をヒータにより加熱
し、圧力を上昇させてこの圧力で給湯して容器に
コーヒー液を得るというものであるため、水温お
よび雰位気温度が低い場合と高い場合とでは湯沸
し管内で繰返される沸騰に要する時間が異なり、
沸騰回数がばらつくからである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、ヒータの通電時間を制御するタイマ
ーの表示目盛りの各指定表示はそれぞれが複数に
分割された補正指標を有した構成とすることによ
り、上記従来の問題点を解決したものである。

〔作用〕

本考案のドリツプ式湯沸かし器は、湯沸かしに
当りタイマーによりヒータの通電時間を制御して
行うものであるが、その時間設定の際に水温等の
温度が高いか低いかを考慮して、同じ指定表示内
においてこの表示を細分化した補正指標のいずれ
かを選択してタイマーをセツトできる。したがつ
て、温度が低い場合にはヒータへの通電時間を長
く確保し、かつ温度が低い場合はヒータへの通電
時間を短くして、湯沸かし管内での沸騰回数を略
一定化し、これにより、給湯量を略一定化できる
ものである。

〔実施例〕

以下、本考案をコーヒー抽出器に適用した一実
施例について図面に従い説明する。

図中１は抽出器本体で、この本体１の下部には
ボトル載せ部２が形成されているとともに、上部
にはボトル載せ部２に対向するフイルタ容器取付
け部３が形成され、かつ後部には水槽載せ部４が
形成されている。水槽載せ部４には中心に上向き
の押し上げ棒５を設けた給水口受部６が形成され
ている。さらに、水槽載せ部４には開閉蓋７を有
した水槽８が着脱可能に取付けられている。水槽
８は、一回の抽出の度に抽出量に相当するだけの
水を入れるものではなく、内部に入れた水が消費
されるまで何回も抽出を行なえる大きな容積を有
するものである。この水槽８の下面には、水密パ
ツキン９が外装されるとともに、ばね１０で常に
閉じ方向に付勢された常閉弁１１が内装された給
水口１２が突設されている。給水口１２は水槽載
せ部４への水槽８の取付けにより、上記給水口受
部６に嵌入されるとともに、常閉弁１１が押し上
げ棒５で押し開かれるようになつている。

そして、給水口受部６の出口にはチユーブ製の
継手１３を介して水圧スイツチ１４が接続されて
いる。水圧スイツチ１４にはヒータを設けたボイ
ラ１５が、またボイラ１５には湯沸かし管１６が
接続され、かつ、この湯沸かし管１６の先端部は
継手管１７を介して給湯口体１８に接続されてい
る。給湯口体１８は上記容器取付け部３に取付け
られ、複数の給湯口１８ａを有している。上記水
圧スイツチ１４は後述するタイマーと直列に接続
されるもので、水槽８に水がある場合にヒータ回
路を閉じるとともに、水槽８の水がなくなるとヒ
ータ回路を開くように構成されている。そして、
上記湯沸かし管１６は金属製であつて、上記ボイ
ラ１５に供給された水はボイラ１５のヒータの加
熱により沸騰されるようになつている。

また、上記ボトル載せ部２の上面には防水パツ
キン１９を挟み込んで保温板２０が設けられてい
る。保温板２０の裏面には複数のボルト２１が突
設されており、これらのボルト２１に螺合された
ナツト２２を介してヒータ押え板２３がボトル載
せ部２の内側に取付けられている。そして、保温
板２０とヒータ押え板２３との間には上下両面に
絶縁板を設けた保温ヒータ２４が挟着されてい
る。なお、保温ヒータ押え板２３にはサーモスタ
ツト２５が取付けられている。

ボトル載せ部２に取付けられた保温板２０上に
はコーヒーボトル２６が着脱自在に載置され、こ
のボトル２６は着脱自在なボトル蓋２７を有して
いる。また、上記容器取付け部３にはその下面に
突設した係合部２８に着脱自在に係合して上面開
口のフイルタ容器２９が取付けられており、この
容器２９には紙フイルタ３０が納められるように
なつている。なお、図中３１はフイルタ容器２９
の抽出口で、この抽出口３１は上記ボトル蓋２７
の通孔２７ａの真上に接近されている。

上記抽出器本体１には上記ボイラ１５のヒータ
の通電時間を制御するタイマー３２が取付けられ
ており、その例えばダイヤル式の操作摘み３３は
抽出器本体１における例えば側面下部の外面に設
けられている。なお、このタイマー３２は操作摘
み３３を第１図中時計回り方向に回動させる程長
い時間を設定できるようになつている。さらに、
抽出器本体１の外面には操作摘み３３の回りに表
示目盛り３４が設けられている。なお、この実施
例における表示目盛り３４は、操作摘み３３がダ
イヤル式である関係から円板形をなしていて、抽
出器本体１の外面に貼着されている。

そして、上記表示目盛り３４は、本実施例では
上記コーヒーボトル２６が受けたコーヒー液が小
分けされるカツプの数で指定表示３５されるとと
もに、これらの指定表示３５のそれぞれが更に複
数に分割された補正指標Ａ，Ｂ，Ｃを有してな
る。本実施例の場合補正指標は、第３図において
標準の通電時間をタイマー３２に設定させる真中
の標準用補正指標Ｂと、この右側に位置され高温
時に短めの通電時間をタイマー３２に設定させる
高温用補正指標Ａと、上記標準用の補正指標Ｂの
左側に位置され低温時に短めの通電時間をタイマ
ー３２に設定させる低温用補正指標Ｃとの３段階
に区分けされている。なお、これらの補正指標Ａ
〜Ｃは色分けしたり、または「高温度」、「中温
度」、「低温度」等の文字表記を施して、その使い
勝手をより向上できるようにしてもよい。

以上のコーヒー抽出器を使用するにあたつて
は、まず、抽出器本体１に対して、抽出する水量
以上の多量の水を収納した水槽８、コーヒー粉を
紙フイルタ３０とともに収納したフイルタ容器２
９、コーヒーボトル２６を夫々定位置に設ける。
次に、使用者が所望とするコーヒー液の量、つま
りコーヒーを飲む人数に対応するカツプの数に合
致する指定表示３５に操作摘み３３を合せてタイ
マー３２をセツトする。そうすると、上記水槽８
からの給水で水圧スイツチ１４が既に閉じている
からタイマー３２のセツトと同時にボイラ１５の
ヒータへの通電がなされて、その発熱により湯沸
かし管１６内に既に供給されている水が加熱され
て、沸騰されるから、その時の圧力によつて湯沸
かし管１６から継手管１７および給湯口体１８を
通つて、フイルタ容器２９内のコーヒー粉に湯が
供給される。ここにおいてコーヒー液の抽出がな
され、抽出されたコーヒー液は抽出口３１から下
方へ流出してコーヒーボトル２６に受けられる。
なお、コーヒーボトル２６に溜められたコーヒー
液は保温ヒータ２０の発熱により保温される。一
方、以上の給湯で湯沸かし管１６内の圧力は下が
るから、再び水槽８から湯沸かし管１６への給水
がなされて、この水は上記ボイラ１５のヒータに
よつて加熱される。そして、以上のようないわゆ
るヒータポンプ作用は上記タイマー３２によつて
ボイラ１５のヒータへの通電が切られるまで、繰
返しなされる。

ところで、タイマー３２によりボイラ１５のヒ
ータに対する通電時間を設定するに当つて、ボイ
ラ１５のヒータの通電時間を温度条件を考慮して
調整するには、以下のように行う。例えば８カツ
プ分のコーヒー液を抽出する際において説明する
と、水温および雰囲気温度等が高くもなく低くも
ない場合においては「８」の指定表示３５の範囲
内で標準の補正指標Ｂに操作摘み３３を合せる。
そして、水温および雰囲気温度等が低い場合にお
いては「８」の指定表示３５の範囲内で低温用の
補正指標Ｃに操作摘み３３を合せる。また、水温
および雰囲気温度等が高い場合においては「８」
の指定表示３５の範囲内で高温用の補正指標Ａに
操作摘み３３を合せる。

つまり、低温用の補正指標Ｃを選択して合せた
場合は、標準の補正指標Ｂに合せた場合に比較し
てタイマー３２によるボイラ１５のヒータへの通
電時間を長くして、低温である故に沸騰に要する
時間が長くなることを補つて上記ヒータポンプ作
用の回数が減じることを防止できる。かつ、高温
用の補正指標Ａを選択して合せた場合は、標準の
補正指標Ｂに合せた場合に比較してタイマー３２
によるボイラ１５のヒータへの通電時間を短くし
て、高温である故に沸騰に要する時間が短くなる
ことを補つて上記ヒータポンプ作用の回数を増え
ることを防止できる。

すなわち、温度条件の影響を補正する以上のよ
うなタイマー設定時の補正指標Ａ〜Ｃのいずれか
の選択により、所望とするカツプ数量に見合う略
一定量のコーヒー液を抽出できるものである。

なお、上記一実施例は以上のように構成した
が、本考案において水槽は抽出器本体と一体でも
よく、タイマーの操作摘みは直線的に往復される
スライド式にしてもよい。その他、本考案の実施
に当つては、考案の要旨に反しない限り、水槽、
湯沸かし管、ヒータ、タイマー、表示目盛り、指
定表示、補正指標等の具体的な構造、形状、位
置、材質等は、上記一実施例に制約されることな
く、種々の態様に構成して実施できることは勿論
である。

〔考案の効果〕

上記実用新案登録請求の範囲に記載の構成を要
旨とする本考案によれば、温度の影響を補正して
略一定量の湯を得ることができるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は斜視
図、第２図は縦断側面図、第３図は表示目盛りの
正面図である。 ８……水槽、１５……ボイラ、１６……湯沸か
し管、３２……タイマー、３４……表示目盛り、
３５……指定表示、Ａ〜Ｃ……補正指標。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 水槽と連通した湯沸かし管内の水をヒータによ
   り加熱し、圧力を上昇させてこの圧力で給湯する
   とともに、上記ヒータの通電時間がタイマーによ
   り制御されるようにしたドリツプ式湯沸かし器に
   おいて、 上記タイマーの表示目盛りの各指定表示はそれ
   ぞれが複数に分割された補正指標を有してなるこ
   とを特徴とするドリツプ式湯沸かし器。