JPH03146716A - 炭素質繊維およびその製造方法 - Google Patents

炭素質繊維およびその製造方法

Info

Publication number
JPH03146716A
JPH03146716A JP1286673A JP28667389A JPH03146716A JP H03146716 A JPH03146716 A JP H03146716A JP 1286673 A JP1286673 A JP 1286673A JP 28667389 A JP28667389 A JP 28667389A JP H03146716 A JPH03146716 A JP H03146716A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
fibers
fiber
carbonaceous
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1286673A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2890548B2 (ja
Inventor
Toshikatsu Maeda
前田 敏勝
Hideki Murayama
英樹 村山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kasei Corp filed Critical Mitsubishi Kasei Corp
Priority to JP1286673A priority Critical patent/JP2890548B2/ja
Priority to DE1990629782 priority patent/DE69029782T2/de
Priority to EP19900120427 priority patent/EP0424922B1/en
Publication of JPH03146716A publication Critical patent/JPH03146716A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2890548B2 publication Critical patent/JP2890548B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、気相法による炭素質繊維に関し、更に詳細に
は金属微粒子の触媒作用により生成した特異なミクロ構
造を有する気相成長炭素質繊維に関する。本発明の炭素
質繊維は特徴的なミクロ構造を有するとともに、黒鉛化
度が高いため、導電体、熱伝導体、触媒担体、黒鉛潤滑
材、黒鉛層間化合物のホスト材などに特に適した素材と
して用いることができる。
〔従来の技術〕
炭素材料は構造、形態をデザインすることにより、機械
的特性、導電性、熱伝導性などに優れた素材として用い
ることができ、近年その軽量性とも相俟って繊維状に加
工した炭素材が樹脂、金属、セラミンク等との各種複合
材料として広く使用されるようになった。繊維状炭素は
主にポリアクリロニトリル、ピンチなどを紡糸して繊維
にし、不融化、焼成する方法で製造されているが、その
もクロ構造の制御には限界がある。これに対し、気相法
によって紡糸方式では得られない稟クロ構造を有する繊
維状炭素の得られることが知られている。気相法による
繊維状炭素として、これまでの 炭素網面が紙を巻くよ
うに巻き込まれた形態を有するもの (R,Bacon;J、App l、Phys、。
主1.283  (1960)) ■ 同心円状に炭素網面が積層しており全体として中空
孔を有する円柱状となったもの (小山情夫、遠藤守信;応用物理、42(7)、690
、(1973)) ■ 円錐台様の炭素網面が積層して全体として円柱状と
なったもの (例えば、M、Audier  and  M、Cou
lon;Carbon、23,317 (1985)、
遠藤守信、小山情夫;特開昭58−197314号公I
lり ■ 成長方向に平行な柱状炭素層を四隅に持ち、これを
橋渡しするように5〜20層の炭素層が成長方向に垂直
に折り畳まれた空隙の多い内部構造を有するもの (M、Murakami  and  S、Yoshi
mura ;J、Chem、Soc、、Chem、Co
mmun、、1649  (1984))、等を始めと
して種々のものが知られている。
気相からの繊維状炭素の生成には、原料に主としてベン
ゼンやメタン等の炭化水素あるいは一酸化炭素を用いる
ことができるが、選択的な繊維状炭素の製造や工業化と
いう観点からは炭化水素を用いた方が優れているという
のが一般的な理解である。従来の例の多くは炭化水素を
原料として得られた繊維状炭素であり、特に■は芳香族
二酸無水物である特殊な炭化水素原料を用いることによ
って発見されたものである。一酸化炭素からの炭素析出
反応に関する実験もこれまで非常に多く行なわれており
、一酸化炭素からも■の円筒状繊維や■の円錐台の積層
したような構造の繊維の得られることは知られているが
(例えばBakerおよびHarrisHChemis
try  andPhysics  of  Carb
on、Vol。
14(1978)参照)、通常はしばしば他の非繊維状
炭素の混ざった様々な形態の炭素質が混在した状態のも
のが得られる。一酸化炭素からの繊維状炭素質としてこ
れまでに確認されているものとしては、上記の円筒状繊
維や円錐台の積層したような構造の繊維、及びらせん状
あるいは捲縮した形態の繊維を挙げることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、一酸化炭素を原料とする炭素析出反応は
その最適熱処理温度が550℃前後であるといわれ、4
00℃以下の低温では無定形炭素と繊維状炭素の混合物
となり易く、温度が高くなると板状物の生成が支配的と
なり、繊維状炭素だけを優先的に生成することは難しい
とされてきた。
また、生成する繊維自体もほとんどは捲縮したり、不規
則に曲がりくねった形態のもので、構造的にも機能的に
も特に注目すべき素材とは考えられていない。H,P、
BoehmはCarbon、1上、583 (1973
)で一酸化炭素からの析出炭素中に、一部リボン状の形
態を持った繊維が存在するとし、そのミクロ構造につい
ては長さ方向に対して炭素網面が垂直あるいは平行に配
向しており、どららかといえば垂直の可能t’Eが高い
と想像している。しかしながら、実際に旦クロ構造をf
If認する検討はなされておらず、具体的な構造に関す
る記載はない、また得られた生成物のほとんどは不規則
に曲がりくねった形態の繊維であり、収率も低いため、
どのような特徴を持った炭素賞かについては不定である
。一般に、一酸化炭素からの炭素析出反応は発熱反応で
かつ平衡反応であるために、温度が高いと平衡定数が小
さくなって生成収率が低下し、温度が低いと反応速度が
著しく落ちる。したがって、質的且つ量的問題から、一
酸化炭素を原料とする繊維状炭素の生成に関しての工業
化は困難であるとされてきた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、一酸化炭素からの選択的な繊維状炭素の
製造、特に新規なくクロ構造を有する繊維状炭素の工業
的製造について検討を重ねた結果、原料ガス組成、温度
のみならず触媒核の組成と形状が、生成する炭素のミク
ロ構造、形態に重要な影響を及ぼすことを突き止め、平
らな炭素析出面を有する触媒核が、一酸化炭素を原料と
して繊維の成長方向に対し炭素網面が垂直に積層したリ
ボン状炭素繊維を与えることを明らかにし、このリボン
状炭素繊維を収率良く製造できることを見い出した。
すなわち、本発明の目的はこれまで確認されていなかっ
た新規な形状とミクロ構造を有し、特異な機能を発現す
る炭素質繊維及びその製造方法を提供することにある。
そしてその目的は繊維の長さ方向に対し炭素網面が実質
的に垂直に積層し、その面間距離(d、。。2.)が3
.354〜3.380人であり、かつ実質的に中空孔部
を有さず、繊維の断面が矩形あるいは扁平な楕円様で、
断面の長軸が短軸に対して2倍以上であることを特徴と
する炭素質繊維、及び一酸化炭素と水素との混合原料ガ
スを金属化合物から成る微粒子の存在下で加熱処理する
ことにより炭素質繊維を製造する方法において、 ■ 一酸化炭素1モルに対し水素を0.5〜10モルの
混合原料ガスを用い、 ■ 金属化合物を原料炭素中に含有される全炭素量10
0重量%に対し金属元素換算で1〜30重量%とし、 ■ 450〜1000℃の温度域で、 ■ 炭素質繊維を生成する触媒微粒子の炭素析出面が実
質的に平らでかつ繊維の成長がこの析出面に対して実質
的に垂直に行なわれることを特徴とする気相成長炭素質
繊維の製造法によって容易に達成される。
以下本発明の詳細な説明する。
本発明の繊維状炭素は、繊維の成長方向に対して炭素網
面が実質的に垂直に積層しており、通常の気相成長炭素
繊維に見られる中空孔部は存在せず、また繊維の断面が
円形ではなく矩形あるいはそれに近い扁平な楕円様であ
って、全体としてリボン状の形態を有することを特徴と
する気相成長繊維状炭素である。ここでいう扁平とは繊
維断面の長軸と短軸の比が2倍以上、好ましくは5〜1
5倍であることを示している。
このリボン状炭素質繊維は、これを形成する炭素層の黒
鉛化度が繊維生成時において既に高く、積層した炭素網
面の面間路M<dt。。2.)が3,354〜3.38
0人であるという特徴を持つ。−例を示すと、700℃
の反応温度で生成した本発明の繊維状炭素はX線回折の
結果よりd、。。2)−3゜366人の値である。これ
は繊維状の炭素とじては最も黒鉛化性がよいとされる炭
化水素を原料とした気相成長炭素繊維(断面が年輪状で
中空孔部を有する円筒形の繊維)を2400℃処理した
ものに相当する値であり、比較的黒鉛化性がよいとされ
るメソフェーズピッチ系の炭素繊維では3000℃以上
の熱処理を加えて初めて達成される値である(小山情夫
、遠藤守信;工業加熱、30’(7)、109 (19
82)参照)、MeringとMaireの炭素構造モ
デルにより、炭素網面の面間距離d、。。2.と黒鉛化
度gとの関係式が次のように導き出されている。
d +ooz+  =3.354 g +3.44  
(1g)この式にd (0021= 3.366人を代
入すると、このリボン状炭素質繊維の黒鉛化度は86%
と見積もられ、黒鉛化度の高い炭素質であることが判明
した。
本発明のリボン状炭素質繊維は長さがl〜1゜O// 
m、好ましくは5〜50μm、幅はo、05〜1μm、
奸ましくは0.1〜0.7μmであり、第1図に示すよ
うに比較的真直あるいはゆるやかにカ−ブした形態を有
しているものが多いが、途中で折れ曲がっているものも
存在する。また第2a図に示すように透過型電子顕微鏡
による観察から、本繊維には通常の気相成長炭素繊維に
見られる中空孔部は存在せず、炭素層は空隙をつくるこ
となく一様に積層している。繊維先端には成長触媒とな
った微粒子が存在する。この触媒微粒子の形状は第2a
図に示されるような三角形の形状のほかに矩形、半円形
など様々のものが観察されたが、それらすべてに共通す
る特徴は平らな炭素析出面を有していることである。第
2b図は第2a図の触媒核の炭素析出面の一部を拡大し
た電子顕微鏡写真であるが、この触媒核の平らな面から
炭素層が繊維成長方向に対し垂直に積層して繊維の成長
が行なわれていることがわかる。また、本発明の繊維状
炭素は通常の気相成長炭素繊維と比べて見掛けの結晶子
サイズが小さく、LC(。。2)が30〜500人、好
ましくは50〜300人であり、またエツジカーボンに
は多くの酸素原子が結合しており、原子分析や加熱脱揮
時のガス組成分の測定〈950℃で30分脱揮)から、
炭素に対する酸素の割合が0.5重量%以上、好ましく
は1〜10重量%であるという特徴を有している。この
酸素は不活性ガス下あるいは真空下で加熱処理すること
により除去することも可能である。
本発明の繊維状炭素は次のようにして製造することがで
きる。炭素原料として一酸化炭素を用い、これに水素の
共存下、遷移金属の微粒子を繊維成長触媒として用いて
反応を行なう。原料ガス中には一酸化炭素のほかに水素
ガスを共存させることが必要である。水素の割合が低く
なるとリボン状炭素繊維の生成が抑えられることから、
水素が繊維成長触媒の活性に対して重要な役割を果して
いることがわかる。また、水素は触媒活性を高めるほか
に、一酸化炭素の不均化反応によって繊維状炭素が生成
する際に同時に生成する二酸化炭素と反応して水となる
ことにより、系中の二酸化炭素を減じ、したがって一酸
化炭素からの炭素析出反応を促進する作用がある。この
ため一酸化炭素のみの場合よりも高収率で炭素を析出さ
せることができる。しかし、水素ガスの割合を大きくし
すぎると一酸化炭素の分圧が低下するため、反応効率は
低下することから、原料ガスにおける水素の一酸化炭素
に対する実用的な比として0.5〜lO(モル比)、好
適には0.5〜3.0(モル比)から選ばれる。また原
料ガスの中には一酸化炭素、水素および触媒原料に加え
て他の物質を含むことが許される。周期表0族のアルゴ
ン、ヘリウムなどの希ガスおよび窒素、水蒸気などは原
料ガス成分として水素の分圧以上に含まれていてもよい
。その他、炭化水素あるいは酸素や窒素などのへテロ原
子を含む炭化水素も共存できる。酸素ガスは10%以下
に抑えることが望ましい。以上、種々のガスが系中に共
存可能であるが、効率的なリボン状炭素質繊維生成のた
めには、原料ガスにおける一酸化炭素と水素の割合をな
るべく高くすることが望ましく、それぞれ15体積%以
上にすることが好ましい。本発明で触媒として用いる遷
移金属としてはスカンジウム、チタン、バナジウム、ク
ロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、イツトリウ
ム、ジルコニウム、ニオブ、モリブテン、ルテニウム、
ロジウム、パラジウム、タンタル、タングステン、レニ
ウム、イリジウムまたは白金を指すものであるが、これ
らのうちで特に好ましいものは周期表■族に属するもの
であり、特に鉄、ニッケル、コバルトが好適で、なかで
も鉄は最もリボン状炭素質遷移の生成に対する活性の高
い金属である。これらの触媒元素は、反応系において単
体あるいは化合物として微粒子の形態で存在するように
することが必要である。それにはあらかじめ調製した微
粒子を反応系に導入する方法の他に、反応系においてビ
ルドアップ式に微粒子を形成させる方法を用いてもよい
。すなわち、揮発性の金属化合物を触媒原料として用い
、これを熱分解して金属原子を放出させ、この金属原子
をクラスターからさらに微粒子に成長させて反応触媒と
する方法である。触媒原料として好適な化合物として、
具体的にはメタロセンなどの有機金属化合物、塩化物、
カルボニル化合物などが用いられる。
触媒元素として最も好適な鉄を例に取れば、(C。
Hs )z Fe、FeC!!z 、Fe (Co)s
が代表として挙げられる。なかでもFe(Co)sは熱
分解生成物が鉄と一酸化炭素であるので、一酸化炭素を
炭素源とする本反応において系を複雑にすることがなく
、触媒原料として好適である。適当な触媒粒子の形成と
それに続く繊維の選択的成長のためには、反応系に装入
する触媒原料の量は原料混合ガス中の全炭素100重量
%に対し金属換算で0.1〜30重量%、好ましくは1
〜20重量%である。反応温度は450〜1000℃、
好ましくは550〜800″Cが適当であるが、温度が
低いとリボン状炭素繊維は少なくなる。触媒原料が熱分
解し、金属原子からクラスターさらには微粒子へと成長
するにあたり、温度、触媒原料の濃度、一酸化炭素と水
素の分圧を適当な条件に調節することで、生成する微粒
子が適当な炭素析出面を形成しながら触媒として適した
形状、大きさに戒長し、一酸化炭素の不均化反応の反応
域にタイミングよく存在することで効率的にリボン状炭
素質繊維の生成が行なわれるものと考えられる。
〔実施例〕
本発明における繊維状炭素を製造するのに用いた装置に
つき、その概略を第3図に示す。第3図において3,4
.5はガスボンベを示し、ボンベ3には窒素ガス、4に
は高純度水素ガス、5には高純度一酸化炭素ガスが充填
されている。これらのガスはそれぞれ流量計6.7.8
によりその流量が調節される。ガス発生器IOには液体
状の触媒原料が入っており、恒温槽1)によって所定の
温度に保持されている。ボンベから供給されたガスはパ
イプ16を通り、このパイプ10はパイプ17とパイプ
18とに分枝している。パイプ18を流れるガスは流量
計9を通してガス発生器10に導かれ、ガス化した触媒
原料を伴って容器10から導出される。この導出された
ガスはバイパスバイブ17を通過したガスと混合され、
パイプ19を介して反応管lへ装入される。反応管lの
入口は必要に応して断熱材あるいはヒーター15を取り
付けてもよい。反応管1は′内径90mm、長さ150
0mn+の石英管で、600mmの加熱部を備えた電気
炉2内に設置されている。反応管1の末端には生成繊維
の補集器12が備えられており、オフガスはフィルター
13を介してガス出口14より排出される。反応系は、
運転に際し最初に窒素ガスで置換して爆発の危険を防止
する。その後電気炉2を所定の温度に昇温し、ボンベ4
.5から供給された水素と一酸化炭素の混合ガスをパイ
プ16、バイパスパイプ17、パイプ19を介して反応
管1に装入する。反応管内がCO/H2混合ガス雰囲気
となったところで、パイプ18、流量計9を介してCO
/H2ガスの所定量を触媒原料の入ったガス発生器10
に通し、バイパスパイプ17を介するC O/ Hzガ
スと混合してパイプI9から反応管1へ供給し反応を開
始する。
実施例1 第3図に示した装置を用いて繊維状炭素の製造を行なっ
た。ボンベ4.5からH2、Coを導出し、C○/H2
=50150のン重合ガスとして6Q//hr(25℃
、latm換算)で供給し、原料混合ガスとした。触媒
原料としてはFe(CO)、を用い、このFe(Co)
sから発生するCOも含めた供給全炭素量に対する鉄の
重量比が100ニア、5となるよう4.5g/hrで供
給した。
このCo、Hz、およびFe (Co)sの混合ガスを
700℃に昇温した反応管1に連続的に流動通過させた
ところ7g/hrで繊維状炭素を得た。
700℃におけるCOの不均化反応の平衡値から計算さ
れる理論炭素析出量に対する回収炭素収率は120%で
あった。また反応中に水蒸気の生成が観察されたことか
ら、反応系に存在するH2がCOからの炭素析出に伴っ
て生成するCO2と反応してH,OとCOとになること
により、全体としてCOから炭素への転化率を向上させ
ているためと思われる。生成物を電子顕微鏡で観察した
結果、リボン状炭素質繊維が50%以上を占め、その他
直径0.05μm以下の微細な円柱状の繊維が30%、
直径0.1〜0.5μmの捲縮した繊維が約20%であ
った。生成したリボン状炭素質繊維のTEM写真を第4
図に示す。繊維の成長方向に対して炭素層が垂直に積層
しており、また中空孔部は存在しない、SEM観察によ
ればリボン状炭素質繊維の幅は0.05〜0.7μmで
0.1〜0.4 p mのものが多く、繊維断面の長軸
と短軸の比は3以上、多くは5〜10と見積もられ、繊
維の長さは数〜数十μmであった。第5図に生成したリ
ボン状炭素質繊維のSEM写真を示す。X線回折によれ
ば炭素層の面間距離d、。。2.は3.366人であっ
た。また本繊維を加熱脱揮〈950℃、30m1n、)
シて生成ガスの組成を検討した結果、繊維1gあたり酸
素29.8mgを含んでいることがわかった。
実施例2 Co/Hz 〜50150の混合ガスを1201/hr
 (25℃、latm換算) 、Fe (Co)sを4
.5g/hrで供給してC:Fe=100:3゜7とし
、電気炉温度700″Cの条件で実施したところ、6.
2 g / h rで繊維状炭素を得た。理論炭素析出
量に対する回収炭素収率は45%である。
電子顕微鏡観察によれば、実施例1と同様の幅0゜05
〜0.7μm、長さ数〜数十μmのリボン状炭素質繊維
が生成繊維中の40%近くを占めていた。
実施例3 C○/H2=50150の混合ガスを601/hr(2
5℃、latm換算) 、F e (Co) sを4.
5g/hrで供給してC:Fe=100ニア。
5とし、電気炉温度550℃の条件で実施したところ、
5.3 g / h rで繊維状炭素を得た。理論炭素
析出量に対する回収炭素収率は50%である。
電子顕微鏡観察によれば、幅0.05〜0.5μm、実
施例1と同様の長さ数〜数十μmのリボン状炭素質繊維
が10%、微細な円筒状繊維が20%、捲縮した繊維が
70%であった。
比較例1 電気炉温度を400℃とした他は実施例1と同様にして
実施したところ、理論炭素析出量に対する回収炭素収率
は1%以下であり、リボン状炭素質繊維は見られなかっ
た。
比較例2 水素ガスの供給をしない他は実施例3と同様にして実施
したところ理論炭素析出量に対する回収は見られなかっ
た。
比較例3 Co/H2=75/25とし、Fe(Co)。
を1.5 g / h rで供給した他は、実施例1と
同様にして実施したところ、理論炭素析出量に対する回
収炭素収率は5%と低く、リボン状炭素質繊維はごくわ
ずかしか見られなかった。
〔発明の効果] 本発明によれば、繊維の成長方向に対し炭素網面が垂直
に積層した特異的な構造を有する炭素質繊維を得ること
ができる。
体を示す走査型電子顕微鏡写真 (X14゜ 000) 繊維の構造を示す透過型電子顕微鏡写真(×80000
)、炭素質繊維の繊維先端に存在する触媒000)、炭
素質繊維の繊維先端に存在する触媒核の炭素析出面の一
部および析出した炭素層のミクロ構造を示す透過型電子
顕微鏡写真(x4,800.000)である。
第3図は本発明に係る炭素質繊維の製造に使用した実験
装置の概略説明図である。
第4図、第5図は、それぞれ本発明に係る炭素質繊維の
炭素層を示す透過型電子顕微鏡写真(×1.200,0
00)、炭素質繊維の形態を示す走査型電子顕微鏡写真
(XIOo、000)である。
1・・・反応管、2・・・電気炉、3,4.5・・・ボ
ンベ、6、 7. 8. 9・・・流量計、10・・・
ガス発生器、1)・・・恒温槽、12・・・補集器、1
3・・・フィルター14・・・ガス出口、15・・・断
熱材orヒーター 16 17.18.19・・・パイ
プ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)繊維の長さ方向に対して炭素網面が実質的に垂直
    に積層し、その面間距離(d_(_0_0_2_))が
    3.354〜3.380Åであり、かつ実質的に中空孔
    部を有さず、繊維の断面が矩形あるいは扁平な楕円様で
    、断面の長軸が短軸に対し2倍以上であることを特徴と
    する炭素質繊維。
  2. (2)繊維生成時において酸素が炭素に対し1重量%以
    上含まれる請求項1記載の炭素質繊維。
  3. (3)一酸化炭素と水素との混合原料ガスを金属化合物
    から成る微粒子の存在下で加熱処理することにより炭素
    質繊維を製造する方法において、[1]一酸化炭素1モ
    ルに対し水素を0.5〜10モルの混合原料ガスを用い
    、 [2]金属化合物を原料ガス中に含有される全炭素量1
    00重量%に対し金属元素換算で1〜30重量%とし、 [3]450〜1000℃の温度域において、[4]炭
    素質繊維を生成する触媒微粒子の炭素析出面が実質的に
    平らで、かつ繊維の成長がこの析出面に対して実質的に
    垂直に行なわれることを特徴とする気相成長炭素質繊維
    の製造方法。
  4. (4)炭素質繊維が、炭素網面が繊維の長さ方向に対し
    実質的に垂直に積層し、その面間距離(d_(_0_0
    _2_))が3.354〜3.380Åであり、かつ実
    質的に中空孔部を有さず、繊維の断面が矩形あるいは扁
    平な楕円様で、断面の長軸が短軸に対し2倍以上である
    リボン状気相成長炭素質繊維である請求項3記載の製造
    方法。
JP1286673A 1989-10-24 1989-11-02 炭素質繊維およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2890548B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1286673A JP2890548B2 (ja) 1989-11-02 1989-11-02 炭素質繊維およびその製造方法
DE1990629782 DE69029782T2 (de) 1989-10-24 1990-10-24 Kohlenstoffartige Fasern und Verfahren zu ihrer Herstellung
EP19900120427 EP0424922B1 (en) 1989-10-24 1990-10-24 Carbonaceous fibers and production process therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1286673A JP2890548B2 (ja) 1989-11-02 1989-11-02 炭素質繊維およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03146716A true JPH03146716A (ja) 1991-06-21
JP2890548B2 JP2890548B2 (ja) 1999-05-17

Family

ID=17707483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1286673A Expired - Lifetime JP2890548B2 (ja) 1989-10-24 1989-11-02 炭素質繊維およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2890548B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003147644A (ja) * 2001-03-21 2003-05-21 Morinobu Endo 気相成長法による炭素繊維、これを用いた複合材、導電性樹脂、および炭素繊維の長さ調整方法
JP2003147643A (ja) * 2001-03-21 2003-05-21 Morinobu Endo 気相成長法による炭素繊維体
JP2004220909A (ja) * 2003-01-15 2004-08-05 Mitsubishi Materials Corp 正極活物質及びこれを用いた正極、並びにこの正極を用いたリチウムイオン電池及びリチウムポリマー電池
US6946110B2 (en) 1999-03-25 2005-09-20 Showa Denko K.K. Carbon fibers, production process therefor and electrode for batteries
JP2009059713A (ja) * 2008-11-11 2009-03-19 Mitsubishi Materials Corp 負極材料及びこれを用いた負極、並びにこの負極を用いたリチウムイオン電池及びリチウムポリマー電池

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6946110B2 (en) 1999-03-25 2005-09-20 Showa Denko K.K. Carbon fibers, production process therefor and electrode for batteries
JP2003147644A (ja) * 2001-03-21 2003-05-21 Morinobu Endo 気相成長法による炭素繊維、これを用いた複合材、導電性樹脂、および炭素繊維の長さ調整方法
JP2003147643A (ja) * 2001-03-21 2003-05-21 Morinobu Endo 気相成長法による炭素繊維体
JP2004220909A (ja) * 2003-01-15 2004-08-05 Mitsubishi Materials Corp 正極活物質及びこれを用いた正極、並びにこの正極を用いたリチウムイオン電池及びリチウムポリマー電池
JP2009059713A (ja) * 2008-11-11 2009-03-19 Mitsubishi Materials Corp 負極材料及びこれを用いた負極、並びにこの負極を用いたリチウムイオン電池及びリチウムポリマー電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2890548B2 (ja) 1999-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kumar et al. Carbon nanotube synthesis and growth mechanism
Kumar et al. Chemical vapor deposition of carbon nanotubes: a review on growth mechanism and mass production
JP5436528B2 (ja) カーボンナノファイバ基板上のカーボンナノチューブ
JP5550833B2 (ja) 高品質単層カーボンナノチューブ成長の方法および装置
US6890506B1 (en) Method of forming carbon fibers
EP0198558A2 (en) Method for the preparation of carbon filaments and carbon filaments obtained by the method
US20020054849A1 (en) Crystalline graphite nanofibers and a process for producing same
JPH03174018A (ja) 炭素フィブリル、その製造方法及び該炭素フィブリルを含有する組成物
JPS63503555A (ja) 新規な炭素フイブリル
WO2006091277A2 (en) Methods for growing long carbon single-walled nanotubes
Michalkiewicz et al. Diameter-controlled carbon nanotubes and hydrogen production
JP2004149954A (ja) 金属/金属化合物被覆カーボンナノファイバー及びその製造方法
JP5364904B2 (ja) カーボンナノファイバー集合体の製造方法
CN104357841B (zh) 一种铁族碳化物纳米晶体‑石墨烯纳米带复合材料、制备及其应用
JPH03146716A (ja) 炭素質繊維およびその製造方法
RU2146648C1 (ru) Способ получения углеродных нанотрубок
EP0424922B1 (en) Carbonaceous fibers and production process therefor
JPS5924119B2 (ja) 黒鉛ウイスカ−の製造法
Ratković et al. Synthesis of high-purity carbon nanotubes over alumina and silica supported bimetallic catalysts
JP4048138B2 (ja) コイン積層型ナノグラファイト、その製造方法及びその製造用触媒
Chen et al. Carbon nanotubes grown over Fe− Mo− Mg− O composite catalysts
Shivanna et al. Fe-Ni nanoparticle-catalyzed controlled synthesis of multi-walled carbon nanotubes on CaCO 3
EP1404907A1 (en) Crystalline graphite nanofibers and a process for producing same
JP2007223820A (ja) カーボンナノ構造体の製造方法、触媒金属基材および触媒反応容器
Garzon-Roman et al. Evaluation of synthesis time in the growth of vertical-aligned MWCNTs by spray pyrolysis

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080226

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090226

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090226

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090226

Year of fee payment: 10

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090226

Year of fee payment: 10

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090226

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090226

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090226

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100226

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100226

Year of fee payment: 11