JPH03141945A - 吸収性基材及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、セルロース系スポンジからなる吸収性基材及
びその製造方法に関するものである。

（従来技術及びその問題点） 従来、吸液性にすぐれた基材として、セルロース系スポ
ンジが知られている。このセルロース系スポンジは、セ
ルロース成分を含む溶液（例えばビスコース）に、補強
繊維、結晶芒硝及び補助添加剤を添加し、均一に混合し
、この混合物を所要形状に成形し、得られた成形物を加
熱凝固させた後、酸性水溶液と接触させてセルロースを
再生し、次いで水洗、乾燥することによって製造されて
いる。

このようにして得られるセルロース系スポンジは、その
表面に内部に連通ずる細孔を多数有する網目構造の多孔
質体であり、すぐれた吸液特性を有するものであるが、
その表面及び内部構造は均質のものであるため、その吸
液特性には異方性がない。従って、ＩＦ状に成形された
セルロース系スポンジを例えば生理用ナプキンの吸収体
として用いる場合において、その表面の１個所に液を添
加し、吸収させた時には、縦方向（長手方向への吸液部
には十分な余裕があるにもかかわらず、横方向への吸液
能は飽和し、横方向から液もれが起るという問題を生じ
る。

（発明の課題） 本発明は、セルロース系スポンジからなる吸収性基材に
おいて、その表面に液体を接触させて吸収・拡散させた
時に、その吸収・拡散が特定方向に優勢的に起る製品及
びその製造方法を提供することをその課題とする。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた
結果、セルロース成分、補強繊維及び結晶芒硝を含む混
合成形物の表面に、液の吸収拡散において異方性を示す
繊維材料を貼着させ、この状態において成形物を常法に
より処理してセルロース系スポンジとすることにより、
その繊維材料が表面に一体的に接合し、その表面に接合
した繊維材料に基づく液の吸収・拡散において異方性を
示すスポンジが得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。

すなわち、本発明によれば５セルロース系スポンジから
なる吸収性基材において、該表面に、吸液異方性を示す
繊維材料を一体に接合させたことを特徴とする吸収性基
材が提供される。

また、本発明によれば、セルロース成分、補強繊維及び
結晶芒硝を含む混合物を成形し、得られた成形物の表面
に、吸液異方性を示す繊維材料を貼着させ、この状態で
該成形物を加熱凝固し、酸性水溶液と接触させ、水洗し
、乾燥することを特徴とする吸収性基材の製造方法が提
供される。

本明細書中におけるセルロース系スポンジとは、セルロ
ース骨格を有する材料のスポンジを意味し、このような
ものとしてはセルロース自体からなるスポンジの他、セ
ルロース誘導体、例えば、セルロースエーテル類、セル
ロースエステル類等からなるスポンジあるいはそれらの
混合物からなるスポンジがあり、従来公知の物質である
。

また、明細書中における吸液異方性とは、吸収した液の
拡散が特定方向に優勢的に起る液吸収性を意味する。

本発明において、スポンジ表面に接合させる繊維材料は
、吸液異方性を有するものであればどのようなものでも
使用可能である。このような繊維材料としては１例えば
、レーヨンフィラメント、レーヨン紡績糸、木綿糸、麻
糸、クレープ加工糸等の天然又は合成繊維からなる各種
の糸類や、構成繊維に方向性を有する薄葉紙や不織布等
のシート状物が挙げられる。不織布としては、特に、ス
パンボンド法や湿式法で得られたものが好適である。繊
維材料としては糸類を用いる場合、糸の太さは０．５〜
１０番手が好ましく、またスポンジ表面に貼着させる各
糸の間隔は、３〜２０ｍｍの範囲に規定するのが好まし
い。糸の太さが余りにも細くなると、毛管現象による液
の吸収・拡散効果が不十分となり、一方、余りにも太く
なると、スポンジの物性が大きく変化し、柔軟性や風合
が損われる等の問題がある。また、貼着させる各糸の間
隔が余りにも広くなると、その糸による液吸収・拡散性
の異方性化が不十分となり好ましくない。また、糸間隔
を前記範囲より狭くしても、液吸収・拡散性の異方性化
効果において格別の向上は見られない。

吸液異方性を示す繊維シート状物の厚さは、０．０１〜
３＋ａｍ、好ましくは０．０５〜２１の範囲に規定する
のがよい。尚、スポンジの厚さに関しては吸液拡散性の
面より何ら規定されるものではない。

本発明においては、セルロース系スポンジ製造用原料混
合物として、セルロース成分、補強繊維及び結晶芒硝を
含むものを用いる。

セルロース成分としては、セルロース自体の他、前記し
たセルロース誘導体が用いられる。この場合、セルロー
ス成分は、ビスコース等の溶液中に溶解した状態で存在
する。

補強繊維としては、例えば、ラミー麻、綿、カポック等
の天然繊維や、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、ポリ
プロピレン繊維等の合成繊維が用いられる。これらの繊
維は単独又は混合物の形で用いることができる。

本発明で用いる原料混合物に対しては、さらに。

必要に応じ、着色剤、抗菌剤、改質を目的とする各種補
助添加剤を添加することができる。

本発明のセルロース系スポンジの製造方法は、従来公知
の方法に従って実施することができる。

例えば、ビスコースをセルロース原料として用いる場合
の製造例を示すと、先ずセルロースをアルカリによりア
ルカリセルロースとなした後、二硫化炭素により硫化し
てセルロースザンテートを作り、これを水酸化ナトリウ
ム溶液に溶解してビスコースを得る。次に、このビスコ
ースに対して、結晶芒硝、補強繊維及び必要に応じての
補助添加剤を混合し、得られた混合物を所要形状に成形
し。

この成形物の表面に、前記した吸液異方性繊維材料を貼
着させ、この状態において加熱凝固させた後、酸性水溶
液と接触させて、セルロースを再生し、次いで、水洗、
乾燥する。このようにして所望のスポンジを得ることが
できる。ビスコース混合物の成形は、成形缶や押出機を
用いて行うことができる。

前記ビスコース混合物を凝固させるための加熱温度は、
８５〜９５℃の温度が一般に採用され、その処理時間は
約２時間程度である。この場合、加熱処理時間を短縮す
るために、ビスコース混合物の加熱処理に際し、あらか
じめ硫酸又は硫酸／硫酸亜鉛処理することもできる。ビ
スコースに添加する補強繊維の量は、スポンジ中の含有
量が７０重量ダ以下、好ましくは１０〜５０重量２とな
るような量である。即ち、ビスコース中のセルロースと
補強繊維との合計量に対し、７０重量２以下、好ましく
は１０〜５０重量２となる量である。また、ビスコース
に添加する結晶芒硝の平均粒径は、一般には、０．５〜
５Ｉであり、その添加量は、目的とするスポンジの密度
に応じて適宜法める。その添加割合が多ければ、スポン
ジの密度は低下し、柔軟性は向上するが強度は低下する
。一方、その添加割合が少なければ、スポンジの密度は
高くなり、強度は大きくなるが、柔軟性が低下する。一
般には、ビスコース中のセルロースと補助成分との合計
量に対し、２０〜８０倍重量である。ビスコースに添加
した結晶芒晶は、後続の再生工程や、水洗工程でスポン
ジから溶出除去される。

本発明においては、前記したように、セルロース成分、
補強繊維及び結晶芒硝を含む混合物の成形物の表面に対
し、吸液異方性を有する繊維材料を貼着させるが、この
繊維材料の貼着は、成形物が溶解したセルロース成分を
含み１表面粘着性を有することから、容易に行うことが
できる。繊維材料を貼着させる成形物表面は、成形物の
上面及び／又は下面であることができ、成形物表面の一
部のみであることもできる。そして、成形物表面に貼着
させた繊維材料は、凝固工程及び酸性水溶液との接触工
程を経た後には、セルロースを介してスポンジ表面に一
体的に接合されたものとなる。

本発明によるセルローススポンジは、必要に応じて圧縮
体として用いることができる。圧縮体とすることにより
、コンパクト化された製品として用いることができる６ （発明の効果） 本発明のセルロース系スポンジからなる吸収性基材は、
その表面に吸液異方性を示す繊維材料が貼着されている
ことを特徴とするもので、その繊維材料を貼着させた表
面に液を接触させた時に、その繊維材料に基づく吸液異
方性により、特定方向への液の吸収・拡散を優勢的に生
起させることができる。例えば、繊維材料として糸類を
貼着させたものでは、糸の長さ方向への液の吸収・拡散
が優勢的に起り、また構成繊維に方向性のある紙や不織
布を貼着させたものでは、その繊維の方向と同じ方向へ
の液の吸収・拡散が優勢的に起る。

本発明の吸収性基材は、その液吸収・拡散の方向を、吸
収基材の形状に応じて適当な方向に調節することにより
、効率的な吸液性能を持つ製品とすることができる。例
えば、吸収性基材が帯状である場合には、その縦方向（
長手方向）への液の吸収・拡散が優勢的に起るように繊
維材料を貼着させることにより、横方向からの液もれの
防止された吸液能の高い製品を得ることができる。すな
わち、このような製品では、その表面の１個所から液体
を吸収させた時、縦方向へ液の吸収・拡散が迅速に起り
、横方向への液の吸収拡散はそれより遅い速度で起る。

その結果、最終的には、製品の縦方向に優先的に吸収さ
れることになり、横方向からの液もれを生じることなく
、全体的に効率のよい液吸収を達成させることができる
。

本発明の吸収性基材は、前記のような吸液異方性を利用
して、各種の分野、特に生理用ナプキンや使い捨ておむ
つ等の衛生材料の分野において有利に用いられる。

（実施例） 次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。

実施例 セルロース９重量２及びアルカリ５重量１を含むビスコ
ース７７８部に対し、補強繊維として長さｌｏｎ＋ｍの
ラミー麻３０部を加え、さらに、結晶芒硝（平均粒径：
２０１！１１）をビスコース中のセルロースと補強繊維
の合計量（スポンジ構成成分）に対し、３０倍重量にな
るように添加混合した。このビスコース混合物を縦：　
２５０＋＋＋ｍ、横：１５０ｍｍ、高さ：　５ａ＋ｍの
シート状に底形し、このシート状成形物の表面に表−１
に示した糸を間隔を変えて貼着し、これを、９０℃で２
時間熱処理した後、４ｚ硫酸中に浸漬してセルロースを
再生し、水洗後、乾燥してセルローススポンジを得た６ 前記のようにして得たセルローススポンジの性能評価を
行ない、その結果を表−１に示す。

なお、表−１に示した糸の内容は次の通りである。

レーヨン糸・・・太さｌデニールのレーヨンフィラメン
ト糸を１０００本よったより余 水　綿　糸・・・ＩＯ番手のより糸 レーヨン紡績糸・・・１０番手の紡績糸また、表−１に
示したスポンジの性能評価法は次の通りである。

（１）風合い（柔軟性） 女性５名の官能テストにより３段階で評価した。

０・・・良好 Δ・・・普通 Ｘ・・・不良 （２）吸液異方性 縦：１１００ｔ、横：１００ｎｕ＋、厚さ＝０．８ｗａ
ｌＩの試験片（乾燥スポンジシートを約１／８の厚さに
圧縮したもの）の中心部に、試験液（０１ｇ％の液化ナ
トリウム水溶液を微量の色素で着色したもの）０．１−
を滴下し、その飽和拡散後の縦方向及び横方向への液拡
散距離を測定した。この場合、縦方向とは貼着した糸の
長手方向を意味し、横方向とはそれと直交する方向を意
味する。

（３）吸液速度 前記項目（２）で示した試験片を用い、糸を貼着した面
を下にし、その下面から前記項目（２）で示した試験液
を接触させ、試験片が毛管現象により吸液する速度（−
７分）を測定した。

実施例２ 実施例１において、繊維材料として、糸の代りに薄葉紙
及び不織布を用いた以外は同様にして実験を行って、薄
葉紙及び不織布をその液吸収・拡散方向が縦方向になる
ようにそれぞれ表面に貼着させたセルローススポンジを
得た。これらのスポンジの性能評価を実施例１と同様に
して行ない、その結果を表−２に示す。

なお、この実験において用いた薄葉紙は、太さ５デニー
ルのレーヨン繊維を用いて、湿式法により製造された坪
量２５ｇ／ｒ＆のもので、その繊維方向への吸液異方性
を有するものであった。また、不織布は、太さ５ゾール
のポリプロピレン繊維を用いて、スパンボンド法により
製造された坪量３０ｇ／ボのもので、その繊維方向への
吸液異方性を有するものであった。

表−２ 実施例３ 実施例１の試料Ｎα１のスポンジを、その厚さが約１７
８になるように圧縮して得た圧縮体シートを吸収体とし
て用い、その上面（糸を貼着した面）にパルプを２００
ｇ／ｒｒｒの坪量で積層し、この積層体を表面部を除い
て防漏シート（ポリエチレンフィルム）で包み、全体を
不織布で包装して、生理用ナプキンを作製した。この場
合、圧縮体シートの上面の糸の流れ方向をナプキンの縦
方向と一致させた。

この生理用ナプキンの吸液特性を以下のようにして評価
し、その結果を表−３に示す。

また、比較のために、吸収体として糸の貼着のない通常
のセルローススポンジを用いて同様にしてナプキンを作
製し、その吸液特性を評価した。

その結果を表−３にあわせて示す。

（ナプキンの吸液特性） 微量の色素で着色した生理食塩水１０１ＩＩ２を、８ｇ
／ｄの荷重下で円筒状の容器を介してナプキンの表面部
に供給し、液が完全にナプキンに吸込まれるまでの時間
（吸液時間）と、吸液１０分後の液の拡散状態（拡散面
積）を測定した。

表−３ 特許出願 ライオン株式会社

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）セルロース系スポンジからなる吸収性基材におい
   て、該表面に、吸液異方性を示す繊維材料を一体に接合
   させたことを特徴とする吸収性基材。
2. （２）該繊維材料が天然又は合成繊維からなる糸である
   請求項１の吸収性基材。
3. （３）該繊維材料が薄葉紙又は不織布である請求項１の
   吸収性基材。
4. （４）セルロース成分、補強繊維及び結晶芒硝を含む混
   合物を成形し、得られた成形物の表面に、吸液異方性を
   示す繊維材料を貼着させ、この状態で該成形物を加熱凝
   固し、酸性水溶液と接触させ、水洗し、乾燥することを
   特徴とする吸収性基材の製造方法。