JPH0314075Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は電子回路基板の実装作業に使用する電
子部品挿入装置に関する。

(ロ) 従来の技術 回路基板の実装作業は近年きわめて自動化が進
み、多種多様な電子部品が自動挿入の対象となつ
ている。自動挿入装置において従来から主流をな
しているのは、特公昭57−42238号公報に記載さ
れたような、基板をＸ−Ｙテーブルで動かし、挿
入ヘツドは移動しない形式のものである。この型
式の挿入装置は、一般的なアキシヤルリードタイ
プ又はラジアルリードタイプの部品を高速で大量
に打ち込むのに適する。ところで最近では、１枚
の基板に１個か２個しか搭載しないような部品ま
で自動挿入の対象にしている。このような小量の
挿入作業を前述した高速型挿入装置で行わせるの
は不経済なので、産業用ロボツトを使用した比較
的簡易な挿入装置が開発された。特開昭57−
199300号公報や特開昭58−200600号公報に記載さ
れたものがその例である。この型式の挿入装置
は、簡単に言えば、ＸとＹの２軸を有する直角座
標型ロボツトのアームに、電子部品のピツクアツ
プ及び基板への挿入を行う挿入ヘツドと、基板下
面で部品リードのクリンチを行うアンビルヘツド
とを装着したものであり、基板は動かさず、挿入
ヘツド及びアンビルヘツドの方を動かして挿入作
業を行う。挿入ヘツドとアンビルヘツドは、垂直
（Ｚ軸）方向に関して常に整列した位置にある。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 上述の小数部品用挿入装置は、部品供給部の方
へロボツトのアームを差しのべて部品をピツクア
ツプする。ところで挿入ヘツドの下には常にアン
ビルヘツドが位置しているので、部品供給部は両
ヘツドの間に入り込める厚味のものでなければな
らない。しかしながらこのように部品供給部の厚
味が制限されることは、大型で背の高い部品を供
給しようとする時、非常な障害になる。本考案は
この問題の解決を目指してなされたものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案では、水平面内で直線的に移動するスラ
イドベースに、その移動方向と直角且つ水平に移
動できるよう、上部アーム及び下部アームを支持
させる。上部アームは先端に挿入ヘツドを支持
し、下部アームは先端に、回路基板から突出した
部品リードに抜止め処理を施す固定ヘツドを支持
する。上部アーム及び下部アームはスライドベー
スに対し、送りねじにより互に独立して移動せし
められる。

(ホ) 作用 上記構成により、挿入ヘツドと固定ヘツドとは
互に独立して移動することが可能になる。このた
め、部品のピツクアツプ時には挿入ヘツドのみ部
品供給部の上に移動させれば良いことになる。

(ヘ) 実施例 図において、１は紙面と直角方向（水平方向）
に延びるベース、２はベース１上の１対のレール
３に摺動自在に支持されたスライドベース、４は
スライドベース２をレール３に沿い紙面と直角方
向（これをＸ軸方向とする）に直線移動させる送
りねじである。５，６はスライドベース２に、そ
の移動方向と直角且つ水平（これをＹ軸方向とす
る）に移動できるよう支持された上部アーム及び
下部アームである。上部アーム５は、スライドベ
ース２を貫通するビーム７と、ビーム７の先端及
び後端に固定された端板８，９と、端板８，９の
間に支持された送りねじ１０により構成される。
下部アーム６は、スライドベース２を貫通するビ
ーム１１と、ビーム１１の先端及び後端に固定さ
れた端板１２，１３と、端板１２，１３の間に支
持された送りねじ１４により構成される。送りね
じ１０はスライドベース２に固定したナツト部１
５の中を通り、端板９に固定した電動機１６によ
り回転せしめられて、上部アーム５にＹ軸方向の
動きを与える。送りねじ１４はスライドベース２
に固定したナツト部１７の中を通り、端板１３に
固定した電動機１８により回転せしめられて、下
部アーム６にＹ軸方向の動きを与える。上部アー
ム５と下部アーム６は、Ｘ軸方向の位置関係にお
いては、上下に整列している。

端板８は挿入ヘツド１９を支持し、端板１２は
固定ヘツド２０を支持する。挿入ヘツド１９は内
蔵したエアシリンダにより部品挿入チヤツク２１
を上下させて電子部品２２のピツクアンドブレー
スを行う。２３は電子部品２２を装着すべき回路
基板で、挿入ヘツド１９と固定ヘツド２０に挟ま
れる如く１対のレール２４に支持されている。固
定ヘツド２０は内蔵したエアシリンダで上下する
クリンチレバー２５を有する。クリンチレバー２
５は、基板２３の下面に突出した部品リード２６
を曲げることにより部品２２の抜止め処理を行
う。２７は部品供給部で、上下方向の厚味が挿入
ヘツド１９と固定ヘツド２０の間に生じる隙間よ
り大きい。

上記装置は次のように動作する。まず、部品供
給部２７から電子部品２２をピツクアツプするの
であるが、この時には、第１図のように上部アー
ム５のみ部品供給部２７の上に差しのべてピツク
アツプを行う。部品２２をピツクアツプし終つた
ら、挿入ヘツド１９及び固定ヘツド２０を基板２
３の所定の位置に対向させ、第２図のように部品
２２の挿入、及びリード２６のクリンチを行う。

(ト) 考案の効果 本考案の構成によれば、挿入ヘツドを部品供給
部に接近させる時、固定ヘツドの方は部品供給部
から遠ざけておけるから、大型部品を供給するた
めの厚味のある部品供給部を組み合わせることが
でき、取り扱い可能な部品の範囲が大きく拡がる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示す断
面図にして各々異なる動作状態のものである。 ２……スライドベース、５……上部アーム、６
……下部アーム、１０，１４……送りねじ、１９
……挿入ヘツド、２０……固定ヘツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 水平面内で直線的に移動するスライドベース
   と、前記スライドベースに、その移動方向と直
   角、且つ水平に移動できるよう支持された上部ア
   ーム及び下部アームと、 前記上部アーム及び下部アームを、スライドベ
   ースに対し、互に独立して移動させる送りねじ
   と、 前記上部アームの先端に支持された挿入ヘツド
   と、 前記下部アームの先端に支持され、回路基板下
   面に突出した部品リードに抜止め処理を施す固定
   ヘツドとを備えた電子部品挿入装置。