JPH0313645Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術部分野〕 この考案は、４サイクルエンジのカムチエンテ
ンシヨナーの改良に関する。

〔考案の技術的背景と問題点〕

４サイクルエンジでは、第５図および第６図に
示すように、クランクツケースＡに軸架したクラ
ンクシヤフトＢのスプロケツトＣと、シリンダー
ヘツドＤに軸架したカムシヤフトＥのスプロケツ
トＦにチエンＧを巻掛けて連動させ、カムシヤフ
トＥの回転で、吸排気弁を開閉するようにしてい
る。チエンＧは、弛みがでると騒音を発生するの
で、チエンＧの外側一側には、テンシヨナー帯Ｈ
を常にチエンＧに押付けて、チエンＧを適切に張
つた状態に保つている。ところが、押圧ロツドＪ
を収容したロツドケースＫが、シリンダーブロツ
クＬの外側に突出することになり、他の部品との
関係で、邪魔になるとがある。又、シリンダーブ
ロツクＬの寸法も大きくなつて不都合である。

〔考案の目的〕

この考案は、かかる点に鑑み、カムチエンテン
シヨナーの押圧ロツドをシリンダーブロツクの内
部に装着し、シリンダーブロツクの寸法を小形化
できるとともに、突出物がなくて体裁もよい４サ
イクルエンジのカムチエンテンシヨナーを得るこ
とを目的とする。

〔考案の構成〕

以下、本考案を第１図乃至第４図ａ，ｂ，a′，
b′に示す実施例似ついて説明する。

クランクツケース１に軸架したクランクシヤフ
ト２のスプロケツト３と、シリンダーヘツド４に
軸架したカムシヤフト５のスプロケツト６にチエ
ン７を巻掛けて連動させ、カムシヤフト５の回転
によつて、吸排気弁を開閉するようになつてい
る。

テンシヨナー帯８は、その一端がシリンダーヘ
ツド４に枢着部１７により枢着され、外側一側に
添わせて設けられている。このテンシヨナー帯８
の自由端１８に近接する部分には、枢着部１７の
方向から自由端１８の方向に向かつて除々に上記
テンシヨナー帯側に傾斜した傾斜部９を有する受
圧板１０が取着してある。この受圧板１０の傾斜
部９は左右のチエン７の間に入るように位置させ
てある。シリンダーブロツク１１には、チエン室
１２に通じる窓孔１３を設け、ロツドケース１４
が挿入して締着されている。ロツドケース１４
は、左右のチエン７の間に位置し、押圧ロツド１
５をバネ１６で下方に押圧するように挿入してあ
り、押圧ロツド１５は受圧板１０の傾斜部９に当
てられて、傾斜部９をテンシヨナー帯８の枢着部
方向から自由端方向に向かつて下方に押して、前
記テンシヨナー帯８をその枢着部１７を中心とし
てチエン７に付勢し、チエン７の外側に押付けて
いる。

したがつて、押圧ロツド１５がバネ１６の力に
より、受圧板１０の傾斜部９を常に付勢し、この
受圧板１０を介してテンシヨナー帯８がその枢着
部１７を枢軸としてチエン７側に圧接され、チエ
ン７が適切に張つた状態に保持されている。尚、
押圧ロツド１５はラチエツトによつて、戻り方向
には動けないようにしてある。

第３図は、上記テンシヨナー帯８の作動状態を
示す図であつて、チエン７に弛が生ずると、押圧
ロツド１５がバネ１６の力で下方に押し出され、
その押圧ロツド１５の下方への移動によつて、受
圧板０には傾斜部９を介して図においては右方向
の力が作用する。しかし、上記受圧板１０が装着
されているテンシヨナー帯８の上端が枢着部１７
で枢着してあるので、上記押圧ロツド１５の押圧
力によつて受圧板１０は、図の実線位置から一点
鎖線および点線位置へと順次傾きながら右方に移
動し、テンシヨナー帯８を常にチエン７に圧接
し、そのテンシヨナー帯８の圧接力によつて常に
チエン７は緊張状態に保持される。

ところで、押圧ロツド１５の受圧板１０への押
圧力は、押圧ロツド１５の移動に応じてバネ１６
の力が弱まるために小さくなるが、押圧ロツド１
５の下降に応じて前述のように受圧板１０が図に
おいて反時計方向に傾動し、押圧ロツド１５と受
圧板１０の傾斜部９とのなす角が小さくなるの
で、上記押圧ロツド１５による押圧力の受圧板１
０に対する垂直抗力が増大し、押圧ロツド１５の
移動量に関係なく、常に略一定の力がテンシヨナ
ー帯８に加わり、チエン７が一定の張力に保たれ
る。

すなわち、第４図ａは、受圧板１０の傾斜部９
に押圧ロツド１５がバネ１６による所定の力によ
つて押圧されている初期状態を示す図であり、こ
の場合は第４図ｂに示すように上記バネ力により
傾斜部９に加わる押圧ロツド１５の軸線方向の力
がfoの場合、受圧板１０にはｆの垂直抗力が作用
する。

そこで、チエン７が弛み押圧ロツド１５が突出
され、前述のように受圧板１０が第４図a′のよう
に傾動すると、押圧ロツド１５と傾斜部９とのな
す角がαからβに減少するので、前記押圧ロツド
１５による軸方向の力がfoからfo′に減少しても、
なお、受圧板１０に加わる垂直抗力はｆの大きさ
が保持され、テンシヨナー帯８によるチエン７の
緊張力は一定の張力に保持される。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案はクランクシヤ
フトとカムシヤフトをチエンで連動させるものに
おいて、一端を枢着したテンシヨナー帯を前記チ
エンの外側一側に添えて設け、このテンシヨナー
帯の自由端にはこのテンシヨナー帯の枢着部方向
から自由端に向かつて除々にテンシヨナー帯側に
傾斜する傾斜部を有する受圧板を前記チエンの間
に位置するように突設し、前記チエンの間に前記
テンシヨナー帯の枢着部方向から自由端に向かつ
て前記受圧板の傾斜部を弾圧する押圧ロツドを配
設したので、押圧ロツドおよびロツドケース等が
シリンダーブロツクから突出することがなく小型
にできるとともに押圧ロツドが受圧板の傾斜部を
押圧中に、押圧ロツドのバネが延びても、傾斜部
に作用する垂直抗力が常に一定に保持され、テン
シヨナー帯によるチエンへの押圧力が一定とな
り、チエンを常に一定の緊張状態に保持すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図ａ，ｂ，a′，b′は、本考案の
一実施例を示し、第１図は縦断側面図、第２図は
横断平面図、第３図および第４図ａ，ｂ，a′，
b′は、作用を説明する説明図、第５図および第６
図は従来例を示し、第５図は横断平面図、第６図
は縦断側面図である。 １……クランクケース、２……クランクシヤフ
ト、３，６……スプロケツト、４……シリンダー
ヘツド、５……カムシヤフト、７……チエン、８
……テンシヨナー帯、９……傾斜部、１０……受
圧板、１１……シリンダーブロツク、１２……チ
エン室、１３……窓孔、１４……ロツドケース、
１５……押圧ロツド、１６……バネ、１７……枢
着部、１８……自由端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランクシヤフトとカムシヤフトをチエンで連
   動させるものにおいて、一端を枢着したテンシヨ
   ナー帯を前記チエンの外側一側に添えて設け、こ
   のテンシヨナー帯の自由端にはこのテンシヨナー
   帯の枢着部方向から自由端に向かつて除々にテン
   シヨナー帯側に傾斜する傾斜部を有する受圧板を
   前記チエンの間に位置するように突設し、前記チ
   エンの間に前記テンシヨナー帯の枢着部方向から
   自由端に向かつて前記受圧板の傾斜部を弾圧する
   押圧ロツドを配設したことを特徴とする４サイク
   ルエンジのカムチエンテンシヨナー。