JPH0311065B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガスを充填した容器と、この容器内
に管状絶縁体によつて間隔をおいて対向配置され
た段付き円錐台形状の銅電極とを備えた避雷器に
関する。

〔従来の技術〕

ガスの充填した容器と、この容器内に管状絶縁
体によつて間隔をおいて対向配置された段付き円
錐台状の銅電極とを備えた避雷器は公知である
（特開昭51−13941号公報）。この公知の避雷器に
おいては、電極との電気接触は押圧力でもつて行
われる。また円錐台状に形成され、且つ実効表面
の範囲を管状絶縁体への移行範囲における円錐台
状側壁よりも厚壁に形成されている電極を備えた
避雷器も公知である。その電極はニツケル−鉄−
コバルト合金からなり、電極の外側には電気導体
がろう接され、その電極の実効表面の範囲に活性
化物を保持するための平らなすじが設けられてい
る（特公昭49−6622号公報）。

さらに銅からなるどつしりとした電極を有する
排気口付きの避雷器が知られている（米国特許第
3454811号明細書）。

ガスを充電された容器を有する避雷器はパワー
容量が大きく長寿命でなければならない。したが
つて交流電流耐力およびサージ電流耐力と並んで
高い開閉寿命特性もますます尊重されてきてい
る。開閉寿命試験は、例えば10/50μsの10kAの通
常のサージ電流試験に比べると長い時間と小さな
電流の強さ（例えば10/1000μsの500A波）を有す
るパルス状サージ電流により行われる。その場合
に避雷器がその機能を失わない、すなわち応答直
流電圧および絶縁が所定値以上変化しない平均的
な達成可能な開閉回数が評価される。なお、ここ
で電流パルスの特性を表わす数値10/50μs、10/10
００μsの前の方の数値10は電流パルスの振幅が最大
値に達するまでの時間、後の方の数値50、1000は
振幅が最大値の半分に減少するまでの時間を意味
する。

要求される電気的特性の全体は主として電極の
大きさ、材料、電極活性化物、ガスの種類および
ガス圧によつて決まる。公知のガス放電避雷器に
使用されている電極材料はもつぱら鉄−ニツケル
−コバルト合金であり、これは膨張係数が絶縁体
のセラミツクに合つている。この種の電極には銅
接続線を再現性よく確実に溶接することができ
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の目的は、冒頭に記述した避雷器におい
て、良好な電流負担容量、高い寿命、良好な交流
電流負担容量を有し、低い衝撃放電電圧と高い消
弧電圧を保証するために活性化物の使用を可能に
する小形のガス充填式避雷器を得ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するための本発明においては、
銅電極の底部の壁厚は管状絶縁体への移行範囲に
設けられた円錐台状部分の側壁の壁厚より厚く形
成され、銅電極はその実効表面と反対側の外面に
銅電極と一体に形成された径の大きい円柱状の電
気接続端子を備えるものである。

銅電極は押出成形又はエンボシングにより作る
ことができる。銅電極の実効表面に、内部に電極
活性化物を係留する深いすじ又は同心のリングを
設けると有利である。

電極活性化物としてはアルミニウム粉末および
酸化マグネシウムを用いることができ、その粒径
は１〜50μｍが好ましい。電極活性化物を係留す
るすじ又は同心のリングの深さはほぼ0.25mmとす
るのが好ましく、電極表面の活性化層をこのよう
に深く係留することによつて多量の活性化物が電
極表面に確実に保持され、このように深く係留す
ることは実用上電極材料として銅を使用する場合
にのみ可能である。

〔作用〕

本発明においては、電極を銅で形成し、その底
部すなわち放電に関与する部分を厚くし、かつ外
部に対する電気接続端子を電極と一体にするとと
もに径の大きい円柱状としてあるから、電極全体
の熱容量が大となり、避雷器に発生する熱は良好
に外部に導出される。

〔実施例〕

以下図面に示す実施例を参照しながら本発明を
さらに詳細に説明する。これらの図において、互
いに対応する部分は同一の符号を付されている。

第１図に示されている避雷器は、例えばセラミ
ツク製の管状絶縁体９を有し、この管状絶縁体９
の両端面には銅電極１，２が気密にはめ込まれ、
管状絶縁体９と両銅電極１，２とで密封容器を形
成し、その内部にはガスが充填されている。充填
ガスとしては特に稀ガスが用いられるが、例えば
窒素を使用してもよい。銅電極１，２はその相対
向する円柱状の底部１５，１６と、管状絶縁体９
と結合される端部１７，１８への移行範囲に形成
された円錐台状部分１９，２０とを有し、この円
錐台状部分１９，２０の側壁は、電極１，２の底
部１５，１６よりも薄く形成されている。電極
１，２の底部１５，１６と反対側には、径の大き
い円柱状の外部接続端子３，４が電極と同じ銅材
料により一体形成されている。電極１，２の実効
表面側にはアルミニウム粉末および酸化マグネシ
ウムからなる電極活性化物６を係留するための深
いすじ又は同心のリング５が設けられている。約
0.25mmの深さのみぞによつて活性化物の特別に良
い付着を保証する深い凹部が得られる。避雷器の
応答サージ電圧をさらに低減するには、絶縁体９
の内壁に１つ又はそれ以上の例えばカーボンのよ
うな導電材料からなる線いわゆる点弧線１０を設
けるのが望ましい。この実施例では絶縁体９は両
端面にへこんだ段部を有し、これを越えて銅電極
１，２の外側が突き出さないようになつているの
で、避雷器を金属管フレーム内に組み込む場合に
図示されていないこのフレームと銅電極１，２と
の間に絶縁区間が生じる。

第２図には二区間式の避雷器が示され、第１図
と同等部分には同符号が付してある。この場合管
状絶縁体９はその中間において銅製環状電極１１
によつて分割され、この電極１１は銅電極１，２
と共に２つの放電区間を形成する。両電極１，２
と同様に中間の銅製環状電極１１はその実効表面
に深いすじ又は同心のリング５を設けられ、それ
らの中に粉末マグネシウムおよび酸化マグネシウ
ムからなる電極活性化物が係留されている。銅電
極１，２は第１図の場合と同様に、相対向する円
柱状の底部１５，１６と管状絶縁体９と結合され
る端部１７，１８への移行範囲に形成された円錐
台状部分１９，２０とを有し、この円錐台状の部
分１９，２０の側壁の厚さは底部１５，１６より
も薄くなつている。さらに両電極１，２は実効表
面と反対側の外面にプレス成形により電極１，２
と一体に形成された径の大きい円柱状の電気接続
端子３，４を有し、これらの端子の寸法はそれに
溶接される外部接続線１３，１４よりも太くして
ある。この構造によつて溶接中接続線に伝わる熱
が小さくなり接続線の熱による損傷を防止するこ
とができる。プレス成形された円柱状の接続端子
３，４は溶接すべき接続線１３，１４のほぼ1.5
倍の太さを有するのが有利である。この電極構造
は二区間式避雷器に限定されず、一区間式避雷器
の場合にも有利に使用できる。なお電極１，２の
電気接続端子３，４と外部接続線１３，１４との
固定接続は、銅電極１，２を粉末冶金で作り、電
気接続端子３，４の外部接続線１３，１４との溶
接個所７の領域によく溶接できる材料、特に鉄又
はニツケルを含ませることによつて有利に実施す
ることができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、両電極が銅材料で形成され、
しかも径の大きい円柱状の電気接続端子と一体に
形成されているから、電極の熱容量は極めて大と
なり、避雷器の動作時の熱伝達特性が改善され、
したがつて負荷耐量も高められるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ本発明の異なる
実施例の断面図である。 １，２……銅電極、３，４……電気接続端子、
５……深いすじ又は同心のリング、６……電極活
性化物、９……管状絶縁体、１５，１６……銅電
極の底部、１９，２０……銅電極の円錐台状部
分。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガスを充填した容器と、この容器内に管状絶
   縁体によつて間隔をおいて対向配置された銅電極
   とを備えた避雷器において、前記銅電極１，２の
   底部１５，１６の壁厚は管状絶縁体９への移行範
   囲に設けられた円錐台状部分１９，２０の側壁の
   壁厚より厚く形成され、銅電極１，２はその実効
   表面と反対側の外面に銅電極１，２と一体に形成
   された径の大きい円柱状の電気接続端子３，４を
   備えていることを特徴とする避雷器。 ２ 銅電極１，２は押出成形又はエンボシングに
   より作られていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の避雷器。 ３ 銅電極１，２の実効表面に、内部に電極活性
   化物６を係留する深いすじ又は同心のリング５が
   設けられていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項または第２項記載の避雷器。 ４ 電極活性化物がアルミニウム粉末および酸化
   マグネシウムからなることを特徴とする特許請求
   の範囲第３項記載の避雷器。