JPH0310902Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、食料抽出・調合装置に使用される使
い捨て過器カートリツジに関し、特に、水（温
水又は冷水）を注いで飲料を作るための挽きコー
ヒーや他の微粒子状物を収納するようにした使い
捨てカートリツジに関する。

従来技術 この種の使い捨てカートリツジは、例えばドイ
ツ特許明細書No.1196131号に示されている。また、
この種の他のプラスチツク製カートリツジがヨー
ロツパ特許第41931号に示されている。

周知のカートリツジは、平坦でかつ円形の中空
ボデーにより構成されており、この中空ボデーは
無孔側壁と有孔端壁とを有している。各有孔端壁
は多くの小孔または格子状構造を有している。

一方の端壁は入り口端壁であつて、その周辺部
分が飲料抽出・調合装置の給水部材に密封状態で
係合するようになつている。そして、その飲料抽
出・調合装置からは一定圧の水が入り口端壁に流
し込まれてこの入り口端壁を通つてカートリツジ
内に入り込むようになつている。

他方の端壁は出口端壁であつて、上記飲料抽
出・調合装置の排出部材に係合するようになつて
いる。カートリツジよりその出口端壁を通つて流
れ出る飲料はこの排出部材を通して調合される。

周知のカートリツジは次のような欠点を有して
いる。すなわち、一定圧の水が入り口端壁に形成
された多くの開口または孔を通つてカートリツジ
内に急速に入り込むとき、この水は、反対側の出
口端壁に向かうジエツト水流となる。このジエツ
ト水流は挽きコーヒーなどの微粒状物内に優先的
通路を形成することになる。そうすれば、ジエツ
ト水流はこの優先的通路を通つて反対側の出口端
壁に至り、この通路の周囲に存在する微粒状物に
接することなく反対側の出口端壁に至ることにな
る。こうなると、飲料の味が薄すぎるという問題
がある。

周知のカートリツジの今１つの欠点は次のこと
である。すなわち、出口端壁内の開口または孔を
通つて飲料が流れるとき、出口端壁の多くの部分
から流れ出る飲料は、放出される前に十分混ざり
合わず、従つて、これによりできる飲料の品質が
一定しないと言う問題がある。

考案の開示 本考案は、水は注いで飲料を作るための挽きコ
ーヒーやその他の微粒状物を収納するようにした
使い捨て漉し器カートリツジに関する。上記カー
トリツジは硬質プラスチツクにより構成された中
空ボデーより構成されていて、この中空ボデー
は、平らでかつ丸い形状を有するとともに無孔側
壁と相対する端壁とを備えている。一方の端壁は
水を受け入れるための入り口端壁であつてかつ滑
らかな外面と内面とを有している。この内面には
互いに接近した多くのデインプルが形成されてお
り、このデインプルは格子状に配列されている。
各デインプルは滑らかな外面に形成されたピンホ
ールから末広がりに広がる錐台形状を有する。他
方の端壁は飲料を排出するための出口端壁であつ
て滑らかな内面と外面とを有している。その外面
には互いに接近した多くのデインプルを有し、こ
れらのデインプルは格子状に配列されている。各
デインプルは滑らかな内面に形成されたピンホー
ルから末広がりに広がる錐台形状を有し、上記出
口端壁は、軸方向に突出した環状リムにより囲ま
れている。

本考案のカートリツジによれば、カートリツジ
内に収納された物質中に均一に水を流すことがで
きるとともに、カートリツジから排出される飲料
の品質をより均一にすることができる。

実施例 以下に、図面に例示した実施例について詳細に
説明する。

この使い捨てカートリツジは中空ボデー１０、
すなわち、容器、を備えている。この中空ボデー
１０は大略筒状の平らな円形形状をなしている。
また、この中空ボデー１０は、温水または冷水を
適宜注ぐにことにより一杯の飲料を作るだけの粒
状または粉状の微粒状物や、一回分のコーヒーを
収納するようになつている。しかしながら、この
中空ボデー１０は２杯分以上の飲料を同時に作る
だけの量の物質を収納するようにすることもでき
る。

上記中空ボデー１０はカツプ部１２と、蓋部１
４とを備えている。これらの部分１２，１４は共
に、食品に利用するに適した硬質プラスチツクに
より安く作ることができる。

カツプ部１２は略筒状の無孔側壁１６を備えて
いる。この側壁１６は中空ボデー１０の側壁を構
成している。また、このカツプ部１２は端壁すな
わち底壁１８を備えている。この底壁１８は中空
ボデー１０の出口端壁を構成している。底壁１８
は、軸心方向に突出した環状リム２０により縁取
られている。この環状リム２０の機能については
後述する。

蓋部１４は円形端壁３０を有している。この端
壁３０は中空ボデー１０の入り口端壁を構成して
いる。端壁３０の外面は周囲の環状フランジ３２
により縁取られている。この環状フランジ３２は
***した環状部分すなわたリブ３４を有してい
る。このリブ３４の目的については後述する。蓋
部１４は、また、これと一体に形成された周囲を
囲むスカート部３６を備えている。そのスカート
部３６はカツプ部１２の側壁１６内にスナツプア
クシヨンでかつ密封状態で嵌合するようになつて
いる。

蓋部１４の環状フランジ３２は、カツプ部１２
の側壁１６の上部エツジで一体的に形成された環
状フランジ３８の上に丁度乗るようになつてい
る。

入り口端壁３０と出口端壁１８は、共に、一体
形成されたリブ４０，４２によつて補強されてい
る。入り口端壁３０のリブ４０はその内面すなわ
ち下面に備えられている。また、出口端壁１８の
リブ４２はその外面すなわち下面に備えられてい
る。

上記入り口端壁３０は滑らかな上面すなわち外
面４４を備えている。リブ４０間の領域におい
て、入り口端壁３０の下面すなわち内面には、互
いに接近して形成された多くのデインプル４６を
備えている。このデインプル４６は射出成形によ
り形成される。デインプル４６は格子状に配列さ
れている。各デインプル４６は、滑らかな外面４
４に形成されたピンホール４８から末広がりに広
がつた錐台形状をしている。好ましくは、図に示
すように、各デインプル４６は、方形ベースを有
するピラミツド型の錐台形状とすると共に、ピン
ホール４８を方形とする。このようにすれば、格
子状は、２次元的に網状格子として形成される。
この網状格子には、隣合うデインプル４６間にデ
ツドスペースが形成されることがない。

出口端壁１８の構造は入り口端壁３０の構造と
類似している。出口端壁１８は滑らかな上面すな
わち内面５０を有している。リブ４２間の領域に
おいて、出口端壁の下面すなわち外面には、互い
に接近して形成された多くのデインプル５２を備
えており、このデインプル５２は上記と同様に射
出成形により形成される。また、このデインプル
５２は格子状に配列されている。各デインプル５
２は、滑らかな内面５０に形成されたピンホール
５４から末広がりに広がる錐台をなしている。従
つてここにおいても、好ましくは、図示するよう
に、各デインプル５２は方形ベースを有するピラ
ミツド型の錐台の形状とすると共に、ピンホール
５４を方形状にすることが好ましい。このように
して、この場合においても、格子状は２次元的網
状格子となり、この網状格子においては、隣合う
デインプル５２間にデツドスペースが構成されな
い。

入り口端壁３０の外面４４が滑らかであるた
め、次の利点がある。すなわち、カートリツジが
一定の吸引下でブリスター・パツケージの形態で
梱包されるとき、梱包の包みは、何の損傷もなく
ピツタリと平坦にそれに密着する。

出口端壁１８の内面５０が滑らかであるため次
の利点がある。

すなわち、コーヒーのように、微粒状物が非常
に細かく挽かれたものである場合には、デイスク
状フイルター紙５６はカートリツジ内において平
坦面５０の上に置かれて、コーヒーの粒子がピン
ホール４８から落ちないように作用する。

このフイルター紙５６を用いない場合におい
て、収納物質が荒挽きのものである場合には、こ
の滑らかな平坦面５０は、固型物質の固まりが一
定の水圧の下で詰められて出口孔を閉塞するよう
な凹部を形成することはない。

入り口端壁３０に形成された各デインプル４６
の末広がり形状は次の利点を有する。すなわち、
ピンホール４８を通つて流れる水がカートリツジ
内の物質の上に均一に拡散するのである。従つ
て、ジエツト水流が微粒状物に優先的通路を形成
することはない。

このカートリツジを適用するための飲料抽出・
調合装置は、カートリツジのリム２０が乗るとこ
ろの下部プレートまたはそれに類する部材を有す
る。

カートリツジがこの下部プレートに固定される
とき、リム２０はその周囲を密封するガスケツト
としての役割をなす。

下部プレートまはこれに類する部材は、飲料を
調合するための排出管を有している。カートリツ
ジが飲料抽出・調合装置に固定されるとき、この
排出管はリム２０に関してその中心に位置せしめ
られている。

出口端壁１８とこの下部プレートとの間におい
て、ピンホール５４と排出管との間に高圧空間が
形成される。

出口端壁１８のデインプル５２の末広がり形状
は次の利点を有する。すなわち、上記高圧空間に
向けてピンホール５４から流れ出る飲料は均一に
分散され、これにより、飲料が排出管に至るまで
に飲料が混合される。デインプル４６，５２、ピ
ンホール４８，５４、および入り口端壁３０およ
び出口端壁１８の好ましい寸法構成は次の通りで
ある。

(1) デインプル間の頂点と滑らかな面との間の壁
圧寸法 …Ｔ＝1.3mm (2) 方形ピンホールの幅寸法 …Ｌ＝0.4mm (3) ピラミツド型錐台デインプルの三角状角度
…α＝72゜ (4) デインプル列のビツチ寸法 …Ｐ＝2.4mm

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はカート
リツジの斜視図、第２図は第１図−線拡大断
面図であつて一杯分の微粒状物をカートリツジ内
に含んだ状態を示す図、第３図は第２図矢視の
蓋部の底面図、第４図は第２図矢視のカツプ部
の底面図、第５図は第２図矢視で示された入り
口端壁の部分拡大要部断面図、第６図は第２図矢
視で示された部分の出口端壁の要部拡大断面図
である。 １０……中空ボデー、１２……カツプ部、１４
……蓋部、１６……無孔側壁、１８……端壁（底
壁、出口端壁）、２０……リム、３０……端壁
（入り口端壁）、３２……環状フランジ、３４……
リブ、３６……スカート部、３８……環状フラン
ジ、４０……リブ、４２……リブ、４４……外
面、４６……デインプル、４８……ピンホール、
５０……内面、５２……デインプル、５６……フ
イルター紙。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 水を注いで飲料を作るための挽きコーヒーや
   その他の微粒状物を収納するようにした使い捨
   て漉し器カートリツジであつて、硬質プラスチ
   ツクにより構成された中空ボデー１０より構成
   されていて、この中空ボデー１０は、平らでか
   つ丸い形状を有するとともに、無孔側壁１６と
   相対する一対の端壁１８，３０とを備え、一方
   の端壁は水を受け入れるための入り口端壁であ
   つてかつ滑らかな外面４４と内面とを有し、こ
   の内面には互いに接近した多くのデインプル４
   ６が形成されており、このデインプル４６は格
   子状に配列されており、各デインプル４６は滑
   らかな外面に形成されたピンホール４８から末
   広がりに広がる錐台形状を有し、他方の端壁は
   飲料を排出するための出口端壁１８であつて滑
   らかな内面５０と外面とを有し、この外面には
   互いに接近した多くのデインプル５２を有し、
   これらのデインプル５２は格子状に配列され、
   各デインプル５２は滑らかな内面５０に形成さ
   れたピンホール５４から末広がりに広がる錐台
   形状を有し、上記出口端壁１８は、軸方向に突
   出した環状リム２０により囲まれたことを特徴
   とする使い捨て漉し器カートリツジ。 ２ 上記各デインプル４６，５２は、方形ベース
   を有するピラミツド型錐台形状を有し、上記格
   子状形状は２次元的に広がつた網状格子形状で
   あることを特徴とする第１項に記載の使い捨て
   過器カートリツジ。