JPH0286978A - スクロール式流体機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は空気圧縮機、真空ポンプ等に使用されるスクロ
ール式流体機械に関する。

「従来の技術」 スクロール式流体機械は、ケーシングの中に、固定スク
ロールと、該固定スクロールに対して偏心して回転させ
られる旋回スクロールとが対向して設けられて、その対
向部間に圧縮室が形成され、該圧縮室の中で、両スクロ
ールの対向部に配設されたうず巻き状ラップ部が摺接状
態にかみ合わされた構成とされており、両ラップ部によ
って分割される圧縮室の最外周側に流体を吸い込み、旋
回スクロールの旋回運動によって漸次容積を縮小しなが
ら、うず巻きの中心部の吐出ポートから排出するように
なっている。

このようなスクロール式流体機械は、圧縮室が複数に分
割されて、吸い込みポートと吐出ボートとが直接隣接す
ることがなく、途中に中間圧力の室が形成されるため、
漏れが少なく高性能が実現でき、また、旋回半径が小さ
いため、ピストンによる往復動型の流体機械に比べてス
クロールの摺動速度が小さ（、振動、騒音、摩耗等の面
でも有利であるという優れた特長を有しているものであ
る。

また、近年では、両スクロールが、軽量化等のため鉄系
材料からアルミニウム材料に移行されるとともに、その
摺接面の摩耗、かじり防止をさらに向上させるために表
面処理が施され、四ふっ化エチレンや二硫化モリブデン
等の焼き付けあるいはコーティングなどの技術が検討さ
れている。

「発明が解決しようとする課題」 ところで、このようにして表面処理が施された両スクロ
ールは良好な耐摩耗性を有するものではあるが、長期的
な使用の間には、摩耗の発生を皆無とすることは難しく
、−旦摩耗が生じると、旋回スクロールが自転を拘束さ
れた旋回運動をするため、その摩耗粉が常に同じ所に存
在して、その摺接面上に固着状態となり、逆に摩耗を増
長させ、かじり等の故障発生の原因となるという問題が
ある。

本発明は前記課題を有効に解決するもので、良好な耐摩
耗性を有するとともに、万一摩耗が生じたとしても、そ
の摩耗粉による影響をなくして、故障の発生等を防止す
ることを目的とする。

「課題を解決するための手段」 本発明は、ケーシングの中に、その壁に固定状態の固定
スクロールと、回転自在な駆動軸とが同一軸線上に対向
して設けられ、該駆動軸の先端と一体のクランク軸に、
固定スクロールとの間で圧縮室を形成する旋回スクロー
ルが自転運動を拘束された状態に支持され、両スクロー
ルに、前記圧縮室の中で摺接状態にかみ合わされろうず
巻き状ラップ部が配設されたスクロール式流体機械であ
って、少なくとも両ラップ部の摺接面の一方に、微細な
穴あるいは溝が多数設けられていることを特徴とする。

「作用」 本発明のスクロール式流体機械においては、長期使用の
間に摺接面に摩耗が生じたとしても、その摺動運動によ
って摩耗粉が摺接面に押し付けられて、その微細な穴ま
たは溝の中に閉じ込められ、外部に流出することが防止
されるとともに、摺接面が円滑に維持されるものである
。

「実施例」 以下、本発明のスクロール式流体機械の一実施例を図面
に基づいて説明する。

第１図において、符号ｌがケーシング、符号２が該ケー
シング１に固着された固定スクロール、符号３が旋回ス
クロールであり、両スクロール２・３の間に形成されて
いる圧縮室４に、相互のラップ部２Ａ・３Ａが摺接状態
にかみ合わされている。

この場合、ケーシング１は、小径筒状の軸受は部ＩＡと
大径筒部ＩＢとが一体に形成された構成とされるととも
に、固定スクロール２は、前記ラップ部２Ａか鏡板２Ｂ
の片面に垂直状態に立設されているとともに、該鏡板２
Ｂの周縁部に、ラップ部２Ａの回りを囲むように円筒部
２Ｃが一体に形成された構成とされ、該円筒部２Ｃの周
縁部がケーシングｌの大径筒部ＩＢの端部に固着されて
いる。また、旋回スクロール３は、ラップ部３Ａが鏡板
３Ｂに垂直に立設された構成とされ、その鏡板３Ｂを前
記固定スクロール２の円筒部２Ｃの端面に接触させた状
態として、両スクロール２・３のラップ部２Ａ・３Ａを
かみ合わせた状態としている。

そして、一実施例においては、前記固定スクロール２は
、素材がアルミニウムとされて、その表面に硬質アルマ
イト層が設けられていることにより、表面硬度が高めら
れているとともに、微細な穴が多数形成されているもの
である。また、旋回スクロール３は、アルミニウムを素
材として、表面には、軟らかく潤滑性を有する樹脂、例
えばポリイミドや四ふっ化エチレン等の樹脂コーティン
グ層５が設けられている。なお、これらの材料は、該−
実施例に限定されるものではなく、固定スクロール２と
しては、素材をセラミックスや鉄系材料として、セラミ
ックス例えば窒化ケイ素（Ｓｉ３Ｎ４）やアルミナ（Ａ
　Ｉ　２０３）　、あるいは鉄系材料例えばねずみ鋳鉄
（ＦＣ）や球状黒鉛鋳鉄、等を溶射、めっき、エツチン
グ等の方法によって多孔質に付着してもよい。また、旋
回スクロール３としては、金属やセラミックス、あるい
は、その上にアルマイト処理やめっき等を施したものを
素材とし、樹脂コーティング層５として、耐かじり性、
耐摩耗性の良好なポリフェニレンサルファイド（ｐｐｓ
）やポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）を適用し
てもよい。さらに、固定スクロール２と旋回スクロール
３との組み合わせは一実施例と反対に、固定スクロール
２に樹脂コーティング層５、旋回スクロール３にアルマ
イト層を設けるようにしてもよく、また、ともに多孔質
の表面処理層としてもよいとともに、多数の穴や溝を機
械的に形成してもよい。

スクロール式流体機械のその他の構造について説明を補
足しておくと、前記ケーシングｌの軸受は部ＩＡは、固
定スクロール２と同一軸線０゜０１上に配置されて、そ
の中に外部のモータ等に連設された駆動軸６がラジアル
玉軸受け７を介して回転自在に支持され、その先端が固
定スクロール２と対向させられている。そして、この駆
動軸６の先端に、該駆動軸６に対して距離δ偏心したク
ランク軸８が一体に設けられ、該クランク軸８に、前記
旋回スクロール２の鏡板２Ｂと一体のボス部材９が旋回
軸受け１０を介して回転自在に支持されている。

この場合、旋回スクロール３は、そのラップ部３Ａが固
定スクロール２のラップ部２Ａに対して例えば１８０°
位相をずらした状態にかつクランク軸８の軸線０．−０
２を中心として配置され、そのずれδの分、旋回スクロ
ール３が固定スクロール２に対して偏心させられている
とともに、両ラップ部２Ａ・３Ａによって圧縮室４が複
数に分割されているものである。そして、この圧縮室４
に対する吸い込みポート１１と吐出ポート１２とが固定
スクロール２に配設されている。吸い込みポート１１は
、固定スクロール２の前記円筒部２Ｃに半径方向に沿っ
て穿設されて、圧縮室４の最外周側と連通しており、吐
出ポート１２は、鏡板２Ｂの中心に穿設されて、圧縮室
４の中心部に連通している。なお、前記ボス部材９は、
旋回軸受け１０の外輪を嵌合させる有底の円筒部９Ａと
、該円筒部９Ａの底壁側の端面に形成された嵌合突部９
Ｂと、該嵌合突部９Ｂと円筒部９Ａとの間のフラップ部
９Ｃとから構成されて、該フランジ部９Ｃに複数のボル
ト挿通孔９Ｄが形成されており、一方、旋回スクロール
３の鏡板３Ｂの背面には、ボス部材９の嵌合突部９Ｂを
嵌合させる小径四部１３Ａ、フランジ部９Ｃを配置させ
る凹状段部１３Ｂからなる嵌合四部Ｉ３が形成されて、
ボス部材９が締め付はボルト１４によって緊密嵌合状態
に固定されている。

また、旋回スクロール３の鏡板３Ｂと固定スクロール２
の前記円筒部２Ｃ端面との接触部間には、旋回スクロー
ル３の自転運動を拘束する自転規制機構１５が介在され
ている。該自転規制機構１５は、図示例では複数の補助
クランクを周方向に相互間隔をおいて配設した構成とさ
れるが、オルダムリングを使用し、その両面の突起を旋
回スクロール３と固定スクロール２とに係合させた構成
としてもよい。

一方、旋回スクロール３の鏡板３Ｂの背面は、ケーシン
グ１の大径筒部ＩＢの内周に突設した環状の軸受は固定
部ＩＣと対向させられ、該軸受け固定部ＩＣに設けた複
数のスラストすべり軸受け１６によって支持されている
。これらスラストすべり軸受け１６は、前記圧縮室４内
の圧力によっテ旋回スクロール３に作用するスラスト方
向の荷重を支持するもので、大径の基部１６Ａと小径の
軸受は部１６Ｂとからなり、その基部１６Ａが、前記軸
受は固定部ＩＣに形成した嵌着穴１７に耐熱性接着剤に
よって固着されている。また、このスラストすべり軸受
け１６の材料は、耐熱性および高負荷下での耐摩耗性、
摺動性に優れた高機能性エンジニアリングプラスチック
、例えばポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、ポ
リエーテルサルフォン（ＰＥＳ）が使用されている。も
ちろん、旋回スクロール３の表面処理に用いたポリイミ
ドや四ふっ化エチレンの共重合体等を用いてもよい。

なお、符号１８は駆動軸６によって回転させられる冷却
ファンで、該冷却ファン】８は、駆動軸６とクランク軸
８との連結箇所に一体に形成された大径部６Ａに固定さ
れるとともに、その径方向の翼端にカウンターウエート
１９が取り付けられている。また、符号２０は前記冷却
ファン１８に対する吸気通路、符号２１は排気通路であ
り、ケーシングｌの中に冷気を流入させて、旋回軸受け
１０、旋回スクロール３等を冷却し得るようになってい
る。一方、固定スクロール２には鏡板２Ｂの背面に多数
の放熱フィン２２が設けられる。

このように構成したスクロール式流体機械は、固定スク
ロール２と旋回スクロール３との両ラップ部２Ａ・３Ａ
がかみ合わさった状態で摺動して、第２図（イ）（ロ）
に一つの圧縮室４の変化を順に示したように、該圧縮室
４を外周部から中心部へ容積を小さ（しながら移動させ
て流体を圧送するものである。この場合、その摺接面に
おいては、長期使用によって摩耗が生じたとしても、そ
の摩耗粉は、両スクロール２・３の摺動運動によって押
し付けられて固定スクロール２のアルマイト層の微細な
穴の中に閉じ込められ、該アルマイト層の表面あるいは
旋回スクロール２の表面に固着状態となることが防止さ
れる。したがって、両スクロール２・３の摺接面を常に
円滑に維持して、摩耗の増長あるいはかじり付きの発生
を有効に防止することができるものである。また、この
摩耗粉の飛散が防止されるから、流体の汚濁等も抑制す
ることができる。なお、旋回スクロール３の表面に樹脂
コーティング層５を設けたことにより、その摩耗粉がア
ルマイト層の微細な穴の中に閉じ込められて、摺動性を
さらに向上させることかできる。

また、アルマイト処理が施されたラップ部２Ａは、その
強度が高められるので、摺動時のたわみ量が小さくなり
、両ラップ部２Ａ・３Ａの接触状態を確実に維持して漏
れの発生を防止し、スクロール式流体機械としての特性
を一層向上させることができる。さらに、圧縮室４や鏡
板２Ｂ・３Ｂに油を供給した状態として空気の圧縮を行
う油冷式スクロールの場合であると、アルマイト層の微
細穴に油が浸透して、潤滑な運転を行わせるとともに、
起動時等に浦切れが発生した場合でも、浸透している油
がしみ出して摺接面に有効に供給す１す ることかできる。

「発明の効果」 以上の説明から明らかなように、本発明のスクロール式
流体機械によれば、両スクロールノ摺接面に摩耗が生じ
た場合であっても、その摩耗粉が摺動運動中に該摺接面
の微細な穴あるいは溝の中に閉じ込められるので、摺接
面上に固着状態となることが防止されて、その表面を円
滑に維持し、摩耗の増長あるいはかじり付き等の故障の
発生を有効に防止することができる。また、流体中への
摩耗粉の混入も防止することができる。したがって、流
体機械としての初期の性能を長期的に維持して、その信
頼性を高めることができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明のスクロール式流体機械の一実施例を示す
もので、第１図は縦断面図、第２図は両スクロールのラ
ップ部の作動状態を（イ）（ロ）の順で示すモデル図で
ある。 １・・・・・・ケーシング、２・・・・・固定スクロー
ル、３・・・・・・旋回スクロール、２Ａ・３八・・・
・・ラップ部、４・・・・・・圧縮室、５・・・・・・
樹脂コーティング層、６・・・・駆動軸、８・・・・・
・クランク軸、１０・・・・・旋回軸受け、１１・・・
・・・吸い込みポート、Ｉ２・・・・・・吐出ポート、
１５・・・・・自転規制機構、Ｉ６・・・・・スラスト
すべり軸受け。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　ケーシングの中に、その壁に固定状態の固定スクロー
   ルと、回転自在な駆動軸とが同一軸線上に対向して設け
   られ、該駆動軸の先端と一体のクランク軸に、固定スク
   ロールとの間で圧縮室を形成する旋回スクロールが自転
   運動を拘束された状態に支持され、両スクロールに、前
   記圧縮室の中で摺接状態にかみ合わされるうず巻き状ラ
   ップ部が配設されたスクロール式流体機械であって、少
   なくとも両ラップ部の摺接面の一方に、微細な穴あるい
   は溝が多数設けられていることを特徴とするスクロール
   式流体機械。