JPH0263149B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般的には輸送用冷凍装置に関するも
のであり、特に、冷凍システム中の冷媒損失を検
出する装置に関するものである。

輸送用冷凍装置は冷凍システムの使用中に一定
温度又はほぼそれに近い温度に商品を運送するス
ペースを維持するのに用いられ、この冷凍システ
ムは個々の商品によつて要求される温度が異るた
め加熱運転でも冷却運転でもできるようになつて
いる。こうした商品輸送では冷凍されたトレーラ
または他の運送スペースが数日間の間放置されま
まになることがしばしばある。例えばトラツクの
車庫で一夜トラツクが停車したり、週末の間飛行
場のターミナルに置かれたり、「コンテナー」ト
レイラーでは地方鉄道の貨車に数日間放置された
りする。冷凍装置が放置されている時にシステム
の漏れによつて冷媒損失が起きた時に制限時間、
例えば30分から１時間以上圧縮機が連続運転され
ると圧縮機が故障する。この故障はもちろん冷媒
の損失以上に圧縮機のオイルの喪失の場合の方が
多い。

ある種の用途では、冷媒損失によつて圧縮機が
故障するのを防止するために吸引ラインの低圧を
遮断するスイツチが付いているが、この安全策は
輸送用冷凍装置のように蒸発機の温度範囲と吸引
圧力範囲が広いシステムでは実用的ではない。

従つて、輸送用冷凍装置に於て一定量の冷媒が
失われたことを検出して、所定の損失に対応して
少なくとも警報を発する機構が望まれていた。

本発明の第１の目的は輸送用冷凍システムの上
記機構を提供することにある。

従つて本発明は冷却モード運転中には蒸発器の
役目をし、加熱モード運転中には放熱器の役目を
する冷媒コイルと、この冷媒コイルより上流で且
つ高温ガス状冷媒が加熱のために上記冷媒コイル
に通じるラインに導入される位置より上流にある
膨張装置と、システム中の冷房量をモニターする
装置とを含み、選択的に冷却モードあるいは加熱
モードで運転可能な輸送用冷凍装置に於て、上記
モニター装置が、上記膨張装置へ供給される冷媒
の温度を検出する第１温度検出装置と、膨張装置
及び前記高温ガス状冷媒の導入位置の下流で且つ
前記冷媒コイルの上流の冷媒温度を検出する第２
温度検出装置と、上記システムの運転モード並び
に前記第１呼び第２の温度検出装置により検出し
た温度の差に応答して、冷媒量が十分な状態にあ
る時の上記システムの運転モードに応じた通常予
想される温度差の所定範囲からの上記温度差のず
れに応じて、上記システムを遮断すべきであるこ
とを少なくとも信号表示する応答装置とを備えた
ことを特徴とする輸送用冷凍装置に在る。

以下、添付図面を用いて、例示としての本発明
の好ましい実施例に付き説明する。

第１図を参照すると、基本的に従来のものと同
一である輸送用冷凍装置は、断熱トレイラー１２
又はその類似物の中に空間１０を有している。以
下で説明する本発明による新規な特徴点以外は従
来のものと同じものであり、公知のものであるの
で、この図には主要部が概略的に示してある。

この輸送用冷凍装置には原動機１６によつて駆
動される冷媒圧縮機１４が含まれ、原動機１６は
内燃機関や電動機であつて、吐出ライン１８を介
して吐出高温ガスをパイロツトソレノイド２２に
よつて制御される３方弁２０へと吐出する。冷却
運転時には、高温ガスが凝縮器２４へと流され、
そこで凝縮した後タンク２６へ流れ、次いでライ
ン２８、熱交換器３０及びライン３２を介して膨
張装置３４へと流れ、ここで液体冷媒が膨張さ
れ、ここで膨張した冷媒はライン３６と分配器３
８を通つた後に本システムの冷却運転モード中に
冷媒蒸発器の役目をする冷媒コイル４０中を流れ
る。

蒸発器を出た気体状冷媒は熱交換器３０を通つ
た後、アキユムレータ４４へ入り、そこから吸引
ライン４６を介して冷媒圧縮機へと戻る。

加熱運転すなわち除霜運転中には、パイロツト
ソレノイド２２が付勢されて３方弁２０を逆方向
に変え、それによつて冷媒圧縮機からの高温ガス
がライン４８へ流れ、このライン４８は除霜パン
用ヒータ５２へ行くライン５０と、逆止弁を介し
てタンク２６へ行くライン５４とに分枝してい
る。

除霜パン用ヒータを出た高温ガスはライン５６
を通つた後膨張装置３４と分配器３８の間の点で
ライン３６と合流している。従つて、加熱モード
と除霜運転の両方に於て、冷媒コイル４０へ供給
される冷媒は膨張装置を通らないことになる。加
熱モード運転時には冷媒は冷媒コイル４０から圧
縮器へ上記の冷却モードに関する説明と同様な経
路を介して戻る。タンク２６からの相対的に少量
の液体はライン２８を介して、冷却運転時と同様
に、膨張装置３４の上流へと圧送されるが、この
液体は膨張装置中で実質的に膨張することなく、
当業者に周知のように、膨張装置本体内の膨張弁
の弁座の切欠き又は小さな計量孔を介して流れる
だけである。

本発明では、ライン３２と熱交換関係に第１温
度検出器５８が配置されていて、このライン３２
を通つて膨張装置３４へ流れる流体の温度が検知
され、さらに、膨張装置の下流及びライン５６が
加熱運転時に冷媒コイル４０を送る位置の下流で
且つ冷媒コイル４０の上流の本システムの一部の
流体温度を検出できるようなライン又は構造物と
熱交換関係に配置された第２温度検出器６０が設
けられている。

第１図に示すように、第２温度検出器６０の好
ましい位置は通常分配管３８ａの一つで且つ冷媒
コイルの比較的近くであると考えられる。すなわ
ち、この位置では冷媒が冷却運転中にほぼ最大膨
張して多きな温度降下しており、従つて、第２温
度検出器を分配器３８のヘツダーより上流に配置
した場合よりも第１および第２温度検知器の間の
温度差が大きくなるからである。しかし、第２温
度検出器を上記のように分配器３８のヘツダーの
上流に配置しても本発明を実施することはでき
る。

上述の温度検出器５８，６０は例えば正または
負の温度係数を有するサーミスターをはじめとす
る各種の検出器にすることができる。いずれ場合
でも、温度検出器はその通常の用い方に従つて各
ラインに密着締付けられていて、ラインの温度を
介してライン中を流れる流体の温度が測定できる
ようになつている。図示していないが、検出器の
感度を向上させ且つ局部的大気温度から遮断する
ために上部各場所の検出器及びラインを包む断熱
体を設けるのが好ましい。

各検出器５８，６０から出された信号を利用す
る制御装置は第２図に示されており、上記の各検
出器からの電気信号はライン６２，６４を介して
識別比較器６６へと送られる。また、圧縮機の運
転モードすなわち加熱または冷却モードはモジユ
ール６８からライン７０を介して前記モージユー
ル６６へと供給される。

モジユール６６は各検出器５８，６０が検出し
た温度を示す信号を受ける。この役目は本システ
ムの運転モードに従つて通常予想される温度差の
所定範囲からの温度差がずれているか否かを決め
ることにある。従つて、このモジユール６６は異
る運転モードを識別する。今、冷媒量の喪失を表
わすような温度差のずれがあつたと仮定すると、
比較的識別器モジユールから動力７２にシステム
を遮断すべきであることが少なくとも信号され、
好ましくは自動的にシステムが遮断される。

一つの運転モードからの別のモードに変える時
には、検出器に於ける温度は逆転し、新しいモー
ドにシステムを安定化するのには一定の時間が必
要となるため、上記の遮断を行う装置を新しい運
転モードにシステムが安定するまでの時間の間非
作動するための遅延装置７４（第２図）を設ける
のが好ましい。この遅延装置は冷媒量が少い時に
或る最低時間の間圧縮機の運転を連続させて、膨
張装置がハンチングを起す短い流れ中断による有
害な遮断を避けるようにするのにも使用できる。

冷却運転中は、比較的高温の液体冷媒がライン
３２を介して膨張装置３４へ流れ、第１温度検出
器５８が冷媒の相対的に高い温度を検出する。一
方、ライン３８ａは冷媒が膨張装置と分配器で膨
張するために冷媒温度が大巾に低下するため上記
よりはるかに低い温度を検出する。従つて、冷却
運転時には、このシステム中に冷媒が十分すなわ
ち通常量ある時の温度差が第１温度検出器が第２
温度検出器よりもはるかに熱い時の範囲内にあ
る。

今、このシステム中に漏れが生じて冷媒量が大
巾に失なわれたと仮定すると、この漏れがシステ
ムの高圧側であつても低圧側であつても、２つの
検出器の間の温度差は大巾に小さくなり、検出さ
れる２つの温度は互いに似てくるか等しくなる。
従つて、冷却運転時に通常予想される範囲以下に
温度差が減少することによつて制御系から少なく
とも遮断信号が出され、好ましくは遮断が行われ
る。

加熱運転モードでは、温度差が逆転して、第２
温度検出器６０で検出される温度は第１温度検出
器５８で検出される温度より高くなる（冷媒量が
十分である限り）。なぜならば除霜パン用ヒータ
５２から来る高温ガスは膨張装置を通らずにライ
ン５６を介してライン３６に供給されるからであ
る。一方、既に述べたようにタンク２６からライ
ン３２を介して或る最低量の冷媒が流れており、
この冷媒は直接ライン３６中へ流入する高温ガス
よりはるかに冷却されている。従つて、２つの検
出器５８，６０間の温度差は冷却運転モードの時
の逆になる。

加熱運転時に高圧側の冷媒に喪失が生じると、
第２温度検出器６０で検出された温度が下つて第
１温度検出器５８で検出された温度に近くなる。
換言すれば、両検出器間の温度差が通常の冷媒量
の時の加熱運転時に予想される所定範囲から外
れ、その結果、遮断信号が発せられる。

加熱運転中にこのシステムの低圧側で漏れが起
ると事情は少し違つてくる。この場合には、空気
が吸引側に吸い込まれて、システム中に残つてい
る冷媒中に混入する。この空気はもちろん冷媒圧
縮機で圧縮されて加熱され、第２温度検出器で検
出される温度が第１温度検出器で検出される温度
よりはるかに高くなつたままとなつて、比較的短
時間遮断信号が出ない状態になることがある。し
かし、加熱運転と冷却運転を行える輸送用冷凍装
置では、その通常の運転が使用空間の温度がサー
モスタツトの設定値の上下の温度間で交互に変つ
た時にいずれかのモードに切換えられる。従つ
て、加熱モードにあつたとしても、最終的にはこ
のシステムは冷却モードへ戻されるので、漏れが
高圧側で生じても低圧側で生じても、それとは無
関係に冷却運転で述べた制御が行われる。

この点に関しては、少なくとも或る時間、例え
ば30分から１時間の間冷媒が無くて圧縮機が運転
されたとしても、冷媒圧縮機の故障は潤滑油が無
くならない限り冷媒の喪失では起り得ないので、
冷媒圧縮機は安全であるという点を理解された
い。すなわち、このシステムが空気混入したまま
或る時間運転されても、空気は冷媒オイルと混ら
ず、最終的にはこのシステムに入つた空気は蓄積
されて冷媒圧縮機へと戻される。従つて、冷媒量
が不足量まで下がつた後一定時間たつと遮断が行
われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明が適用された輸送用冷凍装置の
主要部の概略図、第２図は本発明を実施する制御
装置のブロツク線図である。 １４：冷媒圧縮機、１６：原動機、２０：３方
向弁、２２：ソレノイド、２４：凝縮器、２６：
タンク、３０：熱交換器、３４：膨張装置、３
８：分配器、４０：冷媒コイル、５２：除霜パン
用ヒータ、５８：第１温度検出器、６０：第２温
度検出器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 冷却モード運転中には蒸発器の役目をし、加
   熱モード運転中には放熱器の役目をする冷媒コイ
   ルと、この冷媒コイルより上流で且つ高温ガス状
   冷媒が加熱のために上記冷媒コイルに通じるライ
   ンに導入される位置より上流にある膨張装置と、
   システム中の冷媒量をモニターする装置とを含
   み、選択的に冷却モードあるいは加熱モードで運
   転可能な輸送用冷凍装置に於て、上記モニター装
   置が、上記膨張装置へ供給される冷媒の温度を検
   出する第１温度検出装置と、膨張装置及び前記高
   温ガス状冷媒の導入位置の下流で且つ前記冷媒コ
   イルの上流の冷媒温度を検出する第２温度検出装
   置と、上記システムの運転モード並びに前記第１
   及び第２の温度検出装置により検出した温度の差
   に応答して、冷媒量が十分な状態にある時の上記
   システムの運転モードに応じた通常予想される温
   度差の所定範囲からの上記温度差のずれに応じ
   て、上記システムを遮断すべきであることを少な
   くとも信号表示する応答装置とを備えたことを特
   徴とする輸送用冷凍装置。 ２ 第１と第２の温度検出装置間の検知温度差が
   上記システムが加熱モードにあるか冷却モードに
   あるかに無関係に通常予想される温度差より小さ
   い時に前記の応答装置が信号を出すことを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の輸送用冷凍装
   置。 ３ 上記応答装置が、第２の温度検出装置が少な
   くとも所定値だけ第１の温度検出装置の検出した
   温度以上の温度範囲内に入つていない時に前記信
   号を発するように加熱運転モードで応答し、且つ
   第２の温度検出装置が少なくとも所定値だけ第１
   の温度検出装置の検出した温度以下の温度範囲内
   に入つていない時に前記信号を発するように冷却
   運転モードで応答するようにされてなることを特
   徴とする特許請求の範囲第２項記載の輸送用冷凍
   装置。 ４ 前記モニター装置が、運転モードの切換時に
   動作してシステムを他の運転モードで再安定化さ
   せるのに必要な時間の間前記応答装置をして遮断
   信号の供給を遅延させる時間遅延装置を含むこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項、第２項また
   は第３項記載の輸送用冷凍装置。 ５ 冷媒コイルの上流に冷媒分配器を有し、前記
   第２の温度検出装置がこの分配器の一部と熱交換
   関係に配置されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項乃至第４項のいずれか記載の輸送用
   冷凍装置。 ６ 冷却モード時には蒸発器の役目をし、加熱モ
   ード時には放熱器の役目をするように取付けられ
   た冷媒コイルと、この冷媒コイルの上流で且つ高
   温ガス状冷媒が加熱モード時に上記冷媒コイルに
   導入される位置より上流に配置された膨張装置と
   を含み、加熱モードおよび冷却モードのいずれか
   で選択的に運転できる輸送用冷蔵装置に於る冷媒
   損失を検出する方法において、前記膨張装置に供
   給される冷媒の温度を検出し、膨張装置の下流で
   且つ前記高温冷媒ガスの導入位置の下流で、しか
   も前記冷媒コイルの上流で冷媒の温度を検出し、
   これら２つの検出温度の差を決定し、システムの
   運転モードに応じ且つ冷媒量が十分ある時に予想
   される通常の温度差範囲からの上記温度差の外れ
   を決定し、上記の予想温度差範囲外に上記温度差
   があることが決定された際に前記システムを遮断
   すべきであることを少なくとも信号表示すること
   を特徴とする冷媒損失検出方法。 ７ システムの運転モードが切換えられた後に、
   遮断すべきであるとの信号表示を新しい運転モー
   ドでシステムを安定するのに十分な時間遅らせる
   ことを特徴とする特許請求の範囲第６項記載の冷
   媒損失検出方法。