JPH0256790B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の利用分野） 本発明は、コンピユータ等に使用される多芯コ
ネクタにおけるユニツト化された雌型接触子と、
その製造方法に関するものである。

（従来の技術） 従来の多芯コネクタにおける接触子保持構造
は、コネクタの取付基部を合成樹脂材をもつて樹
脂成形するに際して、接触子としての多数の導電
材を、樹脂の中に埋め込んで樹脂成形する埋込成
形方式と、接触子保持部材を樹脂成形するに際し
て、接触子の導電材が挿通される貫通孔を予め成
形しておき、その貫通孔へ、導電材を１本１本嵌
め込む植設方式とがある。

埋込形方式は、接触部が露出し、主として、構
造が単純な雄型コネクタ用に用いられている。

植設方式は、接触部が雄型接触子と弾性接触す
るために、雄型接触子の案内孔又は溝等に接近し
て、接触子保持部材の比較的奥の方で正確に接触
位置が保持され、かつ、弾性片が弾性作用をしう
るように接触部周辺を比較的緩く保持し、しか
も、その接触子の周辺を、弾性片が多大の変形を
受けないように緊密に保持する必要のある雌型コ
ネクタに、主として用いられている。

（発明が解決しようとする問題点） 従来の植設方式は、接触子保持部材へ設けた貫
通孔へ、接触子としての導電材を、１本１本嵌め
込むため、組み立ての作業性が悪い。また、近来
は、コネクタの小型化を計るため、接触子の断面
積を小さくした細長い形状が望まれているが、こ
のような小さくて細長い接触子は、手作業が困難
があり、かつ、脆弱で折れ曲がり易く、作業性と
生産性がより悪いという問題点がある。

（問題点を解決するための手段） 本発明によると、短冊状の導電材の一端に先細
りの切り込みを長手方向に入れて、二又接触部と
した雌型接触片複数を、前記先細り切り込みが整
合するように位置合せして重合し、この複数の雌
型接触片が重合された雌型接触子複数を、切り離
し可能な導電性連結片を介して連結し、この雌型
接触子を複数連結したものを、合成樹脂製の接触
子支持体をもつて埋込み連結したことにより、ま
た先細りの切り込みを長手方向に入れた細長い短
冊状の雌型接触片所要数を、適数の導電性連結片
を介して互いに連結してなる雌型接触片連設板を
打ち抜く工程と、複数の雌型接触片連設板を位置
合せ手段をもつて、先細りの切り込みが整合する
ように重ね合せる工程と、重ね合わされた複数の
雌型接触片連設板の先細り切り込みと連結片を除
く適所を、連結保持するように、雌型接触片連設
板を合成樹脂で埋込成形する工程と、この樹脂成
形の後に、各雌型接触片連設板における雌型接触
片の連結片を切り離して、複数の雌型接触片を重
合してなる雌型接触子を、個々に分離する工程と
からなることにより、上述の問題点は解決され
る。

（作用） 二又接触部を同形として、多数の雌型接触片を
連設した雌型接触片連設板を、打ち抜き加工によ
つて作り、それを複数枚重合してから、埋込成形
方式をもつて、雌型接触片連設板同士、及び各雌
型接触片同士を強固に樹脂成形で固定して、それ
ぞれが電気的に独立した複数の雌型接触子をもつ
雌型接触子ユニツトを作る。

そのため、作業性が良く、しかも、雌型接触子
は、複数枚の雌型接触片を重合して作られるた
め、雌雄の電気的接触点が、少なくとも２点以上
ある複接触子が構成され、電気接続の信頼性が高
く、かつ、導電材に薄板材が使えるため、打ち抜
き加工も容易であり、また、ローラ型による連続
した帯板状の抜き加工もできて、加工性が高い。

（実施例） 第１図は、本発明の１実施例としての雌型接触
子ユニツトＡの前方斜視図で、１は短冊状の複数
枚の雌型接触片２，３を重ね合せてなる雌型接触
子、４は、各雌型接触子１の基部を埋込成形によ
つて保持する合成樹脂製の接触部支持体、５は、
雌型接触片２，３のいずれか一方、例えば、雌型
接触片３の基部より逆方向に連設した延長部３ｅ
の途中を、埋込成形によつて保持する合成樹脂製
の端子部支持体である。

各雌型接触子１における雌型接触片２及び３
は、第２図及び第３図に示す如く、比較的薄くし
て弾性係数の高い導電材を打ち抜き加工して、複
数の雌型接触片２の隣接するもの同士、及び、複
数の雌型接触片３の隣接するもの同士を、長手方
向に２個所以上設けた連結片２ａ及び３ａによつ
て、それぞれ連結した雌型接触片連設板２Ａ，３
Ａとして作られている。

雌型接触片連設板２Ａ，３Ａは、長尺の帯板を
ロール加工、または連続打ち抜き加工によつて、
複数の雌型接触片２及び３が連続する帯板材とし
て加工し、その帯板材から、所要の数の雌型接触
片を連設したものを切り出すようにすれば、加工
性を高めることができる。

雌型接触片２及び３の遊端には先細りの切り込
み２ｂ，３ｂを入れて接触部とし、両雌型接触片
２，３を重ね合せたとき、各接触部は正確に接合
するようにしてある。

両接触部を容易に位置整合させるために、一方
の雌型接触片２の連結片２ａ，２a′の間に孔２
ｃ，２c′を、また、他方の雌型接触片３の連結片
３ａ，３a′の間の特徴とする個所には、上方へ突
出する突起３ｃ，３c′を設け、各孔２ｃ，２c′に
突起３ｃ，３c′をそれぞれを嵌め込むようにして
ある。

なお、孔２ｃ，２c′の間、及び突起３ｃ，３
c′の間とにそれぞれ設けた孔２ｄ及び３ｄは、両
雌型接触片２，３を重ね合わせたとき一致して貫
通孔を形成し、接触部支持体４を成形する際に、
その貫通孔に樹脂材を充填して、両接触片２，３
を強固に固定連結するものである。

第２図は、接続端子用の延長部を有しない雌型
接触片２を、多数連結してなる埋込成形前の第１
の雌型接触片連設板２Ａを示す。

第３図は、接続端子用の延長部３ｅを有する雌
型接触片３を、多数連結してなる埋込成形前の第
２の雌型接触片連設板３Ａを示す。

第１と第２の両雌型接触片連設板２Ａ，３Ａ
は、位置決め用の孔２ｃ，２c′と突起３ｃ，３
c′を嵌合して重ね合わせ、かつ、前後の連結片２
ａ，３ａと２a′，３a′の間における前記孔２ｃ，
２c′と突起３ｃ，３c′との嵌合部、及びその間の
孔２ｄ，３ｄに、合成樹脂材を埋込むようにし
て、接触部支持体４が樹脂成形される。

また、雌型接触片連設板３Ａの接続端子用の延
長部３ｅの端部を若干残した状態で、接触部支持
体４の樹脂成形工程と同時に、埋込成形によつ
て、端子部支持体５が樹脂成形される。

接触部支持体４と接触部支持体４の成形工程は
分けても良いが、通常は、同一工程で行なわれ
る。

接触部支持体４と端子部支持体５の成形を行つ
た後に、重合された第１と第２の両雌型接触片連
設板２Ａ，３Ａにおける各連結片２ａ，２a′，３
ａ，３a′を切り離し、その後、必要応じて、延長
部３ｅを折曲するなどして、雌型接触子ユニツト
Ａが完成される。

なお、第１図に示す雌型接触子ユニツトＡにお
ける接触部支持体４の下面に設けた凹み４ａと突
起４ｂ、及び端子部支持体５の前方に設けた溝５
ａは、第４図乃至第６図に示す他の雌型接触子ユ
ニツトA′を重ねて、複数列のコネクタを作る場
合の雌型接触子ユニツトＡ，A′同士の位置決め
連結手段である。

また、同じく接触部支持体４と端子部支持体５
の両側面に設けた前後方向を向く突条４ｃ，５ｂ
は、コネクタを構成する際に用いられる外殻部材
の位置決め溝に嵌め込むためのものである。

第４図乃至第６図は、第１図に示す第１の雌型
接触子ユニツトＡと、それと同様にして作られた
第２の雌型接触子ユニツトA′を用いて、接触子
配列を上下に２列とし、かつ、上下のピツチを半
ピツチずつずらせて、千鳥状配列としたカードエ
ツジ用多芯雌型コネクタ１０の例を示すもであ
る。

この多芯雌型コネクタ１０は、筒状に樹脂成形
された外殻部材１１と、外殻部材１１の一方の開
口端内に嵌め込みうる外形を有し、かつ並びに、
多数の接触子保持用の貫通孔１２を有する樹脂成
形された接触子保持部材１３と、本発明に係る第
１の雌型接触子ユニツトＡ及び第２の雌型接触子
ユニツトA′と、外殻部材１１内へ、接触子保持
部材１３並びに両雌型接触子ユニツトＡ，A′を
組み込んだ後に、外殻部材１１の他方の開口に充
填した合成樹脂材１４とからなつている。

外殻部材１１は、比較的電気抵抗の低い導電性
合成樹脂材をもつて、予め樹脂成形され、接触子
保持部材１３が嵌め込まれるその一方の端部の外
形は雌型コネクタ（図示省略）の連結筒に嵌合し
うる形状になつている。

外殻部材１１の左右外側には、プリント基板等
への固定用取り付け片１１ａが突設されている。

接触子保持部材１３は、絶縁性の合成樹脂材で
予め樹脂成形され、かつこの接触子保持部材１３
には、上下２列に左右方向へ整列して並ぶ貫通孔
が、上下の列の孔位置を半ピツチずつずらせて、
千鳥状に設けられている。

貫通孔１２は、前端に雌型接触子の案内孔１２
ａを有し、その後方（内部側）は、雌型接触子１
の挿入孔１２ｂとなつている。

各貫通孔１２には、第１と第２の両雌型接触子
ユニツトＡ，A′における前方へ突出する雌型接
触子１が挿入される。

雌型接触子１の挿入孔１２ｂは、断面形が雌型
接触子１の断面形とほぼ一致しており、特に雌型
接触子１の接触部の二又弾性片が弾性作用を失わ
ない程度に、緩みなく、雌型接触子１を保持する
ように、しかも、雌型接触子１の挿入が容易であ
るように、後端挿入口は若干広くなつている。

貫通孔１２への雌型接触子１の挿入作業は、雌
型接触子保持部材１３を外殻部材１１に嵌め込む
前に行なわれる。

この作業に際して、各雌型接触子１は、貫通孔
１２の配列と一致したピツチで両雌型接触子ユニ
ツトＡ，A′に固定されているため、作業性が高
く、しかも、雌型接触子保持部材１３と両雌型接
触子ユニツトＡ，A′が連結した状態で、外殻部
材１１に嵌め込まれるので、その組み立て作業も
非常に容易であり、雌型コネクタ全体の組み立て
は、効率的に行なわれている。

この組立て作業の後、両雌型接触子ユニツト
Ａ，A′の後部空間を合成樹脂材１４で充填して、
雌型コネクタ１０が完成される。

合成樹脂材１４の充填に際しては、両雌型接触
子ユニツトＡ，A′の各端子部支持体５，５′が、
前記溝５ａと凸条５a′を介して噛み合い、下面後
部の壁を形成しているため、外形を作る成形型は
必要なく、押え治具程度のもので作業ができる。

（効果） 以上の如く本発明によれば、比較的薄い板材の
打ち抜き加工のみをもつて、雌型接触子を簡単に
製作することができるため、加工性が良く、か
つ、高精度で加工できる。

また、製造工程の途中まで、複数の雌型接触子
が互いに連結された状態にあるため、薄くて比較
的脆弱な個々の雌型接触片の取り扱いは容易であ
り、埋込成形時における成形型への設置を自動化
することも容易である。

さらに、雌型接触子１の接触部が複数枚の板材
で構成されているため、雌型接触子と接触する接
触点が多数となり、電気的な信頼性も向上する。

雌型接触子が、複数の雌型接触片による複数枚
の板材で構成されるため、雄型接触子と接触する
二又接触部の接触点が多数となつて、電気的な信
頼性を高上する。

雌型接触子が、複数の雌型接触片でなるため、
電材に薄板材が使え、打ち抜き加工も容易で、し
かも雌型接触片を小さな形に打ち抜けるので、雌
型コネクタを小型化できる。

ローラ型による連続した帯板状の抜き加工もで
きて、加工性が高い。

複数の雌型接触子が連結固定されてユニツト化
されているため、雌型コネクタの組み立て作業の
作業性も高くなり、小型化も容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の１実施例としての雌型接触
子ユニツトを、前方から見た斜視図、第２図は、
第１図の雌型接触子ユニツトを製造する際に使用
される第１の雌型接触片連設板を前方から見た斜
視図、第３図は、同じく、第１図の雌型接触子ユ
ニツトを製造する際に使用される第２の雌型接触
片連設板を前方から見た斜視図、第４図乃至第６
図は、本発明に係る雌型接触子ユニツトを用いて
雌型コネクタを構成した実施例を示すもので、第
４図は、カードエツジ用雌型コネクタを連結端側
から見た正面図、第５図は、第４図の−線横
断平面図、第６図は、第４図の−線縦断側面
図である。 Ａ，A′……雌型接触子ユニツト、１……雌型
接触子、２，３……雌型接触片、２Ａ，３Ａ……
雌型接触片連設板、２ａ，３ａ，２a′，３a′……
連結片、２ｃ，３ｃ……突起、２ｂ，３ｂ，２
b′，３b′……切り込み、３ｅ……延長部、４……
接触部支持体、５……端子部支持体、１０……多
芯雌型コネクタ、１１……外殻部材、１２……貫
通孔、１３……接触子保持部材、１４……合成樹
脂材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 短冊状の導電材の一端に先細りの切り込みを
   長手方向に入れて、二又接触部とした雌型接触片
   複数を、前記先細り切り込みが整合するように位
   置合せして重合し、この複数の雌型接触片が重合
   された雌型接触子複数を、切り離し可能な導電性
   連結片を介して連結し、この雌型接触子を複数連
   結したものを、合成樹脂製の接触子支持体をもつ
   て埋込み連結したことを特徴とする多芯コネクタ
   における雌型接触子ユニツト。 ２ 同一形状の雌型接触片を複数枚重ね合せて雌
   型接触子を形成してなる特許請求の範囲第１項に
   記載の多芯コネクタにおける雌型接触子ユニツ
   ト。 ３ 重ね合わされた雌型接触片のいずれかを、先
   細りの切り込みを入れた接触部とは逆方向へ延長
   し、その延長端部を接続端子としてなる特許請求
   の範囲第１項又は第２項に記載の多芯コネクタに
   おける雌型接触子ユニツト。 ４ 雌型接触片の延長部分を、埋込成形による合
   成樹脂部材で連結保持してなる特許請求の範囲第
   ３項に記載の多芯コネクタにおける雌型接触子ユ
   ニツト。 ５ 先細りの切り込みを長手方向に入れた細長い
   短冊状の雌型接触片所要数を、適数の導電性連結
   片を介して互いに連結してなる雌型接触片連設板
   を打ち抜く工程と、複数の雌型接触片連設板を位
   置合せ手段をもつて、先細りの切り込みが整合す
   るように重ね合せる工程と、重ね合わされた複数
   の雌型接触片連設板の先細り切り込みと連結片を
   除く適所を、連結保持するように、雌型接触片連
   設板を合成樹脂で埋込成形する工程と、この樹脂
   成形の後に、各雌型接触片連設板における雌型接
   触片の連結片を切り離して、複数の雌型接触片を
   重合してなる雌型接触子を、個々に分離する工程
   とからなることを特徴とする多芯コネクタにおけ
   る雌型接触子ユニツトの製造方法。 ６ 雌型接触片連設板を打ち抜く工程が、短冊状
   の多数の雌型接触片を、適数の連結片を介して帯
   状に連設した帯板材から、所要数の雌型接触片を
   連設した雌型接触片連設板を切り出す工程を含む
   ことを特徴とする特許請求の範囲第５項に記載の
   多芯コネクタにおける雌型接触子ユニツトの製造
   方法。 ７ 雌型接触片連設板を打ち抜く工程が、複数の
   雌型接触片の重ね合わせるに際しての位置合せ手
   段の加工を含むことを特徴とする特許請求の範囲
   第５項もしくは第６項のいずれかに記載の多芯コ
   ネクタにおける雌型接触子ユニツトの製造方法。 ８ 重ね合わされる複数の雌型接触片連設板のい
   ずれかの打ち抜き工程が、先細りの切り込みを入
   れた接触部の逆方向へ延長した接続端子部の加工
   を含むことを特徴とする特許請求の範囲第５項乃
   至第７項のいずれかに記載の多芯コネクタにおけ
   る雌型接触子ユニツトの製造方法。 ９ 複数枚重ね合わされた雌型接触片連設板を埋
   込成形する工程が、雌型接触片連設板のいずれか
   の延長部を合成樹脂材で連結する埋込成形工程を
   含むことを特徴とする特許請求の範囲第５項乃至
   第８項のいずれかに記載の多芯コネクタにおける
   雌型接触子ユニツトの製造方法。