JPH0253495B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、アルミの切粉を速やかに溶湯中に引
き込み、空気に触れない状態において溶解するア
ルミ切粉の連続溶解装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、アルミダイキヤスト又は鋳造その他の方
法によつて、鋳造成型されたアルミ鋳物は通常機
械加工をされて機械部品となる。この時に発生す
るアルミ切粉は再生メーカーで再生され、インゴ
ツトとして再び供給される。しかし、アルミ切粉
は単にアルミ溶湯に投入しただけではその比重が
軽いため、溶湯表面に浮上したまま酸化物とな
り、アルミ地金として回収できる量は極めて僅か
である。

［発明が解決しようとする課題］ この回収率を向上させるためには、アルミ溶湯
の表面に投入されたアルミ切粉を速やかに溶湯中
に引き込み、空気に触れない状態において溶解す
ることが肝要である。

この目的のために、従来切粉投入部にスクリユ
ーをつけたり、ポンプで溶湯を汲み上げて斜面に
流し、その上に切粉を投入したり、その他これに
類する各種の方法が試みられているが、いずれも
切粉が溶解する前に浮上してしまつて回収効率は
良くない。

本発明はこれらの欠点を除き、投入された切粉
が溶湯表面に浮上することなく、空気と遮断され
た状態において、効率よく溶解させるアルミ切粉
連続溶解装置を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明の構成を第１図〜第２図に示す実施例に
基づいて説明すると、耐火物で構成した炉体１の
加熱室２に隔壁３を介し隣接して、該隔壁の下部
に設けた夫々連通口７，８を介して連絡する密閉
した湯溜め室４と溶解室５とを形成し、前記湯溜
め室のアルミ溶湯中に吊下げた浸漬式ポンプ１１
の吐出管１７を、接続したベンド管１８により仕
切り壁６を越えて前記溶解室５の溶湯表面下に設
置した水平状の横仕切り壁５ａ下のトンネル５ｂ
内に開放するように逆Ｕ字形に配管し、前記吐出
管上のベンド管１８に小径の切粉投入口２０を設
ける。

又、前記吊下げ浸漬式ポンプ１１の吐出管１７
上部の溶解室に垂下するベンド管１８上面に設置
した小径の切粉投入口２０には、内部にスクリユ
ー１９を挿入設置するか、又はアルミ切粉投入口
２０に振動を加える等の切粉送入機構２２を付設
した構成である。

［作用］ ポンプ１１の吐出口から速い流速で吐出された
アルミの溶湯は吐出管１７及びベンド管１８を経
て送られ溶解室５の溶湯表面下の耐火物で構成さ
れた水平状の仕切り壁５ａ下のトンネル５ｂ内に
圧入される。

この時上部ベンド管１８に小径の切粉投入口２
０を設けてあるので、切粉は溶湯のジエツト作用
により吹出管内に吸収され、溶湯と混合されなが
らトンネル５ｂに吐出され、第１図の矢印に示す
ように連通口８を経て加熱室２に流入する以前に
空気に触れることなく溶解する。そしてこの溶湯
は加熱室２に流入循環しながら昇温されて再び連
通口７より湯溜め室４に流入しポンプ１１に吸引
される。即ちこの一台のポンプ１１は切粉を吸引
溶解すると同時に溶湯を循環させて、効率よく加
熱撹拌する二つの効果を果たしている。

［実施例］ 本発明の構成を実施例に示す図面に従つて説明
すると、１は耐火物で構成された炉体、２は炉体
２の加熱室で、該加熱室２と隔壁３を介して底面
を共有して仕切られた湯溜め室４と溶解室５が形
成されている。

前記湯溜め室４と溶解室５の間には仕切り壁６
が設けられ、また、湯溜め室４と溶解室５は、前
記加熱室２の隔壁３の下方に設けた溶湯が流通す
る夫々連通口７，８を介して加熱室２と連結して
いる。また加熱室２にはアルミ溶湯のためのバー
ナ９，９を両側に配置する。

湯溜め室４の上端に設置した密閉用の架台１０
の上面には、吊下げ浸漬式ポンプ１１のポンプ駆
動部１２が据えつけられ、また下面にはポンプケ
ーシング１３を吊架するコラム１４の上端を取り
付け、ポンプ１１の駆動用シヤフト１５により回
転されるインペラーを内蔵したポンプケーシング
１３、吸い込み口１６は湯溜め室４の溶湯中の下
方に浸漬する。

ポンプ１１の吐出口に連結した吐出管１７は垂
直に架台１０を通して上方に導かれ、その上端に
ベンド管１８が前記仕切り壁６の上方を越えて溶
解室５の溶湯表面下に設置された耐火物からなる
水平状の横仕切り壁５ａ下のトンネル５ｂに開放
するように配管する。

前記溶解室５に屈曲垂下した吐出管１７上部の
ベンド管１８の上面に小径管の切粉投入口２０が
垂直に設置されており、ポンプの吐出圧力により
溶解室５下方の前記トンネル５ｂ内に圧送される
溶湯中に容易にアルミ切粉が引き込まれ、空気に
触れない状態で送り込まれて溶解し易くしてあ
る。

そしてこの切粉投入口２０の上端は漏斗形に開
いたホツパー２１を形成し、供給管２４から落下
する切粉を受け入れ易くする。

１９は切粉投入口２０の小径管内に図示のよう
に設置したスクリユーで、このようにスクリユー
を設置するか、或は適宜振動を加える等の切粉送
入機構２２を設置して、切粉投入口２０の目詰ま
りを防止するようにする。

２３は溶解室５の上端に設置した密封蓋で、前
記架台１０及び密封蓋２３により溶湯の酸化を防
ぐと共に、吐出管１７によりポンプの吐出力のみ
によつて溶湯中に引き込まれるアルミ切粉が空気
に触れないで加熱室２に送り込まれ溶解されると
共に、溶湯は第１図の矢印に示すように循環され
る。

また前記の使用ポンプは、インペラー、コラ
ム、吐出管等は溶融アルミの付着、酸化を防ぎ長
期に使用可能とするために、セラミツク製とする
のが望ましい。

［発明の効果］ 本発明は上記の構成により、アルミ切粉の溶湯
投入時並びに溶解時において、空気との接触を避
け酸化を可及的に抑制し、高い溶解歩留まりで連
続的に溶解、回収できる。また、ポンプの吸込側
ではなく、吐出側で切り粉を投入するので、ポン
プ寿命を長持ちさせることができる。更にポンプ
の吐出力のみによつて切粉の吹い込み、溶湯の循
環を達成し得て連続溶解が速やかに行えるばかり
でなく、トンネル内では空気に触れることなく溶
解でき、またアルミ投入口にスクリユー、又は振
動を加える送入機構を設けることによつて、切粉
の目詰まりを防止できスムーズな連続溶解が可能
である等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示すアルミ切粉連続
溶解装置の平面図、第２図は同断面図的説明図。 １……炉体、２……加熱室、３……隔壁、４…
…湯溜め室、５……溶解室、５ａ……横仕切り
壁、５ｂ……トンネル、６……仕切り壁、７，８
……連通口、１０……架台、１１……吊下げ浸漬
式ポンプ、１３……ポンプケーシング、１６……
吸込み口、１７……吐出管、１８……ベンド管、
１９……スクリユー、２０……切粉投入口、２２
……送入機構。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 炉体の加熱室に隔壁を介し隣接して、該隔壁
   の下部に設けた夫々の連通口で加熱室と連絡する
   密閉した湯溜め室と溶解室とを設け、前記湯溜め
   室のアルミ溶湯中に吊下げた浸漬式ポンプの吐出
   管を、仕切り壁を越えて前記溶解室の溶湯表面下
   に設置された水平状の横仕切り壁下のトンネル内
   に開放するように逆Ｕ字形に配管し、前記吐出管
   の上部ベンド管に小径の切粉投入口を設けてなる
   アルミ切粉の連続溶解装置。 ２ 吊下げ浸漬式ポンプの吐出管上部の溶解室側
   に垂下せるベンド管上面に小径の切粉投入口を設
   け、該切粉投入口に、スクリユーを設置するか、
   又は振動を加える等の切粉送入機構を設けた請求
   項１記載のアルミ切粉の連続溶解装置。