JPH025127B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ 発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、水槽内に敷き詰められる砂利中に少
なくとも一部を埋没させて水槽内底部に設置され
る濾過装置に関する。

(2) 従来の技術 かかる濾過装置は、一般に合成樹脂で形成され
ており、軽量であるので、砂利中に少なくとも一
部を安定的に埋没させるために、従来では砂利な
どを内蔵している。また比較的広い範囲から吸水
して濾過するために従来では、薄型箱状のケーシ
ングを砂利中に埋没させるようにしている。

(3) 発明が解決しようとする問題点 上記従来の濾過装置では、砂利などを内蔵して
いるために梱包や運搬時にその砂利の重さ分だけ
余分な労力がかかり、不便である。また濾過材の
目詰りが生じたときの清掃時には、ケーシングを
砂利中から引き出すのが困難であり、清掃作業が
煩雑となる。さらにケーシング内に気泡が溜り易
く、その気泡により水の円滑な流れが阻害され
る。

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので
あり、砂利などの内蔵を避けて軽量化を図り、し
かも清掃作業を容易とするとともに気泡の滞留を
防止して水の円滑な流れを可能とした濾過装置を
提供することを目的とする。

Ｂ 発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本発明によれば、水槽内に敷き詰められる砂利
中にケーシングの少なくとも一部を埋没させて水
槽内底部に設置される濾過装置において、皿状の
底蓋に、上方に向かうにつれて細狭まりとなり上
端には排水筒部を一体に備える逆漏斗状カバーを
着脱可能に嵌合して前記ケーシングが構成され、
前記排水筒部の下方で底蓋の中央には支持筒部が
一体的に突設され、前記ケーシング内は仕切板に
より前記排水筒部に連なる中央部の清浄水室と、
その周囲の濾過作用室とに区画され、該濾過作用
室内は濾過材により、前記カバーに穿設した複数
の吸水孔を通して水槽内に連通する未浄化室と、
前記清浄水室に通じる浄化室とに画成され、前記
支持筒部には清浄水室に臨んで空気噴射筒が装着
されると共に、該空気噴射筒には、該空気噴射筒
内に加圧空気を供給するための給気管が接続さ
れ、前記カバーの下端周縁にはその周縁に沿つて
延びる筒状壁部が一体的に立設され、この筒状壁
部と、前記カバーの傾斜した外面との間には、水
槽内の前記砂利の一部を収納保持するための、上
面開放の環状収納凹部が画成される。

(2) 作 用 空気噴射筒から空気を噴射することにより、清
浄水室内には排水筒部内を上方に流通する水流が
生じ、それに応じて吸水孔から未浄化室、濾過
材、浄化室を経て清浄水室内に至る水流が生じ、
これにより砂利で濾過された水が、濾過材でさら
に濾過されて水槽内に戻る。しかも収納凹部に砂
利を収納することにより、ケーシングの姿勢が安
定化し、収納凹部に砂利を入れなければケーシン
グは軽量化して、梱包、運搬に好都合である。ま
たカバーは逆漏斗状であるので、ケーシング内に
気泡が滞留することはなく、円滑な水流を実現す
ることができるとともに、ケーシングを砂利中か
ら引き上げて清掃することが容易となる。

(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説
明すると、先ず第１図において、水槽１内の底部
には本発明濾過装置２が、その一部を水槽１内に
敷き詰められた砂利３中に埋没させて設置され
る。水槽１内の水は、濾過装置２の未浄化室４か
ら濾過材５を透過して浄化室６に吸引され、さら
に清浄水室７から排水筒部８を経て水槽１内に戻
され、これにより水槽１内の水の汚濁が防止され
る。

第２図および第３図を併せて参照して、濾過装
置２のケーシング９は、合成樹脂製底蓋１０と、
合成樹脂製カバー１１とを着脱可能に嵌合して構
成される。底蓋１０は、八角形の底板１２の外周
縁に筒部１３を一体的に設けて成り、底板１２は
中央部に向かうにつれて上方にわずかに***する
ように形成される。この底蓋１０の中央部には、
上端が閉塞しかつ下端が開放した支持筒部１４が
上方に向けて一体的に突設される。支持筒部１４
の上端上面には、嵌合筒部１５が一体的に突設さ
れ、該上端下面には嵌合筒部１５内に通じる接続
筒部１６が一体的に設けられる。また支持筒１４
の外側面には突部１７が全周にわたつて設けられ
る。

カバー１１は、上方に向かうにつれて細狭まり
となり底蓋１０に対応して八角形状に形成された
漏斗状カバー本体１８の下端周縁に前記底蓋１０
の筒部１３を嵌入し得る筒部１９を一体的に設け
て成り、カバー本体１８の上端に排水筒部８が一
体的に設けられる。また筒部１９の下端内面に
は、底蓋１０の筒部１３を嵌合したときに、該筒
部１３の屈曲部に係合する複数の係止突起２０が
突設される。さらに、カバー本体１８の下端周縁
には、前記筒部１９に連なつて上方に延びる筒状
壁部２１が一体的に設けられており、この筒状壁
部２１とカバー本体１８の外面との間には、上方
に開放した環状収納凹部２２が画成される。該収
納凹部２２には、濾過装置２の水槽１内への設置
時に砂利３が積層、収納される。

ケーシング９内には、該ケーシング９内を中央
部の清浄水室７と、その周囲の濾過作用室２３と
に区画すべく合成樹脂製仕切板２４が装着され
る。該仕切板２４は、上方に向かうにつれて大径
となる横断面八角形の円錐台状に形成されてお
り、その小径端部は突部１７を乗越えて底蓋１０
の支持筒部１４に嵌合され、大径端部はカバー本
体１８の内面に当接される。

底蓋１０における底板１２の上面には、八角形
である底板１２の各頂点に向けて放射状に８個の
支持枠２５が固着される。しかも各支持枠２５の
上面はカバー本体１８の内面との間に一定の間隙
を形成するように傾斜される。また、各支持枠２
５間の中央部で筒部１３の下部内面には係止爪２
６がそれぞれ穿設される。一方、仕切板２４には
各支持枠２５に対応して嵌合孔２７が穿設されて
おり、仕切板２４の装着時に各支持枠２５の上端
は嵌合孔２７にそれぞれ嵌入される。さらに、仕
切板２４の下部外面には前記係止爪２６に対応し
て係止爪２８が突設される。

濾過作用室２３内には濾過材５が収納される。
この濾過材５は帯状に形成されており、各支持枠
２５間を内方に屈曲するようにして波状周壁を構
成し、支持枠２５に支持される。しかも濾過材５
の内方への屈曲部は係止爪２６，２８に係止され
る。このように支持枠２５で支持された濾過材５
は、支持枠２５の上面と、カバー本体１８の内面
との間で挟圧、固定され、この濾過材５によつて
濾過作用室２３内がカバー本体１８の内面側に臨
む未浄化室４と、内部の浄化室６とに区画され
る。

カバー本体１８には、未浄化室４に連通する複
数の吸水孔２９が上下２列で穿設され、仕切板２
４には浄化室６および清浄水室７間を連通する複
数の連通孔３０が穿設される。さらに、仕切板２
４の大径端面には、未浄化室４および清浄水室７
間を連通する逃し孔３１をカバー本体１８の内面
との間に画成するための複数の切欠き３２が設け
られる。さらに、底蓋１０における支持筒部１４
の上部閉塞端には、複数の空気逃し孔３３が穿設
される。

支持筒部１４の上端の嵌合筒部１５には、発泡
性合成樹脂等の通気性素材より成り上端を閉塞し
た円筒状空気噴射筒３４が嵌合される。一方、接
続筒部１６には給気管３５が底蓋１０の下方側か
ら接続される。この給気管３５は、図示しない空
気供給源に接続されるが、給気管３５を側方に引
き出すために底蓋１０における底板１２の下面に
は、給気管３５に対応した形状で上方に凸に凹ん
だ凹部３６が設けられる。

次にこの実施例の作用について説明すると、濾
過装置２は、砂利３を敷き詰めた水槽１の底部に
設置されるが、この際、ケーシング９の下部すな
わち上方の吸水孔２９が砂利３の層面から上方に
位置する程度を砂利３内に埋没させて設置され、
収納凹部２２内にも砂利３が積層、収納される。
この収納凹部２２内の砂利３は重錘としての機能
を果し、それにより濾過装置２がその下部を砂利
３中に埋没させた姿勢を安定的に保持することが
できる。

水槽１内への設置状態で、空気供給源から給気
管３５を経て空気噴射筒３４に加圧空気を供給す
ると、空気噴射筒３４から加圧空気が気泡状に噴
出される。この噴出空気は清浄水室７内を上昇
し、さらに排出筒部８内を上昇する。これに伴つ
て、清浄水室７内の水も上昇して排水筒部８から
水槽１内に吐出される。この結果、清浄水室７に
は吸水力が生じ、水槽１内の汚濁水の一部は、砂
利３を透過し、吸水孔２９から未浄化室４を経て
濾過材５を透過し、さらに浄化室６から連通孔３
０を経て清浄水室７に流入する。したがつて汚濁
水は砂利３で一次濾過された後、濾過材５で濾過
されて清浄化される。また一部の汚濁水は上方の
吸水孔２９から清浄水室７に流入して循環する。

このような濾過作用時に、カバー１１は逆漏斗
状に形成されているので、ケーシング９内に生じ
た気泡は、カバーの内面側に溜ることなく上方に
逃されるので、水の円滑な流れが気泡によつて阻
害されることはなく、円滑な水流によつて濾過効
率が向上する。

ところで、濾過材５を流過する水の速度が大き
いと、濾過材５内にクロレラや有機物を分解する
バクテリアを好む好気性微生物の繁殖が阻害され
るので、未浄化室４内に流入して来た水の一部は
逃し孔３１により清浄水室７に逃される。これに
より、濾過材５を流通する水の速度が、前記好気
性微生物の繁殖に適した速度となり、濾過材５に
付着する残餌や糞などの有機物を好気性微生物で
分解して目詰りを防止するとともに、クロレラ等
を水槽１内の観賞魚の生餌として供することもで
きる。

また、支持筒部１４の上端には空気逃し孔３３
が設けられているので、底蓋１０の下方に溜る空
気を上方に逃すことができる。さらに砂利３内を
通過して底蓋１０の下方に至つた水を空気逃し孔
３３から清浄化室７内に吸引して循環させること
もできる。

このような濾過装置２は、水槽１内への設置状
態で砂利３の上方には一部が突出されているだけ
であり、目立たないので、観賞魚用の水槽１に用
いるのに最適である。また、濾過材５の目詰りが
生じたときにケーシング９内を清掃するにあたつ
ては、ケーシング９を砂利３中からそのまま引き
上げて底蓋１０とカバー１１とを相互に離脱させ
れば容易に分解でき、ケーシング９内の清掃を容
易に行なうことができる。

なお排水筒部８にパイプを接続して、水槽内の
水面近くにまで排水を導くようにすることもでき
る。

Ｃ 発明の効果 以上のように本発明によれば、水槽内に敷き詰
められる砂利中にケーシングの少なくとも一部を
埋没させて水槽内底部に設置される濾過装置にお
いて、皿状の底蓋に、上方に向かうにつれて細狭
まりとなり上端には排水筒部を一体に備える逆漏
斗状カバーを着脱可能に嵌合して前記ケーシング
が構成され、前記排水筒部の下方で底蓋の中央に
は支持筒部が一体的に突設され、前記ケーシング
内は仕切板により前記排水筒部に連なる中央部の
清浄水室と、その周囲の濾過作用室とに区画さ
れ、該濾過作用室内は濾過材により、前記カバー
に穿設した複数の吸水孔を通して水槽内に連通す
る未浄化室と、前記清浄水室に通じる浄化室とに
画成され、前記支持筒部には清浄水室に臨んで空
気噴射筒が装着されると共に、該空気噴射筒に
は、該空気噴射筒内に加圧空気を供給するための
給気管が接続され、前記カバーの下端周縁にはそ
の周縁に沿つて延びる筒状壁部が一体的に立設さ
れ、この筒状壁部と、前記カバーの傾斜した外面
との間には、水槽内の前記砂利の一部を収納保持
するための、上面開放の環状収納凹部が画成され
るので、ケーシング上面のカバーが逆漏斗状であ
ることよつて、ケーシング内において気泡の滞留
を生じさせることなく水の円滑な流れを実現し
て、濾過効率を向上することができ、しかも清掃
時には砂利中からケーシングを容易に引き上げる
ことができて作業能率を高めることができる。

また上記逆漏斗状カバーの下端周縁に一体的に
立設されて該カバーの傾斜外面との間に砂利収納
凹部を画成する上記筒状壁部は、該傾斜外面に沿
う砂利の滑落を阻止して、該収納凹部内に水槽内
の砂利の一部を確実に保持することができるか
ら、その保持した砂利をケーシングに対する重錘
として有効に利用できてケーシング自身を、水槽
内に敷き詰められた砂利中に安定よく定置するこ
とができ、その定置のためにケーシングに砂利そ
の他の重量物を特別に内蔵させる必要はないの
で、それだけ濾過装置の軽量小型化に寄与するこ
とができ、その梱包、運搬等に便利である。しか
も上記筒状壁部の特設により、カバーの下端周縁
部の強度が高められるから、カバー自体の変形破
損の防止に効果的である。さらに上記筒状壁部と
カバーの傾斜外面との間に画成される環状収納凹
部は上面が開放されているから、その凹部内への
砂利の出入れが頗る容易であり、その出入れ作業
を、濾過装置の水槽内への取付け、取外し時に難
なく行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は水槽内に設置した状態を示す縦断面図であつ
て、第２図の−線断面図、第２図は第１図の
部分切欠き横断平面図、第３図は拡大分解斜視図
である。 １…水槽、２…濾過装置、３…砂利、４…未浄
化室、５…濾過材、６…浄化室、７…清浄水室、
８…排水筒部、９…ケーシング、１０…底蓋、１
１…カバー、１４…支持筒部、２１…筒状壁部、
２２…収納凹部、２３…濾過作用室、３４…空気
噴射筒、３５…給気管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水槽１内に敷き詰められる砂利３中にケーシ
   ング９の少なくとも一部を埋没させて水槽１内底
   部に設置される濾過装置において、皿状の底蓋１
   ０に、上方に向かうにつれて細狭まりとなり上端
   には排水筒部８を一体に備える逆漏斗状カバー１
   １を着脱可能に嵌合して前記ケーシング９が構成
   され、前記排水筒部８の下方で底蓋１０の中央に
   は支持筒部１４が一体的に突設され、前記ケーシ
   ング９内は仕切板２４により、前記排水筒部８に
   連なる中央部の清浄水室７と、その周囲の濾過作
   用室２３とに区画され、該濾過作用室２３内は濾
   過材５により、前記カバー１１に穿設した複数の
   吸水孔２９を通して水槽１内に連通する未浄化室
   ４と、前記清浄水室７に通じる浄化室６とに画成
   され、前記支持筒部１４には清浄水室７に臨んで
   空気噴射筒３４が装着されると共に、該空気噴射
   筒３４には、該空気噴射筒３４内に加圧空気を供
   給するための給気管３５が接続され、前記カバー
   １１の下端周縁にはその周縁に沿つて延びる筒状
   壁部２１が一体的に立設され、この筒状壁部２１
   と、前記カバー１１の傾斜した外面との間には、
   水槽１内の前記砂利３の一部を収納保持するため
   の、上面開放の環状収納凹部２２が画成されるこ
   とを特徴とする、濾過装置。