JPH0249523Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば製図等に描かれた線分の長さ
を測定する携行可能な携帯用測距具に関する。

従来、例えば製図やガリ板印刷に描かれた線分
の長さを測定するには例えばデイバイダを用いて
線分の長さをうつし取つた後にスケールと対比さ
せて線分の長さを測定したり、または曲線を測定
するには自在定規を曲線に合わせた後にスケール
にうつしかえて長さを測定していた。従つて線分
の長さを測定するのに手間がかかるとともに測定
誤差が正じ易い欠点がある。

本考案は上述の如き点に鑑みてなされたもので
ありその目的とするところは線分の長さの測定が
測定誤差を生ずることがなく電子カウンタで直読
でき、また携行に便なる携帯用測距具を提供する
のにある。

以下本考案の一実施例の詳細を第１図ないし第
３図に従つて説明する。

１はペン形のホルダ・ケースである。２はホル
ダ・ケース１の一側に内蔵された移動量検知機構
部であり、この移動量検知機構部２は例えば製図
やガリ板印刷に描かれた線分の測定軌跡を辿つて
回転されるローラ３と、該ローラ３に軸４により
同軸に回転されるプーリ５と、前記ホルダ・ケー
ス１内に軸６により回転自在に取付けられたプー
リ７と、このプーリ７と前記プーリ５間に捲回さ
れたエンドレスの磁気ベルト８とから形成され
る。９は中間プーリである。１０は変換手段であ
り、この変換手段１０としては磁気ヘツドや磁電
変換素子が用いられ、この変換手段１０は前記磁
気ベルト８の移動に伴う磁気変化を検知して電気
信号に変換する。１１は前記変換手段１０に接続
された電子カウンタであり、この電子カウンタ１
１には前記移動量検知機構部２にて辿られる製
図、ガリ板等で描かれた線分の機械量を磁気ベル
ト８の磁気変化量に変換し、さらにこの磁気変換
量をもとに前記変換手段１０にて変換される電気
変換量が表示されるようになつている。また電子
カウンタ１１はスイツチ１２の切換えによつてク
ウオーツ機能が発揮され、時刻表示がされるとと
もにスイツチ１３を切換えることによつて計算機
としても用いられる。１４は電源スイツチ、１５
は電池等の電源で、この電源１５としては例えば
シリコン電池が用いられる。１６はホルダ・ケー
ス１の他側に設けられたボールペン、フエルトペ
ン、万年筆等の筆記具である。この筆記具１６は
ホルダ・ケース１に対してネジ込み、嵌入等の固
定手段によつて取付けてもよいし、スライド式に
取付けてもよい。１７はホルダ・ケース１の他端
部に被冠されるキヤツプであり、このキヤツプ１
７は筆記具１６の破損を防止するとともに筆記具
１６によつて紙面や手等が汚れるのを防止するた
めのものである。１８は必要に応じてホルダ・ケ
ース１の外周に設けられた掛金具である。１９は
前記電子カウンタ１１に計算機能を発揮させる場
合に数字、記号等を表示した数個の押ボタンスイ
ツチである。

本考案の一実施例は上述のような構成からな
り、使用に際し製図やガリ板印刷で描かれた線分
の長さと測定するには、電源スイツチ１４をオン
して変換手段２と電子カウンタ１１の回路を閉路
した後にホルダ・ケース１の一側に設けられた移
動量検知機構部２のローラ３にて測定すべき線分
を辿れば、ローラ３が回転することによりこのロ
ーラ３と同時に設けられたプーリ５、およびプー
リ７間に掛回された磁気ベルト８は回転される。
従つてローラ３が線分を辿る機械量が磁気ベルト
８の移動により磁気変化量に表われる。そしてこ
の磁気変化が磁気ヘツド、磁気変換素子等の変換
手段２により検知されてその量に応じた電気信号
（パルス）に変換された後に電子カウンタ１１に
て計数された変換量が例えばデイジタル表示され
る。この場合、カウンタ表示部が機械的なもので
あるならば、カウンタ表示部には移動量検知機構
部２によつて辿られる線分がメカ的に表示され
る。また電子カウンタ１１にメモリ機能をもたせ
ればローラ３が辿られる線分もメモリすることも
できるし、計算機としての機能をもたせれば計算
機としても使用できる。しかも電子カウンタ１１
はスイツチ１２をオンすることによりクウオーツ
として時刻表示できる。またキヤツプ１７をホル
ダ・ケース１から取外せばホルダ・ケース１の他
側には筆記具１６が設けられているから筆記具１
６として用いることもできる。

第４図は本考案の第２実施例である。この実施
例においては移動量検知機構部２、変換手段１
０、電池等の電源１５を収納した棒状の同一のホ
ルダ・ケース１の一端に筆記具１６を装設したほ
か、同一のホルダ・ケース１の他端内部に設けた
移動量検知機構部２に隣接してボールペン等の筆
記具２０をボタン１９の摺動操作により出没自在
に装設している。

そして前記実施例と同様にローラ３で測定すべ
き線分を辿る機械量を磁気ベルト８により磁気変
化量に表わし、その後この磁気変化量を磁気ヘツ
ド、磁電変換素子等の変換手段２により検知して
その電気量を電子カウンタ１１にて計数してデイ
ジタル表示するほか、前記ボタン１９の摺動操作
により筆記具２０を突出させて前記ローラ３が辿
る線分に平行して筆記具２０にて直線又は曲線が
描ける。

またホルダ・ケース１の他端部に設けた筆記具
１６により筆記ができるとは云うまでもない。さ
らにホルダ・ケース１はペン形をしてポケツト内
等に収納して携行に便利であり、しかも把り易く
筆記や線分を辿るのにも都合が良い。またホル
ダ・ケース１は移動量検知機構部２や筆記具１６
の付近の螺子部１ａ，１ｂにて３分割されるか
ら、配線作業、内部部品の組立、補修、電源１５
の変換も簡便に行える。

さらに任意長さをマイクロ・コンピユータの記
憶素子に記憶させてメモリ機能をもたせるように
すればローラ２にて任意の長さを辿つたり、任意
長さの線分を筆記具２０にて筆記した場合にラン
プの点燈や音を発することにより、同一長さの線
分を重複して辿つたり、同一長さの線分を重複し
て引くことができる。また製品の寸法検査にも使
用することができる。

なおこの実施例ではホルダ・ケース１はペン形
に形成されているが、これに限らず例えば扁平な
ボツクス状とし、このホルダ・ケース１の内部に
移動量検知機構部２を内蔵させることによつて携
行に便なるようにしてもよい。

上述のように本考案の携帯用測距具は例えば製
図に描かれた線分の長さの測定がカウンタ表示部
で直読できるので従来のようにデバイダでうつし
取つた線分をその後スケールに合わせて読む等の
手間が省略でき、きわめて便利になるとともに測
定誤差も生じない。しかも筆記具として使用で
き、また携行に便利である等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示した一部切欠側
面図、第２図は同じくキヤツプを外した状態の側
面図、第３図は本実施例を構成する移動量検知機
構部の一部を示した側面図、第４図は本考案の他
の実施例を示した断面図である。 １……ホルダ・ケース、２……移動量検知機構
部、３……ローラ、８……磁気ベルト、１０……
変換手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筆記軌跡を辿つて回転されるようなローラおよ
   び該ローラに連動して回転されるエンドレスの磁
   気ベルトとから形成されてホルダ・ケースの一側
   に内蔵された移動量検知機構部と、該移動量検知
   機構部にて検知された機械的移動量を前記磁気ベ
   ルトの磁気変化からさらに電気信号に変換する変
   換手段と、該変換手段に電気的に接続された電子
   カウンタとから成ることを特徴とした携帯用測距
   具。