JPH0248306Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、トラクタにおいて、機体の前後バラ
ンスを保つために機体前部に装着するトラクタの
バランスウエイトに係るものである。

従来の技術 従来、トラクタにおいて、機体の前後バランス
を保つために、機体の前部にバランスウエイトを
装着して用いることは広く行われているが、その
バランスウエイトは、重量が大で堅牢度の高いも
のであるにもかかわらず、重量バランスを保つだ
けの単機能しか有しないものである。

考案が解決しようとする問題点 ところで、トラクタにおいては、シヤシの前部
にステアリング装置を配置しているものが多く、
かかる構成のものでは、機体がコンクリート畦畔
や石などを乗越える際にステアリング装置がそれ
らに衝突して破損し、危険をまねくおそれがある
ので、ステアリング装置の保護フレームを設ける
などの対策が必要である。

そこで、本考案は、従来単機能のみであつたバ
ランスウエイトに、本来の機能と併せてその堅牢
度を活してステアリング装置の高い保護機能をも
たせ、機体の構造を何ら複雑化することなく、運
転走行上の安全性の向上を図ることができるトラ
クタのバランスウエイトを提供することを目的と
するものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、その目的を達成するための技術的手
段を次のように構成した。すなわち、本考案に係
るトラクタのバランスウエイトは、トラクタの前
部に装着して機体の前後バランスを保つためのバ
ランスウエイトであつて、シヤシの前部に位置す
るステアリング装置の前面に対向してシヤシの前
端部内側に装着される取付部と、該取付部の下部
からステアリング装置の下面に対向して内側に突
出する張出部とでＬ字状に形成したことを特徴と
するものである。

作 用 本考案に係るバランスウエイトをトラクタのシ
ヤシ前部に装着すると、その取付部がステアリン
グ装置の前面に対向し、かつその張出部でステア
リング装置の下面が覆われるので、機体の走行時
にコンクリート畦畔や石などを乗越えても、それ
らにステアリング装置が衝突するのを防止でき、
安全が確保される。なお、バランスウエイトは重
量が大であり、かつ堅牢度の高いものであるか
ら、それによるステアリング装置の保護機能はき
わめて高いものとなる。

実施例 本考案の実施例を図面について説明する。

第１図ないし第３図において、１はトラクタ、
２はそのシヤシであつて、シヤシ２の前部にはス
テアリング装置３が設けられており、４はそのス
テアリングギヤボツクスである。５はフロントア
クスル、６，６は前車輪、７はタイロツドであつ
て、前記ステアリングギヤボツクス４のシヤフト
８とタイロツド７はアーム９によつて連動されて
いる。１０は操向ハンドルであつて、操向ハンド
ル１０はロツド１１を介してステアリングギヤボ
ツクス４の内部機構に連動されている。１２はボ
ンネツト、１３はフロントグリルである。

上記シヤシ２の前部には、ステアリングギヤボ
ツクス４に対応してバランスウエイト１４が装着
されている。このバランスウエイト１４は、ステ
アリングギヤボツクス４の前面に対向する取付部
１５とその下部からステアリングボツクス４の下
面に対向して内側に突出する張出部１６とでＬ字
状に形成したものであつて、バランスウエイト１
４は取付部１５をシヤシ２の前端部内面に当てて
複数のボルト１７で固定することにより、シヤシ
２に取付けられている。なお、第１図中１８はコ
ンクリート畦畔を示している。

第４図および第５図には、バランスウエイト１
４′の取付部を分割して上部ウエイト１５′とし、
かつ張出部を下部ウエイト１６′としたものが示
されている。このように構成されたバランスウエ
イト１４′は、下部ウエイト１６′をシヤシ２の下
に、上部ウエイト１５′をその上にシヤシ２のブ
ラケツト１９をはさんで配設し、下部ウエイト１
６′から上部ウエイト１５′に複数のボルト２０を
螺装して一体的に固定して取付けられる。そし
て、上部ウエイト１５′はステアリングギヤボツ
クス４の前面と対向し、下部ウエイト１６′はそ
の下面を覆つている。

また、第６図ないし第８図に示すように、バラ
ンスウエイト１４の張出部１６には、その下面に
凹部２１を形成して、そこにロープを掛けるため
のフツク２２を形成すれば、機体の牽引等の場合
に便利である。しかも、フツク２２はバランスウ
エイト１４の取手にもなるから、バランスウエイ
ト１４の着脱作業を安全に行うことができる。

叙上の如く構成されたバランスウエイト１４ま
たは１４′は、その取付部１５または取付部とな
る上部ウエイト１５′がステアリングギヤボツク
ス４の前面を、張出部１６または下部ウエイト１
６′がその下面を覆うので、機体が例えばコンク
リート畦畔１８を乗越えるような場合でも、ステ
アリングギヤボツクス４は、機体の進行方向に対
して前面および下面がバランスウエイト１４また
は１４′によつて保護され、その破損を防止する
ことができて、安全が確保される。しかも、上記
バランスウエイト１４または１４′はシヤシ２の
前端部内面に装着されるので、前方にオーバーハ
ングすることはない。

考案の効果 これを要するに、本考案は、トラクタの前部に
装着して機体の前後バランスを保つためのバラン
スウエイトであつて、シヤシの前部に位置するス
テアリング装置の前面に対向してシヤシの前端部
内側に装着される取付部と、該取付部の下部から
ステアリング装置の下面に対向して内側に突出す
る張出部とでＬ字状に形成したから、バランスウ
エイトがステアリング装置の前面と下面を覆うの
で機体の走行時にコンクリート畦畔等を乗越えて
も、それらが前方および下方からステアリング装
置に直接衝突して破損させる危険を確実に防止す
ることができる。このためバランスウエイトに、
その堅牢度を活してステアリング装置の高い保護
機能をもたせることができ、しかも、シヤシの前
端部内側に装着されるバランスウエイトは前方に
オーバーハングしないので、機体の構造を何ら複
雑化することなく、運転走行上の安全性の向上を
図ることができる効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るトラクタのバランスウエイ
トの実施例を示すものであつて、第１図はバラン
スウエイトをトラクタに装着した態様の側面図、
第２図は同上斜視図、第３図はバランスウエイト
の斜視図、第４図は他例のバランスウエイトをト
ラクタに装着した態様の側面図、第５図はそのバ
ランスウエイトの斜視図、第６図はさらに他例の
バランスウエイトをトラクタに装着した態様の側
面図、第７図および第８図はそのバランスウエイ
トの斜視図である。 １……トラクタ、２……シヤシ、３……ステア
リング装置、４……ステアリングギヤボツクス、
５……フロントアクスル、６，６……前車輪、７
……タイロツド、１４，１４′……バランスウエ
イト、１５……取付部、１５′……上部ウエイト、
１６……張出部、１６′……下部ウエイト、１９
……ブラケツト、２１……フツク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) トラクタの前部に装着して機体の前後バラン
   スを保つためのバランスウエイトであつて、シ
   ヤシの前部に位置するステアリング装置の前面
   に対向してシヤシの前端部内側に装着される取
   付部と、該取付部の下部からステアリング装置
   の下面に対向して内側に突出する張出部とでＬ
   字状に形成したことを特徴とするトラクタのバ
   ランスウエイト。 (2) ステアリング装置の前面に対向する取付部を
   上部ウエイトとして分割し、張出部側の下部ウ
   エイトと上部ウエイトとをシヤシをはさんで固
   定することを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のトラクタのバランスウエイト。