JPH0247387A - 複合カレンダーロール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、製紙工程中のカレンダー機に使用される複合
カレンダーロールに関するものである。

（従来の技術） 製紙工程中のカレンダー工程は、製品の最終的な品質を
決定する重要な箇所である。これに使用されるカレンダ
ーロールは、一般にチルドロールが用いられ、従来常温
で使用されてきた。

しかし、カレンダーロールを加温すれば、紙の平滑度や
光沢などが上昇し、紙強度が向上できるなどの効果が期
待できる。そこで、ロール内部に加熱媒体を通して加熱
することができるカレンダーロールが使用されるに及ん
でいる。

第３図はこのような加熱ロールのひとつを示しており、
ロール３１の軸心に小口径の貫通孔３２を穿設し、孔の
一端側から他端側に向って蒸気などの加熱媒体を送給す
ることにより、チルドロールを加熱するものである。

第４図は他の加熱ロールの例を示しており、ロール胴部
外周域に、放射状に多数の加熱媒体送給孔３４が、ロー
ル軸心方向に沿って開設されている。

ロール軸部には、軸心方向に沿って加熱媒体給排孔３６
が開設されている。前記送給孔３４はその両端が閉塞さ
れると共に、閉塞部近傍位置で給排孔３６に連通してい
る。給排孔３６は一端が閉塞され、他端に加熱媒体供給
管３７が同心状に配設され、該供給管３７はスペーサー
３８を介して給排孔３６内に支持されている。図中矢印
は加熱媒体の流れる経路を示している。

（発明が解決しようとする課題） 以上のような従来のカレンダーロールには下記のような
問題点がある。

すなわち、第３図の場合には、チルドロール軸心の貫通
孔３２からロール表面までの距離が長いので、加熱の効
果が十分でない。またチルドロール内部の熱伝導が不均
一になり易（、ロール表面の温度分布が不均一になる。

一方、第４図の場合には、加熱媒体送給孔３４、加熱媒
体給排孔３６や両者の連通孔３５など加熱媒体の流路を
形成するために多数の穿孔加工が必要となる。特に送給
孔３４や連通孔３５は細長い孔加工を要し、加工困難な
ため製造コストが高くなる。

本発明は上述の問題点に鑑みてなされたもので、加工が
容易で、ロール胴部表面の温度分布が均一となるカレン
ダーロールを提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するためになされた本発明のカレンダ
ーロールは、耐摩耗材で形成された中空円筒状の外層部
１に、強靭材で形成されかつ外周面に加熱媒体送給用溝
３が凹設された軸部５が嵌合されると共に拡散接合され
、前記溝３の軸部外周面の開口が外層部内周面２によっ
て閉塞されて加熱媒体送給用流路４が形成されているこ
とを発明の構成とするものである。

（作　用） 加熱媒体送給用溝３は、軸部外周面に形成されるので、
加工が極めて簡単である。

外周面に加熱媒体送給用溝を形成した軸部５を、中空円
筒状の外層部１に嵌合して、拡散接合するので、軸部外
周面の溝３の開口が外層部内周面２によって閉塞され、
外層部内周面に沿って加熱媒体流路４が容易に形成され
る。

該流路に加熱媒体を流すことによって、ロール表面を均
一に加熱できる。

（実施例） 本発明の実施例について図面を参照して説明する。

第１図は本発明の第１実施例に係る複合カレンダーロー
ルの構造を示す。本実施例のロールは、外層部ｌに軸部
５が嵌合されると共に、軸部５の外周面と外層部の内周
面２とが熱間静水圧加圧処理によって拡散接合されてい
る。

前記外層部１は、チルド鋳鉄や高クロム鋳鉄などの耐摩
耗材を適宜選択使用することができる。

通常、遠心力鋳造法によって鋳造後、機械加工したもの
を用いる。一方軸部５は、機械構造用炭素鋼や構造用合
金鋼などの強靭材から適宜選択し、機械加工したものを
用いることができる。

前記軸部５の外周面には、−条のらせん状の加熱媒体送
給用溝３が凹設されており、該溝３の開口が外層部１の
内周面２によって閉塞されて加熱媒体送給用流路４が形
成されている。軸部５両端には軸心方向に沿って加熱媒
体給排孔９，１０が穿設されている。前記流路４は、ロ
ールの胴部末端側で給排孔９，１０とそれぞれ連通され
ている。

尚、本実施例では、加熱媒体の流路となる溝を一条のら
せん状溝としたが、これに限るものでなく、軸心に平行
な直線状の溝の適宜数を軸部外周面に凹設してもよい。

第１実施例に係るカレンダーロールによれば、加熱媒体
は、図中矢印で示したように、ロール軸部の加熱媒体給
排孔９，１０の一端側たとえば９より送給され、ロール
外層部１の内周面２の加熱媒体送給用流路Ａに導かれる
。そして、前記流路４に沿って外層部内周面をらせん状
に周回しつつ外層部を均一に加熱した後、他端側の給排
孔１０に至り、排出される。

このように、ロール外層部１の内周面２を加熱媒体が流
れるので、ロール外層部１が均一に加熱できる。

第２図は本発明の第２実施例に係る複合カレンダーロー
ルの構造を示す。本実施例のロールも、第１実施例と同
じく、中空円筒状の外層部１１に軸部１５が嵌合される
と共に、拡散接合された構造である。

前記軸部１５の外周面には、二条のらせん状の加熱媒体
送給用溝１３，２１が凹設されており、該溝１３゜２１
が外層部１１の内周面１２によって閉塞されて加熱媒体
送給用流路１４．２２が形成されている。軸部１５両端
には軸心方向に沿って加熱媒体給徘孔Ｌ９，２０が穿設
され、該給徘孔１９，２０に加熱媒体供給管１６゜１７
が同心状に配設され、給排孔内周面と加熱媒体供給管外
周面との間に排出路１８．２３が形成されている。そし
て、一方の流路１４は、ロールの胴部の一端側で加熱媒
体供給管１６に、他端側で排出路２３に連通されている
。他方の流路２２は、前記排出路２３側の加熱媒体供給
管１７と前記加熱媒体供給管１６側の排出路１８に連通
されている。

２４　、２５は、回転継手で、軸部１５の両端に回動自
在に設けられており、前記供給管１６．１７と排出路２
３．１８に連通している。

第２実施例に係るカレンダーロールによれば、加熱媒体
は、図中矢印で示したようにロール軸部１５の加熱媒体
供給管１６．１７より供給され、ロール外層部１１の内
周面１２の加熱媒体送給用流路１４．２２に導かれる。

そして、前記流路１４．２２に沿って、外層部内周面を
、らせん状に対向方向に向って周回しつつ外層部を均一
に加熱した後、それぞれ他端の排出路１８．２３に至り
、排出される。

このように、ロール外層部１１の内周面１２を、加熱媒
体が対向方向に向って流れるので、ロール外層部１１を
第１実施例に比べて極めて均一に加熱できる。尚、１６
と１７を排出管とし、１８と２３を加熱媒体供給路とし
て使用できることは勿論である。また、本発明のカレン
ダーロールは、プラスチック、ゴム等のカレンダー作業
に使用できることは勿論である。

次に具体的製造実施例について以下に述べる。

（ａ）　　チルド鋳鉄から成る中空円筒体を遠心力鋳造
法によって製作し、内外周面を機械加工によって平滑に
した。

（ｂ）　　低炭素合金鋼を、第１図の如く、らせん状の
溝を有する軸部の形状に機械加工した。

（Ｃ）　　前記（ａ）（ｂ）で得た中空円筒体と軸部と
を嵌合し、封缶した後、熱間静水圧加圧装置に入れ、１
０５０゛Ｃ１１０００気圧中で両者を拡散接合した。

（ｄ）　　以上の操作で得たカレンダーロールを、歪取
り熱処理（３００°ｃｘ２０）１）後、仕上の機械加工
を行った。

（ｅ）　　上記ロール外層表面の硬度を測定したところ
７８Ｈ！であった。

げ）上記ロールの加熱媒体給徘孔から蒸気を送給してロ
ール外層部を加熱したところ、均一な温度分布であった
。

（廃明の効果） 以上に述べたように本発明の複合カレンダーロールによ
れば、加熱媒体送給用流路は、同送給用溝が外周面に形
成された軸部に、外層部を嵌合し拡散接合するだけで容
易に形成されるので、機械加工が極めて簡単で加工コス
トが安い。

また加熱媒体送給用流路が、ロール外層部内周面に沿っ
て形成されるので、ロール外層部の加熱が均一にでき、
ロール表面の温度分布が均一である。

さらに、ロール軸部が低炭素合金鋼などの強靭材から形
成されているので、極めて強靭である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例の断面図、第２図は第２実
施例の断面図、第３図は従来のカレンダーロールの断面
図、第４図は従来のその他の同ロールの断面図である。 １・・・外層部、２・・・外層部内周面、３・・・加熱
媒体送給用溝、４・・・加熱媒体送給用流路、５・・・
軸部。 第３ 図 第 １・】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）耐摩耗材で形成された中空円筒状の外層部１に、
   強靭材で形成されかつ外周面に加熱媒体送給用溝３が凹
   設された軸部５が嵌合されると共に拡散接合され、前記
   溝３の軸部外周面の開口が外層部内周面２によって閉塞
   されて加熱媒体送給用流路４が形成されていることを特
   徴とする複合カレンダーロール。