JPH0247056Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、フロントエンジン・リヤドライブ方
式の乗用型芝刈機等の作業機に関する。

従来この種の作業機においては、作業機と水冷
エンジンのラジエータ冷却用フアンの駆動系は、
各別に構成される。そのため構造が複雑化し、ス
ペースを要する等の問題点がある。

本考案は、上記の点に鑑みて、上記２駆動系を
同一軸上に配置することによつて部品点数を少な
くして組付性を良くし且コンパクトに構成するこ
とを目的として、前記の請求の範囲記載の構成と
したものである。

図面に示す実施例について具体的に説明する。
１はフレーム、２は前輪、３は後輪、４はシー
ト、５はステアリングホイール、６はフレーム１
の前部に搭載した水冷式エンジン、７はボンネツ
ト、８は前後輪間のフレーム下方に配置された作
業機である。

上記のエンジン６は、クランク軸１０を乗用型
作業機の前後方向に向けて搭載されている。そし
てクランク軸１０は、エンジン６から前後に突出
して出力軸となつている。

９はクランク軸１０の後端すなわち後部エンジ
ン出力軸に継手１１で接続された走行用動力取出
軸、１２はプロペラ軸、１３はクラツチ、１４は
変速機、１５，１６はプロペラ軸１２と取出軸
９・クランク手軸１７との間の自在継手である。

クランク軸１０の前端すなわち前部エンジン出
力軸に動力取出軸１８を嵌合し、ボルト１８ａで
着脱自在に結合つまり直結して作業機駆動軸とす
る。その軸１８にエンジン６側からブレーキ１
９・クラツチ２０・プーリ２１・ラジエータ冷却
用のフアン２２をその順に組付け、フアン２２の
前方にラジエータ２３を配置することにより、上
記前部動力取出軸すなわち作業機駆動軸１８をエ
ンジン６とラジエータ２３の間に位置させる。

上記ブレーキ１９とクラツチ２０の組付け順序
は逆の場合もある。

作業機８はロータリ芝刈機を例示するもので、
回転刃２４のハウジング２５はフレーム１の下面
に図に省略したリンク等によつて上下動可能に配
置される。２６はハウジング２５の後部安定輪で
ある。そしてその刃物軸上のプーリ２８と、上記
駆動軸１８上のプーリ２１とにベルト２９を掛回
する。ベルト２９は案内輪３０を介して略Ｌ形に
張られる。

ブレーキ１９・クラツチ２０は限定されない
が、作業機操作レバー（図に省略）を握ると、ブ
レーキ１９が切れクラツチ２０が入つて、エンジ
ン６の動力がプーリ２２を介し作業機８に伝わ
る。レバーを放すとブレーキ１９が働きクラツチ
２０が切れ、エンジンの回転を止めずに作業機を
停止させる安全機構のものが望ましい。

図面はその例を示すもので、第２図は作業機駆
動時の状態である。操作レバーを握りワイヤ３
１・連結金具３２を介してカム板３３を回して第
３図のようにボール３４をカム板３３の溝３６の
最も深い位置３６ａまで移動させる。ボール保持
板３５は引きばね（図の場合はゴムブロツク）３
７に引かれて、ボール３４が溝３６ａに落ち込ん
だ距離だけ第２図で右方向に移動する。そのボー
ル保持板３５に設けたブレーキシユー３８が環状
ブレーキ板３９と離れてブレーキ１９は切れる。

環状ブレーキ板３９がブレーキシユー３８によ
る押圧を解除されたことによつて、その環状ブレ
ーキ板３９及びこれと一体的なクラツチ環板４０
スプリング４１に押されて第２図で右方に移動す
る。そのスプリング４１と反対側の面でクラツチ
環板４０に設けたクラツチ係合素子４２が、前記
の駆動軸１８に固着したクラツチ円板４３を通
し、軸方向に不動のクラツチ環板４４に設けた係
合素子４５に圧着させてクラツチ２０が入る。

プーリ２１は駆動軸１８に軸受４６により回転
自在に支持され、そのプーリ２１のボスに固着し
たクラツチ支持部材４７に設けたボルト４８に、
上記の軸方向不動クラツチ環板４４は固定され、
クラツチ環板４０はメタル４０ａを介し軸方向可
動に支持されている。従つて駆動軸１８→軸１８
に溶着した部材４３ａと一体のクラツチ円板４３
→クラツチ係合子４２，４５→クラツチ環板４
０，４４→ボルト４８→クラツチ支持部材４７→
プーリ２１によりプーリが回転し、ベルト２９を
介し作業機８に伝動される。

前記の引きばね３７は円周上複数個設ける。図
示例は環状ゴム３７の内外に金属環５０，５１を
焼付け、外金属環５１は前記のボール支持板３５
に固着し、内金属環５０はエンジンに固定のボル
ト５２に回らないように嵌合する。前記クラツチ
環板支持ボルト４８も円周上複数個設ける。

操作レバーから手を放すと、図に省略した戻し
ばねで、カム板３３が、第３図で矢ａの方向に戻
り、ボール３４をカム溝３６の浅い方に押し上げ
ながら左方に移動する。従つてブレーキシユー３
８が環状ブレーキ板３９に圧着してブレーキを掛
け、さらにその板３９を押すのでその板３９と一
体のクラツチ環板４０がスプリング４１に抗して
左方に移動してクラツチ２０が切れる。従つてつ
まりエンジンは回つていても作業機８への動力は
断たれるから、緊急時操作レバーを放せば回転刃
２４は直ぐ止まり怪我するようなことがない。

但しブレーキ１９・クラツチ２０は上記の動作
趣旨の他の機構のものを適宜用いることができ
る。

前記のラジエータ冷却フアン２２は、吹出し冷
却・吸込冷却何れでもよいが、フアンを囲つて導
風覆い５５を設ける。その覆いは第４図のように
下側を一部５５ａを分割して着脱自由にして、ベ
ルト２９の掛け外しを便利にする。

上記のように、本考案の乗用型作業機はフロン
トエンジン・リヤドライブ方式のものであつて、
エンジンはそのクランク軸を乗用型作業機の前後
方向に向けて搭載され、そのクランク軸をエンジ
ンの前後に突出させてそれぞれエンジン出力軸と
し、後側のエンジン出力軸に走行用動力取出軸を
接続し、また前側のエンジン出力軸に作業機駆動
軸を直結したので、余分の出力軸がなく、出力軸
に係る部品点数が削減され、エンジンが占める容
積が小さくて、後述の作業機並びに冷却フアン駆
動系のコンパクト化と相まつて機体の小型化に効
果がある。

本考案の乗用作業機は前記のように、エンジン
の前側に設けたクランク軸、すなわちエンジンの
出力軸と直結の作業機駆動軸上に、エンジン側か
らブレーキ・クラツチ・作業機に至るベルトプー
リ・ラジエータ冷却用フアンをその順に取付け
た、すなわち作業機駆動系とラジエータ冷却用フ
アンの駆動系を同一軸上に設けたので、別々に駆
動系を設けたものに比べてエンジン回りの構成が
簡素化され、スペース的にもコンパクトになる。

また上記ブレーキ・クラツチ・プーリ・フアン
等を、エンジンの出力軸に直結する作業機駆動軸
上に予め組付け、その作業機駆動軸を出力軸に固
定することにより極めて組付性がよい。

エンジン回りの構成がコンパクトになるから、
フアン径を大きくし、フアンの前後のラジエー
タ・プーリとの間隔も十分にとれるのでベルトの
着脱作業も簡単にできる。エンジンの出力軸と同
一軸線上前方に上記のように大径なフアンとラジ
エータとが配置されるから冷却効率がよく、ボン
ネツト内の雰囲気温度の低下及び塵の排除の作用
をも有する等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案乗用型作業機の側面図、第２図
はそのエンジン前部の拡大縦断側面図、第３図は
ブレーキ操作用カムの作動説明図、第４図は導風
覆いの背面図である。 １はフレーム、２は前輪、３は後輪、４はシー
ト、５はハンドル、６はエンジン、８は作業機、
９は走行用動力取出軸、１０はクランク軸、１２
はプロペラ軸、１８は作業機駆動軸、１９はブレ
ーキ、２０はクラツチ、２１はプーリ、２２はフ
アン、２３はラジエータ、５５は導風覆い。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントエンジン・リヤドライブ方式の乗用型
   作業機において、クランク軸を乗用型作業機の前
   後方向に向けてエンジンを搭載し、そのクランク
   軸をエンジンから前後に突出させてそれぞれエン
   ジンの出力軸とし、上記後側のエンジン出力軸に
   走行用動力取出軸を接続し、また上記前側のエン
   ジン出力軸に作業機駆動軸を直結し、その作業機
   駆動軸上にエンジン側からブレーキとクラツチ・
   作業機に至るベルトプーリ・ラジエータ冷却用の
   フアンの順に取付け、そのフアンの前方にラジエ
   ータを配置して、上記作業機駆動軸をエンジンと
   ラジエータの間に位置させた乗用型作業機。