JPH024633Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、女性用の衣服を陳列する際に用い
られるハンガに関する。

〔従来の技術〕

最近、女性用の衣服を陳列する際に設けられる
ハンガとしては、衣服を実際に着たような状態に
係止し、購買者に着衣感を与えるように構成され
たものが提供されている。すなわち、上記のハン
ガは、肩部、胴部、胸部および腰部が人体上半身
とほぼ同様の幅で一体に形成され、更に胸部に屈
曲部を介して一体に形成された乳部が前方へ突出
するように構成されたもの（実公昭54−16634号）
であり、マネキン人形を用いるより経済的であ
り、狭い場所であつても多くの種類の衣服を購買
者に着衣感を与えるように陳列できる等の利点を
有するものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記のように構成された従来の
ハンガは、乳部が屈曲部を介して胸部と一体に形
成されているために、構成材料が耐屈曲性の大き
い材料に限られていた。このため、従来のハンガ
は、多くの場合白色ポリプロピレン等により形成
されていたが、この白色ポリプロピレン等による
ハンガは、その表面から受ける質感が貧弱であり
購買客に低級感を与える。また、このような一体
形成による屈曲部は耐屈曲性の大なる材料を選択
するとはいえ、屈曲頻度が非常に多い所では、破
損により製品寿命が短くなるばかりでなく、乳部
材を不要とする場合の使用には、その部分を倒し
ておいても邪魔となる等の問題点を有するもので
あつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記の問題点を解決するための手
段として、乳部材を別部材とし、その両端に乳部
材を含む面内にあるように設けられたＴ字状係合
ピンと、ハンガの輪郭体の胸部の両端に設けられ
た上下方向の回動用切り欠きを有するピン受部と
からなるヒンジ部を介して、乳部材を胸部に回動
自在にかつ着脱自在に取付けたものである。

〔作用〕

上記の手段により、この考案によるハンガは、
その一部あるいはすべてを、耐屈曲性の大なる材
料を特に選択して構成する必要がないばかりでな
く、使用頻度の多いところであつても乳部材と胸
部とのヒンジ部は破損しにくく、たとい乳部材の
係合ピンが破損しても、乳部材は取り換え可能で
あり、さらに乳部材を不要とする場合でも、取り
脱すことにより外観の邪魔にならないようにする
ことができる。その上、乳部材の両端のＴ字状係
合ピンの部分は乳部材の面内にあるように設けら
れているので、乳部材の成形加工が容易であるば
かりでなく、乳部材を取り脱した状態にあつて多
数枚重ね合わされて保管されても、係合ピンの部
分に特に大きな荷重がかけられることはない。

〔実施例〕

以下、図面を参照してこの考案の一実施例を詳
細に説明する。

第１図ないし第３図は、この考案の一実施例を
示すものである。第１図に示す符号１は輪郭体で
あり、この輪郭体１は、中央部にフツク２を有す
る肩部３と、この肩部３の両端から下方に延びる
胴部４と、この胴部４の中央部に付近に肩部３と
平行に設けられた胸部５と、上記胴部４の下端に
設けられた腰部６とが人体とほぼ同様の幅で一体
に形成されたものである。そして、上記肩部３の
両端上方には、例えば水着の肩紐等を係止できる
ように、外側に向かつて係止溝７が形成されてい
る。更に、上記胸部５の中央部には、上方に向け
て突出した係合突起８が形成され、また胸部５の
両端には、第２図に示すように中空の半球状に突
出し、上下方向の回動用切り欠き１３が形成され
たピン受部９が形成されている。一方、符号１０
はほぼＷ字状に形成された乳部材であり、この乳
部材１０の両端部には、乳部材１０を含む面内に
あるように先端が左右に突出したＴ字状係合ピン
１１ａを設け、上記胸部５のピン受部９と係合し
てヒンジ部１１が構成され、また中央部には係合
穴１２が形成されている。そして、上記乳部材１
０は、それを撓ますことにより、または必要に応
じて胸部５をも撓ますことにより、係合ピン１１
ａの向きを回動用切り欠き１３の向きに一致させ
てピン１１ａを切り欠き１３に挿入した後撓みを
なくせば、ピン１１ａの向きと切り欠き１３との
向きは互いに直交する形となつて、上下方向に回
動自在にかつ着脱自在なヒンジ部１１が構成され
ている。また、係合穴１２を胸部５に形成された
係合突起８に係合させることにより第３図に示す
ように前方へ突出するようになつている。

ここで、上記の各部材は、適宜種類の合成樹脂
により形成されたもので、例えば、ABS樹脂、
AS樹脂、ポリスチレン、硬質ポリ塩化ビニル、
ポリアセタール、メタクリル樹脂、ポリプロピレ
ン等を用いて形成される。

次に、上記のように構成されたハンガの作用に
ついて説明する。

まず、このハンガを使用する場合には、第３図
に示すように、乳部材１０の係合穴１２を胸部５
に形成された係合突起８に係合させて乳部材１０
を前方へ突出させた状態にする。そして、女性用
の衣服を係止するのであるが、例えば水着等を係
止する場合には、その肩紐を係止溝７に係止して
落ちないようにする。

なお、輪郭体と乳部材とを連結するヒンジ部
は、上記実施列のものに限られるものではない。

〔考案の効果〕

前述したようにこの考案のハンガによれば、人
体上半身に対応する肩部、胴部、胸部および腰部
を一体に形成した輪郭体に、この輪郭体とは別体
に設けられた乳部材を、その両端に乳部材を含む
面内にあるように設けられたＴ字状係合ピンと、
輪郭体の胸部の両端に設けられた上下方向の回動
用切り欠きを有するピン受部とからなるヒンジ部
を介して、輪郭体の胸部に上下方向に回動自在に
かつ着脱自在に取付けた構成としたので、ハンガ
の材料として従来のような耐屈曲性の大なる材料
を特に選択して構成する必要がなくなるばかりで
なく、従来品は使用頻度の多いところでは破損し
やすくなるのはともかくとしても、乳部材の破損
が即製品寿命に直結するものであつたが、この考
案によれば、乳部材の上下方向の回動にＴ字状係
合ピンの軸がこじられることがないので破損し難
く、たとい破損しても乳部材を取り換えれば再生
できて製品寿命を長く維持することができる。

また乳部材を不要とする場合でも、取り脱すこ
とにより外観の邪魔にならないようにすることが
でき、その上乳部材の両端のＴ字状係合ピンの部
分は乳部材の面内にあるように設けられているの
で、乳部材の成形加工が容易であるばかりでな
く、乳部材を取り脱した状態にあつて多数枚が重
ね合わされても、係合ピン部に特に大きな荷重が
かけられることはなく、こを点でも係合ピンの部
分の破損は防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案の一実施例を示
すものであり、第１図はこの考案によるハンガの
正面図、第２図は乳部材と輪郭とを連結するヒン
ジ部を示す断面図、第３図は乳部を前方へ突出さ
せた状態を示す平面図である。 １……輪郭体、２……フツク、３……肩部、４
……胴部、５……胸部、６……腰部、８……係合
突起、９……ピン受部、１０……乳部材、１１…
…ヒンジ部、１１ａ……Ｔ字状係合ピン、１２…
…係合穴、１３……回動用切り欠き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 人体上半身に対応する肩部、胴部、胸部および
   腰部が一体に形成された輪郭体と、この輪郭体の
   上方中央部に一体に形成されたフツクと、上記輪
   郭体の胸部の中央部に上方に向けて突出した係合
   突起と、上記胸部の両端において上下方向に回動
   自在に支持され、中央部に上記係合突起と係合す
   る係合穴が形成されたほぼＷ字状の乳部材とを有
   してなるハンガにおいて、上記乳部材は、その両
   端に乳部材を含む面内にあるように設けられたＴ
   字状係合ピンと、上記胸部の両端に設けられた上
   下方向の回動用切り欠きを有するピン受部とから
   なるヒンジ部を介して、上記胸部に着脱自在に取
   り付けられたことを特徴とするハンガ。