JPH0245065A - β↓2−ミクログロブリンの体液浄化用吸着材 - Google Patents

β↓2−ミクログロブリンの体液浄化用吸着材

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JPH0245065A
JPH0245065A JP63196197A JP19619788A JPH0245065A JP H0245065 A JPH0245065 A JP H0245065A JP 63196197 A JP63196197 A JP 63196197A JP 19619788 A JP19619788 A JP 19619788A JP H0245065 A JPH0245065 A JP H0245065A
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JP
Japan
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microglobulin
collagen
adsorbent
blood
polymer
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Pending
Application number
JP63196197A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Watanabe
渡辺 廣行
Naokuni Yamawaki
山脇 直邦
Tadashi Yokoyama
正 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、血液、血漿、血清、腹水、脚本等の体液中よ
り疾患に関連した悪性物質を選択的に吸着、除去する体
液浄化用吸着材に関する。
さらに詳しくは、腎不全患者や悪性腫瘍患者の体液中に
増加し、手相管症候群、アミロイド−シス、弾発指・肩
・膝関節症、皮膚掻痒症、腎障害等の原因となるβ2−
ミクログロブリンの吸着材に関する。
年月が経過し、手損管症候群等の異常が顕在化してきた
。近年、この原因物質が透析では比較的除去し難いβ2
−ミクログロブリンであり、その体内蓄積により各種の
症状が発現することが明らかになった。
従来、このような中分子量物質の除去の目的で、血液濾
過、透析濾過が用いられているが、除去率が低く、有効
に除去すると大量の補液を必要とする問題点を有した。
また、除去率を上げるためには膜のボアーを大きくすれ
ばよいが、ボアーが少し大きくなると、有用タンパクで
あるアルブミンの漏失が生じ、ボアーサイズの制御では
中分子量物質の有効な選択的除去をなし得ないのが現状
である。一方、最近、β2−ミクログロブリンの吸着材
が特開昭62−204761号、特開昭62−2400
68号、特開昭62−261367号各公報に報告され
ている。
(従来の技術) 腎不全患者に血液透析が施行され、約10年の(発明が
解決しようとする課題) 本発明の目的は、上記の如き治療用高分子膜技術に基づ
く問題点に鑑み、−船釣に普及可能であり、中分子量物
質、特にβ8−ミクログロブリンを高い効率で選択的に
吸着し、非特異的吸着、特にアルブミンの吸着が少なく
、さらに、補液を必要とせず、安全性があり、滅菌操作
も簡単に1デうことができ、全血、あるいは血漿等の体
液浄化あるいは再生用に適した吸着材を提供しようとす
るものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記目的に沿って鋭意研究した結果、特
定のコラーゲンを表面に有する水不溶性担体が、β2−
ミクロ、グロブリンを選択的に、しかも、驚くほど高い
効率で吸着することを見出した。これについてさらに詳
しく検討したところ、コラーゲンの等電点が9.5以上
である場合に限り、β、−ミクログロブリンを選択的に
、しかも、高い効率で吸着することがわかり、本発明を
完成するに至った。
すなわち、本発明は、水不溶性担体の表面に、等電点が
9.5以上であるコラーゲンを有することを特徴とする
体液浄化用β2−ミクログロブリンの吸着材である。
本発明の体液浄化用β2−ミクログロブリンの吸着材は
、前記で述べた特定のコラーゲンを表面に有する吸着材
であり、下記の例に限定されるものではないが、より具
体的に言うと、前記で述べた特定のコラーゲン(これら
をリガンドと言う)が何らかの方法(例えば、エポクロ
ルヒドリン法、ハロゲン化シアン法)で水不溶性担体の
表面に固定されているものが好ましい。さらには、固定
されているリガンドが水不溶性担体の表面を平面的に覆
っているのではなく、長く伸びている形態がより好まし
い。その理由としては、β2−ミクログロブリンと接触
できる本発明の吸着材の表面積が大きくなることが考え
られ、そのことにより、本発明の吸着材が、より効率的
にβ2−ミクログロブリンを吸着できるようになること
が挙げられる。
本発明でいうβ2−ミクログロブリンとは、通常、臨床
検査において酵素免疫法等で測定されるβ2−ミクログ
ロブリンであるが、より詳しくは以下の物性値を有する
沈降定数   1.63 部分比容積  0.72〜0.73  I11/ g分
子l     11000〜12000窒素含量   
16〜17  % 本発明の対象とするβ、−ミクログロブリンには、β2
−ミクログロブリンそのもの、および他のタンパクとの
複合体を含み、β、−ミクログロブリンのアミノ酸配列
の一部変異したものも含むものである。
本発明でいう等電点とは、水不溶性担体の表面にあるコ
ラーゲンを特定するものであり、等電点電気泳動の原理
〔例えば、生化学実験講座1.タンパク賞の化学I、P
305〜P312.日本生化学編。
東京化学同人発行(1977年3月30日発行)〕によ
り測定されたものをいう0本発明の等電点は、9゜5以
上であることが必要であり、好ましくは9゜8から12
.0の範囲、さらに好ましくは10゜0から11.0の
範囲である。
等電点が9.5より小さいと、コラーゲンとβ2−ミク
ログロブリンとの相互作用が弱くなり、コラーゲンを表
面に有する吸着材のβ2−ミクログロブリンの吸着能力
が低(なる。
これらのことは、コラーゲンが血液、体液等の中性電解
質液中で正電荷をより強く帯びること、すなわち、コラ
ーゲンが陰イオン性基(カルボキシル基などのように、
血液、体液等の中性電解質液中で負電荷を示すイオン性
基をいう)に比べ、陽イオン性基(1級、2級、3級、
4級アミノ基などのように、血液、体液等の中性電解質
液中で正電荷を示すイオン性基をいう)をより多く有す
ることにより、βつ一ミクログロブリンとコラーゲンと
のイオン的相互作用がより強くなり、そのためコラーゲ
ンを表面に有する吸着材のβ2−ミクログロブリンの吸
着能力が高くなり、また、アルブミン等目的物質以外の
物質に対する吸着選択性が向上すると考えられる。
本発明において、コラーゲンとは、前記で示した等電点
が9.5以上であるコラーゲンのすべてをいう。本発明
のコラーゲンを例示すると、人、牛、豚等種々の動物の
皮膚、骨、股、血管、基底膜、胎盤、筋肉、軟骨等を、
酵素、酸、アルカリ等で処理して得られた各タイプのコ
ラーゲン〔例えば、(コラーゲン代謝と疾患、PIIO
〜P133.永井 裕、藤本大三部編、講談社、 19
82年4月1日発行)(コラーゲン、 P196〜20
6.野田春彦、永井 裕、藤本大三部編、南江堂、昭和
53年5月lO日発行)に述べられたものを言い、コラ
ーゲン分子末端のテロペプチドを切断したアテロコラー
ゲンも含む〕をメタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール等の有機アルコール化合物で化学修飾したも
のを挙げることができる。これらの中では、アテロコラ
ーゲンType Iを構成するアスパラギン酸、グルタ
ミン酸の側鎖のカルボキシル基(−C0OH)をメタノ
ールで処理し、メチル化(−COOCIh) シたメチ
ル化アテロコラーゲンType Iが特に好ましい結果
を与える。
本発明において、水不溶性担体としては、前記で示した
等電点が9.5以を示すコラーゲンを固定できれば、セ
ルロース系、とニルポリマー系、ポリアクリルアミド系
、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート系、ガラス
系、シリカ系等の有機系高分子化合物または無機系化合
物すべてを使用できるが、β2−ミクログロブリンをよ
り高い効率で選択的に吸着し、かつ、血小板等の血液細
胞の共存する全血液で使用する場合には、上記水不溶性
担体が、接触角が少なくとも20度以上である水不溶性
材料と血液適合性重合体との少なくとも二層構造である
ことが好ましい。
上記の接触角とは、水中における固体表面上の空気泡の
接触角であり、W、C,Hamilton、 J、Co
11oid Interface Sci、、 40.
219−222 (1972) (ダブル・シー・ハミ
ルトン・ジャーナル・オブ・コロイド・インターフェイ
ス・サイエンス、 40.219−222 (1972
)) J、D、Andrade、 J、Po1ys、S
ci、Po1y+m、Symp、、 66、313−3
36 (1979) (ジェー・デー・アンドレード、
ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・
シンポジウム、 66、313−336 (1979)
〕で示された原理および方法にしたがい測定した接触角
を言う。従来よく知られている空気中における固体表面
上の液滴の接触角測定法は、水吸収性材料では、時間の
経過とともに、接触角の値が変化し、材料の物性値とし
ては採用しにくい。
また、試料は、シートおよびフィルム状成形物を作製し
、接触角の測定温度は25°Cとし、10回以上測定し
、その平均値を材料の接触角の値とした。
接触角が20度以上である水不溶性材料としては、前記
で示した方法で測定した接触角が20度以上であれば、
無機系化合物、有機高分子化合物すべてが含まれるが、
体液浄化材料としての溶出物等の安全性や吸着親和性面
より、有機高分子材料が好ましく用いられる。
有機高分子材料としては、そのβ2−ミクログロブリン
との吸着親和性より接触角が20度以上が好ましく、さ
らに好ましくは30度以上、特に好ましくは40度以上
の材料が用いられる。
好ましい有機高分子材料としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレ
フィン系化合物、ポリスチレン、ポリメタクリレートエ
ステル、ポリアクリレートエステル等のビニル系化合物
の重合体、ナイロン6.66等のポリアミド系化合物、
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系化合物
等を例示することができる。この中でメタクリレートエ
ステル、アクリレートエステル、スチレンおよびスチレ
ン誘導体等のホモポリマーあるいはコモノマーや架橋剤
とのコポリマーが好ましく用いられる。特にメチルメタ
アクリレート、あるいはスチレンを主成分とする架橋重
合体粒子が好ましく用いられる。架橋剤としては、公知
のいずれの架橋剤も用いることができるが、例示すると
、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート等を挙げることができる。
血液適合性重合体としては、前記で示した等電点が9.
5以上を示すコラーゲンを固定できれば、−aに公知の
血液適合性材料すべてが含まれるが、微粒子の発生の防
止、すなわち、水不溶性材料への被覆のし易さと安全性
、滅菌性より、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、
アクリルアミド系重合体、ポリビニルピロリドン系重合
体、ポリビニルアルコール系重合体、エチレン−ビニル
アルコール系重合体、エチレン−酢酸ビニル系重合体、
硝酸セルロース、およびゼラチン等を例示することがで
きる。
微粒子の発生を防止し、血液適合性を一段と向上させる
目的で、血液適合性重合体として特に含窒素塩基性官能
基を有する重合体が好ましく用いられる。
上記の「含窒素塩基性官能基」とは、酸性水溶液中で窒
素原子上に陽電荷を有し、陽イオンとなりうる官能基で
ある。このような官能基としては、第1級アミノ基、第
2級アミノ基、第3級アミノ基、4級アンモニウム基お
よびピリジル基、イミダゾリニル基等の含窒素芳香環基
等が挙げられる。
したがって、本発明で用いられる含窒素塩基性官能基を
有する重合体としては、例えば、ビニルアミン;2−ビ
ニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−
ビニルピリジン、4−ビニルイミダゾール、N−ビニル
−2−エチルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイ
ミダゾール等の含窒素芳香族化合物のビニル誘導体;ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノ−2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のアクリル
酸およびメタアクリル酸誘導体;N−ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリル酸アミド、N−ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリル酸アミド等のアクリル酸アミドお
よびメタアクリル酸アミド誘導体;p−ジメチルアミノ
メチルスチレン、p−ジエチルアミノエチルスチレン等
のスチレン誘導体;および上記ビニル化合物をハロゲン
化アルキル等によって4級アンモニウム塩とした誘導体
等を含有する重合体が挙げられる。
この中で特に好ましいのは、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、p−ジメチルアミノメチルスチレン、p−ジ
エチルアミノエチルスチレン等を含有する重合体が挙げ
られる。
さらに、本発明で用いられる含窒素塩基性官能基を有す
る重合体は、ビニル化合物と含窒素塩基性官能基を有す
る単量体との共重合体が好ましく、その窒素含量は0.
05〜3.5重量%であることが好ましい、さらに、窒
素含量が0.1〜2.5重量%であると、より好ましい
結果を与える。ここで言う窒素含量とは、上記官能基中
の窒素原子の前重合体中における重量%である。
上記のビニル化合物としては、2−ヒドロキシエチルメ
タアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト等のアルキル(メタ)アクリレート類、(メタ)アク
リルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド等のア
ミド類、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、スチレン
等が挙げられる。
さらに、ビニル化合物と含窒素塩基性官能基を有する単
量体との共重合体としては、ブロック共重合体、グラフ
ト共重合体、ランダム共重合体等があるが、グラフト共
重合体、ブロック共重合体は、100人〜100μ平均
長のミクロドメイン構造を有するものが、その血液適合
性より好ましい。
以下、本発明の吸着材を製造する方法について、コラー
ゲンを水不溶性担体に固定する方法を例示するが、本発
明は、この例示に限定されるものでないことはもちろん
である。
水不溶性担体の形状は、粒子状、繊維状、中空糸状、膜
状等いずれの公知の形状も用いることができるが、本発
明のコラーゲンの保持量、吸着材としての取扱性よりみ
て、粒子状、繊維状のものが好ましい。
球状または粒子状担体の平均粒径は25〜2500μm
のものを利用できるが、その比表面積(吸着材としての
吸着能力)と体液の流通面より、50〜1500μmの
ものが特に好ましい。
担体の比表面積は5rrf/g以上が好ましく、55ボ
/g以上が望ましい。
粒子状担体としては、多孔性粒子が好ましい。
本発明で用いられる多孔性粒子は、その表面に本発明の
コラーゲンを固定化できるものであり、さらには、β2
−ミクログロブリンの吸着効率を上げるには、多孔性粒
子の細孔内部までβ2−ミクログロブリンが入れること
が好ましいので、多孔性粒子の細孔の平均孔径としては
、20人〜5000人の範囲にあることが好ましい。
繊維状担体を用いる場合には、その繊維径が0゜02デ
ニールないし10デニール、より好ましくは0.1デニ
ールないし5デニールの範囲にあるものがよい。繊維径
が大きすぎる場合には、β2−ミクログロブリン系化合
物の吸着量および吸着速度が低下するし、小さすぎる場
合には、凝固系の活性化、血球粘着、目づまりをおこし
やすい。
用いる繊維状担体としては、再生セルロース系繊維、ナ
イロン、アクリル、ポリエステル等公知の繊維を一般に
用いることができる。
本発明において、コラーゲンを水不溶性担体に固定する
方法は、共有結合、イオン結合、物理吸着、包埋あるい
は水不溶性担体表面への沈澱不溶化などあらゆる公知の
方法を用いることができるが、結合物の溶出性よりみて
、共有結合により固定、不溶化して用いることが好まし
い。そのため、通常、固定化酵素、アフィニティークロ
マトグラフィで用いられる公知の担体の活性化方法およ
びリガンドの結合方法を用いることができる。
活性化方法を例示すると、ハロゲン化シアン法、エピク
ロルヒドリン法、ビスエポキシド法、ハロゲン化トリア
ジン法、ブロモアセチルプロミド法、エチルクロロホル
マート法、1.1’−カルボニルジイミダゾール法等を
挙げることができる。本発明の活性化方法は、リガンド
のアミノ基、水酸基、カルボキシル基、チオール基等の
活性水素を有する求核反応基と置換および/または付加
反応できればよく、上記の例示に限定されるものではな
いが、化学的安定性、熱的安定性等を考慮すると、エポ
キシドを用いる方法が好ましく、特にエピクロルヒドリ
ン法が推奨できる。
担体に本発明で用いられるコラーゲンを2種類以上結合
してもさしつかえない。
以上、本発明において、コラーゲンを水不溶性担体に固
定する方法として、水不溶性担体を活性化した後に、コ
ラーゲンを結合する方法について詳細に説明したが、本
発明は、これに限定されるものではない。例えば、不溶
性物質にコラーゲンを結合可能な重合体に被覆した後、
コラーゲンを結合する方法や、コラーゲンを有する重合
体を不溶性物質に被覆する方法も用いることができる。
その際、必要に応じて被覆に使用する重合体を後架橋す
ることもできる。また、コラーゲンを活性化した後に担
体と結合する方法も採用することができる。
また、必要に応じて水不溶性担体とコラーゲンの間に任
意の長さの分子(スペーサー)、例えば、アミノエチル
基、アミノペンチル基、アミノオクチル基、アミノドデ
シル基等を導入することもできる。すなわち、本発明は
、コラーゲンが吸着材表面にあることにより、その効果
を発揮するものであり、製造方法に左右されるものでは
ない。
以下に本発明のβ2−ミクログロブリンの吸着材の使用
方法について例示するが、本発明は、この例示に限定さ
れるものでないことはもちろんである。
本発明の吸着材は単独で使用してもよく、また、他の体
液浄化材と混合もしくは積槽して使用してもよい。他の
体液浄化材としては、吸着型人工腎臓に用いられる活性
炭、透析型人工腎臓、濾過型人工腎臓に用いられる中空
糸膜、平膜を例示することができる。これにより吸着材
の相乗効果によるより広範な臨床効果が期待できる。吸
着材容積は、体外循環に用いる場合、50〜600Jd
程度が適当である。
本発明の吸着材を体外循環で用いる場合には、大路次の
三通りの方法がある。一つには、体内から取り出した血
液を直接核装置に通過させ、浄化する方法であり、二つ
には、体内から取り出した血液を遠心分離器もしくは脱
型血漿分離器を使用して、血漿成分と血球成分とに分離
した後、血漿成分を該装置に通過させ、浄化した後、血
球成分と合わせて体内にもどす方法であり、三つには、
体内から取り出した血液を吸着型人工腎臓、透看型人工
腎臓、濾過型人工腎臓等の体液浄化器に通過させた後に
、該装置に通過させ、浄化する方法である。逆に血液を
該装置に通過させた後に、体液浄化器に通過させてもよ
い。
また、血液もしくは血漿の通過速度については、該吸着
材の吸着能率が非常に高いため、吸着材の粒度を粗くす
ることができ、また、充填度を低くできるので、吸着材
層の形状の如何にかかわりなく、高い通過速度を与える
ことができる。そのため多量の体液処理をすることがで
きる。
血液および血漿等の体液の通液方法としては、臨床上の
必要に応じ、あるいは設備の装置状況に応じて、連続的
に通液してもよいし、また断続的に通液使用してもよい
(発明の効果) 本発明の吸着材は、以上述べてきたように、体液中のβ
2−ミクログロブリンを高い効率かつ特異的に吸着除去
し、簡便かつ安全である。
本発明は、自己血液、血漿等の体液を浄化、再生する一
般的な用法に使用可能であり、腎不全患者や悪性腫瘍患
者の体液中に増加し、手相前症候群、アミロイド−シス
、弾発指・肩・膝関節症、皮膚掻痒症、骨障害等の原因
となる中分子量物質、アミロイドプロティン、特にβ2
−ミクログロブリンの吸着、除去に有効かつ安全に使用
できるものである。
(実施例) 次に実施例により本発明をさらに詳細に述べる。
実施例1 本発明のβ2−ミクログロブリンの吸着材表面にあるコ
ラーゲンとβ2−ミクログわプリンとの結合能力をみる
ため、通常臨床検査に用いられる酵素免疫測定法を利用
し、プラスチックのプレート(エライザ・プレート)表
面に固定されたβ2−ミクログロブリンとコラーゲンと
の結合能力を評価した。以下、評価の方法、条件を述べ
る。
(1)エライザ・プレート表面へのβ2−ミクログロブ
リンの固定 人の尿中より精製して得られたβ2−ミクログロブリン
(アメリカ、シグマ社製)をPBS (リン酸緩衝生理
食塩水)に溶解し、10μgβ1−ミクログロブリン/
dPBs溶液を作成した。この溶液100μEを酵素免
疫測定用として用いられているエライザ・プレート(商
品名イミエロン。
600、***、グライナー社製)に添加し、4℃、24
時間放置した。
(2)βf−ミクログロブリンが固定されていないフリ
ーなエライザ・プレート表面への牛血清アルブミンの固
定(ブロッキング操作) フリーなエライザ・プレート表面とコラーゲンとの結合
を抑制するため、次の操作をする。
添加した1 0℃1gβ2−ミクログロブリン溶液10
01Ilを吸引除去した後、0.5%牛血清アルブミン
PBS溶液200μ!をエライザ・プレートに添加し、
25°C12時間放置する。
(3)  エライザ・プレートの固定されていないフリ
ーな牛血清アルブミンの除去 上記の°エライザ・プレートの牛血清アルブミン溶液を
吸引除去した後、PBSを100μ!添加する。その後
、PBSを吸引除去し、再度PBSを100μ!添加す
る。PBSを添加し、吸引除去する操作を洗浄操作と言
うが、ここでは、洗浄操作を3回くり返し、エライザ・
プレートに固定されていない牛血清アルブミンを除去す
る。
(4)コラーゲンとエライザ・プレート表面に固定され
たβ2−ミクログロブリンとの結合コラーゲンをPBS
に溶解し、0.1■/IIIIPBS溶液をそれぞれ作
製する。(3)の操作後に、エライザ・プレートに残っ
ているPBSを吸引除去し、コラーゲンのO,lng/
dPBs溶液100μlを、それぞれエライザ・プレー
トに添加し、25℃、2時間放置する。
(5)エライザ・プレート表面に固定されたβ、−ミク
ログロブリンと結合していないフリーなコラーゲンの除
去 コラーゲンのPBS溶液を吸引除去した後、(3)に示
したPBSによる洗浄操作を3回行い、β2−ミクログ
ロブリンと結合していないフリーなコラーゲンを除去す
る。
(6)エライザ・プレート表面に固定され、かつ、コラ
ーゲンと結合されなかったβ2−ミクログロブリンの測
定 この操作は、通常の酵素免疫測定法と同様な操作を行う
(a)  (5)の操作後に、抗人β2−ミクログロブ
リンウサギ抗体100uNをエライザ・プレートに添加
し、37°C11時間放置後、(3)と同様なPBS洗
浄を行う。この操作により、ポリアミノ酸、多糖、合成
高分子と結合されなかったエライザ・プレート表面のβ
2−ミクログロブリンと抗人β2−ミクログロブリンと
の抗原抗体反応が行われる。
(b)  次に、酵素標識(ペルオキシダーゼ標識)さ
れた抗ウサギIgG (ベクタスティンABCキット)
を100μi添加し、抗人β2−ミクログロブリンウサ
ギ抗体と抗ウサギIgGとの抗原抗体を行う。
(C)  次に、2,2゛−アジノービス(3−エチル
ベンチアゾリン)−6−スルホン酸(分子量514.和
光純薬製)と過酸化水素水を添加し、ペルオキシダーゼ
反応により発色させる0発色後、405nmの波長によ
り吸光度を測定する。
この吸光度の値は、β2−ミクログロブリンと結合する
抗人β2−ミクログロブリン抗体の量と相関する。また
、コラーゲンそのもののこの評価系への影響を考慮し、
エライザ・プレートにβ2−ミクログロブリンを添加し
ないで、(2)から(6)の操作を別途行った。
また、コラーゲンをエライザ・プレートに添加しない、
すなわち、(1)、 (2)、 (3)、 (6)の操
作のみを別途行った。
以上の操作を行うことにより、エライザ・プレート表面
に固定され、かつ、コラーゲンと結合されなかったβ2
−ミクログロブリンの割合(Y)は、 〔C);(1)から(5)の操作すべてを行った時の抗
人β2−ミクログロブリン抗体結合量 (D);(1)の操作でβ2−ミクログロブリンをエラ
イザ・プレートに添加せず、(2)から(5)の操作す
べてを行った時の抗人β2−ミクログロブリン抗体結合
量 (E〕 ;コラーゲンを添加しない、すなわち、(4)
、 (5)の操作を行わないで、(1)、 (2)、 
(3)、 (6)の操作を行なった時の抗人β2−ミク
ログロブリン抗体結合量 とすると、 で表すことができる。
すなわち、このYが小さいほど、エライザ・プレートの
表面に固定されたβ2−ミクログロブリンとコラーゲン
との結合能力が高いことになる。
以下に、この評価方法を用いて得た結果を表1に示す。
表1 本実験に使用したメチル化アテロコラーゲンType 
−1とは、牛の真皮コラーゲンをペプシンで処理し精製
したアテロコラーゲンType −1をメタノールで処
理したものであり、アテロコラーゲンType −Tが
有する一〇〇〇〇基を−COOCHj化している。
比較例1 実施例1と同じ評価方法を用いて、以下の試料を評価し
た。結果を表2に示す。
表2 本実験に使用したアテロコラーゲンType −1とは
、牛の真皮コラーゲンをペプシン処理し得られたもので
あり、サクシニル化アテロコラーゲンType−1とは
、アテロコラーゲンType −1を無水コハク酸で処
理したものであり、アテロコラーゲンType −1が
有するアミノ基をサクシニル化している。
実施例1および比較例1の結果より、等電点が9.5以
上を示すコラーゲンがβ2−ミクログロブリンと強い結
合能力を示すことがわかる。
実施例2 水不溶性材料としてメチルメタアクリレ−トルジビニル
ベンゼン共重合体(80:20重量%)のシートおよび
420〜800μの粒子を作製し、水中における空気泡
の接触角を測定した0次に、2−ヒドロキシエチルメタ
アクリレ−トルジエチルアミノエチルメタアクリレート
共重合体の2%wt/vメタノール溶液を作製し、この
溶液100dに対し、上述の粒子30IIt1を5分浸
漬した後(時々攪拌する)、グラスフィルター上で過剰
の溶液を吸引除去してから、送入窒素ガス量と吸引窒素
ガス量のバランスをとりながら、20分間グラスフィル
ター上で窒素乾燥する。次いで、真空乾燥機の中で、室
温、755mmHg以上の条件で24時間乾燥した。こ
の操作により、メチルメタアクリレ−トルジビニルベン
ゼン共重合体と2−ヒドルキシエチルメタアクリレ−ト
ルジエチルアミノエチルメタアクリレートからなる二層
構造の水不溶性担体が得られる。
この水不溶性担体を125°C145分熱処理してエタ
ノールに懸濁した後、水洗する。次いで、脱水し、ジメ
チルスルホキシド中に懸濁する。次に、ジメチルスルホ
キシドを除去し、再度ジメチルスルホキシド中に水不溶
性担体を懸濁する操作をくり返す。この操作後に得られ
た水不溶性担体301dを、ジメチルスルホキシド36
dに懸濁し、これに、エピクロルヒドリン24m、50
%水酸化ナトリウム3.Odを加え、30°Cで5時間
攪拌しながら活性化反応を行った。反応後、メタノール
で洗浄し、水洗し、吸引脱水した。
得られた活性化水不溶性担体30dをメチル化アテロコ
ラーゲンType−1(高研(株)〕溶液(2■/xt
f1.pH8,0)150mに懸濁し、25°C148
時間振とうしながら、メチル化アテロコラーゲンの固定
化反応を行った。
次いで、0.1M炭酸ナトリウムバッファー〇、IMク
エン酸ナトリウムバッファーで交互に洗浄した後、PB
S、生理食塩水で十分洗浄し、吸着材を得た。
メチル化アテロコラーゲンの保持量は、メチル化アテロ
コラーゲンの1級アミノ基を4−フェニルスピロ〔フラ
ン−2(3H)、1’−フタラン〕−3,3’−ジオン
(“フルハム■ ”ロシュ社製)と反応結合させ算出し
た。
吸着実験は、腎不全患者血漿と水不溶性担体および吸着
材を24:1の容積比で混合後、25°Cで1時間振盪
し、前後の血漿中のβ2−ミクログロブリンとアルブミ
ンを定量した。β2−ミクログロブリンはRIA法、ア
ルブミンはBCG法を用いた。結果を表3に示す。
比較例2 実施例2と同様な水不溶性担体と活性化方法を用い、ア
テロコラーゲンType−I(高研(株)製)溶液(2
mg/IIi、  p H8,0)で同様に固定化反応
を行い、吸着実験も実施例2と同様に行った。結果を表
4に示す。
表   4 アルフミン ;  4.b   g/42 実施例2および比較例2の結果より、水不溶性担体の表
面に、等電点が9.5以上であるコラーゲンを有する吸
着材が、βt−ミクログロブリンに対する吸着能力が高
く、かつ、アルブミンに対して吸着選択性があることが
わかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 水不溶性担体の表面に、等電点が9.5以上であるコラ
    ーゲンを有することを特徴とする体液浄化用β_2−ミ
    クログロブリンの吸着材。
JP63196197A 1987-11-06 1988-08-08 β↓2−ミクログロブリンの体液浄化用吸着材 Pending JPH0245065A (ja)

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EP88310352A EP0319144A1 (en) 1987-11-06 1988-11-03 Adsorbent of beta 2-microglobulin
US07/512,629 US5051185A (en) 1987-11-06 1990-04-19 Absorbent of β2 -microglobulin

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