JPH0244117B2 - Hatsunetsutai - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般家庭において水、ミルク、酒等の
液体を加熱する電熱器具の発熱体に関するもので
ある。

従来の技術 一般に従来における電熱器具用発熱体はスペー
ス式ヒータ、シーズヒータ等種々具体化されて市
場に提供されている。従来におけるスペース式マ
イカヒータとしては、例えば特開昭53−32430号
公報に示されているものが知られている。これは
第７図〜第１０図に示すように構成され、１は発
熱線２を巻回した絶縁基板で、適所に透孔３を設
けてあり、両背面には上絶縁板４、下絶縁板５が
配設されている。そしてこの上絶縁板４にも適個
の透孔６が設けられてあり、この透孔６を覆うよ
うにしてアルミニウム等の導電性の短絡用溶融金
属板７が載置されている。ここで前記絶縁基板１
と上絶縁板４の透孔３，６は夫々対応した位置に
設けてある。尚、前記短絡用溶融金属板７の上面
には補助絶縁板８を設け、全体を金属押え板９，
１０で挾時圧着状態に積層して金属ケース１１，
１２で液密構成にしてある。又、前記金属ケース
１２の中央部には穴を設け、この穴にねじ筒１３
を通して発熱線２のリード部１４を磁管１５で保
護して導出している。尚、第７図に示す従来例は
電気ポツトの例であつて、１６はポツト本体、１
７は発熱体である。

発明が解決しようとする問題点 このような従来の構成であると、発熱体各構成
部品の積層密着度を可能な限り良好にしして空間
層発生による電熱線自体の線温度上昇を防止し、
一定の耐久寿命を保証する設計的配慮が必須条件
であつた。このため、具体的対応として、 発熱体構成部品の加工精度、初期状態の変
形、反りの防止、 絶縁板、金属押え板類を内蔵している金属ケ
ースの周縁部咬め方法の工夫、 これらを包含した通電時及び経時変化対策の
必要、 前記項に対応して、発熱体の電力密度
（Ｗ／cm²）をコストの許容値内で極力大きく設
定する必要、 温度過昇防止構造を内蔵させた場合、部品点
数が増加すると共に構造が複雑化し、前記〜
項の対策がより必要、 等の問題に対処しなければならなかつた。

本発明はこのような問題点を解決するもので、
簡単な構成の温度過昇防止構造で耐久力伸長の発
熱体を提供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために本発明は、発熱盤
と、この発熱盤の下面に密着設置した良熱伝導性
の熱拡散部材と、前記発熱盤の上面を覆う伝熱部
材と、前記熱拡散部材の上面を覆う背面部材とを
備え、前記伝熱部材、熱拡散部材、背面部材の周
縁部を互いに密着させ、前記発熱盤、熱拡散部材
及び背面部材の各中央に透孔を形成するとともに
前記背面部材の上面に環状凹部を設けたものであ
る。

作 用 この構成により、発熱体に通電すると熱は伝熱
部材より放熱され、下面よりの熱は熱拡散部材を
経て周縁部へ速やかに伝導され、周縁部より上方
へ放熱されるものである。伝熱部材を通じて熱が
速やかに伝導されるため電熱線自体の線温度を著
しく低下させて耐久寿命を伸長させるとともに、
空焼時において熱拡散部材が溶融を開始すると溶
融した熱拡散部材は背面部材の凹部に流入して滞
留し、発熱体内部に人為的に大きな空間層を形成
せしめ、電熱線の温度を異常に上昇させて断線に
導き、安全性を保証するものである。

実施例 以下、本発明の一実施例について、第１図〜第
６図に基づいて説明する。

図において、２１は外周側部に側部縁２２を有
する皿状の伝熱部材、２３は外周側部に側部縁２
４を有する皿状の背面部材で、中央には透孔２５
を有する上向きの突出部２６を形成している。こ
の突出部２６を取り巻くように背面部材２３の上
面には略環状の凹部２３ａが設けられている。２
７はリング状の絶縁基板２８に電熱線２９を巻装
して形成した発熱盤であり、この発熱盤２７は上
下にリング状の絶縁板３０ａ，３０ｂが積層され
て発熱盤体３１を形成している。３２は中央に透
孔３２ａを有し、外周側部３２ｂを有した良熱伝
導性の熱拡散部材で、これは発熱盤体３１の下側
に密着されている。この熱拡散部材３２の下側に
位置する前記背面部材２３が発熱盤体３１の上面
より覆つた伝熱部材２１に側部縁２２，２４と中
央部で結合され、発熱盤体３１及び熱拡散部材３
２を挾持圧着状態に保持している。尚、熱拡散部
材３２の外周側部３２ｂは伝熱部材２１の外周側
部に強く密着されており、材質もアルミニウム、
アルミ合金等の良熱伝導性の比較的低融点金属類
で形成されている。３３は発熱盤２７の引出しリ
ード線である。

上記構成において、リード線３３より電熱線２
９に電流を通じることにより電熱線２９が熱せら
れ、発熱盤体３１が熱せられる。その際に発生す
る熱は伝熱部材２１や熱拡散部材３２を速やかに
伝導して伝熱部材２１の側部縁２２より放熱され
る。即ち、伝熱部材２１を放熱面とした場合、発
熱盤体３１の上面からの熱は伝熱部材２１より放
熱される。又、発熱盤体３１の下面からの熱は熱
拡散部材３２を経て伝熱部材２１の周縁方向へ速
やかに伝導されるため、電熱線２９自体の線温度
を著しく低下させて電熱線２９の耐久寿命を伸長
させるものである。又、発熱盤２７の高温度にな
ることに起因する絶縁基板２８、絶縁板３０ａ，
３０ｂ等の熱変形、反りは発熱盤体３１が背面部
材２３、熱拡散部材３２及び伝熱部材２１により
両面が挾持されているので防止される。更に耐久
力を従来と同レベルに設定した場合、電力密度
（Ｗ／cm²）を高密度に設定することが可能であり、
発熱体の大きさをコンパクトにすることができる
ものである。

上記構成の発熱体を電熱器具に応用して空焼き
通電をした場合、内蔵した熱拡散部材３２が比較
的低融点であるので、溶融を開始して第６図に示
すように背面部材２３の上面に設けた略環状凹部
２３ａに流入滞留し、同時に伝熱部材２１と背面
部材２３間に大きな空間層が発生し、電熱線２９
が更に高温度に上昇し、断線に至るものである。
尚、凹部２３ａを適当な大きさに設定しておけ
ば、熱拡散部材３２の溶融物質は発熱体の外部に
は流出せず、且つリード線３３及び電熱線２９に
接触することなく、断線後の電気絶縁性を保証す
るものである。

ところで前記伝熱部材２１、背面部材２３とし
ては、18−８ステンレス板、13−18％クローム、
0.5〜２％モリブデン含有のフエライト系ステン
レス板を使用すると接合が極めて容易となる。

発明の効果 以上のように本発明によれば、発熱盤を熱伝導
が良好な伝熱部材と、熱拡散部材及び背面部材と
により挾持するとともに、これら部材の周縁部を
相互に密着させることにより、発熱盤より発生す
る熱は伝熱部材より被加熱体に有効に放熱させ、
又発熱部材の下面等より発生する熱は熱拡散部材
及び背面部材を通じて伝熱部材の周縁部より被加
熱体に放熱させることにより発熱体内に熱がこも
ることを阻止して温度低下を図つて耐久力を伸長
させ得る。更に背面部材の上面に凹部を設ける簡
単な構造によつて、温度過昇時に電熱線を積極的
に断線に導き安全を保証するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は本発明の一実施例を示すもの
で、第１図は断面図、第２図は正面図、第３図は
発熱盤体の要部切欠平面図、第４図は熱拡散部材
を裏返して見た斜視図、第５図は背面部材の斜視
図、第６図は発熱体の温度過昇時の状態を示す断
面図、第７図〜第１０図は従来例を示し、第７図
は電気ポツトの一部切欠き正面図、第８図は発熱
体の断面図、第９図は発熱体の要部拡大断面図、
第１０図は発熱体構成部品の分解斜視図である。 ２１……伝熱部材、２２……側部縁、２３……
背面部材、２３ａ……凹部、２４……側部縁、２
５……透孔、２６……突出部、２７……発熱盤、
２８……絶縁基板、２９……電熱線、３０ａ，３
０ｂ……絶縁板、３１……発熱盤体、３２……熱
拡散部材、３２ａ……透孔、３２ｂ……外周側
部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 発熱盤と、この発熱盤の下面に密着設置した
   良熱伝導性の熱拡散部材と、前記発熱盤の上面を
   覆う伝熱部材と、前記熱拡散部材の下面を覆う背
   面部材とを備え、前記伝熱部材、熱拡散部材、背
   面部材の周縁部を互いに密着させ、前記発熱盤、
   熱拡散部材及び背面部材の各中央に透孔を形成す
   るとともに前記背面部材の上面に環状凹部を設け
   た発熱体。