JPH0242212Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、弾性力をもつ弾性発泡体と弾性発泡
体を被覆する外装体とからなるマツトレスの改良
に関する。

（従来の技術） マツトレス、例えば人が横たわるマツトレスに
おいては、部位によつて弾性度を変えた方が好ま
しい。例えば、人の腰部が押しつけられる部位で
は硬目であまり沈まない方が好ましい。

ところで従来より人が横たわるマツトレスで
は、実公昭59−41738号公報に係る構造のものが
提供されている。この公報に係るマツトレスは、
１枚の弾性発泡体を設け、この１枚の弾性発泡体
の厚み方向に貫通する多数の切込みを形成し、こ
の切込みを広げて形成した貫通孔に、コイルスプ
リングを挿入し、そしてその弾性発泡体を外装体
で被覆したものである。

（考案が解決しようとする問題点） 上記した実公昭59−41738号公報に係るマツト
レスでは、１枚の弾性発泡体を主体とする構成で
ある。そのためマツトレスの弾性度はほとん全て
の部位で同一であつた。従つて、上記したように
部位によつて弾性度を変えたマツトレスを提供す
ることができなかつた。

本考案は上記した実情に鑑みなされたものであ
り、その目的は、部位によつて弾性度を変え得る
マツトレスを提供するにある。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案に係るマツトレスは、厚さ方向にのびる
多数の貫通孔をもち該貫通孔の少なくとも一部に
挿入されたコイルスプリングを有する厚板状の弾
性発泡体と、該弾性発泡体を被覆する外装体とか
らなるマツトレスにおいて、 該弾性発泡体は、 両側面が軸対称的に波状となり、その巾が広狭
広狭と連続し、広巾部に該貫通孔をもつ長尺状の
第１弾性体と、 該両側面が該第１弾性体の両側面と型対称をな
すか軸対称的であり、その巾が狭広狭広と連続
し、広巾部に該貫通孔をもつ長尺状の第２弾性体
とからなるとともに、多数の該第１弾性体、該第
２弾性体がそれらの巾方向に互いに接触して配列
した状態で構成されていることを特徴とするもの
である。

本考案の特色は、長尺状の第１弾性体と同じく
長尺状の第２弾性体とをそれらの巾方向に互いに
接触して配列し、これにより弾性発泡体を形成し
た点にある。

ここで第１弾性体は、巾方向の両側面が軸対称
的に波状となり、その巾が広狭広狭と連続し、広
巾部にコイルスプリング挿入用の貫通孔をもつ構
成である。一方、第２弾性体は、巾方向の両側面
が該第１弾性体と両側面と型対称をなすか軸対称
的であり、その巾が狭広狭広と連続し、広巾部に
コイルスプリング挿入用の貫通孔をもつ構成であ
る。

しかして、第２弾性体を、巾方向の両側面が第
１弾性体の巾方向の両側面と型対称をなす構成と
し、係る構成の第２弾性体と第１弾性体とをそれ
らの巾方向に互いに接触させて配列した一の形態
では、第３図に示す実施例で例示したように、第
２弾性体の側面と第１弾性体の側面とが互いに合
致して密着状態で噛み合う。従つて第１弾性体の
側面の波上部と第２弾性体の側面の波下部とが合
致し、第１弾性体の側面の波下部と第２弾性体の
側面の波上部とが合致する。このように合致した
状態では、第１弾性体と第２弾性体との接触面積
が大きい。よつて第１弾性体、第２弾性体のいず
れか一方が厚み方向に収縮すると、該一方と他方
との間の摩擦力によつて、他方もこれに連動して
厚み方向に収縮する。殊に第１弾性体や第２弾性
体がウレタンフオーム等の弾性に富んで密着しや
すい弾性材料で作製されている場合には、他方は
連動しやすくなる。又、前記した第１弾性体の側
面と第２弾性体の側面とが噛み合う一の形態で
は、後述の実施例で例示したように貫通孔が座屈
しにくくなる。従つて貫通孔に挿入されたコイル
スプリングの座屈も抑制できる。

一方、第２弾性体を、巾方向の両側面が第１弾
性体の両側面と軸対称的である構成とし、係る構
成の第２弾性体と第１弾性体とをそれらの巾方向
に互いに接触した状態で配列した他の形態では、
後述の実施例で例示したように、第２弾性体の側
面の波上部と第１弾性体の側面の波上部とが当接
して接触しているにすぎない。この場合には、第
２弾性体の側面の波下部と第１弾性体の側面の波
下部とは接着せず、その間に貫通孔が形成される
ことになり、貫通孔が形成されるぶん、第１弾性
体と第２弾性体との接着面積は小さくなる。故に
第１弾性体、第２弾性体のいずれか一方が厚み方
向に収縮しても、他方はあまり連動しない。

（実施例） (1) 第１実施例 （構成） 第１実施例に係るマツトレスは、第１図に示す
ように弾性発泡体１と、弾性発泡体１を被覆する
外装体５と、からなる。ここで第１図に示す矢印
Ａ方向はマツトレスの長さ方向を、矢印Ｂ方向は
マツトレスの巾方向を示す。

まず、弾性発泡体１から説明すると、即ち、弾
性発泡体１は、第１弾性体２と第２弾性体３と
を、第１弾性体２および第２弾性体３の巾方向に
配列して形成されている。

第３図において、１０は波板状の弾性波帯であ
り、この弾性波帯１０は、ウレタンフオームで作
製され、一定のピツチで波状となつており、両側
面１０ａおよび１０ｂが互いに型対称となり、巾
方向の厚さｔがほぼ一定をなす。一方第３図にお
いて、１１は同じく波板状の弾性波帯であり、こ
の弾性体帯１１は、ウレタンフオームで作製さ
れ、弾性波帯１０と同様に一定のピツチで波状と
なつており、両側面が型対称となり、巾方向厚さ
がほぼ一定をなす。

しかして、第３図に示したように、２枚の弾性
波帯１０を互いに対向させ、これにより弾性波帯
１０の波上部１００同士を互いに接触させ、かつ
波下部１０１同士を互いに対向させることによ
り、第１弾性体２が形成されている。従つて第１
弾性体２は、第２図に示したように、両側面２０
及び２１が軸線Ｍを介して軸対称的に波状とな
り、その巾が広狭広狭と連続し、広巾部に貫通孔
６をもつ。

一方第３図に示したように、前記した弾性波帯
１１を２枚互いに対向させこれにより弾性波帯１
１の波上部１１０同士を互いに対向させ、かつ波
下部１１１同士を互いに対向させることにより、
広巾部に貫通孔６をもつ第２弾性体３が形成され
ている。従つて第２弾性体３は、第３図に示すよ
うに、両側面３０および３１が第１弾性体２の側
面２０および２１と型対称をなす。このように型
対称をなすため、第２弾性体３の側面３０と第１
弾性体２の側面２０とは合致して密着している。

このように合致して密着している状態では、第
１弾性体２と第２弾性体３のいずれか一方が厚み
方向に押圧されて収縮すると、両者間の摩擦によ
り、他方もこれに連動して厚み方向に収縮する。
この結果、第１弾性体２と第２弾性体３とが合致
して密着した部位では、それだけ沈みにくくな
り、弾性度は他の部位よりも硬くなる。なお、こ
の部位は、人がマツトレスに寝たときに丁度腰部
に位置するように設定されている。

なお、前記した貫通孔６にはコイルスプリング
７が挿入されている。このコイルスプリング７は
鼓形状をなし、第２図に示したように上下両端部
７ａおよび７ｂが中央部７ｃよりも径大となつて
いる。

次に外装体５から説明すると、即ち、外装体５
は、弾性発泡体１の上面および下面に当てがわれ
て覆う伸縮性をもつ保護体５０と、弾性発泡体１
の巾方向（矢印Ｂ方向）の両端に当てがわれて覆
うウレタンフオーム製で伸縮性をもつ被覆体５１
と、弾性発泡体１の長さ方向（矢印Ａ方向）の両
端に当てがわれて覆うウレタンフオーム製で伸縮
性をもつ被覆体５２と、被覆体５１および５２に
またがつて覆いウレタンフオーム製で伸縮性をも
つ表皮部材５３と、からなる。ここで、保護体５
０は、フエルト製のシートを主体として形成され
ており、外側に位置するコイルスプリング７にて
ボグリング５１ａを介して弾性発泡体１に固定さ
れている。なお、表皮部材５３には鉛５４が設け
られている。

（作用、効果） この第１実施例では前述したように第１弾性体
２と第２弾性体３とが合致して密着する部位は、
他の部分よりも沈みにくくなり、マツトレスの中
でも弾性度が硬いものである。そしてこの合致す
る部位は前述のごとくマツトレスに人が横たわつ
た時、丁度、人の腰部に位置するように設定され
ている。故に第１実施例に係るマツトレスでは、
腰部の沈みすぎを抑制することができる。

又、第１実施例では鼓形状のコイルスプリング
７を使用しているため、コイルスプリング７の上
下両端部７ａおよび７ｂの双方が、第１図に示し
たように、貫通孔６の上下両端開口の周縁部にひ
つかかる。従つて、コイルスプリング７の抜け止
めを図り得る。

ところで、人の背面は頭部、背中部、腰部、脚
部とかなり身長方向に凹凸があり、このように凹
凸がある人間の背面にマツトレスを密着させるに
は、該マツトレスの長さ方向では弾性度が独立し
ていた方が好ましい。一方、マツトレスの巾方向
では弾性度は連動していた方が好ましい。その主
な理由は、マツトレスに沈み込んでいる人間がマ
ツトレス上で寝返りをうつ場合にはマツトレスの
巾方向に動くため、弾性度が巾方向に連動してい
た方が寝返りをうち易いからである。このように
人が横たわるマツトレスにおいては、、マツトレ
スの長さ方向（人の身長方向）では独立性をもつ
た弾性度をもつことが要請され、マツトレスの巾
方向（人の肩巾方向）では連動性をもつた弾性度
をもつことが要請される。

この点本実施例では、第１図に示したように、
第１弾性体２および第２弾性体３を、該第１弾性
体２および第２弾性体３の巾方向に多数個列設す
ることにより、マツトレスの長さ寸法（矢印Ａ方
向の寸法）を確保している。そのため、一枚の弾
性発泡体に切り込みを形成し、切り込みを広げて
形成した貫通孔にコイルスプリングを挿入した構
成の従来に比べて、マツトレスの長さ方向におい
てマツトレスの弾性度を独立させることが容易と
なる。又、本実施例では、第１図に示したように
第１弾性体２および第２弾性体３の長さ方向はマ
ツトレスの巾方向（矢印Ｂ方向）に対応してい
る。

故に本実施列では、マツトレスの巾方向の弾性
度の連動性を確保することができる。

（第２実施例） 第２実施例に係るマツトレスは、第４図に示さ
れている。このマツトレスは第１実施例に係るマ
ツトレスと基本的に同じ構成であり、同じ作用効
果を奏する。しかし、マツトレスのかなりの面積
にわたつて、第１弾性発泡体２と第２弾性発泡体
３とが交互に配列されており、第１弾性体２の両
側面と、第２弾性体３の両側面とは互いに合致し
て噛み合つている。

このようにした形態では、弾性発泡体１が厚み
方向に収縮した場合であつても、貫通孔６はあま
り座屈せず、従つて貫通孔６に挿通されているコ
イルスプリング７の座屈を極力抑制することがで
き、マツトレスのクツシヨン性を損わない。利点
が生じる。

勿論このような構成とした第２実施例において
も、マツトレスの巾方向（矢印Ｂ方向）の弾性度
は連動性をもち、マツトレスの長さ方向（矢印Ａ
方向）の弾性度は独立性をもつ。

［考案の効果］ 上記したような構成とした本考案に係るマツト
レスでは、両側面が第１弾性体の両側面と型対称
をなす第２弾性体と第１弾性体とをそれらの巾方
向に配列させた一の形態では、前述したように、
第１弾性体と第２弾性体とが連動しやすい。一
方、両側面が第１弾性体の両側面と軸対称をなす
第２弾性体と第１弾性体とをそれらの巾方向に配
列させた他の形態では、前述したように第１弾性
体と第２弾性体とは連動しにくい。故に一の形態
の部位の弾性度と、他の形態の部位の弾性度と
を、異ならせることができる。又、一の形態で
は、前述のごとく貫通孔に挿入されたコイルスプ
リングの座屈を抑制できるため、クツシヨン性の
確保に有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の第１実施例を示し、
第１図は１部を破断して示すマツトレスの要部の
斜視図であり、第２図は第１弾性体の斜視図であ
り、第３図は第１弾性体とこれと型対称をなす第
２弾性体とを合致させた状態の要部の斜視図であ
り、第４図は、第２実施例を示し、１部を破断し
て示す要部の斜視図である。 １は弾性発泡体、１０は弾性波帯、１１は弾性
波帯、２は第１弾性体、３は第２弾性体、５は外
装体をそれぞれ示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 厚さ方向にのびる多数の貫通孔をもち該貫通
   孔の少なくとも一部に挿入されたコイルスプリ
   ングを有する厚板状の弾性発泡体と、該弾性発
   泡体を被覆する外装体とからなるマツトレスに
   おいて、 該弾性発泡体は、 巾方向の両側面が軸対称的に波状となり、そ
   の巾が広狭広狭と連続し、広巾部に該貫通孔を
   もつ長尺状の第１弾性体と、 巾方向の両側面が該第１弾性体の両側面と型
   対称をなすか軸対称的であり、その巾が狭広狭
   広と連続し、広巾部に該貫通孔をもつ長尺状の
   第２弾性体とからなるとともに、 多数の該第１弾性体、該第２弾性体がそれら
   の巾方向に互いに接触して配列した状態で構成
   されていることを特徴とするマツトレス。 (2) 第１弾性体は、両側面が互いに型対称となる
   巾方向の厚さがほぼ一定の弾性波帯２枚で、互
   いに波上部を接触した状態で形成されており、 第２弾性体は該弾性波帯２枚で、該第１弾性
   体を構成する２枚の該弾性波帯と配列を逆方向
   にして構成されている実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のマツトレス。