JPH0240239Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は工場等において用いる部品台兼用の
踏み台に関するものである。

〔従来の技技術〕

従来、工場において用いる機械作業用の台、す
なわち、施盤作業、フライス盤作業、研磨作業等
において、加工物を見やすく、或は加工物の取付
け、取外しを容易にするために台が必要になる。
従来ではこのような台はそれぞれの機械に合せて
木等で作つている。また、一対のアームの中間部
を軸により回動自在に連結してＸ状となるように
した左右一組のアームの各一端を基台の一端両側
とその上方の昇降台の一端両側部に横軸によりそ
れぞれ回動自在に取付け、各アームの他端を連結
する横軸は基台と昇降台に設けた長孔に回動自在
に嵌合せしめて昇降自在としたものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のような木製等の台は高さが一定であり、
高さの調節ができないので、例えばコンベヤを利
用した流れ作業において、部品を載せる台として
高さが合つていないものを利用する場合、高さを
最適な高さに合わせることができないので、部品
の取出しの作業性が悪く、長時間作業となると、
作業者の疲労度も高くなるという問題がある。

また、高さを調整できる昇降台を有する台の場
合、高さを調節して固定する機構が複雑である等
の問題がある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案は昇
降台の長孔形成側端部から両側を囲むコ字形の係
止枠の両側部の端部を昇降台の両側部に軸により
回動自在に取付け、この係止枠の両側部には長孔
内に嵌合している軸を係止して昇降台の高さを決
める複数の切欠を設けたものである。

〔作用〕

この考案は上記の構成であるから、昇降台に取
付けた係止枠を上方へ回動した状態で昇降台を所
望の高さとしたのち係止枠を下げて、その下部の
何れかの切欠をアームの上端の横軸に係合させる
ことによつて、昇降台が任意の高さに固定され
る。

〔実施例〕 図において、１は基台、２は昇降台である。基
台１の両側に設けた上向縁３の一端には横軸４の
両端を回動自在に支持せしめ、前記上向縁３の内
側において、横軸４の両端近くに左右一対のアー
ム５の下端を固定する。

前記上向縁３の他端部には水平方向の長孔６を
それぞれ形成し、この長孔に横軸７の両端を遊嵌
し、上向縁３の内側において、前記横軸７の両端
近くには左右一対のアーム８の下端を固定する。
この左右のアーム８は第１図に示す補強枠９によ
り一体に結合している。

上記の各アーム５，８の中間部は横軸１０の両
端により回動自在に連結してＸ状とし、左右のア
ーム８の上端を連結する横軸１１はアーム５の外
側より突出させて、昇降台２の両側に設けた下向
縁１２の一端に回動自在に支承せしめる。

下向縁１２の他端部には水平方向の長孔１４を
設け、左右のアーム５の上端を連結する横軸１５
の両端を長孔１４に遊嵌する。

また、横軸１１，１５には引バネ１６の両端を
連結して昇降台２の自重とバネ１６の張力とをバ
ランスさせる。

１８は係止枠で、フラツトバーをコ字形に屈曲
してその両端を下向縁１２の両側部の一部に軸１
９により回動自在に取付けたもので、その両側部
の下縁に、横軸１５に係脱する複数の切欠２０が
形成してある。

２２は係止枠１８の中央に設けたネジ孔にねじ
込んだ固定ネジで、球形のハンドル２３を有し、
昇降台２の端部の下向縁２４の端部中央に設けた
係合孔２５に、固定ネジ２２の内端の突部２６が
嵌入する。

基台１の両側に設けた上向縁３の内側は、フラ
ツトバーからなる左右一対の支持部材２７を固定
し、最下位まで下つた昇降台２をこの支持部材２
７により支持する。

なお、昇降台２上には表面が凹凸となつたゴム
等の滑り止め材２８を貼り付ける。

上記の実施例において、第１図ないし、第２図
は昇降台２が一番上にあるときで、このとき係止
枠１８の最も軸９に近い切欠２０が横軸１５に係
合している。

また、固定ネジ２２の内端の突部２６が第４図
のように、昇降台２の係合孔２５に係合してい
る。

つぎに、ハンドル２３によつて固定ネジ２２を
弛め、その突部２６を係合孔２５から外し、係止
枠１８を上方へ回動して切欠２０を横軸１５から
外すと、昇降台２は下降可能となるから、任意の
高さに調節して横軸１５を任意の切欠２０に係合
させ、係止枠１８を固定ネジ２２により昇降台２
に固定することによつて任意の高さが得られる。

また、第３図のように昇降台２を最も低い高さ
にまで下げると昇降台２は各支持部材２７により
支持されるので、この状態では軸１９から最も離
れた切欠２０に横軸１５が係合する。この状態で
係止枠１８を固定ネジ２２により昇降台２に固定
すれば昇降台２は最も低い位置で安定した状態で
固定される。

〔効果〕

この考案は上記のように、Ｘ状にアームを組合
せて昇降台の高さを任意の高さになし得るもので
あるから、例えばコンベヤ作業の場合でもこれに
最適の作業性のよい高さに調節して使用すれば、
作業能率も向上し作業者の疲労度も著しく軽減さ
れるものである。

また、特にこの考案の場合、昇降台に係止枠を
回動自在に取付け、この係止枠の複数の切欠にア
ームの上端の摺動側の横軸の端部を係合させて昇
降枠の高さを調節するようにしてあるから、調節
後に昇降台がみだりに動くようなおそれがない。

なお、実施例のように基台上に複数の支持部材
を設けた場合は昇降台を最下位に下げたときに安
定するという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の踏み台の斜視図、第２図、
第３図は同上の各状態を示す縦断側面図、第４図
は固定ネジ取付け部の拡大縦断側面図である。 １……基台、２……昇降台、４，７，１０，１
１，１５……横軸、５，８……アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対のアームの中間部を横軸により回動自在に
   連結してＸ状となるようにした左右一組のアーム
   の各一端を基台の一端両側とその上方の昇降台の
   一端両側部に横軸によりそれぞれ回動自在に取付
   け、各アームの他端を連結する上下の横軸は基台
   と昇降台に設けた長孔に回動自在に嵌合せしめて
   昇降台を基台に対して昇降自在とした踏み台にお
   いて、昇降台の長孔形成側端部から両側を囲むコ
   字形の係止枠の両側部の端部を昇降台の両側部に
   軸により回動自在に取付け、この係止枠の両側部
   には長孔内に嵌合している軸を係止して昇降台の
   高さを決める複数の切欠を設けた踏み台。