JPH0237Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、草刈機に使用する可撓性を有する合
成樹脂製の切断用線部材の取付けに関するもので
ある。

従来の草刈機において、刈刃として用いる可撓
性を有する合成樹脂製の切断用線部材の種類およ
び取付け装置を第１７図、第１８図および第１９
図に示す。

第１７図に示すものは、回転体１９中にナイロ
ン糸などで代表される糸刈刃２０をボビン２１に
巻いた状態で収納しておき、芝刈り作業などによ
り摩耗した分だけ糸刈刃２０を引き出して使用す
るものである。この糸刈刃取付け装置は、回転体
１９が高速回転すると遠心力により糸刈刃２０が
飛び出してしまうため、これを防ぐのに糸刈刃２
０の飛び出し防止機構が必要となり、草刈機の構
成が複雑となり、さらに糸刈刃２０の引き出し固
定に手間がかかるとともに、使用しない糸刈刃２
０を回転させるため余分な動力を必要とする問題
がある。

第１８図に示すものは、回転体２２の直径方向
に貫通した糸刈刃収納穴２３を設け、回転体２２
の底面から糸刈刃収納穴２３に直交する糸刈刃抑
えネジ２４を設け、該糸刈刃抑えネジ２４の先端
で糸刈刃２５を固定するものである。この糸刈刃
取付け装置は、糸刈刃２５の取付けに際し、糸刈
刃抑えネジ２４の操作に手間がかかるとともにバ
ランスをとるための回転体２２の半径方向の位置
決めが困難である。

第１９図に示すものは、回転体２６に開設した
挿入口２７を設け、該挿入口２７と連通する導出
口２８を設け、糸刈刃３２は挿入口２７より挿入
し、導出口２８より引き出すものである。この場
合、糸刈刃３２が飛び出さないように、糸刈刃３
２の一端に金属製などのカシメ部２９と、抜け止
め部３０を備えているキヤツプ３１を設け、前記
カシメ部２９に糸刈刃３２の一端を挿入してカシ
メ、前記抜け止め部３０が回転体２６の挿入口２
７と係合して飛び出しを防いでいる。この糸刈刃
３２は、キヤツプ３１と糸刈刃３２より構成さ
れ、その結合がカシメによるため、結合状態が不
安定であるとともに、カシメ作業を必要とするた
めコスト高となつている。

本考案は、上記した従来技術の欠点をなくし、
糸刈刃の取替作業が簡単でしかも小動力で駆動で
き、バランス取り不用な糸刈刃取付け装置を低価
格で提供しようとするものである。

すなわち、本考案は、草刈機に用いられる可撓
性を有する合成樹脂製の切断用線部材を射出成形
などにより定形に成形し、かつ、切断用線部材が
可撓性を有する合成樹脂であるため弾性変形量の
範囲が大きい点と回転体に取付けて高速回転させ
た時、遠心力により切断用線部材の軸方向に張力
がかかる点に着目し、回転体に簡単に取付き、回
転体が高速で回転した時さらにしつかりと固定さ
れるよう切断用線部材と回転体の切断用線部材の
取付け部の関係を工夫したものである。

以下、本考案の実施例を適用した草刈機を、第
１図から第１１図に示す。

さお状のハンドル１の上端に二ツ割り方式のハ
ウジング(a)，(b)２，３を配し、該ハウジング(a)(b)
２，３内に電源としての蓄電池４、蓄電池を充電
するための充電器部５、起動停止用のスイツチ６
を内蔵している。一方、前記さお状のハンドル１
の下端には、二ツ割り方式のモータハウジング
(a)，(b)７，８を配し、該モータハウジング(a)，(b)
７，８内に原動機としてのモータ９を配し、前記
蓄電池４より前記さお状のハンドル１の中空穴１
０に配設されるコード１１により給電される。ま
た、前記モータ９に直結し駆動され回転する回転
体１２を配し、該回転体１２に可撓性を有する合
成樹脂製の切断用線部材１３を取付け、前記回転
体１２を前記蓄電池４、スイツチ６、コード１
１、モータ９などの係合により高速回転させ、前
記切断用線部材１３の周方向回転力によつて芝な
どを刈込むものである。

前記切断用線部材１３の一端に長穴部１４を形
成し、該長穴部１４の内側には凸状係止部１５を
２箇所形成している。一方、前記回転体１２の前
記切断用線部材１３の取付部を、前記切断用線部
材１３に形成されている長穴部１４および凸状係
止部１５が係合着脱し得るように中空部１７を成
形した中空凸部１６を形成している。

前記切断用線部材１３を前記回転体１２に取付
けるには、該回転体１２の中空凸部１６に前記切
断用線部材１３の長穴部１４を押し込むことによ
り、該長穴部１４が第９図に示すように弾性変形
して嵌挿され、該長穴部１４の内側に形成されて
いる凸状係止部１５が、前記回転体１２の中空凸
部１６の中空部１７と係合して抜け止めされる。
その後、前記切断用線部材１３の糸刈刃部３３を
前記回転体１２の直径方向に設けられている導出
口１８に挿通する。この過程を第９図から第１１
図に示しＥ＞Ｆ＞Ｇにより解説される。

一方、前記切断用線部材１３の取外しは、該切
断用線部材１３の糸刈刃部３３を前記導出口１８
より内側に引き出して、そのまま引張ることによ
り、前記切断用線部材１３の長穴部１４が弾性変
形して、前記回転体１２の中空凸部１６より離脱
できる。

なお、以上の実施例の切断用線部材１３の長穴
部１４の内側に２箇所形成している凸状係止部１
５は、第１２図から第１６図に示す構造とするこ
とも可能である。

以上のように本考案によれば、 (1) 切断用線部材１３を射出成形などにより定形
に成形したため、切断用線部材の長さを一定に
することができ、従つて切断用線部材の長さを
調節する必要がなく、バランス取り不要とする
ことができる。さらに定形であるため、小動力
で駆動することができる。

(2) 切断用線部材１３の一端に長穴部を設け、さ
らに凸状係止を設けて可撓性を有する合成樹脂
製で切断用線部材を成形したため、切断用線部
材の取付け、取外しがきわめて簡単に行なえる
とともに、簡単な構造で、かつ低価格で提供す
ることができる。さらに、回転中は遠心力によ
り切断用線部材の軸方向に張力が働くため、長
穴部が変形し中空凸部にしつかりと固定され飛
び出し防止することができる。

等の効果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を適用した草刈機の一
側面から見た外観側面図、第２図は第１図のＡ−
Ａ線断面図、第３図は切断用線部材の平面図、第
４図は第３図のＢ−Ｂ線拡大断面図、第５図は回
転体の斜視図、第６図は回転体の縦断側面図、第
７図は第６図のＣ−Ｃ線断面図、第８図は第６図
のＤ矢視図、第９図は第７図に切断用線部材を押
し込もうとしている拡大断面図、第１０図は第７
図に切断用線部材を取付けた状態の拡大断面図、
第１１図は第１０図の状態を高速回転させた場合
の取付け状態を示す拡大断面図、第１２図、第１
３図、第１４図、第１５図、第１６図は切断用線
部材の応用変形例を示す各々の外観図、第１７
図、第１８図、第１９図は各々従来の切断用線部
材とその取付装置を示す縦断側面図である。 図においては、１はハンドル、９はモータ、１
２は回転体、１３は切断用線部材、１４は長穴
部、１５は凸状係止部、１６は中空凸部、１７は
中空部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. さお状のハンドル１の先端に、モータ９によつ
   て駆動され回転する回転体１２に可撓性を有する
   合成樹脂性の切断用線部材１３を取付けて芝など
   を切断する草刈機において、前記切断用線部材１
   ３の一端に長穴部１４および該長穴部１４の内側
   に凸状係止部１５を形成するとともに、前記回転
   体１２の前記切断用線部材１３の取付け部を、前
   記回転体１２の下面から下方に突出しかつ前記切
   断用線部材１３の前記長穴部１４が嵌合可能な凸
   部１６となし、前記凸部１６は前記凸状係止部１
   ５が係合可能な中空部１７を有していることを特
   徴とする草刈機の刈刃取り付け装置。