JPH0237302Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は小型エンジンのフライホイールに関
する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来の小型エンジンのフライホイールは、第２
図に示すように、クランクシヤフト１にフライホ
イールクラツチ２の軸部外周にベアリング３を介
して嵌合されており、エンジンの低回転域ではフ
ライホイール４に回転を伝達し、高回転域では回
転の伝達を断つようになつている。そしてこのク
ラツチ２に隣接してプライマリドライブギヤ５が
嵌合され、これらはクランクシヤフト１の軸端に
螺挿されるボルト６により抜止めされている。７
はクランクシヤフト１を軸承するメインジヤーナ
ル、８はハウジングである。

しかして上記クラツチ２とプライマリドライブ
ギヤ５はクランクシヤフト１と一体に回転する必
要があるため、これらはクランクシヤフト１に対
しインボリユートあるいは角形のスプライン９，
１０を介して一体回転するよう連結する構成とな
つている。そのため、クランクシヤフト１の剛性
は、スプライン９，１０を設けるがために該スプ
ラインの外径と同径の丸棒に比して著しく小さい
ものとなる。またフライホイール４、クラツチ
２、およびベアリング３がプライマリドライブギ
ヤ５の反対側（図において右側）に配置した場合
には、ハウジング８に当接しないよう小さくする
必要があり、そのため慣性能率を同じくするため
にはフライホイール４の横幅を大きくしなければ
ならない。

〔考案の目的〕

この考案は上記従来技術の欠点に着目し、これ
を改善することを目的とするもので、クランクシ
ヤフトの剛性をそこなわず、フライホイールの慣
性能率を大きくすることのできる小型エンジンの
フライホイールを提供するものである。

〔考案の概要〕

上記目的を達成するため、この考案において
は、クランクシヤフトにプライマリドライブギヤ
をキーまたはスプラインを介して一体回転するよ
うに嵌合し、このプライマリドライブギヤとクラ
ンクシヤフトを軸承するメインジヤーナルとの間
のクランクシヤフトにクラツチおよびこのクラツ
チにより回転が断続されるフライホイールを軸承
し、前記クランクシヤフトに軸装されるクラツチ
の嵌合ボス部端面と前記プライマリドライブギヤ
の側面とをドツグにより連結してプライマリドラ
イブギヤからクラツチに回転が伝達されるように
したことを特徴とするものである。

〔考案の実施例〕

以下この考案を第１図により第２図と対応する
部材には同一符号を付して説明する。

クランクシヤフト１にプライマリドライブギヤ
５を直接キーまたはスプライン９により一体回転
するよう連結し、上記プライマリドライブギヤ５
とクランクシヤフト１を軸承するメインジヤーナ
ル７との間にクラツチ２およびこのクラツチ２に
より回転が断続されるフライホイール４が設けら
れる。フライホイール４はベアリング３を介して
クラツチ２に回転自在に支持される。

一方、クラツチ２は遠心錘を支持するデイスク
状のドライブプレート２ａとクランクシヤフト１
に軸装される嵌合ボス２ｂとを一体に備え、この
嵌合ボス部端面とこの端面に隣接するプライマリ
ドライブギヤ５の側面とをドツグ１１により結合
し、クラツチ２とプライマリドライブギヤ５とが
一体に回転するように構成されている。

したがつてクランクシヤフト１の回転は、キー
またはスプライン９を介してプライマリドライブ
ギヤ５に伝達され、このギヤ５からドツグ１１を
介してクラツチ２に伝達される。その結果、クラ
ツチ２が嵌合する部分のクランクシヤフト１の外
径が大きくなり、クランクシヤフト１の剛性が大
きくなり、フライホイール４を含むクラツチ２部
分がメインジヤーナル７とプライマリドライブギ
ヤ５との間に位置させることができるのでフライ
ホイール４の外径を大きくでき、慣性能率が大き
くなる。

〔考案の効果〕

以上のようにこの考案は、クランクシヤフトに
プライマリドライブギヤをキーまたはスプライン
を介して一体回転するように嵌合し、このプライ
マリドライブギヤとクランクシヤフトを軸承する
メインジヤーナルとの間のクランクシヤフトにク
ラツチおよびこのクラツチにより回転が断続され
るフライホイールを軸承し、この前記クランクシ
ヤフトに軸装されたクラツチの嵌合ボス部端面と
プライマリドライブギヤの側面とをドツグにより
連結してプライマリドライブギヤからクラツチに
回転が伝達されるようにしたので、嵌合ボス部の
軸方向の剛性が大きく、かつこの嵌合ボス部に締
付軸力が直接加わるのでドツグによる連結は、簡
単な構造で高い連結強度が得られる一方、クラツ
チ部分が嵌合するクランクシヤフトの軸断面積が
減少することがなく、クランクシヤフトの剛性を
大きくすることができるとともにクラツチ、フラ
イホイール等をメインジヤーナルとプライマリド
ライブギヤとの間に設けることができるのでフラ
イホイールの外径を大きくすることができ、慣性
能率を大きくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図は従来技術を示す断面図である。 １……クランクシヤフト、２……フライホイー
ルクラツチ、４……フライホイール、５……プラ
イマリドライブギヤ、７……メインジヤーナル、
８……ハウジング、９，１０……スプライン、１
１……ドツグ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランクシヤフトにプライマリドライブギヤを
   キーまたはスプラインを介して一体回転するよう
   に嵌合し、このプライマリドライブギヤとクラン
   クシヤフトを軸承するメインジヤーナルとの間の
   クランクシヤフトにクラツチおよびこのクラツチ
   により回転が断続されるフライホイールを軸承
   し、前記クランクシヤフトに軸装されたクラツチ
   の嵌合ボス部端面と前記プライマリドライブギヤ
   の側面とをドツグにより連結してプライマリドラ
   イブギヤからクラツチに回転が伝達されるように
   したことを特徴とする小型エンジンのフライホイ
   ール。